猫箱の物語 作:山羊
とある人物が愛してやまないあのペロロ様がなんと殺されてしまいました。
なんと恐ろしくて、悲しいことか…
では、赤き真実です。
今回の事件の登場人物は、ヒフミ、アズサ、ハナコ、コハル
登校前とは誰かが扉を開けるまでの時間のことである
今回の事件は少し難易度を上げてみました。
この舞台のルールを思い出していただければ解ける問題でございます。
それでは、どうぞ――
――朝:教室
ヒフミ「ペロロ様がぁ!」
アズサ「どうしたヒフミ!」
ハナコ「どうかしましたか、ヒフミちゃん」
ヒフミ「ペロロ様が…ペロロ様が…」
コハル「あの人形がどうかしたの?」
ヒフミ「ペロロ様が…殺されています!」
アズサ「なんだって!?」
コハル「殺されたって…え?なんで…人形が教室の中でボロボロに…」
ハナコ「あらあら、これはこれは…」
ハナコ「えー、検死の結果、どうやら何かに吹き飛ばされた形でボロボロになったようですね」
コハル「いや検死って…」
ハナコ「使われたのはおそらく手榴弾でしょう。それが爆発したことでこのような惨状になったと思われます」
アズサ「いや、それだとおかしい。それだと誰かが爆音で気付くはずだ」
ハナコ「はい。なので音が大きくない手榴弾を使ったのでしょうね。私達相手なら怯んだりやけどを負ったりする程度で済みますが…」
ヒフミ「ペロロ様はその程度では済まない…」
ハナコ「はい。なのでこのような現場が出来上がったと推測されます」
コハル「いや、音が大きくない手榴弾って何よ。」
ハナコ「詳細は省きますが、その手榴弾を使えば誰にも気付かれることなくペロロさんを爆殺できるかと」
アズサ「ああ、その手榴弾を使えば必ずペロロ様を爆殺できるだろう。問題はどうやって私から盗んだんだ…」
コハル「え?持ってたの?」
アズサ「警告用にな。これを使えばあまりケガすることなく追い払えるかと思ったんだが…」
ハナコ「手榴弾はアズサさんから調達したとして、問題は何時殺害したのか、ですが…」
コハル「そうだヒフミ。いったい何時からあの人形、ここにあったの?」
ヒフミ「ヒック…あのペロロ様は限定品で、みんなに見せようと登校前から教室に置いておいたのですが…」
コハル「登校前って…いつから?」
ヒフミ「昨日の下校時にはペロロ様の無事を確認しました…」
コハル「昨日の夜からここにあったの⁉」
アズサ「ああ、私もその場にいたから確認している」
ハナコ「ということは、昨日の下校時から朝の今までの間にペロロさんは殺されたことになりますね」
コハル「うーん…外部犯ってことはないのかしら」
アズサ「いや、それはない」
ハナコ「と言うと?」
アズサ「私が外に仕掛けたトラップに誰かがかかった様子はなかった。もし誰かが来ていたら、必ずトラップに異常が発生するはずだ」
コハル「トラップって…危ないじゃない!」
アズサ「問題ない。これは相手に危害を加えるものではなく、誰かが通ったかどうかを調べるものだから」
コハル「ま、まあ…それなら大丈夫、かしら…」
アズサ「証拠として、ここに来るまで結構な数のトラップに引っかかっている」
ハナコ「ということは、外部犯の可能性はなくなりましたね」
コハル「あ、もしかしてなんだけど」
ハナコ「どうかしましたか?」
コハル「アズサ、あんた、この教室にもトラップを仕掛けていないでしょうね」
アズサ「もちろん、ちゃんとペロロ様がいる教室にも仕掛けておいた」
ハナコ「どのようなトラップを?」
アズサ「教室に仕掛けたトラップは扉を開けると発動するものだ」
コハル「そのトラップにうっかりその手榴弾を使ったんじゃないの?」
