共に流れた時の先で   作:鶴(鳳凰)

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独自解釈増し増し、独自設定増し増しなので苦手な方はブラウザバックお願いします。

『共に流れた時の先で』『紡ぎ、繋がれ』『いつかの続きを』からの続き物となっております。

対戦よろしくお願いします。


日々は流れる

 ピピピピッ

 

 目覚ましの鳴る音と共に起床し、音を止めてベッドから起き上がる。

 いい朝ね。寝付きが改善されてからはスッキリ起きれるようになったわ。

 朝ごはんを作りましょう。

 目玉焼きと、トーストでいいかしら。野菜は……。

 

「来なさい」

 

 パンパンッと手を叩き、手下を一人呼ぶ。その手下が持っている──どこから取り出しているのか分からないけど、味はそれなりな──トマトを取り上げ、切り分けてレタスと合わせて盛り付ける。

 焼き終えたトーストの上に目玉焼きを乗せ、コーヒーを淹れれば朝食の完成。

 街に散らばる手下からの耳打ち報告に耳を傾けながら新聞を読み、朝食を食べる。

 まどかも起きてお母様を起こしに行ったようね。これからもまどかの平穏な日々を維持しないと。

 まばゆは……まだ寝てるのかしら。遅刻や欠席がかさんで補習なんてことにならなければいいけれど。

 新聞には目に着くようなニュースは無いわね。俳優のスキャンダルとか、誰かの不祥事だとか、目玉焼きの固さだとか、マヤ文明がどうこうとかに興味はないわ。

 食べ終わった食器を片付けて、登校の準備をしましょう。

 

「いってきます」

 

 


 

ジリリリリリ

 

 けたたましく鳴る目覚ましが私から安眠を奪い取る。まだ寝ていたい。

 魔獣ってほんとなんなんですかあれ。見た目を変えてきたり精神攻撃だったり、大量に押し寄せることもあれば、昨日なんか巨大化しましたよ。そんな宇宙ゴキブリじゃないんですから。武器は魔法ハサミじゃなくてレーザー銃を所望します。坊やにはお似合いなちびっこいのではなく、大きくてカッコイイやつでお願いします。

 

 そんなこんなでちょっと疲れ気味のまばゆちゃんです。最近は映画を観る気力すらなく戻ってシャワーを浴びたらベッドにドボン! 数秒後にはスヤスヤな日々で。いつだか佐倉さんが言っていましたが、やはり魔法少女と勉学を両立させるのは不可能なのでは? 

 特に昨日なんかは帰ってきてから────

 

「はうあ!」

 

 そうでした! 今日は皆さんと! 

 ドタバタと着替えて部屋を出て、キッチンへ向かいます! 大丈夫、まだ時間は少しある! はず! 

 

「あ、まばゆちゃんおはよう。頑張って早起きしようとしたみたいだけどちょーっと遅かったわね」

「おはようございますぅ……まだなにか残ってたりとかは?」

「主食のおにぎり!」

「握るだけ……」

「お米は今冷ましてるから、先に身支度整えちゃいなさい」

「はーい」

 

 ううぅ……朝に弱い自分が恨めしい……。

 なんて言っていても仕方ありません。逆に考えましょう。皆さんに私が作った出来の悪いものを渡すより、咲笑さん作った美味しいものを食べていただく方が絶対にいいと! 

 

「……言ってて泣けてきました。咲笑さんに家事も習うことにしましょうかね……」

 

 おにぎり握って、朝ご飯を食べたら登校しましょう。登校だるいなぁ……。

 

 

「いってきまーす」

「いってらっしゃいまばゆちゃん。そして私もいってきまーす!」

 

 咲笑さんは朝も元気ですね。

 

 


 

 通学路。

 瞬間移動でもいいと思っていたのだけれど、無駄に使う必要も無いもの。歩ける余裕があるうちは歩いて移動しましょう。

 

 あれは……まどかね。美樹さやかと志筑仁美を待っているのかしら。手を振ってくれたわ。振り返しておきましょう。

 合流した美樹さやかに凄く睨まれたわ。手下に命令して足元にバナナの皮を置いてあげるわ。盛大に転びなさい美樹さやか。

 

「なんでこんなとこにバナナの皮? 誰かがコケる前に捨てとこ。ゴミ箱ゴミ箱〜っと」

 

 …………。まるで私がポイ捨てしたみたいじゃない。

 

 ピロン

 

