猫箱の物語 作:山羊
この舞台は友情にひびが入りそうな事件ですが、落ち着いて読み解けば解ける謎です。
それではまず最初に、赤き真実から行かせていただきます。
今回の事件の登場人物は、モモイ、ミドリ、アリス、ユズ、先生
時間の定義は「朝」「昼」「夕方」の3つに分けられる
それぞれの時間の間に登場人物は1回だけ行動することができる
行動する順番は定められていない
この謎がお茶請けになれば幸いです。
それでは、どうぞ――
――夕方:ミレニアム・ゲーム開発部
モモイ「あー!冷蔵庫に入れておいたプリンがなーい!」
アリス「プリンがなくなったのですか?」
モモイ「確かにここにあったのに…どこに行ったの~⁉…まさか、誰かが食べた⁉」
ミドリ「食べたって…いったい誰にさ。それに食べられたのならゴミ箱にでも…」
モモイ「ゴ…ゴミ箱の中にプリンの容器が⁉」
ミドリ「本当にあったんだ…でもそれって本当にお姉ちゃんの?」
モモイ「間違いないよ!だってここに私の名前が書いてあるもん!くそう…帰ってきたら勝利の味を楽しもうと思っていたのに…」
ミドリ「そういえばお姉ちゃんとアリスは朝からゲームセンターに言ってたね。」
アリス「はい。アリスはモモイと一緒にゲームセンターに行って、モモイと一緒にゲームをしていました」
モモイ「そうそう、そこでぼろ負けしちゃってさ~。本当なら勝利の味を食べようと思ってたのに~」
ミドリ「まあまあ、また同じプリンを買えばいいじゃない」
モモイ「このプリン期間限定品なの!もう買えないの…」
ミドリ「あー…。それは、ご愁傷様」
モモイ「あー!なんかムカついてきた!こうなったらこの事件の犯人を捕まえてやるー!」
ミドリ「事件って…そんな大げさな」
モモイ「絶対に捕まえる、この事件は『期間限定スペシャルプリン事件』だよ!」
"それで私が呼ばれたわけだね。"
モモイ「そうだよ、先生には探偵として来てもらったの」
ミドリ「ごめん先生。でも私たちだけで調べていってもわからなくなっちゃって」
"大丈夫。ちょっとしたパズルみたいなものだよね。"
モモイ「お~!頭よさそう!」
アリス「まるで本物の探偵のようです!」
"それで、当時のアリバイとかはどうなのかな?"
モモイ「私とアリスは朝から夕方までゲームセンターにいたよ!」
アリス「はい。アリスとモモイはゲームセンターに一緒にいました」
"それでミドリは?"
ミドリ「私はずっと部室で絵を描いていました。…何お姉ちゃん、その目は」
モモイ「いやね、もしかして~って思っただけ」
ミドリ「…言っておくけど、私はプリン食べていないからね」
"まあまあ。それでユズは?"
ユズ「わ、私は、その、ずっと部長会議に夕方まで出ていました。だから、その、プリンは食べられない、かな」
"ふむ、まあ、こんなものかな。それで、朝からの行動だけど。"
ミドリ「まず最初に私とお姉ちゃんとアリスが一緒に部室に入りました」
モモイ「そうそう、入ってすぐに私とアリスがゲームセンターに向かったの!」
ミドリ「それからずっと私は絵を描いていました…あ」
"どうしたの?"
ミドリ「いえ…その…」
アリス「どうかしましたか?ミドリ」
ミドリ「えっと…その、お昼に一度お手洗いに…」
モモイ「お手洗いに行ってたの?いつ?どのくらい?」
ミドリ「覚えてないよ!」
"…私は何も聞かなかったよ"
ミドリ「せんせぇ…」
"それで、帰ってきてから何か気付いたことはなかった?"
ミドリ「うーん…そこまで細かく見たりしないからなぁ…少なくともゴミ箱の中なんて見てないよ」
"うーん…これは思ったより手強いぞ。"
"外部犯の可能性はないかな?"
モモイ「う~ん。どうだろ?」
ミドリ「朝からずっと私は部室にいたから誰かが入ってきたらすぐに気づくと思います」
モモイ「ミドリが部室にいるときだけにね」
ミドリ「お姉ちゃん」
モモイ「ごめんなさい」
"この窓に鍵はかかったままだし、朝からずっとが本当なら、窓から入ることは不可能とみて間違いないね。"
ミドリ「となると…」
"誰かが部室に入るにはドアからしか入れないってことになるね。"
ミドリ「ああ、そういえばお手洗いに行く途中でユウカと会ったよ」
モモイ「そうなの?」
ミドリ「うん。まあ、ちょっとした会話程度だけど」
"…今連絡を取ったよ。ユウカとミドリはお昼ごろに会ったって"
モモイ「考えれば考えるほどミドリにしか食べられないじゃない!」
ミドリ「でも、本当に私は食べてないからね」
モモイ「じゃあ、誰がプリンを食べたの⁉」
ミドリ「知らないよ」
アリス「…ユズは知りませんか?」
ユズ「ごめんね…私は今日は夕方まで部室に入ってないから分からない」
アリス「…あれ?」
モモイ「どうしたのアリス?」
アリス「今ユズはここにいます。いつからいたのですか?」
ユズ「えっと…モモイとアリスちゃんと一緒にだよ。…忘れていたの?」
アリス「そうでしたか?だとしたらごめんなさいです」
モモイ「…んん?」
ミドリ「どうしたの?お姉ちゃん」
モモイ「ミドリがお手洗いに行っている間にならどうだろう?」
ミドリ「ど、どういうこと?」
モモイ「ミドリがお手洗いに行っている間に部室に入って、私のプリンを食べる!これなら誰にもばれずに私のプリンを食べられる!」
ミドリ「…まあ、そうだね」
アリス「では、犯人はミドリがお手洗いに行っている間に部室に入ってモモイのプリンを食べたのですね」
モモイ「こうしちゃいられない!早速…どうしよう?」
ミドリ「監視カメラなんてないしね…」
ユズ「えっと、それ以前に無理じゃないかな」
モモイ「ユズ?」
ユズ「だって、いつミドリがお手洗いに行くかわからないし、いつ戻ってくるかわからない。ミドリがお手洗いに行っている間に犯行は不可能だよ」
ミドリ「あ、そっか。私がいつ帰ってくるかわからないからプリンを食べていたら私が見てるはずだしね」
モモイ「…なら私のプリンは何時食べられたの?」
最後に、犯人について定義しましょう。
犯人の定義とはモモイのプリンを食べた人物のことである
犯人は嘘をつく可能性がある
犯人でない人物は真実のみを語る
犯人でない人物は犯人に協力しない
以上の情報で犯人が特定できることを保証する
いかがでしょうか。
実につまらない事件で申し訳ないのですが、当方の頭脳ではこれが精一杯。
またいずれ謎を出題させていただくため、時々顔を覗いていただければ幸いです。
それではいずれまた――
この事件の犯人は「ユズ」です。