ストーカー実行犯が死亡した知らせを受けて共犯者が動き出したと疑った硝太は対策の為ツクヨミとフリルを招集する。
「アビ子先生ー斉藤ですー」
学校の屋上でフリルやツクヨミと合流後、事件について話をしたいということで場所を変えることにした。人の目が無く、敵に見張られにくい場所。その上でミヤコやルビーといった事件に巻き込みたくない人がいない、腰を下ろして安心できる場所。
以上の点から硝太が選んだのは自分が家政夫として手伝いをしているアビ子宅。家兼仕事場からほぼ出ないアビ子を見張ろうとする者はまず居ないだろうしいたとしてもフリルの前のアパートより明らかに防犯がしっかりしている家に簡単に入れるとは思えない。アビ子は仕事に集中している為話を聞かれる心配もないし、アビ子は性格上友人等を家に招くことは滅多に無い。周りから完全に視線を取り払った環境と言える。
「ほら、二人とも。」
「「…」」
「大丈夫。アビ子先生警備ザルだから」
玄関を開けた硝太は一応中を右目を青く輝かせながら覗き込んだ後アビ子の反応が無いにも関わらず気にせず入っていく。後ろに控えるフリルとツクヨミの二人がついてきていないことにに気づくと手を器用に片手で掴み、少し強引に中に引き入れる。二人は事件について話をするというのに規模は置いておくとしてまさか一般人の自宅に押し入っている現実を受け止めきれず呆然としている。
マンションとは思えない大きな玄関を抜けるとそこには仕事場兼リビングがある。当然アビ子はマンガを書いており、フリルとツクヨミには背中を向けたまま。硝太の言う通り気づいてすらいないらしい。
「彼って、なんて言うか子供だね」
「遠慮が無いっていうか。自分ルールっていうか」
自由人なところがあるフリルと人とは隔絶した存在のツクヨミですら硝太の暴挙には驚きが隠せない。何せ元々
「よし、ちゃんと昼飯は食べてるな。アビ子先生〜友達呼んできたんで適当に持て成しておきますね」
「──はい…はい?」
一度は流れ作業のように無感情に頷くアビ子だったが数秒経って硝太の言葉を理解したのか勢いよく立ち上がり周囲を見渡す。そこには当然、フリルとツクヨミの姿がある。
テレビをあまり見ないアビ子でも知っている有名マルチタレントの不知火フリルに見た目だけなら硝太と同い年ぐらいに見えるツクヨミ。
「不知火…フリル…?」
目を擦りもう一度顔を上げる。当然目線の先の風景が変わるはずもなくそこにはこちらを向いて挨拶しようとしているフリルと片手で皿洗いをしている硝太の方をじっと見つめているツクヨミが居る。
アビ子は決してフリルのファンという訳では無いが知らない相手ではなく、ツクヨミは見た目から硝太の学校の友人、同い年かそれに近い友人と推理(実際はその時点から間違えているのだが)。しかし突然現れた有名マルチタレントが来る理由が思いつかない。
「はい、初めまして。鮫島アビ子先生」
「な、な、ななな何やってるんですか硝太くん!」
ずっと椅子に座っていたアビ子もたまらず食器洗いをしている硝太に掴みかかる。言葉だけ聞いたらアビ子が硝太を脅しているようにしか見えないが硝太は気にせず食器洗いを続けている。
「いいじゃないですか先生、部屋使わせてもらうだけですし。ここ部屋無駄に広いんですよ」
アビ子の住むマンションの一室は富裕層向けの為かとても広い。中で暮らしているアビ子の持ち物や部屋の内装から高級感は無いものの、東京の一等地に建っているにしては土地代がかかりすぎて無駄とも取れる広さ。下の階では三部屋以上の面積が取られており、下手な一軒家より広いのではないかと思ってしまう。そのくせ構成自体は一般的なマンションなので部屋が広い。当然一人暮らしで呼ぶような友人のいないアビ子は物置兼ごみ捨て場として利用していた。アビ子宅と自宅を行き来するようになった硝太の一番最初の仕事としてゴミ屋敷に片足突っ込んでいた汚い部屋は掃除し尽くした。
その為今は来るはずのない客人用の部屋として成り立っている。アビ子は「ここに住めばいいのに」と相手を小学生と勘違いしているとは到底思えないセリフを吐き出したが硝太は聞き取れていないのか反応すらしない。