 と携帯の鳴る音。

 

「メールね、まばゆから……」

 

 ──今日のお昼はマミさん達が魔法少女会議を開くそうなのでそちらに参加します──ね。

 

「──了解──送信」

 

 

 


 

 通学路。

 毎朝毎朝、皆さん元気良すぎですよね。日々の登校は酷なのでもっと楽に登校したいものです。

 楽といえばほむらさんの瞬間移動ですけど、あれってどんな原理で飛んでいるんでしょうか。

 瞬間移動といっても、超スピードや座標の移動モノだったり、以前のように時間停止をそれっぽく見せることもあったりと多種多様ですからね。

 どこでもドアなのか、はたまたクイックシルバーなのか。

 

「あ、そうだ」

 

 一応昼休みのことをほむらさんにメールしておきましょう。

 

「えっと、──今日のお昼はマミさん達が魔法少女会議を開くそうなのでそちらに参加します。──っと」

 

 ピロン

 

 おぉ、すぐ返ってきましたね。了解とのことです。

 テレパシーを使うことがほとんどではありますが、メールにはメールの良さがありますよね。

 なんというかこう──

 

「友達みたいで……にひひ」

 

 

 


 

 お昼休み。

 まばゆは巴マミ達と魔法少女会議があるからということで今日は一人よ。

 

 と思っていたのだけど、何故か目の前にはまどかが居るわ。

 

「えっと、一緒にご飯食べてもいいかな、ほむらちゃん」

「ええ、構わないわ」

「ありがとう、さやかちゃんは杏子ちゃんと三年の先輩のところ行っちゃったし、仁美ちゃんは上条君とだから、私一人になっちゃって」

 

 まどかも連れていきなさいよ美樹さやか。

 いえ、魔法少女に近付かなくてよかったわ。連れて行かなくて正解よ美樹さやか。後で飴をあげるわ。

 

 


 

 お昼休みです。

 今日はマミさん達と魔法少女会議がという名のお弁当交換会があるので、そちらに参加します。

 普段はコンビニのパンやらを買いがちですが、お弁当交換会となれば私だってお弁当くらい作ります。

 まぁ、昨夜魔獣退治から帰ってからコソコソと準備していたところを咲笑さんに見つかってしまい、挙句若干の寝坊をした私のお弁当の中身はほぼ全て咲笑さん特製な訳ですが。

 私が作ったの、おにぎりだけなのですが。

 

 そんな私のお弁当は皆さん、主に佐倉さんから大好評でした。

 

 

 


 

 放課後。

 

「美樹さやか」

「なによ」

「飴をあげるわ」

「はぁ? なに急に、なんか入ってる?」

「失礼ね。いらないなら佐倉杏子にあげればいいわ」

「まぁくれるってんなら病気以外はなんでも貰っちゃいますよ、さやかちゃんは」

 

 私から受け取った飴を、疑ってた割には躊躇なく口に放り込んだわね。

 

「んー、めちゃウマ! あんたコレどこで買ったの?」

「街の駄菓子屋」

「駄菓子屋! とてもリーズナブルなお値段でこんな美味しいものが売っていたとは、今度杏子と大人買いに……」

「程々にしておきなさい」

「ちぇー、じゃあまたね悪魔」

 

 走り去って行ったわ。この後はまどかと志筑仁美と共に下校して、どこか寄り道したりするのかしら。

 そして夜には巴マミ達と魔獣退治のパトロール。

 

 まばゆはどうしているのかしら。今日一日通して直接顔を見ていないから会いに行きましょうか。

 

 


 

 放課後です。

 先日のテストでは、ほむらさんのおかげで赤点を回避できたので補習等はありません。

 

「……後輩に勉強教えてもらうって、どんだけですか私」

 

 などとツッコミしたところで、学力が上がるわけもありませんし、勤勉なほむらさんはループ中にもしっかりお勉強していたようで、中学生の範囲内なら問題ないと言っていましたからね。実質先輩のようなものです。

 

 今日はレコンパンスでお手伝いの後、帰る振りしてマミさん達と合流点して魔獣退治の予定となってます。

 魔獣、数が多い時もあって非常に面倒くさいんですよね。そのくせグリーフキューブは魔女が落すグリーフシードよりも浄化量が少ないですし。

 

 


 

 レコンパンス。

 

