【硝子玉の子】   作:みっつ─

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前回で一章は終わり…ですがその前に幕間を挟ませてもらいます。
一応これクロス要素有りなんで、クロス先のキャラの顔見せぐらいは…ね。


幕間3 弾丸は込められた

 警察庁警備局。警備企画課、公安課等を統括する内部部局の一つ。

 キャリア組、準キャリア組が大多数を占める中で一つ独立した部署が数年前形成された。

 

 組織の名は『COLORFUL(カラフル)』。元公安職員やテロリズム対策を旨としていたSATを始めとする特殊部隊の団員達そしてが集まった表向きには別の部署で名前と活動を隠された組織。しかしその組織の中枢には警察官どころか公務員ですらない者たちが所属していた。

 若い者は学生、仮面を被り素顔が見えない者やヤのつく組織からやってきたのではないかと思うほど人相の悪い者まで十人十色。彼らの大半は警察組織とは何も関係ない、カラフルが独自に契約している私兵である。

 本来なら許されないそんな蛮行もこの組織、そして契約している彼らには許される。

 

「さぁ、カラフルの諸君。早速だが『検索』が終わったので情報の整理を行わせてもらうよ」

 

 警察庁の建物にある大教室のような大きな会議室の舞台の上で人の良さそうな顔をした美男が机に腰かけて会議室にいるメンバーに声をかける。

 男の名は誰も知らない。年齢、前職、家族、人種でさえ蓋をされている。会議室にいる彼らが知っているのは彼がカラフルを統べるリーダーであることと彼が魔法使いの一人であるという事実のみ。

 

──魔法使い。

 民話、神話などに登場する魔術、妖術、幻術などを披露する者を指す言葉であり、あくまで空想作品のものであって現実にはいないもの。マジシャンが自身を魔法使いと称することはあっても彼らが使っているのは魔法ではなく手品であり、魔法を使う人間がいるなんて言っても多くの人はマジシャンの方を指すと考える。

 だがリーダーと呼ばれる男、そして会議室に集うメンバーが使用するのは手品というインチキでは無い。正真正銘、物理法則などの絶対的な法則からかけ離れた『魔法』である。凡そ個人が使うには強すぎる、人を生き物から兵器へと変えてしまうもの。

 

 彼ら魔法使い、そして彼らが使う魔法を組織内、または彼らを飼っている国、世界はインスタントバレット、『世界を撃ち抜く使い捨ての弾丸』と称した。

 インスタントバレットにはそれぞれ運命の名前が付けられている。リーダーと呼ばれる男のインスタントバレットは『情報』。『全知無能』という名が付けられたその能力は世界の創造から終焉までありとあらゆる情報が記録されている概念、アカシックレコードに検索をかけて情報を抜き出すことができる魔法。それは即ちあらゆる情報を知ることが出来るということにほかならない。

 あらゆる情報を知ったその男が警察庁を手玉に取り、カラフルを創設、同じインスタントバレット達を集めた。ある1つの目的の為に。その目的は他のインスタントバレットの確保による無力化、あるいは殺害。今回もとあるインスタントバレットの無力化を目的とした作戦の事前打ち合わせである。

 

「今回のターゲットは斉藤硝太という名前の少年だ。年齢は15歳。現在陽東高等学校の普通科に通っている学生だ」

 

 男は会議室の大型モニタを起動し、そこに今回のターゲットの斉藤硝太の画像をいくつか表示させる。

 表示されていく画像に映る子供は5、6歳ほどの子供でとても中高生には見えない。しかしインスタントバレットというのは得てして人として異常なもの。人の不良品と呼ばれる悪性の塊。いくら見た目と実年齢が10歳近く離れていようと今更驚く者は少ない。その中で一人の男だけ眉を僅かに細めた。

 

「実家は株式会社苺プロダクションで母は現社長斉藤ミヤコ。父は…いや、これはいいだろう。血の繋がらない兄と姉がいて二人とも芸能人、ターゲットと同じ高校に通っている。人質として使うならこの3名が効果的だ…おすすめはしないが効果は保証できる」

 

 男がそういうと同時に画面に星野アクアと星野ルビーの画像が出される。硝太とは違い、年相応に成長している美男美女。どちらとも硝太には似ておらず並んでいるだけでは兄弟とは考えられない。

 作戦次第では2人と斉藤ミヤコを『人質』にする可能性を仄めかす男だが、その表情には少しだけ陰りが入る。

 

「今回の目的は彼のインスタントバレットの覚醒、その後に捕縛だ。可能なら無血で仲間に引き入れたい」

 

 大したことでは動揺を見せないはずのインスタントバレットの面々から一斉に焦りが見え始める。斉藤硝太のインスタントバレットがなんなのか、どのような能力を持っているのかは別としても能力を覚醒状態まで持ってきてから捕縛は簡単な事では無い。

