口癖が分からず、自分なりやってみた。
ダメだったよ・・・
日時不明 日本国内 某大学院敷地内
『宇宙』
人類が果てしない夢を託して開発競争が巻き起こり、民間企業もが我先にと莫大な資金を投入して次々と大きな階段を小さき一歩で踏みしていた頃、ある研究室ではそれとは無縁な空間が広がっていた。
「しょー先輩、検証が面倒くさい」
「研究室に来て早々の一言目がそれか 飛び級したスーパー脳細胞が可哀想だろうに」
「ショウ、気持ちは分かるけどあれでも自分たちの後輩だから手心というものをね」
「アケミも大概なんだがな それは・・・ あれと言っちゃってるし」
「しょー先輩もミーちゃん先輩もいじめてくる~」
「「嘘泣きは結構だ」」
「バレちゃった☆」
校内には人気が皆無と言っても差し支えない中で小さな研究室で学生三人がガヤガヤしながら博士論文の仕上げと検証資料の確認に追われており、先輩と思われる二人は学会発表までの猶予あまり残されていないようで・・・
「あーもー!!やばいよやばいよ!!」
「ショウ、私も死にそう・・・いっその事、一緒に情死する?」
「ちょっと待て、せめて婚姻届を出してからにしてくれ」
「死ぬ前提で物事を進めていることに疑問を持って~」
「「大丈夫だ、問題ない 略して大☆問☆題!!」」
「いやいや、良くない、良くない」
・・・先輩二人は2徹目でガンギマリの目をしているけれど、案外余裕があるのではと思われるかもしれないが手は止まってないし、ずっと画面から離れておらず、顔には人を殺めそうなほどの気迫があったことが余裕のなさをこれでもかと表現されていた。
そんな二人よりも一回り年下であろう後輩は二人をからかいという名の励ましをするために来ており、邪見な雰囲気はない。
「それよりもわがまま大魔王、宇宙は近そうか?」(純粋な心配)
「わがまま大魔王の進展状況は詰まってる?ねぇ、詰まってるヨネ ツマッテルヨネ」(くそデカ圧力)
「ふっふふふー、万全なるこの大魔王はなんと完成まであと一歩だよん♪」(自覚なき悪意)
「「ぶっKOROSUぞ!!」」
「わっはっはっはっはーーーー!!」
ただいま、現場が乱れております。 しばらくお待ちください。
10秒後
研究室は先ほどまであったゆe・・・愉快そうな雰囲気から締め切り前の大闘争へと変わってわがまま大魔王という名を誇る後輩はそこに関しては自分の研究に没頭し、3徹目へとあっという間に突入した辺りで舟を漕いでいる最中も戦場は変わっておらず、インストールコーヒーの空き瓶が資源ごみのゴミ箱を埋め尽くしていた。
そして・・・
「「勝ったぞー!!!!!!」」ノリス・パッカー〇風
「いっやほーーーーーーーーう!!イェーイ!!!」
深夜テンションを吹っ切って今にも裸踊りをし兼ねない27歳児二人を相手に心の底から祝福する大魔王というカオスな空間が発生しており、様子を見に来ていた研究室の責任者である教授が宇宙ネコと化した。
「アケミ、もう書かなくていいんだ!」
終わったはずの論文をなぜか書き続ける先輩、それを止めようとしているもう一人の先輩。
「えぇ・・・」
一周回って冷静になって自分の周辺環境の異常さに気がつき始めて二人の先輩の壮絶な戦場の痕跡を見つめ、宇宙空間から帰還した教授は再起動をした直後にあれほど元気に虚勢を張っていた先輩二人は電池が切れたかのように抱き着きながら研究室の冷たい床に転がっていた。
「大魔王君・・・、あとはよろしく」
来たばかりの教授はもう手を出せる状況じゃないと判断して去り、後輩はまさしく孤軍だ。
学会ではしょー先輩という名づけられた男は学会で超小型核融合炉のプロトタイプの発表を、ミーちゃん先輩と呼ばれる女性は生体AIの可能性についての研究をして主席と次席で卒業をし、大魔王は研究を完成させた。
学内でピカイチの仲良し3人組として有名であったのだが、ある日を境にそれや泡沫の夢のように消え去った。
二人の先輩は研究者として将来を約束されたも同然だったのにそれをドブに捨てるかのように国家公務員の道を歩み、後輩は変わり果てた。
二人の先輩は罪を償うかのように、後輩は理解者を失った悲しみを搔き消すように・・・
世界は白い悪魔によって根底が壊れ、捻じれた運命は多くの人を苦しみと絶望の水底へと死した。
次回更新は少し待たせるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。