遺恨のIS   作:アルファデッド

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周囲

セシリアSIDE

 

※【】内はすべて英語である

 

 

 

ウィリアム叔父様から連絡があって同室の子に一人にしてもらっている。

 

【お久しぶりです。叔父様】

 

画面には直近で連絡した時より少し窶れてように見える顔が映っており、それを決して見せようとしない姿勢はいつ見てもすごいけど、流石にそれで幻滅するような安い女であった覚えはないと言い切れないの少し辛いわ。

 

昔はお父様を情けなく、あのような男とは結婚なんてしないと思っていたけど、今となってはウィリアム叔父様やショーおじさんを見てお父様が情けないのではい、そう思っていた私の方が情けなかった。

 

【ああ、そうだね。セシリア。最近の調子はどうだね?】

 

【それは叔父様にそのお言葉をそっくりお返しします】

 

明らかに叔父様の方が聞かれるような調子の悪さを見せているのだけど・・・今はその時ではない。

 

【ははは、これは手厳しいな。色々と重なっているからね】

 

その色々については問い詰めたいことだけど、雑談をすることが今回の目的ではないけど、叔父様の精神的な健康のために雑談する時間を設けることを固く誓いながら本題を切り出した。

 

【いきなり本題だけど、ショーおじさんの顔は以前の顔ではなくなっているわ】

 

【・・・そうか。やはりか】

 

彼が二人目として見つかった時に叔父様から貰っていた資料の中にはISのイメージを悪くした事件である『第5護衛艦隊壊滅事件』の生存者であることは知らされており、当然ISに対する感情が悪いことは容易に想像がつく。

 

【すべてを見捨てたような・・・何を考えているかは分からないけど、輝きは失われているように見えている中で何かを遂げようとする意志は死んでいない。それが良い方の傾向でないと私は考える】

 

ショーおじさんが自己紹介をした時の瞳は少し怖かったと思ってしまうほど冷え切っていて希死観念が見え隠れしていているけど、何かの目的を果たすまで絶対に死なないという確たる意志が漲っているように感じたけど、それが決して前向きなものではないことがはっきりと感じられる。

 

【そして、彼に専用機が割り当てられたわ】

 

【やはり倉持かね?】

 

【いいえ、不知火製作所と聞いたことがない会社が担当したみたいです】

 

【・・・っ!?不知火か、分かった。すぐに調べないといけない】

 

その言葉で顔が硬ったということはやはり、過去に関連する出来事でしょう。

 

【叔父様、ご存知なのですか?】

 

しらぬい(不知火)・・・彼が始めて勤務した艦の名だ】

 

【まさか・・・】

 

彼の過去をよく知っているか調べているかでないと分からないにせよ、リスキー過ぎる気がする。

 

【間違いなく彼とその関係者の息がかかっている。こっちで調査するから彼の動向をショートメッセージでもいいから逐一教えてほしい】

 

【叔父様、ショーおじさんがあの()()()()()()()であると・・・】

 

隠す気がないように見えるけど、実際誰も正体を知らない・・・そもそも幻とつくほど存在がまだ確かめられていないからここまで露骨なことが出来ているとも言えるかもしれない。

 

もし、仮に露見したとしても学園の特記事項で守られる。

 

【彼がヘマをするようなことはありえんが、いずれ嗅ぎつくやつはいるだろう・・・セシリア、なるべく彼の身辺にいてやってくれ】

 

しかし、それは表面的な話のみ有効で実際はどこまで通用するかが不明だけど、何かは起こさせない。

 

【言わずともそうしているわ】

 

私に()というものを見せた責任は取ってもらうつもりだもの・・・

 

【・・・二回りも年上だぞ】

 

【ええ、たかだか年齢ごときで諦めるという言葉はない】

 

オルコット家の名にかけて負けるつもりもない。

 

【此奴はそもそもあの子に一途だからなぁ。これはセシリアの嗜好を心配すべきなのかねぇ・・・】

 

しっかりと根幹から私の理想的な男性像というものを歪められましたから

 

ニガシマセンワヨ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園内

 

 

当然のように一人目についての話題で埋まっている中で意外なことに二人目についての話題もあり・・・

 

「ねえ、二人目は結構私好みのおじ様なんですけど・・・」

 

「分かる、そのダンディーさでやられそう」

 

「あれは猛毒だよ」

 

「うん、理想の男性像を歪ませたという責任を取ってほしいよね」

 

「ISの実技が楽しみ、あの服の下にある肉体が見たい」

 

好意的?な声がある一方で一人目とは比べものにならないほど、否定的な声の方が多い・・・

 

「IS殺しを受け入れた学園は何を考えてるの?正気?」

 

「あんな不男をなんで研究所送りにしなかったの?」

 

「浮かれた阿婆擦れ共が鬱陶しいわね」

 

「IS神話を壊した反逆者は死ねばいい」

 

「弱味を握って社会的に殺す」

 

「どうやって排除すべきか」

 

これが学園内で小さな分断を引き起こしており、不協和音になり始めている中でほくそ笑んで得するのは誰か・・・

 