 それも殺害ではなく捕縛して仲間に引き入れるとなれば相当の血が流れることを覚悟しなくてはならない。何故ならインスタントバレットの能力の覚醒に必要なのは世界を破壊するほどの『悪意』、人が本来持たない魔の力なのだから。それらを抱かせるということはつまり、カラフルを斉藤硝太にとって敵にした上で味方にしなくてはならない。今まで殺害しかして来なかったインスタントバレットの面々にそれは厳しいと言わざるおえない。

 

「しかし仲間を失ってまで求めるものでは無い。最悪の場合は殺害も視野に入れる。その時は頼むよ、()()()()()くん」

 

 男は焦りをが見え始めた他のインスタントバレットの面々とは違い一人だけ画面に注視していた男、「貝原亮介」に声をかける。亮介は少しばかり画面に移るアクアとルビーを見比べるとふん、と不機嫌そうに鼻を鳴らした。

 

「リーダー」

「何かね、すいむくん」

 

 男が1時中断したと判断したのか会議室一本の手が上がる。手を上げたのは黒髪を伸ばした20代後半ほどの女性。名は七辻すいむ。男と同じインスタントバレットの一人で『空鯨』と呼ばれる浮遊のインスタントバレットを使用する。

 彼女本人は警察庁とは何の関係もないが、カラフルが出来た当初から男と行動を共にしている、ある意味男の右腕とも言える女性。

 

 長い間共に戦ってきた仲間と1対1となり、男の対応も少し和らぐ。

 

「その男のインスタントバレットってなんですか」

「ああ、そうだね。大切なことを忘れていた。彼のインスタントバレット、それは…」

 

 

 

◇◇◇

 

 広がる世界を視て、魔女は笑う。

 

「さぁ、弾は込められられた。

願いの弾丸。叫びの弾丸。世界を壊す弾丸。使い捨ての弾丸。

インスタントバレット。世界を壊すのは誰だ?」

 


キャラ紹介

男(リーダー)

インスタントバレットの登場人物。名前は無いのかって?漫画内でも特に言われてないよ!周りからはリーダーと呼ばれてるだけ。

なのでこの小説でもリーダー、としか呼ばれません。

警察庁警備局の組織であるCOLORFUL(カラフル)の実質的なリーダーというめちゃくちゃ優秀な男。

本人の名前がわからない割にIB(インスタントバレット)だけは判明してるの草。主人公の能力名すら判明してないのに。

 

・『情報』のインスタントバレット

能力名『全知無能』

アカシックレコード(型月で言う根源のようなもの)に検索をかけて情報を抜き出す魔法。特撮オタに分かりやすく言うのなら地球の本棚の上位互換──のはずなのだが検索には時間がかかるため完全上位互換とはいかない。

 

七辻すいむ

自称COLORFUL(カラフル)の一番槍。インスタントバレット漫画内では割と損な役回りではあったが貴重な戦闘ができるIBでもある。

漫画での独白シーンからして元々はカタギの人間と思われる。

 

 

インスタントバレットの名前は不明。『空鯨』と本人は言っていたが能力名か技名か不明。本作では『浮遊』のインスタントバレットで能力名を『空鯨』とします。分からねぇこと多いな!漫画!

 

 

用語紹介

インスタントバレット

個人が持つにはデタラメすぎる魔法の力、またはその保持者を指す言葉。(または彼らの生き様を描いた赤坂アカの作品を指す)

それぞれ型月の起源のような運命の名前と能力名の二つが存在する。(が、大半のキャラは片方しか分からず中には両方とも分からないキャラも存在する。考察しがいがあるね!)

インスタントバレットの名の通り弾丸に例えられることが多い。その魔法は人の『悪意』、それも世界を呪うほどの悪意によって発生する。その特徴からインスタントバレットの多くは人間として大きな欠陥を抱えている。

本作の主人公、斉藤硝太もそれに当たる…とCOLORFUL(カラフル)のリーダーは言っているが…?

 

COLORFUL(カラフル)

警察庁警備局の組織の一つ。一般人はもちろん、インスタントバレットなら学生ですら雇うコナン世界でも有り得なさそうな節操のない組織。目的は他のインスタントバレットの殲滅とされているが…

 

構成員は全員インスタントバレット…かと思いきや一般兵と思われる人間もいる。漫画内では特に言及されていないが特徴的なヘルメットと持っているサブマシンガンが恐らくMP5(さらに加えて言うならMP5Kが1番近い)のもあるので恐らくSATと協力関係…というより事実上SATの上に立っていると予想。他にも作品内にはH&KのUSPっぽい拳銃も出てきているので少なくともSATと公安組織は好きに使えるっぽい。(そのくせとあるキャラの銃がベレッタM9っぽいんだよな…米軍とも協力関係がある可能性もある)

本作では漫画のインスタントバレットより戦力増強がされています。

 

 

 

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