「だとしても、ここは私の部屋ですよ!何人を連れてきてるんですか!ここは公共の場所ですか!?」
「だったら客人用の食器の場所ぐらい覚えてください。お菓子も賞味期限切ればっかり置いてあるし。先生ガサツなんだから公共の施設でいいじゃないですか」
「良くないですけど!?私のプライベートは!?」
「そこに無ければないですね」
真っ当な反論をするアビ子だが、悲しいかな私生活が硝太によって支えられているせいで人権がなくなっている。あえなく撃沈。
そうして完全に動きを止めたアビ子を無視して洗い物を済ませる。一見家政夫の真似事をしてる硝太が私生活がダメダメなアビ子を自分のことを棚に上げて悪口を言っているようにしか見えない。実際その通りなのだが、普段人と関係を作ることを嫌う硝太が軽口を言える相手はそうそういない。フリル達にすらスラスラ軽口を言うことは無い。数週間で作られたとは思えないほど距離感が近い。そんな2人の掛け合いにフリルは表情は変えないながらもじっとアビ子を見続け内心の不満を溜め込む。
「距離、近くない?」
「バイトみたいなもんだし」
「私にもこれぐらい気軽に接して欲しい」という言葉を内に秘めながら硝太のそばにくっつくが硝太はそんなフリルの心の内を知ってか知らずか軽く流して動きを止めたアビ子を強引に立たせる。
「ほらアビ子先生、ちゃんと働いて下さい。このままだとオーバーしますよ」
「はぁい…」
フリル目線で「気軽に」接されているアビ子が大人しく仕事に戻る。一応5000万部を売り上げた売れっ子漫画家なのだが、既に生活で手綱を引かれているため逆らえない。情けないものである。
そんな情けない大人なアビ子も漫画家としては日本どころか世界的にも優秀な漫画家である。硝太が何をしようと仕事に支障は出さない。それはそれとしてアシスタントには裸足で逃げられ、入れ替わりのように来た硝太は真似事すらできないため漫画家に関わることは全部一人でやることになったのだが。
「さて…と。本題に入ろうか」
アビ子が仕事モードに入ったのを確認して硝太はキッチンから出てアシスタントの使っていた机に腰掛ける。瞳の色こそ変わらないものの、アビ子を適当にあしらっていた時とは人が変わったような雰囲気を醸し出す。
事件のことについて話したい──それが三人の元々の目的。ツクヨミは明らかに硝太やフリルとは別側面から事件のことを知っている。
気になるのはその情報源、そしてどこまで知っているのか。どちらともツクヨミは一線引いた立場にいるせいかその全てを明かそうとしない。味方ではなくあくまで中立的な立場なのか──否。その場合
「私が神様だからその力で…とは納得してくれないよね」
「ああ。全知全能だとしても百があれば一があるし、一があるなら零がある。違う?」
ツクヨミが神域の存在だと知っているのは今のところ本人と硝太のみ。だが、フリルもその存在が異様なものであるとなんとなくだがわかっている上に、魔法使いを一度見ているせいで耐性ができている為特に驚きはしない。
「…最初に言わせてもらうけど私が知ってることはそう多くないよ。君たちの事はともかく、インスタントバレットのことはね」
ツクヨミは壁に背中を預けるとゆっくりとした口調で話し出す。言葉を選んでいるのか、硝太にはそれが隠したいことがあるようにしか見えない。
「私は宮城の高千穂、という場所で生まれた。多少の考えの違いはあるけど私は君達の言う神様。だけど身体の作りは君たちと変わらない。それは前に君も推理した通り」
宮城の高千穂。天岩戸とかアマテラスが主となる話が多い日本神話に縁のある場所で、ツクヨミに関する神話もある。彼女が『生まれた』場所とするのに違和感は無い。
神と同じ名を持つ、神そのものと言ってもいい彼女の実態は硝太も上手く掴めてはいない。わかるのは人を器として顕現したツクヨミという名の神だということ。つまり彼女の言う『生まれた』とは彼女の見た目である少女が生まれた場所、という意味で間違いは無い。
「私を『生んだ』人達がインスタントバレットのことを多少知っててね。聞いたんだ」
