出オチキャラに転生したので生き延びる   作:世界系

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何とか書けました。投稿続きそうで自分でも一安心です。

2024/03/26 17:21に前話のgame#01を改稿いたしましたが、ストーリーに影響はないので、それ以前にお読みの方も安心して本話からお読みください。

また、評価に必要な一言を0文字にしました。

2024/03/28 16:34 改稿


game#02

 「おいおいおじょーちゃん、こんなとこで一人で走り回ってちゃ危ないぜ。怖いお兄さんに捕まっちまうぞってな」

 

 さてさて面倒なことになった。

 

 シブヤセントラルタワーを目指す私の目の前に現れた、ニヤニヤといやらしい笑いを顔に浮かべた巨漢の男。

 

 早速ガバってるよこの転生者…って思われても仕方ないけどこちとら前世はただの一般人だからまあ多少はね?

 

 さて見つかってしまったからには戦うしかない。この距離の鉢合わせで、敵に背を向けて逃げるのは自殺行為に等しい。

 

 「かわいがってやるから大人しくしなッ!」

 

 「…燃やし尽くす!」

 

 瞬時の判断で後方に跳んで距離を取って背中に背負ったリュックサックから()()()()を構えると、男は一息に距離を詰めてきた。

 

 私の異能(シギル)天照大神(アマテラス)」は端的にいえば、触れたものを発火させる異能(シギル)だ。

 

 可燃物さえ周りにあれば、最大4000度と非常に高い攻撃力と炎に指向性を持たせられる応用力を持った優秀な異能(シギル)だ。

 

 普通に発火させて攻撃するも良し、触れてから発火させるまでの時間を自在にコントロールできるのでトラップのように使うこともできるので非常に使い勝手がよく重宝している。

 

 つまり、何が言いたいかというと、[リング]も持っておらず、女というだけでこちらを舐めてかかって、こちらの動きをまともに見ずに突っ込んでくる目の前の男程度なら敵ではないということだ。

 

 距離を詰めてくる男に、片手に構えていたガスボンベを投げつけて着火する。

 

 ガスボンベは男の目の前で弾け飛び、中から吹き荒れた爆炎が指向性を持って男にまとわりついていく。

 

 「うわっ、んだこりゃ。アチイイイイイイイイイイ!!」

 

 男は絶叫とともに炎に包まれて倒れ、やがて跡形もなく燃え尽きると沈黙した。

 

 私はそれに一瞥する事もなく、即座にその場を離れる。

 

 私の異能(シギル)は使い勝手も良く強いのだが、派手すぎるという欠点も抱えていて戦闘後はすぐに離れないと、爆音などに魅かれてわらわらプレイヤーが集まってきかねない。

 

 

 

 


 

 

 

 その後は特にプレイヤーと遭遇することなく、なんとかかんとか渋谷駅までやってきた。

 

 しかし、渋谷駅に近づけば近づくほど、「エイス」のメンバーの姿が目に見えて増えていた。他の一般プレイヤーに見つかる分には挽回も効くのだが、彼らにだけは見つかってはならないという思いから殊更に慎重にならざるを得ず、ここにたどり着くまでに既にそこそこな時間がかかってしまった。

 

 よかった、まだ「エイス」は渋谷駅に陣取っていないようだ。終盤になると渋谷駅は「エイス」に占拠されていたので、そうなる前に通過しないとシブヤセントラルタワーにいる主人公たちとは完全に分断されてしまい立ち回りの見直しを余儀なくされるところだった。

 

 [異次元カメラ]で渋谷駅を探知しながら進む。片手が塞がってしまうが[リング]を多数抱えた強者と戦闘になるよりはマシだろう。

 

 …私だけ別ゲーになっている件。メタルギ〇ソリッドじゃないんだよこのゲーム。

 

 「…邪魔っ!」

 「な、なんだこれは、グワアアアアアアアアアア!!」

 「うわなにをするくぁwせdrftgyふじこlp」

 

 渋谷駅の中では先程の邂逅の反省から[異次元カメラ]でのサーチだけでなく手鏡を用いて索敵の手数を増やしたが、それでも[リング]未所持のクランと接敵してしまった。

 

 クランとのバトルということで数は相手の方が多かったが、異能(シギル)を上手く使った私の策に見事に相手方が嵌ってくれて勝利した。

 

 具体的には私が触れた可燃物で即席トラップを作って、後は我が身を囮にトラップまで誘導した。

 

