無名の大魔族リーナ、魔族ライフを謳歌する   作:ヌメロン使いの男

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【悲報】首無し戦士達、解雇

リーナ「こいつらいらなくない?」
アウラ「相手を消耗させるとか雑魚相手とか便利よ?」
リーナ「大規模破壊系で薙ぎ払ったら?」
アウラ「・・・そうね」

という経緯で解雇されました。首無し戦士達のファンの方々、お許しを



襲撃、グラナト領

と、言うわけでやってきましたグラナト領!

 

まあ僕達はまだちょっと離れたところにいるけどね!

 

アウラが考えたグラナト領への侵攻作戦はこう。

 

まず、アウラの部下たちが和平交渉をしつつ、防護結界を解除する方法を探す。

解除する方法を見つけたらさっさと解除して僕とアウラで皆殺し!

 

というお手軽2ステップ。

 

作戦かなこれ・・・まあ僕とアウラがいればこんなんでもなんとかなるからヨシ!

 

僕達の出番は一番最後だから、今は暇なんだよねー。

 

「ねえアウラー。ひーまー」

 

「リュグナー達が結界を解除するまでの辛抱だから我慢しなさい」

 

「えー(´・ω・`)」

 

まあ作戦だししょうがないかー・・・あれ?

 

「この作戦の目的ってなんだっけ?」

 

「はぁ、私の説明を聞いてなかったの?グラナト領には結界があるから、それを解除するために・・・「それだよ、それ」・・・え?」

 

「この間一緒に開発したあれならいけるんじゃない?」

 

「あー・・・あれね・・・。すっかり忘れてたわ」

 

3年くらい前、アウラと一緒に観光旅行兼適当な村々を襲撃(魔法の試し打ち)に行ったとき、思いつきで作った防御魔法を貫ける魔法。

 

あれなら、結界もぶち抜けるかも!

 

「今から行って試してみようよ!」

 

「うーん・・・あら?」

 

アウラが驚いたような声をあげる。

 

「どうしたの?アウラ」

 

「ドラートがやられたわ」

 

ほうほう。作戦を妨害してくる奴がいると。

 

「じゃあ・・・」

 

「ええ。私達もいくわよ」

 

ふふっ、そうこなくっちゃ!

 


低空飛行しながらアウラの部下がいる街へ向かう。

 

「リーニエとリュグナーもやられたわ。相手もなかなかやるみたいね」

 

ああ、リーニエちゃんまでやられちゃったか。

彼女の魔法には発展させられそうなところがあったんだけどなあ、残念。

 

「いやー、どんな奴がいるんだろうねー。僕楽しみ!」

 

強いやつならいいなー。あんまり弱いと魔法を使うまでもないしね。

 

「あら、あそこに誰かいるわね。子供みたいな・・・・・・っ!あいつは・・・!」

 

「なに?知り合い?」

 

「ええ、あいつのことはよく知ってるわ。戦ったことがあるもの」

 

ほほーん、つまり相手は少なくともアウラから逃げ切れるだけの実力はあるってわけね。

 

「仕留めそこなったってわけ?アウラにしては珍しいね」

 

「いいえ、逆よ」

 

アウラが珍しく憎悪を顕にして吐き捨てる。

 

「逆ぅ?」

 

「私が逃げたってこと」

 

「・・・へぇ」

 

まじか。アウラと戦ったのがいつなのかにもよるけど、彼女だって伊達に七崩賢と呼ばれていない。

 

魔族の中でもトップクラスに強いアウラを撤退させるようなやつ。

いいねぇ、テンション上がってきた!

 

「そいつ、何者なの?」

 

「あいつは、フリーレン。魔王を倒した勇者ヒンメルのパーティの一員よ」

 


 

「久しぶりだね、アウラ」

 

「そうねぇ、八〇年ぶりかしら。フリーレン」

 

「やっほー、僕ははじめましてだよね!フリーレン」

 

アウラの横に、女の魔族が一人立っている。

 

ひどい死臭だ。魔力はアウラよりも多い。

でも、あんな魔族、私の知る限りいない。

 

「そいつ、お前の部下?」

 

「ちがうよ!僕はアウラの友達だよ!」

 

「よく言うよ。そんなこと、微塵も思ってないくせに」

 

ニヤニヤ笑って女は言う。

 

「本当にそうかなぁ?もしかしたら、君の知らないところで、魔族も心を手に入れてるかもよ?」

 

