仕事があって遅くなりました………………
拷問シーンはほぼカットです。
〈sideアルダンテ〉
「あん?今日はトーちゃん、拷問しねェの?」
「えぇ、中級拷問官の子達に頼まれたのよ『私達にやらせてほしい』って」
「中級拷問官………名前は?」
「『陽鬼』と『陰鬼』よ」
「あァ〜あの子達かァ」
「知り合いなの?」
「ちょっとだけなァ〜つーか補佐官として拷問官の名前はみんな覚えるぜェ
で、トーちゃんは拷問の様子を見守るんだろォ?」
「えぇ、上司としてね。今日の拷問は料理を使わないし、事務仕事をしてもいいわよ?」
「お、ありがてェ〜拷問用の食材とか必要なもん発注しとくかァ…………いつもダターマに任せちまってるからなァ〜
仕事が一段落したら顔出しにいくわ」
「わかったわ」
つーわけで、今日の業務は事務仕事からだなァ〜
俺は拷問官・拷問補佐官が出勤している部署に入った。
「おはようございま〜すゥ」
「おはようございます、アルダンテさん。今日は部署に来たんですね?」
「あァ、事務仕事はこっちの方が集中できるんでェ」
部署にいた同僚に挨拶してから、パソコンを起ち上げて仕事に取り掛かる。
魔王軍の事務仕事はリモートワークもできるが(トーちゃんはリモート派)、俺はこういう他の人がいる場で仕事する方が好きなんだよなァ。
ん〜とォ、次の拷問の企画書は…………ん?
俺が仕事をしていると、机にマグカップが置かれた。三毛猫のイラストが描かれたもので、俺が部署の休憩スペースの戸棚に置いといたやつだ。
中身のブラックコーヒーは入れたてで、まだ湯気がたっている。入れてくれたのは……………………
「悪いなァダターマ、ごちそうになる」
「(*^^*)」
俺と同じで、拷問補佐官をしているダターマだ。
頭や腕にツギハギがある、体躯のいい大男(フランケンシュタイン?)だが、気遣いのできるいいやつでもある。
魔王軍に勤めてきた歴は俺の方が長いが、拷問補佐官としてはダターマの方が先輩だァ。
「ダターマも今日は事務仕事かァ?」
「(・∀・)」
「あァ、午後からは新人拷問官のアドバイスなのかァ」
ダターマは喋らねェが、なんとなく言いてェことは伝わってくんだよなァ〜
ちなみに喋れねェんじゃなくて、喋らねェんだ。飲食店で注文する時はすげェハキハキと聞き取りやすい声だすんだよなァ
※原作のおまけより
………………………おし、一段落したなァ。
ちらりと時計を確認すると、姫様の拷問が始まる時間から少し経った頃合いだった。
「ん~~よし!差し入れでも持って様子見に行くかァ〜
ダターマ、コーヒーごっそさん。また今度飯でも作ってやるよォ」
「\(^o^)/」
「カッカッカ!あァ、またカツ丼作ってやるよォ」
ダターマに声をかけた後、俺は部署を出て姫様のいる牢屋に向かう…………前に自分の部屋から菓子を持ち出した。
カッカッカ……あの子達が好きな菓子はリサーチ済み!俺に抜かりはねェぞ〜
〈sideトーチャー〉
ふむ、今回の拷問も上手くいきましたね。
陽鬼、陰鬼が楽しそうにゲームをすることで姫様の関心を誘い、ゲームを共にすることで友達と遊ぶ楽しさを伝える…………この二人ならではの拷問に姫様は屈しました。友達としてのこの絶妙な距離感………やはり、私には真似できない拷問ですね。
それにしても………ふふっ、本当に楽しそうにしているわね姫様。『ウルトラハッピー!』と叫んでいたし、今回は大成功と呼べるでしょう。
「やっ!はっ!とーう!」
「あ…………」
「あ〜〜〜!!!やられた!!!」
「ま、負けちゃた。姫ちゃん強いね」
「やったやった!勝ったぞ!」
『……………おめでとうございます姫様………』
ゲーム中に考えごとをしすぎましたね………私も負けてしまいました。
すると、そのタイミングで牢屋の外………廊下から誰かが声をかけてきました。
「お〜すゥ、やってるかァ?」
「あ、アル!」
「え!?ほんとだ!アルさんだ!」
訪ねてきたのはアルでした、そういえば顔を出すと言っていたわね…………
やってきたアルに姫様が反応し、続いて陽鬼も嬉しそうに笑っていました。アルが自分で言っていましたが、やはり陽鬼と陰鬼とは顔見知りのようですね。
「アル、仕事お疲れ様─────────」
「ア、アアアアアアアアアアアルしゃん!!!???」
私が声をかけようとすると、陰鬼の大きな声にかき消されてしまいました。
普段は半目になっている瞳が大きく見開かれ、ひどく狼狽した様子で口をぱくぱくとさせています。そして顔は頬を中心にみるみる赤くなって────────────
えっ?