 相手方が近距離型しかいないことを確認できていたからこそ、取れた策だった。

 

 とはいえ勝利したことにはしたが、ここに来るまでに体力をかなり消耗してしまった。

 

 また火種となる可燃物も既に結構な数使い切ってしまい、異能(シギル)の面で見ても消耗が激しい。一応まだストックはあるとはいえ、ここから起こるであろう「エイス」との熾烈な戦いを考えると少し心許ない。

 

 このままでは主人公たちに合流できたとて、あまり力にはなれないかもしれない。

 

 「…っ、また敵…!」

 「相手は一人だ囲んで叩く!」

 「美咲は援護を頼む!」

 「うん、任せて!」

 

 今日は本当に運が悪い。駅構内で二度もクランと戦闘になるとは。

 

 相手は近距離型の男二人と、遠距離型の女の子が一人の三人クランだ。

 

 左右から挟み撃ちにしてくる前衛の二人と、後方から的確に石礫でこちらを牽制してくる後衛。

 

 こういう連携の取れた相手は、今のような消耗してる時に一番戦いたくない相手だ。

 

 既に私が消耗が大きい中、ここで連携を取ってじわじわと戦闘を引き延ばしたりされたらたまらない。

 

 私はガスボンベを投げ、着火して爆破させる。炎と煙を巻き上げて、それに紛れるように走る。

 

 「くそっ、逃げられた!」

 「どこに行った!」

 

 私はそのまま、速度を緩めずに駅構内を駆け抜けて外に出る。

 

 そうして近場のコンビニに逃げ込んだ私は、自動ドアから最も遠い最奥の棚の物陰に滑り込む。

 

 壁に背を預けて座り込むと、上がっている息を整える。

 

 「…今のは本当に危なかった」

 

 何とか激戦区のひとつであった渋谷駅を越えることができたが、予想外の連戦もあり想定していた以上の時間がかかってしまった。

 

 これでは、主人公たちは既にシブヤセントラルタワーから離れてしまっているかもしれない。

 

 たしかシブヤセントラルタワー内の戦闘に一段落ついた頃合いに、メインヒロインの「不敗の女王」狩野 朱歌(シュカ)ちゃんがピンチに陥り、主人公に助けを求めていたはずだ。

 

 そして、それの救援に向かう主人公たちが向かったのは…

 

 !?

 

 私のいるコンビニに何者かが入ってきた。こっそり覗いてみると、小柄な体躯の中性的な子供が頻りに後方を確認しながら走っていた。

 

 あの小柄なシルエットには見覚えがある。後に主人公の仲間になる()()の名前はスイ。水を自在に操る異能(シギル)枯れずの水瓶(ポルクスライト)」を持つ、れっきとした少女だ。

 

 しかし、彼女は「ダーウィンズゲーム」を起動したときから、一年前に事故で死んでしまった双子の兄・ソータの魂を内に宿しているのだ。

 

 また、彼女たちの面白いところは、ソータもスイとは別で異能(シギル)開かずの氷室(カストルライト)」という水を凍らせる異能(シギル)を持っていることだ。

 

 現在はソータの方が身体の主導権を握っているのだろう。

 

 「って、そんな場合じゃなかった。もうすぐ主人公たちがみんな来ちゃう!どうやって仲間に入れてもらおうか…」

 

 原作ではソータを追って、主人公たちがコンビニ内に集う描写が確かにあった。現状から鑑みるに、この現在進行形で私が潜んでいるコンビニがその舞台となったコンビニなのであろう。

 

 予想だにしない急展開に私は思わず小声でぼやいてしまった声は、ソータに聞こえてしまったみたいだ。

 

 「!? 誰だよ。そこにいるのはわかってんだよ!」

 「…こうなってはしょうがない。ソータを捕まえて、それを手土産に主人公たちの仲間に入る!これしかない!!」

 「くそっ、スイ!あいつらが来る前にさっさとこいつ倒すぞ!」

 「悪いけど女王様への贄になってもらうから」

 

 !?

 

 お互い相対して身構える私とソータ。ピンと張り詰めた空気を壊すように両者ともに動き出す。

 私の脳内に開戦のゴングが響き渡った。




次回はVSスイ!からの原作主要メンバーが沢山出てきます!こうご期待!(なおストックは相変わらずないし、次回投稿日は未定です。)
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