ツクヨミは『生んだ人達』と言った。つまりツクヨミは組織的に目的を持って生まれさせられた。その組織はインスタントバレットに多少の知識がある。まずもって普通の組織では無い。
「多少ってどこまで?」
「そういう能力を持った人間がいるってだけ。その共通点、と言うより能力の出処はまぁ、何となくわかるよ」
ツクヨミの言葉に硝太の目が鋭く光り、フリルはその気配に気づいて硝太の方を向く。仕事中と集中しているアビ子でさえ手が止まる。
インスタントバレットの共通点にして能力の出処。それにはインスタントバレットでもある硝太も例外では無い。能力の出処が分かればまだ能力の詳細が不明なインスタントバレットを操る手がかりになるかもしれない。片腕を負傷したままである上に体躯が小さい硝太にとってインスタントバレットは唯一の武器だ。格闘戦では不利であり続ける硝太に仮の話だが遠距離攻撃が出来れば戦力の差は直ぐに覆る。遠距離攻撃が無くても魔法と言われるだけはあるのだからステゴロより弱いなんてことはまず有り得ない。実際硝太が殴る蹴るだけでは勝てる勝てないどころか相手にすらなっていなかったストーカーや病院を襲いに来た
当然ツクヨミがそれを理解していないはずがない。これを言えば硝太はインスタントバレットの力を使いこなし、より強力なものにしようとするに違いない。それを分かっているからこそ、ツクヨミは言葉を選びながらも一切の嘘や欺瞞を含まずに真実の実を言う。
「失望、恐怖、絶望、醜悪、嫌悪、不安、嫉妬──ありとあらゆる負の感情。そしてそこから生み出される破壊願望──インスタントバレットっていうのはね、世界を破壊する力なんだよ」
「なに、それ」
ツクヨミの言葉にいの一番に反応したのはフリルだった。いつもの雰囲気は消え去り、明らかに動揺している。瞳は揺れ動き壁に背中をぶつける。
事実がどうであれツクヨミが嘘をつこうとしていないことはフリルにもわかる。わかるこそ、「有り得ない」と言い捨てたかったがそれを許さない自分がいた。
対して硝太は欠片も動揺を見せず顎に手をやると納得したのかコクリと頷く。
「なるほど。そういうものか」
「硝太!?」
「いや、感情がエネルギーとして使えるかって点は疑問だけどね。何度か使ってる身としては使っても体力が消費された気はしないしそれこそ気っぽいものがあるとは思ってたんだ。腑に落ちたよ」
当の本人が納得したことにフリルが掴みかかるが硝太はうんうん、と何度か頷いてむしろ安心したように見える。
硝太が自分のことを『異常』と言ってることを知ってるフリルだが、フリルの考えている『異常』とツクヨミの言う『異常』は訳が違う。前者の場合は姉を失い記憶喪失となったPTSDの結果、興味が無いものにはとことん無知な常識知らずと説明が付けられるが後者の場合はそんな
ツクヨミの言葉からその意味を理解することが出来ただけにフリルはそんなことは無いと思う反面、ほんの少しだけ理解出来てしまった。
──原因は、
幼いながらに身内の死を、それも間違いで映ってしまった番組で仲良さそうにしていた姉の死を経験してしまった硝太は記憶喪失となり、性格が歪んだ。他者への共感能力を持ちながら必要以上に警戒し一度でも琴線に触れたらその内に隠した攻撃性を露わにする。これは身内を失うことへの恐怖や絶望、姉を救ってくれなかった世界への嫌悪等の感情。そしてそこから生まれた破壊願望。
記憶を失い、新しい人間としてやり直すチャンスを得て程度の差はあれど世間に溶け込めるようになっても失われるどころか強化されている。硝太が自分の感情で動こうとしないのはそれを自覚しているから。
当然だがツクヨミの言った特徴が当てはまる人全員がインスタントバレットが扱えるってわけでは無い。大小の差はあれど皆悪意は持つ。それ以外にも条件はあるのかもしれないし、無作為に選ばれただけなのかもしれない。少なくとも例外でないことぐらいはわかる。
「じゃあ、それ前提で考えてみるか。
フリルの手が離れたのを確認して硝太は隣にいるツクヨミと病院の件について考え始める。ストーカーの死が仮に他殺だった場合、一番怪しい人物。硝太がストーカーの共犯者だと見ているインスタントバレットの使い手。
