始発点から青春駅へ   作:3ご

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文末にまた書き散らししてます。



第4話:シャーレへ

 遡る事数か月前。あれはロードレースから二週間後の出来事だ。

 病院で体の検査も終わり、傷の治療も残りは経過観察だけになったので、私は今このタイミングしかないと思い、ナミさんと皆を集めた。

 場所は勤務しているお店の休憩室。毎週水曜日の店休日。折角のお休みなのに、私の為ならといつも忙しいナミさんは用事を全てキャンセルし、皆も学校を休んで私の話を聞いてくれるのを優先してくれた。

 

 時刻は午前7時。

 眠そうな彼女達の為に熱々のホットコーヒーを用意して席に腰掛ける。

 ナミさんは「ありがと」と言い、砂糖もミルクも無しにコーヒーを啜る。

 サノは苦いのが苦手なのでシュガースティックを二本。ヨミとメルはミルクだけ。

 

「なーに? 大口神社でのカイザーの一件以外に私に報告していないのがあったりする訳? それともまた皆して時給のご相談かしら?」

「社ちょ──じゃなかった、姉さん。大事な要件は全部報告済みだし、私達だって詳細は聞いてないぞ」

「くひひ、シロコちゃんから呼び出しだなんて珍しいね! もしかしてレース対策委員会設置とか?」

「あれはそれ以前の問題だったでしょうに……。私達が万全の状態ならビリでは無かったはずですわ」

「というか、あなた達三人がそこまで手こずるなんてよっぽどの敵だったのね……。カイザーも侮れないわ」

 

 息を整える為にコーヒーを二口ともう一口啜った後、私は席を立ち上がり、皆の顔が一望出来る角度まで移動する。

 早速始まるかと皆の視線が私に集中。

 ここに来て出会った素敵な仲間達の顔。私が好きな顔。そんな好きな人達にこれ以上隠し事はよくないし、それに、皆の事が好きだから知って欲しいと思ったんだ。

 

「ん、これから皆で一緒にシャーレに行く。そこで先生に会って欲しいんだ」

 

 シャーレと先生という単語に戸惑いを見せる四人。

 当然か。普通の一般人は関わる事が殆ど無いだろうし、それにシャーレと言えば超法規的機関。この学園都市においては頂点に近い権力を持っている。

 

「ぶっっ──シャーレってあのシャーレ!?」

 

 咽せるナミさんの口元にハンカチを添えるヨミ。腕組みをし、顎に指を添えるサノと、興味津々に机に両肘を置いて両手で顔を覆い、前のめりになるメル。

 

「私という存在は、私自身が喋ってもきっと説得力が無いの。だから、事の経緯を全部把握してる先生が一番適任」

「それって、シロコの事を教えてくれるって意味だよな?」

「勿論……あの時、カイザーの部屋で話した通りにはなるけど、少しで信憑性があった方がいいかなって」

「……そっか、シロコちゃんアビドスの生徒って言ってたもんね」

 

 ヨミがコーヒーの湯気に瞳を細めながら、音も立てずにゆっくりと啜る。伏目になった視線の先にはコーヒーの水面しかないが、どこか見ている景色は遠くにある印象を受けた。

 まだあの日から時間も経ってない。心の整理が追いついてないのかもしれない。

 

「三人は成り行きで私の事を知ったけど、ナミさんにはまだ何も言ってない。……ごめんなさい」

「何よー謝っちゃって! 私だけ仲間外れなんでしょ、知ってるもん。いじけてないもん」

「こら姉さん、そんな訳無いじゃないの」

 

 ふんっとそっぽを向くナミさん。

 三人はなんとか彼女の怒りを鎮めようとするが、知らないもんの一点張りだ。

 

「……きっと、気味悪がられて側に置いてくれなくなるかもって。ナミさんに見捨てられたら……とってもとっても悲しい。嫌われたくなくて隠してました。ごめんなさい」

 

 頭を下げる。

 一番お世話になってる人。一番と並べるくらい信頼している人。私の事を思ってくれる人。

 そんな人だから、この関係が壊れるのがとても怖かった。でも、それは私の我儘だ。

 

「私があなたを嫌いになる訳無いでしょ!!!」

 