くだらない。魔族はどこまで行っても魔族だ。人の言葉を真似て鳴き声をあげる獣でしかない。

 

「悪いけど、そんなくだらないおしゃべりに付き合う気はない」

 

女はニヤニヤした表情を貼り付けたまま、肩をすくめた。

 

「うーん、アウラ。僕このエルフ苦手かも」

 


 

うーん、おしゃべりに付き合ってくれないのね。

 

なんというか、全体的に魔族への殺意で溢れてるというか。

「こんにちは、死ね」って感じがする。

 

「この先の街に行くつもりらしいけど、引き返すつもりはない?」

 

「「嫌よ(だね)」」

 

「なんで?」

 

「だって・・・」

 

「僕達のほうが圧倒的に優勢だもんねっ!」

 

まずは様子見の尻尾アタック!

 

「『魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)』」

 

「うわ危なっ!」

 

尻尾消し飛ばしつつ攻撃仕掛けてくるとかうますぎでしょ。

これはほんとに強いっぼいね。

 

「いてて・・・自慢の尻尾が・・・なんてね!『再生する魔法(リパラトゥラー)』!」

 

「っ・・・!」

 

吹っ飛んだ尻尾を魔法で即再生して攻撃を続行する。

 

「あっははは!魔法を使うまでもなさそうだね!」

 

せっかく魔族は身体能力が高いんだから、活用していかないとね!

 

「『魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)』」

 

「連射!?ちょっ、まっ」

 

体が光に包まれる・・・いや包まれたら死ぬから!

 

「うおー!回避回避ー!」

 

「チッ」

 

「今舌打ちした!舌打ちされたんだけど!」

 

危なかった・・・。回想を挟んでアウラに後を託して死ぬところだった・・・。

 

「ふぃー。そろそろ行けるかな?アウラ!」

 

「わかったわ。『服従させる魔法(アゼリューゼ)』」

 

アウラの魔法は天秤で魔力を比べて相手を従わせるもの。

アウラの魔力量はだいぶ多いし、相手は僕との戦闘で消耗してるはずだ。

 

「私達の勝ちよ」

 

アウラの言う通り、天秤がアウラの方に傾いて・・・?

 

「ど、どういうこと?なんでフリーレンの方に傾いて・・・」

 

「安心したよ、アウラ。お前がただの魔族で」

 

ゴミを見るような目でフリーレンがアウラを見る。

 

「何を・・・」

 

「もう気付いてるはずだ。私が魔力を制限していたことを。そして、その魔力がお前を上回っていることを」

 

な、なんだってー!

いやー、なんか違和感があると思ったら、そんなことしてたのか!

 

「ふざ、けるな。私は、五〇〇年以上生きた大魔族だ」

 

「アウラ、お前の前にいるのは」

 

うーん、これはアウラ詰んだな。

 

「千年以上生きた魔法使いだ」

 

私と出会ってなければ。

 

「ふふっ、あはははは!」

 

フリーレンが怪訝そうな表情をする。

 

「何?気でも狂った?」

 

「いえ、リーナに会えて幸運だったと思ってね。リーナに会えていなかったら、ここで死んでいたでしょうし」

 

「うんうん。僕に感謝してよね!」

 

「何を言ってるの?お前はここで死ぬんだよ」

 

ふっふっふ、それはどうかな!

 

「『水増しする魔法(アウフブラーゼン)』」

 

「何を・・・」

 

フリーレンの方に傾いていた天秤が、徐々に釣り合っていく。

 

「お前も魔法を複数使うのか・・・魔力を増やした・・・?」

 

「違うよ、フリーレン」

 

ネタバラシをしてあげよう。

 

「今アウラが使ったのは、魔力を増やす魔法だよ。まぁ、使える量が増えるとかではないんだけどね。それでも、アウラが使えば効果バツグンでしょ!」

 

いやー、我ながら恐ろしい発想。ちなみに名前はアウラが考えました。

 

私はモルトラークとかダサい名前しか思いつかなかったからね。

 

「これで逆転、君は大ピンチって訳・・・あれ?」

 

「嘘でしょ・・・?」

 

釣り合ってるー!水増ししてなお釣り合ってるー!

 

「うーん、アウラの魔法で仕留められないとなるとめんどくさいなー」

 

でも、このまま逃がしてはくれないよねー。僕は逃げれるけど、アウラはこのままじゃやられちゃいそうだし・・・そうだ!