「まだ分断に至るには弱いが良い感じにはなってきている。もう少し刺激を与えれば混乱の波が生まれ、学内の秩序は徐々に保てなくなるはずだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランスの某所

 

 

??SIDE

 

※〈〉内はフランス語である。

 

 

(あの男を頼る他に術がないだろう。しかし・・・)

 

鎮火した火種の再燃がまた新たな流れを生もうとしていた。

 

〈あなた、これ以上の時間も動きも出来ないわ。誤魔化すのは最早限界が来ている〉

 

〈分かっている。しかし、これ以上迷惑をかけたくないのだ〉

 

悩みに悩んだ苦悩に満ちた男性な顔にはまるで生死を左右する重大な決断を前にして歪みきっていた。

 

〈それこそ、彼がやったことを台無しにするよ〉

 

近くにいる女性も同じような顔ながら見えている蜘蛛の糸に縋りつきながら唯一とも言える手段を取るようにと・・・

 

〈分かった。連絡するから準備に必要な全てを〉

 

〈ええ、辛い役目をしたくないけど仕方がないわね〉

 

守るべきもののために・・・

 

しかし、悪意はそれを見逃すほど甘くはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ某所

 

エイミー•ベイツSIDE

 

 

 

かつてこの国のために身を献上し、尽くしてきた偉大な父上がこんな誰の目にもつかない場所で寂しく葬られている。

 

これが自由と平等を支えた者への仕打ち、、、

 

【エイミー、風邪を引くぞ】

 

人気も動物の気配すら感じられない茂った森の中にある小さな墓に花を添えて1時間経って心配だったのか、後ろから義兄の声が聞こえた。

 

【こんなところで恥辱のうちに寝させられている父上に比べたら私の身など・・・】

 

【父上はそんなことを望んでいない。帰ろう】

 

【ジョン兄さん・・・】

 

【俺だって悔しいけど、ここで弱ったどうする。兄さんが頑張ってるじゃないか】

 

義兄で養子らしいけど、誰もジョン兄さんを義兄ではなく本当の兄上として扱ってきた。

 

【・・・そうね】

 

【エイミーはまだ海軍を続けるのか?】

 

【ええ、父上が開いてくれた道を簡単に捨てたくない。ジョン兄さんはあの原潜調査派遣に指名されたの?】

 

兄上たちの顧みなさが心配でストッパー的な意味も込められているけど、私がその道を歩んだのはベイツ家の女は軟でも七光りでもないと証明するために飛び込んだ。

 

それも推薦無しで最もいびられても目に物を見せてやるつもりでいつの間にか最速で少佐に昇任し、ベイツ家の実力を・・・ISなどという()()()()()道具なしで明かした。

 

【そうだが、まさか指名されたのか?】

 

【艦長は変わってしまっているから調査には参加しない。二人目を一目見るために申請している。あの男がどんな世界を描いているのかを】

 

世界に変わる突破口を作り、蜘蛛の巣を垂らした。

 

しかし、それが本当に私が求めた()()なのか、それとも()()なのかを見極める。

 

(父上が救われるなら 兄上たちが報われるなら ・・・どんな手段でもどんな地獄が待っていようとも)

 

【二人目って、ディーゼル潜の艦長じゃなかったのか?】

 

【総合的に判断してもあの時の海域は彼が指揮する原潜しかあの場所にはいなかった・・・だけど、彼らは決して弱くないよ。それは私が見てきたことだ】

 

【エイミーにそこまで言わしめるか・・・】

 

あの時は見逃してもらえたけど、実戦であれば容赦なくあの世に送られていただろう。

 

【父上、また来る。必ず、汚名を晴らして偉大さを取り戻してみせる】

 

小さな一滴の血が動き出そうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某国内

 

 

【この日がやってきた】

 

平日だからかスーツを着ているビジネスマンやウーマンが辺りを忙しなく歩いて今日も明日もと社会の歯車として馬車馬の如く汗水を垂らしている中でスーツを着用はしているものの、似合っていないのか割と浮いている数人があるビルを目指して闊歩していた。

 

スーツケースを引っ張っているが、ビジネス用にしては大きすぎるものの誰も気にしていないのか無視して己の仕事に奔走している。

 

【国際IS委員会本部】と書かれている金の無駄遣いを見せしめるように鎮座している大理石の銘石があり、ビルの周囲は人の立ち入りは少ない。

 

警備員もいるが武装は拳銃程度でまるでここが悪意に晒されるはずがないとばかりに配置されており、侵入は簡単そうなのものだ。

 

【先発班、配置完了。いつでも命令を】

 

【まだ気づかれるな。間違って男性職員は巻き込むな】

 

【承知いたしました。場内にいる者の位置は順次知らせます】

 

とてもサラリーマンか、その建物に属する職員がするような会話をしていない子集団は正面玄関を素通りして清掃員が使用するような裏口へ何の抵抗もなく、向かって入ると清掃員がいる。

 

しかし、清掃員にはあるまじき装備をしていた。

 

