ゾンビガンマンのプレイ日記   作:更川有希

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「骸骨魔術師のプレイ日記」が面白過ぎたので初投稿です。
原作者並びに作品に対する敬意はもって書くつもりです。


第1話

 諸事情は特に無いが、俺は転生した人間だ。

 当然ながら俺は一度死んだ。死んだ理由は…まぁ社会が悪いな。俺が生きていく理由よりも、死んだ後にある「何か」を信じた方が俺自身が幸せになれると思ったからだ。

 

まぁ、そんなありふれた語りはどうでもいい。

 

 残念ながら、俺が生まれた世界はこの世の全てを置いてきた海賊の王がいる世界でも、忍者改めNINJAがいる世界でもない。街を守る死神はいないし、胸に孔が空いた人の形をした化物がいる訳でもなかった。

 

 俺が生まれた世界は近未来での日本ではあったため、頭につける変なヘルメットみたいな装置でするVRゲームが発売されたのかというと…実際のところはした。したんだが…ゲームの開発者がログインしていた人間をゲームの中に閉じ込めてデスゲームをするような事態は引き起こされなかった。

 

 案外、この世界は元々俺がいた世界の未来なのかもしれない。

俺はこの世界でもう大学二年生だ。これからある未来へ向かってひた走り、そして、それで順当にもう一度人生を楽しんでくれという神からの意思かと──、そう思っていた。

 

 それが違うと確信したのは、Free Species World』。通称、『FSW』と呼ばれるゲームが発売されると発表された時だ。ネットではこのゲームら正直埋もれているのだが、ある一点、俺は気になる点がある。『人型以外の種族になれる』という煽り文句を見た瞬間に俺は思い出した。生前、とあるサイトで読んだ小説を。

 

 

 この世界、「骸骨魔術師のプレイ日記」の世界線だ。

 

 

 

 そうと決まれば話は早い。早いというか、早くした方がいい。何故なら、俺はこのゲームの予約なんかしてなかったからだ。

俺は急いで車に乗り込み、(今生の俺は実家がクソ太いので買ってもらった)近所にある電気屋を巡り、どうにか『FSW』を予約購入することに成功した。

 

 

 原作に存在しない俺が登場するのは、原作ブレイクになるかもしれないが、いやなるんだろうが─。キャラクター、もといソレを動かしている人を悲しませるようなことは、絶対にしないことを誓おう。

 

 

 さて、予約してから半年という期間を経たものの、体感ではあっという間に発売された。

俺は初めてすることになるVRゲームに心を踊らせながら、大学から帰宅した。

 

 

 そして夕食を食べ、水分補給をしたところで…。

 

 

 俺はヘルメット型のデバイスを装着し(この世界が何が元ネタなのかを調べていた時に購入した)電源を入れる。そして脳内と視覚がリンクされ、網膜ディスプレイに浮かび上がった『Free Species World』のアイコンを視点によって起動した。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 俺は体全体に生じる「浮く」感覚に背筋がゾクッとしながら、宇宙空間のような場所にいた。手足を見れば、まだ俺は俺のままだ。紺色のパジャマに着替えた俺の体そのものだ。

 

 

「貴方様」

 

 

 俺は後ろに振り向くと、美人な…原作的に言うと女神がいた。

 

 主人公であるイザームが出会った女神とは違うみたいだ。俺の女神様は…なんか髪の色がステンドグラスみたいにキラキラしてる。現実には存在し得ない髪色だし、すっごい長いけど、違和感は無いし、何より美しかった。

あと、女神様ヒラヒラでスケスケのネグリジェっぽい服だ。色は白と黒のツートン。脇の下の切れ込みとかめっちゃえっちで可愛い。

 

 あとちんまい。全体的に。それが最高に可愛い。イカ腹だしちっちゃ過ぎてちょっと体全体がむちっとしてるがそこもいい。身長100cmくらいしかないんじゃないか?

 

 女神様は綺麗めでツリ目なお顔をしてらっしゃるが、どこか懐かしさを感じる。俺の好みに火の玉ストレートだ。

 

 

「私の名はウロミア。女神。所謂総合管理AI。貴方様を導くもの。貴方様には、これからキャラクタークリエイトを行ってもらう。」

 

 

 舌っ足らずだけど聞きやすい高音の声。いいねえ。

 単語ごとで区切って喋るの可愛いなぁ。ちっちゃいのに頑張って女神の威厳を出そうとしてるのが愛おしい。

 

 

「まずは、キャラクターネーム、種族、職業を一つずつ。そして能力スキルを十個選んで」

 

 

 ウロミア様が言い終わると同時に、目の前に半透明なウインドウが浮かび上がった。何の変哲のない俺がウインドウに映っている。

 

 

「デフォルトだと、種族が『人族』。職業が『見習い戦士』。ここでは、貴方様のアバターの外見を変更可能。私はここにずっといる。なので時間をかけてもいい。質問は受け付ける」

 

 

 うーむ…実は、このゲームを予約してからというもの、結構悩んだ。原作は大体200話くらいまで追っていたが、原作に登場するキャラクターとして被っていたらどうしようと考えていた。変えるべきなのかと。

 

 そもそも、俺は人外種族で始める予定ではあった。あと、せっかくならイザーム達と関わってみたい。それで、友達になってみたい。

 

 

 俺はプレイの方針をイザーム君がイーファ様にしていたように、ウロミア様に相談してみるのもいいかもしれないと考えていた。しようかな。してみよう。

 

 

 実はかくかくしかじかで…。自分の中でもプレイの方針は大体決まってるんですけど、これってどうですかね?