アズサ「いや、それはないはずだ。ペロロ様がいる教室に仕掛けたトラップは撃退用で、警告用じゃない。もしペロロ様がいる教室の扉を開けたら、大きな爆発音がして、誰かが気付くはずだ」
ハナコ「ちなみに、どのようなトラップを?」
アズサ「閃光手榴弾を用いたトラップだ。撃退用のトラップに引っかかると、まばゆい光と大きな音が出るから、誰かに聞かれたり見られたりするはずだ」
ハナコ「今日のトリニティの様子からしてそのような話題は出ていませんでしたね…なるほど、撃退用のトラップには誰も引っかかっていないということですね」
アズサ「ああ」
コハル「ちなみにほかの教室には?」
アズサ「ほかの教室には警告用のトラップを仕掛けている」
コハル「危ないじゃない!今すぐ外してきなさい!」
アズサ「大丈夫だ。入らせないようわざとトラップを可視化させている。誰もがトラップに気付くだろう。その代わり、誰もがトラップを解除・設置できるようになってしまったのは残念なところだ」
コハル「危ないじゃない!もし誰かに盗まれたりでもしたら…」
アズサ「構造上の問題で、私以外では教室以外には設置するのは困難だろう。トラップは教室以外に仕掛けられない」
コハル「そういう問題じゃない!」
ハナコ「というより気付かなかったのですか?」
コハル「何かあるって気付いていたけど、そういうものとは思わなかったわよ!トラップに触らなくて正解だったわ…もし私が扉を開けたり、トラップを解除しようとしたら、容赦なくトラップが発動したでしょうね」
アズサ「すまないコハル…ただ、この手榴弾は特別製だ、トラップが解除されると手榴弾は爆発しない。コハルが危惧していることはないはずだ」
コハル「まったくもう…」
コハル「手榴弾と閃光手榴弾の見分けはつくの?」
アズサ「いや、どこが特別な教室かわからないようにしているから、閃光手榴弾かどうかの見分けはつかないはずだ。私以外だと警告用と撃退用の区別はできない」
ハナコ「トラップは何時から?」
アズサ「昨日、ヒフミと一緒にペロロ様を確認してから教室に設置した」
コハル「ほかの教室にも?」
アズサ「ああ」
ハナコ「教室に入るまでについてなのですが…確か最初に私たちがペロロさんがいる教室に入る前にアズサさんがトラップを解除していましたね」
ヒフミ「その後最初にペロロ様がいる教室の扉を開けたのは私です」
アズサ「二番目にペロロ様がいる教室に入ったのは私だ」
コハル「というよりみんなで一緒に入ったじゃない。並びの順番なんてそんなに重要?」
ハナコ「まあまあ。そしてアズサちゃんが入ったときに私たちはペロロさんの遺体を発見した、ということですね」
ヒフミ「うぅ…ペロロ様…」
アズサ「泣かないでくれ、ヒフミ。いったい誰がペロロ様を…」
ハナコ「…なるほど」
コハル「分かったの?ハナコ」
ハナコ「ええ。…さっぱりです♡」
コハル「駄目じゃないの!」
ハナコ「いえ、この損傷具合からして修理自体は可能かと。私たちで協力して世界に一つだけしかないペロロさんを作っちゃいましょう」
ヒフミ「っ!いいですね!みんなで作りましょう!世界に一つだけのペロロ様を!」
最後に、犯人について定義しましょう。
犯人の定義とはペロロを爆殺した人物のことである
犯人は嘘をつく可能性がある
犯人でない人物は真実のみを語る
犯人でない人物は犯人に協力しない
以上の情報で犯人が特定できることを保証する
いかがでしょうか。
今回の問題は少し意地悪な問題です。
難しく感じるでしょうが、この舞台のルールを思い出していただければ、解けるかと。
…もしかしたら、あっさりと解けるお方がいらっしゃるかもしれませんね。
またいずれ謎を思いついたら舞台を開こうと思います。
それでは、いずれまた――
この事件の犯人は「ヒフミ」です。