インカムに寄せ集めてきたそれなりの品質の銃火器を手に持っており、何を想定しているかが読めないほどある大量の爆薬や弾薬、人数分のガスマスクが積まれている清掃用のカートがあった。

 

入って来たばかりのスーツの集団もチョッキに偽装したプレートキャリアとガスマスクを被り、スーツの中には清掃員と同様に爆薬、弾薬や小型の銃器が詰まっており、軽くギャングかマフィアを相手に違法な商売が出来るほどである。

 

【非公開会議が始まったのは40分ほど前です。あと5分ほどで公開議論になる予定で報道陣も待機している状態です】

 

【こっちがバレているような様子は?】

 

【ありません、呑気に醜い応酬をしているだけです】

 

【記者たちのカメラの搬入が始まりました】

 

【行動開始だ。あとは全て打ち合わせ通りだ】

 

バイトのような素人とプロが入り混じっているものの、下手な真似をするような奴はおらず、忠実に動いていた。

 

警備員に扮した一部の者は報道陣を誘導しつつ出られないようにして増援や邪魔が入らないように細工を施しており、清掃員や作業員に擬態している連中は必要な工作と準備を進めている。

 

【まもなく公開議論が始まります】

 

【カウントダウン開始】

 

04:59:03

 

【対IS兵器の有効性は極めて限定的で非効率的かつ非論理的なものでISの有効性依然と高いものである】

 

【ISの生産に関する研究は進んでおり、数年以内に量産可能である】

 

【我々が二人目の人権を剥奪するという批判は的外れなものである】

 

【第5護衛艦隊壊滅事件はISを批判するためのデマであることは明らかである】

 

【ISは世界の核廃絶を実現するための唯一の手立てであることはこの現実が証明している】

 

01:14:07

 

【反吐が出るな】

 

【ふっ、まもなく鉄槌をくだせるんだ。少し待て】

 

【警備等に異常は見られません】

 

【決心取り消し可能時刻を過ぎました】

 

【各国のスリーパーもいつでも動けます】

 

【昨日の敵は今日の友、、、確かにISはある意味平和を生んだな。歪なものだがな】

 

【ISに死を】

 

【【【【【ISに死を】】】】】

 

00:00:00

 

突然ドアが乱雑に開かれ、入ってきたのは銃火器や爆薬を装備したスーツと作業員姿の集団でおおよそ話し合いに応じる様子ではない。

 

【国際IS委員会は、ってオタクら一体なんだね?、、、】

 

【死ね】ダダダダダダ

 

火蓋が切られて議場には報道陣を除き、逃げる暇もない者たちが次々と全身に風穴が開き、血飛沫がそこらに散っていた。

 

【ギャーーー警備をよb】

 

【たすk】バーン

 

【報道陣はカメラをそのまま中継にすれば命は保障する】

 

武装した作業員が報道陣を囲むようにして銃口を突きつけてカメラを切らせないようにしている。

 

【じ、地獄絵図です。これがISを手にした連中への罰なのか】

 

カメラを切れない以上は状況をそのまま述べるしかなく、これが茶番でもドラマの一幕ではないリアルな現実であることを世界に突きつけていた。

 

銃声は止まない中で着々と設置されていく爆薬が何かを待ち伏せている相手に向けたものだ。

 

【鎮圧用のISこちらに向かっている】

 

【総員、最大限に抵抗して引き込め】

 

国際IS委員会お抱えのISが4機突入してきていたが、閉鎖空間に加えて軽機関銃、アサルトライフルやサブマシンガンの弾幕によってシールドバリアーが削れることを嫌がって入ってこ来れていない。

 

建物に損傷をさせると面倒なことになると思ったのか、積極的に攻撃を仕掛けられなずに防戦一方であり、その姿は世界に流されていた。

 

弾幕が切れると同時にISが反撃に出たもののカメラがあることを失念していたのか、襲撃者たちをそのまま切り捨てて内部へと進入したものの・・・

 

()()()()()()

 

【起爆用意】

 

【報道陣の退避完了 カメラもそのまま稼働中】

 

【議場内到達まで3、2、1、0 IS現着】

 

【地獄で会おう 起爆!】

 

ISが自分が救世主のつもりか、優雅に着陸して降伏勧告のふりをした殲滅をするつもりで武装を切り替えているときに議場内で見える柱に仕掛けられていた爆薬が炸裂し、建築工学も考慮していたのか一瞬で建物全体が崩れ落ち、ISも襲撃者たちも押しつぶした。

 

その最期の瞬間までがカメラが捉え、インタネット配信で拡散されていった。

 

極めて限定的な状況でも死ぬ前提で行えば生身、普通の銃火器と爆薬だけでISを無力化するという事実が対IS兵器の開発を加速させ、世界の分断はさらに深まった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雰囲気の醸成の後に焚きつければあとは事が進んでくれる。だが、まだまだ足りない・・・」

 




誠に勝手ではございますが次回は仕事の兼ね合いで1~2週間ほど執筆が出来ないですが、なるべく早く更新できるようにしたいと思います。

よろしくお願いいたします。
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