「いらっしゃいま……」

「こんにちは、まばゆ」

「ほ、ほむらさん、どうしたんですか?」

「あら、ケーキ屋さんに来るなら用は決まっているでしょう?」

「そうですよね、ご注文は?」

「あなた」

「ひゃぃ……か、からかわないでください!」

「からかってないわ。あなたを見に来たのも用事の内だもの」

「ご、ご注文を!」

「ふふ、じゃあティラミスとカフェマキアート。絵はエイミーでお願いするわ」

「かしこまりました、少々お待ちを……」

 

 足早に厨房の方へ行ってしまったわ。いつもなら咲笑さんにそのまま注文を通すのに。

 

 待つ事数分。

 

「は〜い、お待ちどおさま〜」

「咲笑さん」

 

 咲笑さんがティラミスとカフェマキアートを運んできたわ。まばゆじゃないのね。

 

「まばゆちゃんは厨房の方で亀になってるわ。店員さんを口説くのはやめてね?」

「そうですね、今度からはオフの時に」

「それなら良し! まばゆちゃんはまだ終わらないけど、待つ?」

「いえ、今日は顔を見に来るついでに寄らせてもらっただけなので」

「あら、私のケーキはまばゆちゃんのついで?」

「あ、いえ、その……」

「ふふ、冗談よ。それはそれとして、今度来る時までに私のケーキがメインになるような、とびきり美味しいのを用意しておくわね!」

「はい、ありがとうございます」

「では、ごゆっくりどうぞ〜」

 

 ん。ティラミス美味しい。さすが咲笑さんね。

 まばゆが描いてくれたマキアートも、とてもよくできているわ。可愛らしいエイミー。

 元々はとても下手だったらしいけれど、数を重ねていくうちに上手になったのだとか。

 それでも咲笑さんには敵わないというのだから、咲笑さんは一体どれだけの年月をかけて修行したのかしらね。

 

「とても美味しかったわ、ご馳走様」

 

 奥にいるまばゆにも聞こえるように。

 

「は、はい。またのお越しを」

「またのお越しをお待ちしてま〜す」

 

 

 


 

 

 夜。

 

 魔獣、多すぎ。

 

「ぎぃやあああああ!!!」

 

 多い多い多い! 辺り一面魔獣だらけ! 倒しても倒しても湧いてきます! 

 切っても切っても埒が明かないからもう両手にハサミ持って振り回しながら魔獣と魔獣の隙間を縫って走ってます。

 

「マミさぁん! 急いで援護をぉ!」

「駄目、こっちも囲まれてて手が離せないの! 佐倉さん!」

「マミが手ェ空いてないのにアタシが空いてる訳無いだろ!」

「あたしも手一杯です!」

「そんなぁ!!」

 

 ヤバいヤバい! こんな数、私一人で捌くなんて無理ですよ! 今だってこうやって逃げるので──

 

「あ()!」

 

 こ、転けた……。

 急いで身体を起こせば、既に私の周りは魔獣で溢れ、囲まれていた。

 

「い、いや……来ないで……いや、いやぁああ!」

「まばゆさん! 今──」

 

 マミさんが銃を撃つより早く、佐倉さんが槍を振るうより早く、美樹さんが剣を投げるよりも早く、魔獣の手が私を切り裂く────

 

 

 

 

 それよりも早く世界が切り替わった。

 まるで宇宙のような、何も無く、全てが有る場所。

 時間が止まったかのように、その場の全てが動けずにいた。

 魔獣も、マミさんも、佐倉さんも、美樹さんも、私も。

 実際に時間が止まった訳じゃない。魔獣も、魔法少女も。この場の全員が、乱入者の放つ重く濃い魔力にあてられて、動けないんだ。

 

 自分の身を守るように縮こまっていた私は、この状況を作り出した人に抱き寄せられた。

 

 全てを思い出したあの日に見た、悪魔の姿をしたほむらさん。

 ほむらさんの背中から生えている翼が、私を護るように私の身体を包んでいる。

 ほむらさんが、私を抱えていない空いている方の手を伸ばし、何も無い空間を捏ねるように手を動かす。

 すると、周囲全ての魔獣が一箇所に集められ、纏まり、圧縮されていく。

 ほむらさんは圧縮された魔獣の方へ手を向けると、何かを握り潰すように手を握った。

 その瞬間、圧縮されていた魔獣が全て爆散し、グリーフキューブが弾け飛ぶ。

 ほむらさんの結界もなくなり、元の場所に戻ってきた。

 戻ってきたにも関わらず、私はほむらさんに抱き寄せられたまま。

 

