遺恨のIS   作:アルファデッド

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スランプと多忙により遅くなってしまいました。

次回はなるべく早く更新できるように頑張ります・・・

人手不足やらで休みが休みになっていない。


IFルート
IFルート


人類が宇宙という遥かなるフロンティアに壮大な夢を託し、旧ソ連空軍軍人であったガガーリンの有人宇宙飛行を足掛かりにNASAのアポロ計画で月面着陸を果たし、時代はこれからという時に冷戦という金のなる木が消え、人類は自らの手で宇宙への道を閉ざした。

 

官営から民間へとシフトしていったものの、あの時代のような狂気的なトライ&エラーに追いつくことすら叶わない中で三人の若い日本人研究者たちが立ち上がり、『コスモス計画』という大言壮語を吐いたかのような代物を発案および発表し、初期は誰もが嘲笑するか見向きすらしなかった。

 

しかし、そんな状況をまるで始めから分かっていたのか、発表までに集めた膨大な実験とその検証データのみならず、集大成である実証機の先にある量産を前提とした試作機が既に完成していると発表したことで当初嘲笑われていたものが、いつしか人々の新たな希望となり、NASA*1、ESA*2やJAXA*3による協力もない、単独でやり遂げたことがさらなる衝撃を与え、かつて戦争のおかげで夢みた宇宙が研究者たちの手に委ねられていた。

 

 

 

藤川翔SIDE

 

オーストラリア国内の何処か

 

セーフハウス兼研究室

 

 

大学院を卒業してから魔王系後輩に実質的に拉致されてからまともに休めていない、いや、正確には休む暇もなければ止まる気もない研究漬けの生活を送っていたが、これは俺らの夢である宇宙への往復チケットを握るためにあり、それがようやく実を結ぼうとしているところであった。

 

『最終安全装置シーケンス試験、完了 異常なし』

 

この試作機において最も大事な安全装置の最終確認が終わり、我々の子供はようやくお披露目できる段階まで来ているのだ。

 

「お、終わったぞーーー。フォーーーーー!!!!」(某ハードG風)

 

「ヒャッハーーーーーーー」(世紀末の連中風)

 

「「汚物は消毒だぁーーーー!!!!」」(某世紀末アニメ風)

 

「しょーとミーちゃん!!一旦寝てぇ!!」(マトモな後輩かつ真人間)

 

「「何を言うか!!これからパーリーナイトだろう」」

 

「寝ろと言ってるでしょうがーーー!!!」

 

なんか後輩がブチ切れで茶番みたいな日常をここで繰り広げているが、俺と明美は至って正常でたかが四徹で気分が高揚しているだけだから、後輩はなんで騒いでいるのかが分からない。

 

「まあまあ、お堅いことを言わずにね」(カスな先輩そのIである自分)

 

「そうそう、そんなにカリカリしていると老けちゃうわ」(カスな先輩そのIIで自分の妻)

 

「誰のせいだと思っている、、、寝ろーー!!!!」(本来はカスな後輩だったはずなのに、、、、)

 

なんか後頭部を自分たちでなきゃ見逃してしまうほど素早い手刀でやれたのか、そこで意識は暗転した。

 

 

 

篠ノ之束SIDE

 

お馬鹿な先輩2人を雑にベッドへと放り込んだところで体力を大分使ったのか、動く気力がなくてダイニングで飲みかけのコーヒーを啜りながら先ほど産声をあげた我が子のことを振り返ると私だけでも出来ただろうけど、しょー先輩とミーちゃん先輩のアドバイスを聞いてなかったらマトモに認められなかったであろうことはここまでの道のりで痛感させられた。

 

最初は私を妬んでアドバイスのフリをした妨害と思っていたけど、今となってはしょー先輩もミーちゃん先輩も散々な目にあったからこその親切心と心のうちに溜まった報復心だと理解できるほどに有象無象共のの言いがかりがあまりにも酷く、しっかりと反論できて言い勝てた時の2人の喜びようは人に興味が薄い私でも伝わり、私自身もブチかましてやった気分だったからちゃんと聞いておいて良かった。

 

それは良かったけど、徹夜でテンション崩壊するのだけはやめてほしいと言いたいものの、私も人のこと言えない上に普段は煽っているからお互い様というところで今もおバカなことを出来る大事な仲間だ。

 

「うー、、、核融合で焦土化するぞ。このハゲーーー」

 

「あー、うー、、、髪の毛フサフサなクローンで毛根を引っこ抜いてやろか。バーコードめ」

 

寝言の癖がすごいけど、余程トラウマなことを思うと本当に2人が先輩でよかった。

 

あのままの若気の至りで行っていたらきっと壊れていただろう。

 

「あ、明美、、、後輩にバレるぞ、、、」(本当に寝言)

 

「翔、大丈夫。その時は一緒に抱いてしまえば良いのさ。男でしょ。甲斐性の見せどころよ、、、」(寝言)

 

訂正、やっぱり碌でもない愛すべき馬鹿な先輩2人だ。

 

(まあ、かく言う私もそういう関係に流れでなってしまっているし、続いているけどね)

 

行き詰まった時のストレスで2人がイチャイチャしている時にイライラで乱入したのが始まりでしょー先輩は常識的に対応しようとしているのにミーちゃん先輩が彼のためなら多少の倫理観がラスベガスへ旅行しに行かせて、それに便乗したのが私自身で後悔はない。

 

しょー先輩以外の男は一夏くらいしか認識してないけど、あくまで弟分でしかないことを考えると必然的な末路だったかもしれない。

 

