μ'sのない世界   作:イオリス

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まずは、ありふれて見える卒業式を書いていきます。
穂乃果の両親の名前も決めましたので、よろしくお願いします。

真姫の両親もいずれ決めていきたいと思います。


第0話 卒業式

3月……それは別れの季節。学校では卒業式と言う式で、学校生活に別れを告げる。

 

その卒業式は、音ノ木坂学院でも例外なくとり行われる。

 

音ノ木坂学院の卒業式は2月の半ばであったから世間より少々早いが、世の中にはもっと早い卒業式が行われる高校もあるから驚くべきことではない。

 

 

本日卒業する音ノ木坂学院の前生徒会長、高坂穂乃果も胸に造花の飾りをつけて望んでいた。

 

 

「うわあ〜、ことりちゃん、海未ちゃん。今日は校庭の桜がキレイに咲いているね」

 

卒業生の一人、高坂穂乃果が桜を愛でる。時期が時期だけに桜並木のうち、一本だけ七分咲きなのだが。

「ホントだ」

 

「今日は暖かいですからね」

 

制服姿の園田海未や、南ことり表情をも微笑ませている。

 

 

「今日でこの学校ともお別れなのですね」

 

海未が感傷にふけっている。

 

しばらくふけっていると

 

 

「おーい、お前ら。早く準備しろ」

 

無粋な男性教師、猪木の声がする。

 

 

「「「はーい」」」

 

3人は一斉に返事をし、教室内に入っていく。

 

 

 

 

生徒入場の声と共に、入場する卒業生達。 卒業生達は整然と行進し、用意された椅子にキレイに座っていく。 そうして、生徒が座り終わると式が始まった。 保護者・来客席には、穂乃果の家族……父の龍也(たつや)、母の瑞穂、妹の雪穂がいる。

そうして開会式、国旗掲揚、国歌斉唱、卒業証書授与、……と式が進行していく。

 

どこにでもある、ありふれた卒業式だった。

 

そして、校歌も歌い終わり、送辞となる。穂乃果の担当する答辞はその次だ。

 

送辞は西木野真姫が読む。

 

 

(穂乃果、大丈夫でしょうか)

 

真姫が送辞を読んでいる最中、海未は、檀のとなりにいる穂乃果の心配をする。

実は答辞の内容は前生徒会長の穂乃果ではなく、海未がゴーストライターとして書き上げたのだ。

 

(穂乃果に任せていたら、確実に3月が終わりますからね)

 

残念ながら、高坂穂乃果には文才がない。いや、文才どころか彼女は主要5教科はことごとく苦手で、特に数学は「よく卒業できたね」、と同学年みんなから言われるほどのできだった。

(穂乃果、原稿を読むくらいはしっかりやってもらいますよ)

 

海未は、穂乃果のために、漢字のほとんどにルビを振った原稿を渡していた。

 

送辞が終わり、いよいよ答辞だ。 穂乃果が壇上の中央に現れる。

 

 

「本日は私達、第66期卒業生のために、このような式典を挙げていただき、まことに有難うございます。またご多忙の中をご出席下さいました御来賓の皆様、校長先生はじめ諸先生がた、並びに関係者の皆様に、卒業生一同心から御礼申し上げます。」

 

訓練の甲斐があったのか、穂乃果はスラスラと読み上げる。ハキハキと明るいながらも、どこかもの悲しい。

 

 

「思い起こせば、この3年間の学校生活で、私達は、多くの貴重なことを見につけることが出来ました。それは人間として生きて行く上で非常に大切なことであり、この音ノ木坂学院でなければ得られなかったものと思われます」

 

 

穂乃果は、一文字も詰まることなく、しっかりと丁寧に読み上げる。

それはまるで、プロの声優やナレーターのようだ。

 

 

 

「私達は、この音ノ木坂学院が母校であることを誇りに、音ノ木坂学院最後の卒業生として、社会、あるいは大学の大海に飛び込んで、懸命に努力して参りたいと思います。」

 

最後の卒業生? そう、音ノ木坂学院は本日をもって68年の歴史に幕をおろすのだ。

 

南ことりは、保護者・来客用の席にいる。 服装で言えば、『制服姿の園田海未、(スーツ姿の)南ことり』と言うのが正しい。

 

送辞を読んだ西木野真姫も、音ノ木坂学院の制服ではなく、スーツだった。

彼女は穂乃果の1つ下の学年で、昨年度は音ノ木坂学院に通学していたが、今年度は全寮制の女子校に編入し、通学しているのだ。

 

 

「本日をもって閉校する音ノ木坂学院高校の歴史に恥じぬよう励んで参りたいと思います。

諸先生がた、今日まで、本当にお世話になりました。改めて御礼を申し上げます。

卒業生代表、高坂穂乃果」

 

穂乃果が送辞を言い終わると、「一同、礼」の合図とともに、全員が一礼をし、穂乃果が檀から降りていく。

 

 

(穂乃果、立派でしたよ)

 

穂乃果の答辞を読む姿に感動した海未は感極まり、涙ぐんだ。

それは、彼女を知ることりや真姫も同じだった。

 

真姫の隣に座っているの中学校時代からの友人の尾崎まこが、そんな真姫に寄り添っていた。

 

 

卒業式は、来賓挨拶、校歌斉唱、閉式の挨拶で終了した。

 

続いて閉校式や、同窓会入会式、最後のHRもとりおこなわれた。

 

こうして全てが終わり、帰宅した穂乃果は制服から普段着に着替えていた。

 

夕食後、部屋に戻ると、今日帰るまで着ていた制服を取り出す。

 

 

「廃校は残念だったけど、いい高校生活だったな……」

 

穂乃果は、部屋で高校生活を懐かしんでいた。

彼女にとって、高校生活の思い出はかけがえのないものだった。

 




オープニングがいきなり、廃校確定の卒業式なわけです。

えーって思われた方もいるかも知れません。

廃校を阻止してハッピーエンドのパターンは皆様がお書きになって下さると信じ、お任せいたします。

私は、『母校が廃校になりながらも、なるべくキャラクターが希望を持った人生を送れている』と言うのを書きたいと思います。

音ノ木坂学院が廃校になっても、穂乃果や真姫達が幸せならそれでいいじゃないか、と言う感じです。


割とあっさり音ノ木坂学院の廃校を受け入れられる穂乃果が嫌な人は、これ以上本作品を読み進めないことをおススメします。
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