フリルはそれを直接見た事がある訳では無く、あくまで硝太から話を聞いただけ。その硝太でさえその時のことをほとんど知らない。何せ硝太は刺されて強引に起こされる直前まで生死を彷徨っていたのだから。つまりその時とことで一番詳しいのはツクヨミということになる。しかしツクヨミも何やら言いたそうに硝太の方を見つめる。
「…その割には君変なこと言ってたよね。
「ものの例えだよ。病み上がりと戦闘でテンション上がってたんだ。忘れてくれ」
「硝太、厨二病みたいなこと言うんだ。可愛い」
「…忘れて」
ツクヨミの言葉に分かりやすく顔を赤くする硝太。その姿はいつも学校で見る姉に振り回されている弟の姿そのものだ。戦闘中にテンションが上がっていた、と物騒なことを言っているが要するに楽しくなった結果詩的なことを言ってみたということになる。人の家に押しかける身勝手さとはまた違った子供らしい姿に安心する。
「意味は?」
「関係無しかよ…死体に何か…全身にベールのようなものが掛かっているようにみえた。多分ベールがインスタントバレットのことだと思う」
硝太が若干恥ずかしがっているのにも関わらず追求するツクヨミ。硝太も愚痴は零すものの自分の考えも交えながら推察を行う。
「…硝太のインスタントバレットって」
「ああ、まだ確証は出来ていないけどね。魂とそこから出たものを知覚して触れることが出来る。君にも分かりやすく言うと彼は肉体だけじゃなくて精神も知覚できるって感じかな」
ツクヨミの言う硝太のインスタントバレット。硝太は視点がズレている、と端的に言っていたがツクヨミの言うことが正しいのならこの視点、とは知覚できるものの範囲のことを示していたのだろう。魂的なもの、例えば幽霊が見えたとすれば視点がズレていると言い切るのも理解できる。
硝太の魔法の詳細は分からないが視覚に関する魔法であることは確定している。ベールのようなものがインスタントバレットそのものである確証はないが今のところ最も疑わしいもの。問題は、それをどうやってつけたのか。そしてどうすれば解除できるのか。
「言いたいことはわかった。けど私が知ってることなんて精々、君の病室に侵入する時に電源を落としたことぐらいかな。」
「電源…?ブレイカーを落として病院の機械を止めようとしたってこと?」
病院の電気がどうなっているのか詳しい訳では無いが硝太がまだ生死を彷徨っていた時なので機械さえ止めれば硝太を殺すことは出来る。それならわざわざ硝太の元まで来て息の根を止める必要性は無い──が、病院側が対策してあった場合直接手を下した方が確実ではある。
それを狙ったのか、と思ったが硝太は目を細めて考え始める。
「それは知ってる。あれだけ規模の大きい病院なら予備電源位はあるけど予備電源も止められた…と思っていたけどその割には他の病室は普通に動いていたんだ」
「そうなの?」
「後日調べたんだ。あの時間帯病院が停電に巻き込まれたりしたことはない…つまりさ、意図的にあの部屋だけ電源を切られたんだ。それも証拠に残らないようにね」
病院には停電した時用に予備電源があり硝太のような機械が壊れたら命の危険があるような人を守るようになっている。しかし、病院側は停電にあっていない。しかし少なくとも硝太のいた部屋の電源が消されたのは事実。予備に切り替わらなかったのか、そもそも予備からの電気も来ないようになっていたのかは分からないが完全に硝太の部屋のみ停電となった。これがインスタントバレットの能力なのか何かしら手を加えたせいでそうなったのかは分からないがかなり入念に仕込んでいたのは間違いない。
「役者が立つ舞台の上ならスポットライトが当たってもいいけどね」
「スポットライト…そういえば硝太の調べた死体、全身に包帯が巻いてあったんだよね」
インスタントバレットが魔法と呼ばれるように個人がどんな能力を持っているのか分からない。分からないなりに推理している時に硝太が神話や古代の考えを例えとして出していた。ツクヨミから出たインスタントバレットの情報は能力が悪意から生まれたと言うことのみ。神話やそれらの考えが悪意と結びついているとは思えない。つまり硝太の中では神話に類似する能力なら有ると確信している。その理由は聞いていないので硝太自身も上手く理解していない。言葉にして出せるようなものでもなく勘である。だが他でもないインスタントバレットの使い手である硝太の勘は放っておけない。