私が思い描いていた我が子の形は違うかもしれないけど、2人のおかげで懐疑的な連中の面子を吹き飛ばして注目の的となった我が子が愛おしく、3人で宇宙に行く楽しみが出来た。

 

安全優先の思想は邪魔だと思っていたものの、よく考えれば水着同然で宇宙空間に出るのは技術が確かなものでもどこから見ても不安で余計と馬鹿にされていたことは容易に想像できる。

 

(しょー先輩の言う『我々のための安全ではない、見る人のためにある』は効率だけを突き詰めた私では鼻から考えてなかったことだった)

 

効率を突き詰めすぎて『露出魔』と言われたのは当時納得できなかったけど、冷静かつ第三者視点では悲惨なものだったのは記憶に新しい。

 

 

数時間後、、、

 

 

「「誠に大変申し訳ございませんでした!!」」(ジャンピング土下座)

 

「うむ、よろしい」(覇王?魔王のの風格)

 

謝罪を受け入れたところで我が子の簡易的なテストをすべく装着することにしたが、特段の問題なく動きにも異常か見られず発表するX DAYは成功することを確証できたところで豪華なご飯とお酒で祝うことしたが、相変わらずしょー先輩はミーちゃん先輩と私からの被害を受けて干からびていたとだけ言っておく。

 

(3人でいれば人生は楽しいな)

 

 

 

 

藤川明美(旧姓:冬川)SIDE

 

我らの後輩が良くない道へ踏み外しかけていることを見ていられずに色々もアドバイスやらをしていたらコスモス計画を手伝うまでに至り、夫と一緒であればなんでも良い私はついて行って出来ることをしただけで大したことはしてない。

 

※割と重要な役目を果たしている

 

さて、X DAY当日でメデイアは一切呼ばずにカメラを片手にネット配信式でお披露目している関係で私と夫がカメラマンを担っており、私も着用している我が子であるインフィニット•ストラタス『IS』、通称『スパルタン』

 

名前の由来は人間が活動家出来る範疇が長らく成層圏内であり、それが宇宙へと伸びることを示す『インフィニット•ストラタス』、そして、必要な機能をコンパクトにまとめた強いパワードスーツとしての『スパルタン』である。

 

全身装甲で12.7mm弾の直撃に耐えうる特殊チタン合金、その弾の着弾エネルギーを相殺するナノマシン入りの特殊ジェル、単独で宇宙空間で活動が出来るパワードスーツとしての出力と計算コンピュータと支えられるだけの発電力がある超小型原子炉、外科手術を要しない生体神経に反応できる操縦センサーなどの機械類を搭載している。

 

私が手がけたのはナノマシンと外科手術を伴わない生体神経に反応する操縦システム周辺だ。

 

安全装置として小型の人工衛星サイズのデブリとよび隕石との衝突を一度相殺できるエネルギーシールド、少し動きを止めれば再度充電され、同等のレベルを常に保持できる。また、不意の大気圏突入などの緊急事態においてはセーフティロックによる身体保護システムを搭載し、宇宙空間における危険から可能な限り守るシステムになっており、少なくとも見た目上は安全性を重要視している姿勢を見せたつもりではいる。

 

後輩が説明している間に画面映りなどの細かいところに気を配り、夫はスペースデブリや人工衛星の監視と飛行ルートの最終調整をして抜かりのなく、綺麗な初飛行をできるように土台を整えていた。

 

「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては二度目の偉大な一歩となる」

 

人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号の船長を務めたニール・アームストロングの有名な発言をオマージュした一文と共に外付けブースターを装着し、垂直より少し浅い角度になるように合わせると同時にブースターを点火し、磁気固定していた両脚の固定を解除すると瞬く間にマッハの世界へと突入しているが、特殊ジェルのおかげでその衝撃は緩和されており、スペースシャトルよりは遅いものの順調にカーマンラインへと向かっている。

 

第一段階と第二段階のブースターは既に切り離しており、あとは最終ブースターによる飛行に移っているが、今のところ何の不安も感じないし、後輩の顔がまるでテーマパークに向かっている子供のような期待に満ちていることが顔を見ずとも分かるし、夫も私も気持ちは同じだ。

 

最終ブースターも切り離されたところで高度計がカーマンラインを突破したことを示し、それは我々が無事に宇宙に到達したことを知らせるものであり、我々は第一目標を達成した。

 

「カーマンラインを突破?」

 

「そうだ」

 

「つ、ついに」

 

少しばかり配信のことを頭の片隅に追いやって。宇宙空間にいるという事実への喜びとここまで苦労が無駄ではなかったことへの安堵で目に少し涙を浮かべたが、それは夫も同じだったと通信画面から分かった。

 

「このままISS*4へ、挨拶でもする?」

 

いたずらっ子のような声のテンションでとんでもない提案をしてくる後輩に対して、その悪ノリに乗ることした。

 

カーマンラインを突破してからスパルタンのブースターで引き続き加速しているから遅いながらも到達するのは容易だが、かなり怒られる気もしないこともないけど、これも我が子の素晴らしさを示すにはいい機会だ。

 

だが、その前に...

 

「ここは平和そのものであり、夢と希望が溢れている」

 

この後のISSへの挨拶は楽しかったが、少し炎上しかけたものの再突入の絵面で帳消しになったとだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人は歴史に名を刻み、この日から約50年後に第二次大航海時代が到来した。。。

 

 

IF END『新たな時代の幕開け』

*1
アメリカ航空宇宙局

*2
欧州宇宙機関

*3
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

*4
国際宇宙ステーション

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