 机を叩き立ち上がり、眉間に皺を寄せ怒りの剣幕で私の足元へと駆け寄る。右手を大きく上げたと思ったら、肩も反動を付けるように背中側へと引き込んだ。

 

「姉さん!?」

 

 メルの声が休憩室ので反響する。

 私は目を瞑り、彼女の感情の一発を一身に受ける準備を整えた。

 ナミさんの気持ちを考えると、一発だけでは済まないだろう。こんなに身勝手で信頼を損ねる行為をしておいて、大事な日に大怪我。しかも当事者一番に何も喋らないなんて人として最低だ。

 ──痛みだって、我慢出来る。

 

「ふんっ!」

 

 と思ったら、顔に何やら柔らかい何かが押し寄せてきた。肌に吸い付くような張りの良さ、呼吸が苦しくなる深さ。後頭部には覚えのある柔らかい手付きと、腰まで回された腕のおかげで身動きが取れない。

 

「ねぇシロコちゃん。無闇矢鱈とごめんなさい言うのは禁止って言わなかったっけ?」

「フゴフゴフゴ!(い、息が出来ない!)」

「ん? 何て言ってるのか分からないわよ?」

「フゴフゴフゴ!(胸に顔が押しつぶされて上手く喋れない!)」

「は? 今ごめんなさいって言った?」

「フゴフゴフゴ!(言ってない言ってないよ! ああ……意識が)」

 

 顔をなんとか無理くり動かし、窒息の谷間から口と鼻を上むきに脱出させる。

 そこにはまだまだ眉間に皺を寄せたナミさんの顔が映し出されていた。これはいつも業務で大きな失敗をした後怒る顔だ。再び逃げるように窒息の谷間に顔を逃げさせようとしたが、後頭部に添えてある手が頭を鷲掴みし、今度は彼女が無理やり私の顔を力づくで仰け反らせる。

 

「言うことはある?」

「うう……ごめ──じゃない。申し訳──じゃなくて。えっと、ありがとう」

 

 「よし」と声を上げると腕の力は弱まり、解放される。

 

「んん……と、とにかく皆でシャーレに行こう。もう先生とは連絡取ってあるから」

「D・U地区だったかしら? メルって自家用ジェット機持ってなかったっけ?」

「おほほ、ありますわよ。それなら連絡しましょうか」

「メルちゃん家のジェット機久しぶりに乗るね!」

「ヨミ、前みたいにはしゃぐなよ? あれ怖かったんだからな?」

「だってスカイダイビングしたかったんだもん」

 

 いそいそと準備を始めてた皆の手が止まる。

 ──だって? スカイダイビング? したかったんだもん?

 

「シロコちゃんごめんね? もしかしたら死に方を選べないかもしれないけど、私達と心中するなら本望でしょ?」

「おほほ……流石にあのジェット機壊されるのは避けたい所ですが……」

「何、空中分解しても受け身を取ればいいんだよ」

「ん、大丈夫。ヨミは私が拘束しとく」

「やだ……えっち!」

 

 

 

 

 




※※※アビドス3章ネタバレ注意※※※
















シロコ*テラー実装おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

この時を待っていた・・・この小説を書くくらいにはこのキャラクターが好きで、今とても幸せな気持ちです。
そしてアビドス三章もきっと今回でエンディングでしょう! 一体どうなるのでしょうか!? まじで続きが気になります!
明日は速攻でシナリオもシロコ*テラーのメモロビも終わらせて、また執筆に戻ることでしょう。

クックック、私はこんな時の為に個人で開発したゲームを売って売って売り捌いてたので、資金は潤沢にあるのです。なのでホシノもシロコもどっちも天井まで回しても問題ない!!!!!

いくぞ、ブルーアーカイブ。石の貯蔵は充分か!!!!!!




ちなみに。
例えアビドス三章が配信されてシロコ*テラーの結末が出たとしても、こちらの作品は一ミリも変更点はないのでご愛読頂いてる方はご安心ください。
でも流石にシロコ*テラーが大人のカード使う場面があったら少し考えるかなw 被らないと思いますけどね・・・。本編なぞりたくない派なので・・・・。

7月の活動は今回で終わりです!

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