植物を操るヒーロー   作:姉小路

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変化

 

「お、オールマイト!?」

 

病院に着いてお医者さんが出てきた時、まだその場に残っていたオールマイトに驚いたものの直ぐに冷静になり検診を行ってくれた。

検診の結果、体の多くの部分に火傷があるのとヴィランの男に顔を殴られたときに脳が揺れているかもしれないとの事だった。腹も顔同様に殴られたがそちらは問題なかったそうだ。内臓系が問題なくて良かった。

 

「大丈夫だった!?」

 

「オールマイトが来たんだ。大丈夫だったよ」

 

「それでも本当に心配だったんだ」

 

症状を告げられ一応入院する事となったので病室の準備を待機所で待っていたら両親が飛ぶようにやって来た。どうやら学校から職場に連絡があったらしい。

学校がどうなったかを聞いてみたが教えて貰えなかった。恐らく少なくない数の被害者が出てしまったのだろう。二人は露骨に答えたくなさそうな顔をしていた。

 

「それより俺、オールマイトにサインと写真撮って貰ったんだ!」

 

暗くなった雰囲気を明るくする為にオールマイトの話に話題を変える。すると父さんの眼が変わる。

 

「そういえばさっき、オールマイトに助けて貰ったと言っていたな!くぅ~羨ましい!!俺は会ったことすら無いんだ!」

 

「もうお父さん!不謹慎ですよ!」

 

父さんの言葉を聞き母さんが叱る。別に本気で怒ってるわけではなくただのじゃれ合いなのだろう。

それにしてもこれまでの人生、まだ短いとはいえ家族として過していたのに父さんがオールマイトのファンだなんて知らなかった。

 

「そういえば父さん、母さん。俺、ヒーローに成りたい。」

 

「それは本当かい!?」

 

俺が決心した将来の夢を両親に説明すると凄い驚かれた。なんでだろ?危険な職業だから成って欲しくないとか?それとも何か別の事情でも?

 

「いやすまないね、今までそんな話をされた事が無かったからね。ついつい俺も母さんも驚いてしまったよ」

 

「あなた今までそんな素振りも見せなかったでしょ?」

 

そう言われて少し過去を振り返ってみる。

そんなに将来について話したことが無かったのだろうか。確かに個性についてばっかりだったけど少しぐらいは話したことが...無いね。年相応では無かったかもしれないな。

 

「なら別に反対という訳では無いんだよね」

 

「あぁ、思う存分目指してくれ。なぁ母さん」

 

「えぇ、本気ならサポートするわよ」

 

二人は微笑みながら肯定してくれる。優しいな。

個性についてばばかりに目を向けてたからもう少しまわりに目を向けよう。二人の姿を見て改めてそう思う。

しばらくして部屋の準備が出来たようでナースさんが案内してくれた。その際に両親は帰ってしまった。母さんは家に帰って俺の荷物を取りに、父さんはどうしても外せない会議があるらしく再び飛ぶように戻っていった。

 

 

 

コンコン

 

入院してから一週間程が経過して病室に来客がやってきた。一週間の間には両親の他には誰も来なかったので二組目である。

やって来たのは俺と同じクラスの生徒たち。リーダー的な立ち位置の少年を先頭にして続々と入って来る。

ひーふーみー...入室して来る人数を数えてみると一人も欠けていなかったので全員があの場から逃げ切れたのだろう。

 

「君のお陰で助かったよ!!本当にありがとう!!」

 

「「「ありがとう!!」」」

 

リーダーの少年が代表して感謝を述べる。それに続いて周りも感謝を言う。しっかりしてるなぁと言う感想の他に純粋な称賛が浮かぶ。

 

「お前たちこそよく逃げたな。ホントに凄いよ」

 

「いやいや君に比べたら全然...」

 

謙遜するリーダー少年。顔を見るに俺を残して逃げた事に少し罪悪感があるのだろう。俺の意思で残ったんだから気にしなくても良いのに。それに皆も十分凄いと思うけどな。俺がヴィランの男の前で動けたのは前世があった経験の差。きっと俺が生徒たち位の年だったら怖くて逃げる事も出来なかっただろう。だから十分凄い。

 

「あ、そうだ!コレ私達から感謝の印」

 

少し沈黙が続き気まずくなったとき所でリーダー少年の幼なじみの女の子から何やら箱を貰う。

確認して箱を開けてみると中身は高い所の焼き菓子だった。命を賭けたのに報酬がコレでは些か安すぎると思う人もいるかも知れないが、こういうのは心が大切なのだ。ましてや小学生がお小遣いを削って買ってくれたと思うと涙が止まらない。有り難く頂こう。

 

「ありがとう、美味しく頂く」

 

「うん!たくさん食べて元気になってね!」

 

眩しすぎる笑顔で言われる。ちょっとダメージを負った気がするが気のせいだろう。

 

「君も疲れてるだろうし、取り敢えず今日はコレで帰るよ。」

 

「あぁまたな」

 

リーダー少年がそう言って部屋から出て行く。

それに合わせて皆部屋から出て行くのだがその際に

 

「またねー」

 

「早く元気になれよ!」

 

「また学校でな!」

 

とか思い思いに挨拶していってくれた。

正直全員殆ど関わりは無かったし特に俺に対して情なんて無いと思ってた。だが皆何かしら挨拶してくれたのだ。

今まで皆に俺が避けられているのだと思っていたが逆で俺が皆を避けていたのかも知れない。

そう思うと黒歴史確定で少しの間ベットの上で一人転がっていた。

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