無名の大魔族リーナ、魔族ライフを謳歌する 作:ヌメロン使いの男
アウラ「どちらかと言うと悪魔神とかでしょ・・・」
ここは、リーナ達のいる都市から、遠く離れた町。
「な、何だ!?」
突如起こった爆発と巨大魔獣の出現。
その混乱が収まらぬうち、それは起こった。
空を覆い尽くす、光り輝く魔法陣。
「攻撃魔法か!?規模が大きすぎる!」
こんなふざけた規模の攻撃、食らえばひとたまりもない。
魔族のものであるにせよ、隣国の魔法兵器であるにせよだ。
「くっ、市民を地下に避難させねば・・・」
避難の誘導を始めようとしたその矢先、地面が大きく揺れ始めた。
「もう始まったか!」
しかし、爆発が起こるわけでもなければ、閃光が放たれるわけでもない。
「何をする魔法なんだ・・・?」
「隊長!上を見てください!」
部下が叫んでいる。
「・・・なんだ一体!これは、何が起こっている!?」
上空、展開された魔法陣の付近。
そこに、人間が引き寄せられている。
「なぜ我々は引き寄せられんのだ!?」*1
全員が引き寄せられているわけではなく、限られた人々のみが影響を受けている。
よく見れば、人間だけでなく破壊された巨大魔獣の残骸も吸い寄せられている。
吸い寄せられた人々は、魔法陣に触れると、光の粒子となって取り込まれた。
「くっ、ともかく市民の避難が最優先だ!これ以上、犠牲を出させるな!」
「これは・・・」
リーナが展開した魔法陣。
それは、空を覆い尽くす規模のものだった。
「フリーレン!あれは不味いぞ!」
珍しくゼーリエが声を荒げている。
「『
「『
目を閉じて魔法陣の中心を漂っているリーナに、二人で魔法を放つ。
「ちっ、やはり通らないか!」
しかし、リーナにたどり着く前に魔法陣に吸収されてしまう。
そうこうしている内に、魔法陣が強い光を放った。
「ぐうっ・・・」
光は段々と弱まり、そして消えた。
「・・・不発?」
「いいや、発動している。あいつを見ろ」
ゼーリエに言われて、リーナの方向を見る。
「・・・なんだ、あれ」
腰あたりまである銀髪。長くなった尾。さらに歪んだ角。
そして何より、背中から生えたニ対の巨大な黒い翼。
「リーナは、一体何をしたの?」
「わからん。だが、不味いことになったというのはわかる」
そしてリーナが、目を開く。
「・・・やあ、おはよう」
唯一変わらない深紅の瞳が、こちらを見つめていた。
やあ。魔族をも超越する系美少女、リーナだよ。
僕は今、最終決戦ってやつの真っ最中なんだ。
「どうかな?ちょっと見た目は変わったけど、やっぱり僕ってかわいいでしょ?」
僕が使ったのは『
バラバラになっているものを、一つに束ねる魔法だ。
「名付けて!リーナ、スーパー女神フォーム!」
これで、各地に散らしてた魔獣たちを吸収した。
つまり、超パワーアップしたってこと。
「お前が、女神?冗談もほどほどにしなよ」
なんか暴言を吐かれたけど気にしない。
「ふふふっ、実に気分がいいね」
とりあえず、試し打ちでもしようかな?
「『
「受けるな!躱せ!」
ちぇっ、避けられちゃった。
フリーレン達の横を通り過ぎた光は、全てを焼き尽くして進み、遥か彼方遠くで猛烈な爆発を起こした。
「ははははっ!いいねぇ、テンション上がってきたぁ!」
翼の先に魔法を展開する。
「『
「消えた?」
「行こうかなっ!」
ふふふっ!さっきまでとは速度が段違いさ!
「ぐっ・・・」
「あんまり無理するもんじゃないよ!剣じゃないんだからさあ!」
防御魔法を切断し、受け止めようとした杖も切り飛ばす。
「そぉれっ!」
全力の蹴りを叩き込んだけど、杖で防がれる。
まあ、杖はへし折れてゼーリエも吹っ飛んでいったからヨシ!
「『
おっと、フリーレンもいたんだったね。
「『
相手の魔法はツォーンで迎撃!
え?口から出さないのかって?
美少女が口から撃っちゃいかんでしょ・・・。
「あはははっ、全開で行こうか!『
名前はそれっぽいけど、やってることは至る所から魔力をぶっ放してるだけなんだよね・・・。
まあ、見た目かっこいいからいいけど!
「『
おや、ゼーリエが戻ってきた。
顔色が悪いし、だいぶダメージが入ってるっぽいけど・・・。
あの魔法、一般防御魔法より硬いらしいね。
でもねぇ!
「ちっ・・・」
パリンと割れる。
「無駄無駄!」
うーん、貫通はできるけど一瞬止められちゃうなあ。
「一発止めたくらいじゃだめだけどね!」
ふふふふっ、連射連射連射!
高火力攻撃を連発するのは楽しいね!