「あ、あの──」

 

 もう大丈夫と言おうとほむらさんの顔を見たら、当のほむらさんは私以外の魔法少女に目を向けていた。

 冷たい目。例えるなら、期待を下回った駄作映画を見る目よりも遥かに冷めた目。

 たまらず声をかけるよりも早く、またも世界が切り替わる。

 今度はほむらさんの結界ではなく、見慣れた私の部屋でした。

 ほむらさんも元の制服に戻っていますね。私も戻りましょう。

 

「怪我はない?」

「へ? あ、えっと、はい、擦り傷とかそんなのばっかりです」

「そう。良かった……」

「あ、あの、もう離してくれてもいいです……よ?」

 

 戻ってきてからもずっと抱かれたまま……というか、抱きつかれています。いい加減沸騰しそうなので離して欲しいです、早急に。

 

「いや」

「嫌って……」

「なぜ、未来視をしておかなかったの?」

「そ、それをなぜ」

「答えて」

「はい! しようとした時に間が悪くすぐ近くに魔獣が現れて未来視できませんでした! 想像より数が多くて分断されてしまいあのような事になってしまいました!」

 

 事の顛末を説明してもほむらさんが離してくれる感じがありません。

 ほむらさんは黙ったまま、私にさらに体重を預けてきて、耐えられなくなった私はそのままベッドに押し倒されてしまいました。

 

「あ、あの、ほむらさん?」

「もし、あなたが死んでしまっても、私はもう時間を巻き戻せないの」

「……はい」

 

 それは、わかっています。

 もう、次の周は無い。

 死んでしまったら、二度と目覚めることは無い。

 もっと慎重に、最善をえらぶべきだった。マミさんを引き止めて未来視をしておけばよかった。

 それをしなかったのは、甘く見ていたから。

 マミさんも、美樹さんも、佐倉さんも一緒だから問題ないと。

 何事もなく魔獣退治を終えられると、タカをくくっていたから。

 

 その結果、さっき、死にかけました。

 ほむらさんが一瞬でも遅れていたら、魔獣が私をソウルジェムごと引き裂いていたでしょう。

 

「もう少し、慎重に行動して」

「……すみません」

 

 私の安易な考えで、ほむらさんを怒らせてしまった。

 

「怒っているわけじゃないわ」

「やっぱり心を読んでます!?」

「目を見ればわかるわ。ただ、あなたを心配していただけ」

「……にひひ」

 

 ほむらさんから直球で言われると、なんだか照れちゃいますね。

 

「もしあなたがいなくなったら、私はこの世界から姿を隠すかもしれないわよ」

「な、そんなことしたら、鹿目さんが!」

「まどかが魔法少女にならないよう干渉すればいいだけだもの、むしろ姿を隠していた方が都合がいいかもしれないわね」

「で、でもそれは!」

「ええ、私としても本意ではないし、あなたの想いも否定することになる。だからあなたが私といる限りは、私も同じように生活し、まどかともある程度の交友関係を築くつもり」

「ある程度……ほむらさんと鹿目さんは最高の友達……」

「私にとってはそうでも、今のあの子にとっては違うの」

「でも──」

「それは私が一番よく分かっている。だからもう、何も言わないで、傍に居て」

「……いいん、ですか?」

 

 返事とばかりに、私を抱きしめるほむらさんの力が強くなる。

 

 そうしてようやく、私はほむらさんの背中へと手を回すことができた。

 

 

 


 

 

ジリッ

 

 目覚ましの鳴る音と共に起床し、音を止めて一時間後に再設定。

 布団を出て、服を着替える。

 部屋を出て、キッチンへ。

 

 トーストの焼ける匂い。家主はもう朝食の準備をしているようね。手伝いましょう。

 

「おはようございます」

「おはようほむらちゃん、今日も早いわね〜」

「お世話になってますから、これくらいは」

 

 一応、咲笑さんが帰ってきた後、ご挨拶したら宿泊の許可を貰えたわ。

 それほどの頻度でもないけれど、たまにまばゆの部屋に泊まらせて貰うことがあるから、二つ返事だったわね。

 なぎさの時もそうだったけど、咲笑さんみたいな人を器が大きいと言うのかしら。それとも懐が深い? 