 

 

「なら、種族は『動く死体』で確定。で良いと思う。種族は…見習い射撃兵。かな。私はそれでいいと思うけど。貴方様はどう思う?」

 

 

 やっぱりそうですか。

 

 

「『ゾンビガンマン』…いいと思う。カッコいい。私のオススメのスキルは、【拳銃】【剣術】【言語学】【魔工学】【反動低減】。あとの一つは、自分で選んで。」

 

 

 カッコいい!だよねぇ~。やっぱ人外やるならロマン構成に振っちゃうのが個人的に感じるいいと思うんだよねえ。

 

 んー、選べるスキルだけど、【鑑定】にしよう。主人公もそうしてたしな。

 

 

 

 一応聞いておくけど、スキル10個なのに今6つしか選んでないのは俺の種族か職業が関係してるよね?

 

 

 

「察しが良い。助かる。理由としては【暗視】、【状態異常半減】、【光属性脆弱】、【火属性脆弱】が種族スキルで埋まってるから。でも、【脆弱】スキルもレベルアップによって脆弱性は減少させることが出来る。最終的には耐性を得ることも可能。

では、ステータスに反映させる。あ。名前は決めないとね」

 

 

 そうして、俺はステータスを完成させた。

 

 

 

――――――――――

 

 

名前:ウェルロッド

 

種族:動く死体 Lv0

 

職業:見習い射撃兵 Lv0

 

能力

 

   【拳銃】Lv0

 

   【剣術】 Lv0

 

   【言語学】 Lv0

 

   【魔工学】 Lv0

 

   【反動低減】 Lv0

 

   【鑑定】 Lv0

 

   【暗視】 Lv-

 

   【状態異常半減】 Lv5

 

   【光属性脆弱】 Lv10

 

   【火属性脆弱】 Lv10

 

 

――――――――――

 

 

 

 このゲームを始めて一番最初の攻撃手段は剣術による接近戦になるだろう。まぁ、それもこれも銃を手に入れるまでの辛抱なんだけどな。もっと言えば、銃を手に入れてから初めて俺の剣術が華開くと言っても過言じゃないんだが、ムホホ。

 

 俺のキャラクターネームの由来は…前世でやっていた銃が美少女化されたとあるソシャゲで好きだった子の名前に借りた。

 

 

 俺はウインドウに表示されたアバターの姿を見ると、中々にいい出来じゃないかと感心した。

 

 俺のアバターは髪が長めの灰色で、穴だらけの迷彩柄のような上着とズボン、腰にポーチ、ボロっちいブーツと手袋。体型は割りと身長高めの細型。

 

 旅立ちにしては中々しまってるじゃないか。

 

 

「ちなみに、種族が人間じゃないからチュートリアルは受け入れられない。でも、大きなステンドグラスがある部屋の前で『頭上注意』と唱えると、良いことが起こる」

 

 

 だいたいOK。何から何までありがとう。ウロミア様。

 

 

「当然。貴方様は私の信徒だから。願わくは、貴方様に幸多からんことを」

 

 

 信徒て。まぁウロミア様は最高に可愛いからいいんだけどね…?

 

 

 ウロミア様に感謝しつつ、俺の視界は暗転した。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「行った」

 

 

 私はウェルロッド様が指定した座標に無事降りたことを見届けた。

 

 

「始まりましたね」

 

 

「イーファお姉さまと…グルナレ?」

 

 

 『Free Species World』の世界に存在する『十三柱』の大神のうちのニ柱であり、私の姉である『死と混沌の女神』イーファお姉さまと『戦争と勝利の女神』であるグルナレがいた。

 

 

「アタシのことも様つきで言えよウロミア」

 

 

「言わない。だってお姉さまは言ってない」

 

 

「ふふふ。そう言っておきながら、近い距離感が内心嬉しいのでしょう?グルナレ」

 

 

「黙秘する!」

 

 

「イーファお姉さま…は見てた?あの人のこと」

 

 

「ええ。中々に面白そうな方でしたね。貴女が贔屓するのも分かります。私もつい先程しちゃいましたからね」

 

 

「お前ら姉妹はプレイヤーに期待し過ぎなんだよ。ま、アタシもしたんだが」

 

 

「理由としては単純。人外プレイヤー自体が少ない。さらに完全な魔物プレイヤーはもっと少ないから仕方ない。あと、私の担当する初めてのプレイヤーだから」

 

 

「お前の存在自体、最近まで無かったことだもんなぁ…頑張ってくれよ、最も新しい女神である『夢と自由の女神』ちゃん?」

 

 

「応援しているわ、だって私の妹だもの」

 

 

「うん。大丈夫」

 

 

 私は、この世界で最も新しい女神だから。この私に導かれた貴方様に、どうか実りのある夢と、自由な世界を───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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