「ほらほらほらぁ!」
相手を怯ませたら即接近!
「・・・っ、『
フリーレンの左腕を切ったけど・・・傷が浅いね。
切断はできてない。
「『
ちょっと胴体が吹き飛んだけど再生すれば無問題!
高い攻撃力!自己再生!
・・・うん、クソボスだね。
「『
「うわっ、眩しっ!」
目がー!僕のキラキラおめめがー!
「いてて・・・。あれ?どこ行った?」
逃げた!?
ここで逃がして対策されるのは不味い。
マハトの魔法もなんか解除されてたし、僕の魔法も反射するようになるかもしれないし、近接攻撃まで対策されたらもう負ける気しかしない。
あんなにダメージを与えられるのは初見の今だけだろうし、逃がすわけにはいかない!
「逃さないよー、ゼーリエ!フリーレン!」
「はぁ・・・。あそこまで強化されてるとは思わなかった」
魔法の速度、破壊力が上昇するだけでなく、再生速度まで上がってる。
「・・・あれでは殺し切るのは不可能だな」
全身を消し飛ばしでもしない限り、ゼーリエの言う通りリーナを殺すのは不可能だ。
「となると・・・」
「封印しかないだろうな」
・・・やっぱりそれしかないよね。
「私があいつに攻撃する。お前が封印しろ」
「わかった」
あいつを封印・・・できるかな?
まあ、やるしかないか。
「・・・来たな」
瓦礫を吹き飛ばしながら、リーナがこちらに飛んでくる。
「見つけたぁぁっ!『
辺り一面に魔力の輝きが撒き散らされる。
「『
「だから無駄だって・・・」
リーナの魔法が魔法防壁を打ち破る。
しかしもう一枚の防壁が魔法を食い止める。
「重ねがけだって!?考えたね!」
「『
ゼーリエが再び閃光を放つ。
「ちっ、またそれかい!」
「『
「『
視界を奪った隙に、威力の高い魔法をありったけ叩き込む。
「ぐ・・・無駄なことを!『
今だ!
「なあんちゃって!何回も同じ手は食らわないよ!」
リーナが防御魔法を展開する。
攻撃してくると思ってたらしいけど、それなら問題ない。
「残念だったね、リーナ」
「は?・・・な、なんだっ!」
リーナの体は石化し始めている。
「こ、これは、封印!?」
ようやく自分の置かれている状況に気付いたらしい。
「嘘だっ!僕が、人間なんかに!」
「うるさい。さっさと封印されろ」
「あ、あぁぁぁぁぁっ!?」
最後に閃光を放ち、リーナは封印された。
「ふう。なんとかなったね」
「・・・ああ、そうだな」
争いの元凶はもういない。
人の戦争はまだ続くだろう。
でも、いつかは終わるって私は信じてる。
「リーナ。お前が言うほど、人間は愚かじゃないよ」
いやー、危なかった。
「ふ、ふふふふっ!僕を倒したって、喜んでる頃だろうね!」
封印の直前、光で目隠しして抜け出せなかったらやばかったね。
「僕が離脱手段の一つや二つ、持ってないわけがないだろう!」
魔力は3分の1くらいになったけど、そんなことは小さな問題。
「もうあいつらとなんて戦うか!遠くから街ごと吹っ飛ばしてやる!」
別に戦って勝つ必要はない。
人類が滅べば僕の勝ちだ。
「やっほー、ただいまー!」
「あら、遅かったわね」
「おかえりなさい、リーナ様」
拠点にも無事たどり着いた!
あとは人類の戦争を煽るだけで、僕の勝ち。
僕は勝つんだ・・・。そうさ、いつだって!
「いやー、危なかった。なんとか逃げ延びたけど、封印されるところだったよ」
「そうか。逃げられてよかったな」
「「「!?」」」
ゼーリエ!?
「なぜここに!」
「お前が封印から逃れた直後から、お前の魔力が感知できるようになった。それを追いかけて来ただけだ」
あっ、それかぁ。
リースの魔法で感知できなくしてた肉体からは抜け出ちゃったから、感知できるようになったってわけね。
「って感心してる場合じゃなーい!」
「たっぷり感心すればいい。時間はいくらでもあるからな」
そう言って、ゼーリエは姿を消した。
僕達の拠点の周りに結界を張って。
「ぐ、ぐ、ぐぬぬぬぬっ・・・、『
うん。びくともしないね、これ。
「どうするのよ、これ」
解析、するかぁ・・・?
どう見てもヴァイゼの結界より強力だよね、これ。
解析に一体何年かかるか・・・そもそも内側から破れるの?これ。
「解析・・・するんですか?」
これからのことを考えるだけで頭が痛い。
こういうときは・・・。
「もうやだ!ねる!」
「「えっ」」
ふて寝!
あふれる遠距離攻撃!
つよつよ近接攻撃!
負けるわけねえ!
はい。封印されました。
リーナの全力キックで死なないゼーリエはもう何なんですかね。
もうちょっとだけ続きます。