 

「助かるわ〜、お家のことなんでもできるんだもの」

「一人暮らしですから」

「たまにじゃなくて毎日居てくれてもいいのよ? まばゆちゃんも喜ぶわ」

「毎日はご迷惑になりますから」

「気にしなくていいのよ? あ、そうだ! 交換条件としてレコンパンスのお手伝いをするっていうのはどう? ほむらちゃんも制服似合うと思うの!」

「考えておきますね」

「期待、してるわね!」

 

 レコンパンスのお手伝い……懐かしいわね。あの時はまどかと、なぎさがいて……ああ、あの時も交換条件でお手伝いをしたんだったわね。

 咲笑さんもお人好しね。まばゆは親族だからともかく、無関係のなぎさや、私にまで世話を焼こうとするなんて。

 

「よし! 朝ごはんの準備完了! じゃあほむらちゃん、私はもう出るから後はよろしくね」

「ありがとうございます、咲笑さん」

「ノンノン、ここは「いってらっしゃい」って言うのよ」

「──い、いってらっしゃい」

「は〜い、いってきま〜す!」

 

 ──敵わないわね。さて、まばゆを待ちましょうか。

 まどかやまどかのお母様もそうだったけど、私って押してくるタイプの人に弱いのかしら。

 

 


 

 

ジリリリリリ

 

 けたたましく鳴る目覚ましが、私から安眠を奪い取る。まだ寝ていたい。何となく身体に倦怠感、疲労感が残っているというか……この疲労感と、そしてその中にある多幸感とともにずっと眠っていたい。

 ああ、今日平日……学校じゃないですか。でもまだ眠いです……出席日数どうでしたっけ。今日の時間割りとか思い出せませんが、まだギリギリな教科はなかったはず。後で調整しましょう。それでは──

 

「おやすみなさい」

 

ジリリリリリ

 

 もう鳴らなくて良いんですよ。頑張らなくていいんです。あなたはとても頑張りました。きっと今まで、幾多の私を起こしてきてくれたのでしょう。今日くらいはサボってもバチは当たりませんよ。

 

「朝よ、まばゆ」

「ひゃい! おはようございます!」

「ええ、おはよう」

 

 そういえば昨日はほむらさんが泊まっていたんでした。

 なんという……だらしない所を……今更でした。

 おぉ、美少女の制服+エプロン姿。眼福です。

 

「咲笑さんが朝ごはんを用意してくれたわ。着替えたら来てちょうだい」

「わかりました」

 

 ササっと着替えて朝ご飯をいただきましょう。

 メニューはトーストに、ソーセージ、ポーチドエッグ、サラダ、コーンスープ……豪華すぎません!? 咲笑さん張り切りすぎでは!? いつもはフレンチトースト二切れとかサンドウィッチとかそんな感じじゃないですか! 

 

「なに呆けてるの? 遅刻するわよ」

「あ、はい。すみません」

 

 では、手を合わせて。

 

「「いただきます」」

 

 美味(んま)ぁ……やはりすごく張り切ってますね咲笑さん。ほむらさんが泊っていったから? まぁいいですけど。

 

「「ごちそうさまでした」」

「片づけるからお皿を纏めて頂戴」

「あ、手伝います」

 

 というか、むしろ私が率先してお皿洗いするべきなのでは? やはり咲笑さんから家事手伝いの手ほどきを受け心得まで習得する必要がありますね。このままではほむらさんの手によってダメ人間にされてしまう気がします。

 片付けが終わったら、お互いに身支度を整えて、一緒に家を出て学校へ向かうことにしました。

 お泊りは大体、翌日が休日の日だったので、一緒に登校するのも初めてですね。途中で合流したりはたまにありましたけど。

 

「いってきまーす」

「……いってきます」

「? どうかしましたか?」

「その、誰かに『いってらっしゃい』と言ったのも、誰かが『いってきます』を聞いてくれたのも、ずいぶんと久しぶりだったから……」

 

 あぁ、一人暮らしですもんね。それに、病気が治る前までは入院しがちだったと聞きましたし……。

 

「わ、私でよければ、いくらでも聞きますので!」

「ふふ……えぇ。ありがとう、まばゆ」

「は、はい!」

 

 

 

 いつまでも、あなたと同じ時間を過ごしたい。

 例え誰かがあなたを否定し、誰かがあなたを憐れんだとしても。あなたを想う私の気持ちは、きっと誰にも変えられないものだから。

 

 

 




以下後書きです。

特に書くようなことはありません。ほむばゆをください。
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