姫様ァ拷問の時間だぜェ   作:竜胆の星

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 クロルとジャイアントが登場する話の二本立てです。
 前回姫様と友達になったので、陽鬼や陰鬼と同じく『姫ちゃん』呼びになりました。






拷問5 クロルとジャイアントだァ

 

 

 

 

 

 

 

〈sideアルダンテ〉

 

 

 

 

 

 

「姫様!拷問の時間だ☆」

 

 はい、また決め台詞からのスタートだァ〜

 といっても今回拷問するのはトーちゃんじゃねェ、一級戦闘員にして上級拷問官の……………『猛獣使いのクロル』だァ。

 クロルちゃんは先日まで西の町で任務をしていたが、一昨日帰ってきた…………お土産まで買ってきてくれたいい子だぜェ!

 

 と、いう説明を俺が姫ちゃん達にした。

 

 

『猛獣だと?はっはっは!

 姫様は凶暴な獣相手にも怯まず、全て切り払ってきた!並みの獣に姫様は屈しないぞ!』

「うむ!」

 

 …………なんだろなァ………いよいよフリにしか聞こえなくなってきたなァ…………

 

「その強がり、この子を前にしても言えるかな☆

 先輩!お願いします☆」

「もう先輩じゃねェって………まァなんでもいいかァ」

「ん?アルとクロルってどういう関係?」

「アル先輩には、私が見習い戦闘員だった頃にお世話になったんだ☆」

「教育係としてなァ〜」

『教育係とかあるのか…………』

 

 とォ…………それより準備準備…………俺はクロルちゃんがケージに入れて連れてきた猛獣…………つーか動物を抱っこして連れていく。

 

 …………………………………相変わらずかわいいな………………

 俺はゆっくりその子を地面におろし、おもちゃとしてボールもあげた。今回、クロルちゃんが連れてきた動物は───────────────

 

 

 

「かわいい〜!!!白熊の赤ちゃん?かわい〜!!!

 きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

『姫様?』

「ハッ!!!」

 

 白熊の赤ちゃん、キュイちゃんだァ!

 うん、予想通りの反応だな姫ちゃん……………まぁ流石に、これだけで屈して口を割ることはなさそうだけどなァ……………ないよな?

 

「確かに愛くるしいが………これで私が口を割るとでも?やすく見られたものだ!」

 

 あ、流石に大丈夫だった。

 

「そうかい……じゃあ………これには耐えられるかな☆」

 

 そう言ってクロルちゃんは、キュイちゃんが持っていたボールを取り上げた。

 するとキュイちゃんはショックを受けた顔を見せ、涙ながらにボールを返してもらおうとする。

 

「キュイ!?キュイ!キュイ〜」

「な!?キサマ!悪魔か!?

「ふっふっふ………この子が可哀想だったら…………

 さっさと話すことだね」

「くそっ!魔王軍………卑劣な!」

 

 まぁ〜確かにやってることは許せないよなァ、俺もこのいじめやってる奴がいたら怒るかもしれねェ。

 ………………………けど、俺はクロルの性格を知ってる。知ってるから……………正直、上手くいくか心配だ…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜数秒後〜

 

 

 

あ〜んごめんよ〜キュイたん!いじわるしてごめんよ~

 

 大好き☆大好き☆大好きだよ☆☆」

 

 

 

 

 うむ、やっぱ駄目だったなァ…………

 動物が超大好きなクロルちゃんが、んな長いこといじわるなんてできるわけがねェもんなァ………一分も経ってねェけど。

 キュイたんを抱きしめるクロルちゃんを見て、俺はしみじみと頷いた。

 

 

『…………よく分かりませんが、今回は我々の勝利みたいですね』

 

 

 あ、確かに…………………

 今回は秘密を聞けねェかも─────────────

 

 

「任務のためでも友は裏切らない……………

 

 その姿勢に感動した、秘密を話そう!!!」

『なんで?』

 