しかし同時に神話と同じように能力が数多くでるものがある。物語そのものだ。神話も言ってしまえば過去の人が作り出した物語と言える。インスタントバレットという魔法がある以上本当に神様がいて能力を使っていた可能性も捨てきれないが実際に確定していない以上物語と変わらない。悪意という感情から作られる魔法がインスタントバレットならイメージとしてそこに物語が乗っている可能性は充分有り得る。全身に包帯を纏っている男、がインスタントバレットによって作られたのならフリルにもいくつか思い当たるものはある。
「いや、顔だけだ。他は病衣に包まれていたよ。おそらく仮面のメタファーじゃないかな」
しかしそんなフリルの予想を先に考えていたように硝太は首を振って否定する。だが顔を隠すというのがポイントなら全身包帯より考えられる物語はある。
硝太の言う仮面のメタファーというのも有り得る。仮面を被った男、なんてそれこそモチーフだけで考えても数え切れないほどある。
「君はこう言いたいわけだ。わざと雑に包帯を巻くことで包帯がズレて中身が見える。そこから中身が見られるってのを起動条件にしたと」
「見るなのタブーなら君が1番知っているだろ。イザナミの逸話にある。似たようなのがギリシャのオルフェイス、旧約聖書のノアにもある。特にオルフェイスの伝説は冥府の話だからよく似ている。フリルもよく知ってるだろ。まぁ包帯、あるいは仮面の中を見るなってのは思い浮かばなかったけど」
見るなのタブー。カリギュラ効果の一種として語られる物語の類型。硝太が言っているような神話もあるが鶴の恩返しや浦島太郎等の民話にも存在する。舌切り雀にも、似たようなエピソードがあるぐらいだ。
確かに有名でありふれた物語の類型だがフリルは違和感を拭いきれない。仮面を被っているのならその中身に何らかの秘密があるのは創作の基本と言ってもいい。しかし、本当にそれだけか。もし本当に見るなのタブーを使っていたとするのなら、その中身を見た時点で魔法の何らかの仕掛けが作動しなくてはならない。それが起動だと言うのならその魔法を使った誰かは中身を見ないようにその
人伝の人伝の話しか聞いていないフリルだが、その
──目的は、本当に硝太の殺害なのだろうか。
何度も言われたが硝太を殺すのに直接手を下す必要は無い。わざと手のかかる仕掛けをしてまで生命維持の機械を止めるのと
もしかしたら、
悪意があるのは間違いない。生死をさまよっている人間に暴行はありえないとなれば──誘拐。誘拐、仮面、停電──これらの要素から出る物語は。
「オペラ座の怪人」
フリルがポツリと零した言葉に先程まで話していた硝太とツクヨミの動きがピタリと止まる。考えていなかった可能性、というより知識には無い単語に二人とも思考を加速させる。
「え?怪人?ごめん僕特撮はあまりみないんだ」
「違うよ。そういう舞台があるの」
「舞台…?」
どうやら硝太は『オペラ座の怪人』を知らないらしい。確かに昨今舞台を見に行く人は減っているし『オペラ座の怪人』は舞台では有名な演目だが世間的にはマイナー寄りになっているかもしれない。
舞台と聞いた硝太は徐にアビ子先生の近くをウロウロし始める。近くの机からDVDらしいものを見ると信じられないものを見たような顔で一言呟いた。
「…そんな簡単でいいのか?」
遂に敵の残されたシッポを掴んだ硝太。
オペラ座の怪人は舞台見ない人でも分かる有名なやつらしいですけど…まぁ僕がオペラ座の怪人知ったのはfgoなんだけど。fgoって設定の割にはそんなん誰が知ってるんだよって英霊いたりするし…あれ?もしかして意外とマイナーだったりする?
因みに硝太がアビ子先生の扱い雑なのはダメ人間だけど信用に足る人間だからですね。小学生だと思っている人間に舐められているのはアビ子先生が可哀想ですが。
感想、高評価、お気に入り登録よろしくお願いします!
硝太のそういうところのウザさは(ガチの小学校の)少年探偵団が元ネタだったりする。ウザイ