 

「まだやってないじゃん!実験!」

 

「今そんなことしてる場合じゃないでしょ!」

 

いやいや、君と一緒に逃げるためにやるんだからね!

 

「ではでは、いざ検証!『万物を貫く魔法(ドーチドリンガン)』」

 

僕が放った魔法はまっすぐ飛び、バリア的なのにぶつかって――そのまま貫いて街のほうまで飛んでいった。

 

直後、轟音とともに、盛大な火柱が上がる。

 

「ひゃっほー!気分爽快!」

 

「フランメの結界を、貫いた・・・?」

 

結界を破るにはどうすればいいか。結界を発生させてる物を壊すってのも有効だけど、力押しが一番雑に突破できる。

 

ほら、「この程度の結界で私を足止めできると思ったか?」「そんな!?」みたいなよくあるやつだよ。

 

ありったけ圧縮して密度を上げて壁を貫き、着弾したら一気に広げてドッカーン!相手は死ぬ!・・・という原理だ。

 

防御魔法を貫かれて唖然としたまま吹き飛ぶのを見るのは愉快だったね!

 

「そしてダメ押しに・・・『魔獣を創る魔法(ディモンベスティア)』」

 

自分の尻尾を切り落とし、魔力に還り始めた部分に魔法をかけると、尻尾だったものが肥大化し、分裂して高速で街の方へ飛んでいく。

 

「行け、尖兵(フォーフット)

 

戦力を生み出せるって超便利!引っこ抜いた尻尾も再生すればいいしね。

 

「ほらほらフリーレン、助けに行かなくてもいいの?あれ一匹一匹だいぶ強いから、早く行かなきゃあそこの人間みんな死ぬよ?僕はそれでもいいけど!」

 

「・・・」

 

自分でやっておいてなんだけど、ほんと悪逆非道って感じの言動。

まあ実際文字通り人でなしだから無問題。

 

フリーレンがこっちを睨んでくる。おお、怖い怖い。

 

「じゃあ、頑張ってー。グッバーイ!」

 

「あ、ちょっと!」

 

アウラの手を引いて飛び上がる。

 

「待て」

 

「なーに、まだ僕とおしゃべりしたいの?」

 

「複数の魔法を使うことを広めてるのはお前か?」

 

「ふふん、そうだよ!考えついたのも広めたのも僕!どうだい、すごいだろう!」

 

フリーレンの眉間にシワが寄る。

 

「・・・お前は必ず殺す」

 

「やってみるといいよ、できるもんならね!」

 

今度こそアウラと一緒に撤退する。

 


 

「『魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)』」

 

蛇のような見た目の化け物・・――あいつはフォーフットと呼んでいたか――の全身を吹き飛ばす。

 

頭を失えば動かなくはなるが、こいつは残った体が破裂してかなりの勢いで飛び散る。

そのせいで、なんとかこいつを倒した街の住民に多くの被害が出ている。

 

あいつ・・・人間への被害を大きくすることに余念がない。

弾け飛ぶ威力が高すぎないのも、くらった人間が死なないようにするためだろう。

 

負傷した人がいれば人は助けようとする。

負傷した人を運んでいれば動きにくくなる。

そこを襲って被害を拡大させる。

 

人間の心理を利用した悪辣なやり方だ。

 

あいつは間違いなく、人間の習性をよく理解している。

あれだけの魔族が人間に知られていなかったのはどういうことか。

まず間違いなく、出会った人間を皆殺しにしている・・・「無名の大魔族」というやつだろう。

 

アウラを軽く上回る魔力を持っていたあいつ。

あれはこれまで、一体何人殺してきたのだろう。あの猛烈な死臭、千や二千では済まないだろう。

 

「リーナか・・・」

 

人間をよく理解し、狡猾で悪辣な手段を取る。

人間を研究し、こちらが使う魔法に対策してくる。

新たな魔物を生み出し、被害の拡大を狙う。

自らの知識を他の魔族に広め、共有する。

 

あれは、魔族全体の脅威度を高めるものだ。

 

絶対に生かしておいちゃいけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リーナは生み出した魔獣にトラップを仕掛けるとき、毎回違う種類のトラップを仕掛けるようにしています。

リーナ「対策してきたのに全然違うトラップが発動してなすすべなくやられる奴らを見るのは愉快だね!」

アウラ「リーナって性格悪いわよね」
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