 姫ちゃん………………オメェ…………

 いいヤツだなァ…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ〜ふわふわ〜抱っこしていい?」

「もちろんのすけ☆」

「うォ〜い、キュイちゃんのおやつの用意が…………ん?」

「キュイ!キュイキュイ〜」

「あ!アルの方に行っちゃった…………

 なんかすごい懐かれてない?」

「先輩は昔から動物に好かれやすいよね☆なんかすっごいフェロモンとか出してるから☆」

「んなもん出しちゃいねェよ……………

 けど………そうだなァ───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いい拷問補佐官ってやつは………動物に好かれちまうんだ」

 

『まったく意味が分からんぞ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈side姫様〉 〜キュイちゃん拷問の翌日〜

 

 

 

 

 

 

 

「姫様、拷問の時間だァ!」

「え?今日はアルが拷問するの?」

 

 いつもの拷問の時間になったのだが……………やってきたのは拷問補佐官のアル一人だけだった。トーチャーや他の拷問官の姿は見られない。

 

「いんや、俺が拷問するわけじゃねェよ。今日は違う場所に拷問官が待機してんだァ」

「あ、そうなんだ………………え?じゃあなんで『拷問の時間だ』って言ったの?」

「あァ……トーちゃんの決め台詞を一回言ってみたかっただけだ」

『決め台詞なのかあれ』

 

 なるほど…………ちょっと分かる。私も言ってみたい。

 

「つーわけで移動するぞォ〜アイマスクつけてくれ、俺が手を引いて誘導すっから」

「目隠しするのか?」

「一応な、エクスにもつけるぞ」

 

 場所は秘密ということか………………っていうかエクスも目隠しするの?目があるの?

 

 ふむ、ひとまず従うしかないか……………私は鉄球付きの足かせを外し、アルからアイマスクを受け取って自分で付ける。

 よし!真っ暗でなにも見えないな!

 

『え………?姫様、今自分で足かせ外し…………え?』

「そんじゃエクスにも付けるぞ〜」

 

 う〜ん、やっぱりなにも見えない………

 そういえば、こんな風に目隠ししてる時って他の五感が鋭くなるって聞いたことが──────────────

 

 とその時、私の手がそっと優しく握られた……………ひぇっ!?

 

「ひぇっ!?」

「ん?すまねェ驚かせたか?」

 

 お、思わず声が出た………手を握ったのはどうやらアルのようだな…………そ、そういえば手を引いて案内すると言っていたな……………

 ということは、私は今アルと手を繋いでいるのか……………

 

「お、おぉ………」

「…………………姫ちゃん?にぎにぎしてっけど、俺の手そんな珍しいか?」

「あ、ご、ごめん!なんでもない!」

「そうか?んじゃ行くぞ〜」

 

 しまった!お、男の人と手を繋ぐなんてジモチくらいだったからつい!

 け、結構ゴツゴツしてて………男の人って感じの手だ………普段の様子じゃ想像つかないけど、流石は最前線で戦っていた戦士だ。でもすっごく優しく握ってくれてる…………

 

「足元気をつけてな~」

「う、うん」

 

 くっ!優しく声かけもしてくれる!

 あと改めて思うけど、アルっていい声してるよね………目隠ししてるせいか聴覚に神経がいって、余計にそう感じる〜〜〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

〈sideアルダンテ〉

 

 

 

 

 

 

 

 さてさてェ〜姫ちゃんを今回の拷問場まで連れてきたわけだが…………なんか連れて行く間、急に喋らなくなったな姫ちゃん。

 

「ついたぞ〜姫ちゃん」

「え!?そ、そうか………」

「どうかしたか?」

「う、ううんなんでもない………もうアイマスク取っていい?」

「おう、いいぞ〜あ、エクスも外すな」

 

『うむ………む?ここは?』

「ここって………温泉?」

「おう、魔王城の大衆浴場だ。天然温泉なんだぜェ?」

『魔王城にそんなものが…………』

「そんじゃ温泉に入ってきてくれェ〜脱衣所あっちな」

「え?あ、うん」

 