「カッカッカ!元気がいいなァ陰ちゃん」
「あ、や、その………!」
「陰ちゃんが大きな声出すの珍しいね〜!アルさんに会えて嬉しかったの?」
「へ!?ちょ、ちょっと陽ちゃん!////」
「二人共アルと知り合いのようだな。…………陰ちゃんどうしたんだろ?様子が変じゃないか?」
『いや姫様、あれはたぶん…………いえ、我の口から言うことはできません』
これは………………
つまり陰鬼はアルのことを…………………………………………
「その様子だと、もう拷問はおわったのかァ?」
「はい!私と陰ちゃんで聞き出しました!」
「えへへ………屈しちゃった〜」
『軽い感じで屈したとか言わないでください姫様………』
「そうか〜頑張ったなァ陽ちゃん、陰ちゃん」
「は、はひゅ!?あ、ありがとうございます!」
この様子、間違いありませんね。
はぁ、
アルは昔からモテるんですよね。
顔が整っていることもありますが、優しくて包容力のある性格や、料理が得意で家庭的なところがより魅力的なようです。おまけに、魔王軍の最前線で戦えるほどの戦闘力を兼ね揃えていますから、戦闘種族の魔族からも人気が高いようです。
ただし当の本人は────────────────
「よしよし〜ご褒美だァ〜」
「うわははは〜くすぐったいですよ〜!」
「は!?ひえええええええ!??あ、あたま〜〜〜〜〜!??」
鈍いんですよね……………相手から告白されるまで、よせられている想いに全然気づきません。
今も二人の頭を撫でていますが、陰鬼の様子に気づかないんでしょうか?ああいうことも無自覚にするから、人気を集めているんでしょうね………………
「アル、そのくらいにしておきなさい。女の子の頭をいきなり撫でるのは良くありませんよ?」
「ん?おォそうか…………すまん」
「いえいえ!大丈夫です!」
「はぁはぁ………わ、私もその、大……丈夫とはある意味いえないけど………ま、またして………ほしいです………」
「カッカッカ、ありがとな〜
お!そうだ、菓子もあるんだよォ一緒に食おうぜェ!あと俺もゲーム入れてくれェ」
『友達の家かここ?』
はぁ…………わかっているのかしら?
「わ〜〜〜!いろんなお菓子がある〜〜〜!ありがとうアル!」
「ポテトチップスもある!これ美味しいやつだ〜!ありがとうアルさん!」
「どういたしましてェ〜あ、陰ちゃんこれ好きか?」
「へ?あ……ふ菓子………そ、それにおかきも………」
「この前話した時によォ好きだって言ってただろォ?」
「は、はい…………え!?お、覚えててくれたんですか?」
「あァ?何言ってんだ?
陰ちゃんの好きなもんを………俺が忘れるわけねェだろ?(拷問補佐官として)」
「は、はひぃ!!!???」
……………………………本当に
「あ、トーちゃんにはこれな〜」
「え?」
「チョコレート、好きだろォ?」
「……………ありがとう………………!これ、有名店の?」
「あァ、トーちゃんが好きそうだなァって思ってよォ」
「一度食べてみたいとは思っていたけど……よく分かりましたね………」
「ま、なんとなくなァ〜長い付き合いだしィ
トーちゃんの好み、ちったァわかるようになったぜ?」
「……………………そうですか、それじゃあいただきますね」
─────────────────ほんとにもうっ!!こういうところがあるからアルは!!!
………………長い付き合いなんですから、気づいてくださいよ…………私の
………………これでラブコメっぽくなってる?
陰ちゃんは今のところ、アルに対して恋心よりは憧れの方が強い感じです。
どんな風にアルと知り合ったかは、いずれ書けたら書きたいですね。
前半はダターマを登場させました。オリ主が原作の役割をほぼ奪ってるので…………………