 よく分かってなさそうな顔してたな………まァそのうちどういう拷問か分かんだろォ。

 さて、俺の拷問のサポートはここまでだなァ〜流石に姫ちゃんと風呂は入れねェし、あとは………今日の拷問官の()()に任せるしかねェ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────さて、あれからしばらく時間が経ったわけだが………………

 

 

「「ん、ん、ん、ぷはぁ〜」」

 

 

 お、二人とも風呂から上がってんなァ〜仲良く牛乳飲んでるし、こりゃ上手くいったか?

 

「ジャイアント、秘密は聞き出したかァ?」

「あ〜アルさ〜ん

 は〜い姫様が話してくれました〜」

「えへへ〜屈しちゃった〜」

 

 俺は今回の拷問をした女性、ジャイアントに話しかけた。彼女の特徴をあげるとしたら………まぁまずは体が大きいってことかなァ?俺もそこそこ身長(たっぱ)がある方だが、彼女の方がずっと大きい。

 これだけ大きいと普通なら威圧感を感じるかもしれねェが…………彼女ののんびりとした口調やら、大らかな人柄もあってむしろ一緒にいて安心感を覚えるほどだ。

 今回はそんな彼女の絶大な包容力を活かした拷問だったが……見事に姫ちゃんにささったようだなァ。

 

ママ!あのマッサージ機にも座っていい!?」

「もちろんいいよ〜今日はいっぱい癒やされてね〜」

「想像以上にささってんなァ」

 

 ママ呼びは流石に驚くぞォ。

 

 

 

 

 

「…………Zzz」

「寝たなァ」

「寝ちゃいましたね〜」

「ジャイアントがひざ枕したら一瞬だったなァ、どんだけ気持ち良かったんだ」

「うふふ〜アルさんにも今度してあげますね〜」

「いやァ興味はあるがそれはちょっとなァ………」

「恥ずかしがらなくていいんですよ〜甘えることは恥ずかしいことじゃありません〜」

「…………ま、そうだなァ…………けど─────────」

 

 俺は言葉を区切ると、立ち上がってジャイアントの頭をなでる。姫ちゃんをひざ枕してるからちょうどいい高さだなァ。

 

「およよ〜?」

「ジャイアントも、たまにゃあ誰かに甘えろよ?俺は十分いろんな人に甘えてっからよォ(トーちゃんとか)」

「んふふ〜そうですね〜…………じゃあもっとナデナデしてくださ〜い」

「カッカッカ〜お安いごようだァ」

 

 

 

「んじゃ、姫ちゃんを送ってくるわァ〜お疲れェ」

「は〜い、お疲れ様でした〜」

 

 ジャイアントをナデナデした後、俺はまだ寝ている姫ちゃんをおんぶして牢屋まで送ることにした。アイマスクも必要ねェだろォ………ちなみにエクスも今は眠っている(剣だが魔力回復のために普通に寝る)

 

「ん………むにゃむにゃ………」

「カッカッカ………よく寝てるなァ」

 

 よだれまで垂らして、幸せそうな顔だァ…………思わず頬が緩んじまうな。

 起こさねェようにゆっくりゆっくり歩いていく。時間をかけて牢屋の前まで帰ってきた。

 

「おーい姫ちゃん、帰ってきたぞ〜」

「ん〜うぅん〜む〜〜〜」

「やれやれ………このまま寝かすかァ」

 

 俺はエクスをいつもの位置に刺した後、姫ちゃんをゆっくり地面におろした。顔にかかった髪を整え、軽く頭をなでる。

 

「おやすみ、姫ちゃん」

「んん…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 おやすみぃ……………………パパ……………………」

 

「……………………エ?」

 

 

 

 

 








 こりずに女の子の頭をなでまくるオリ主です。
 アニメのジャイアントの癒やしボイス大好き………………


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