【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話   作:いちごケーキ

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U-18に集まった選手達

2年生ピッチャー 北瀬・本郷・降谷
2年生キャッチャー 影山・円城
2年生内野 伊川・轟・三島
2年生外野 秋葉・大場(鹿児島・センター・巧打)
      原(静宮・センター・守備が硬い)
計11人+10人

3年生ピッチャー 天久
3年生キャッチャー 安里(CL学園・人格者)・御幸
3年生内野 赤川(大阪・サード・スラッガー)
      真貝(安良・ショート・関西弁)
      遠本(CL学園・ファースト・怖い人)
3年生外野 藤澤(大阪・センター・走塁狂)
      鳥山(紅海・センター・器用貧乏?)
計8人+6人


☓3年生は、誕生日の関係で一部参加しています
合宿が2回行われた関係で、ベンチ入り当確の選手は来なかったりしました
御幸や降谷は元々選考に入ってませんでしたが、合宿が2回行われる関係で選考対象になりました


90球目 U-18合宿

 

 

 

U-18に選ばれた北瀬達は、千葉県にある日本ツナファイターズタウン鎌ケ山という場所に来ていた。

その名の通り、北海道日本ツナプロの、2軍選手達が住んでいる場所である。

ここに彼らは3日間泊まり込み、U-18のベンチ入りを賭けた合同練習をする。

 

そして目玉イベントに、北海道ツナ2軍との練習試合があるのだ!

プロの2軍というのは、甲子園で大活躍した選手ばかりが集まっている。侮る事など出来る筈もない。

薬師高校のメンツは、ホームラン打ちたいなとワクワクしながら電車に乗っていた。

 

 

ちなみに薬師野球部の5人は、団体行動でここまで来ている。

別行動する理由もないし、雷市を放って置くのは心配だったのだ。

 

 

「カハハハ……プロと戦うの、楽しみ!」

「俺も試合に出れると良いなぁ」

「ガハハハ! プロが相手だろうと、絶対に打ってやるぜ!!」

 

 

……2軍とはいえ、本物のプロ選手を調整に使うなんて、めちゃくちゃ豪華な話である。

日本代表といえども、彼らは所詮高校生。今まで、プロ相手にU-18が戦うなんて事は無かったのではないだろうか?

 

 

___それだけ野球連盟は、北瀬達の世代に期待している証拠である。

 

今まで日本は、U-18で優勝した事が無かった。

だが……高卒でメジャーにスカウトされている北瀬や、甲子園打率10割バッターの伊川がいれば、必ず初優勝出来るに違いない。

大きな期待を胸に、野球連盟は全力で根回しをしていた。めちゃくちゃ有能な裏方である。

大エース北瀬なら、きっと優勝に導いてくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

伊川がメル友の友人を見つけ、ちょっと嬉しそうに駆け寄った。

影山は伊川が楽しげに近づいて来る事に目を丸くした後、ギッと伊川を睨みつけた。

 

 

「影山じゃん! 久しぶりだなー!」

「おっひさしぶりー……じゃねえよ! 何で俺の作ったリードをそのまま投げさせてるんだよ?!」

 

伊川はその言葉にきょとんとしながら一応弁明した。

彼は、コピペリードが影山に申し訳ない事だとは、全く気付いてないのである。

 

 

「えー……別に対価は渡したんだから、自由に使って良くね?」

「それはまぁ……? いや、でもキャッチャーとして有り得ねぇだろ!!」

「仕方ないだろ。俺、そもそもキャッチャーじゃないしさぁ……」

「それは……そうかもな?」

 

最終的には、伊川に丸め込まれた影山。

途中から雑談をしながら近況報告をしていた。

 

 

「烏野高校は、最近どうなんだ?」

「送って来たデータを考えて練習したら、長打力のあるチームになって来たけど……守備力がめっちゃ下がった」

「へー、烏野高校も打撃力特化のチームになったんだな」

 

 

 

 

 

 

空いている寮の部屋に荷物を置かせて貰った後、グラウンドに集まり整列した35名のU-18候補達。

彼らに向けて、監督達が挨拶を始めた。

 

 

「集まってくれた選手達、ありがとう。俺はU-18の監督である並木だ。そして彼らは」

「コーチの真木だ。これからよろしくな!」

「俺はトレーナーの関根、宜しく」

 

『よろしくお願いします!!』

 

大声で挨拶した候補生達。薬師の5人の声は周りと比べると小さかったが、彼らもしっかりと返事をしていた。

挨拶程度は当然の事として、あまりにも大きな声を全く気にしない監督は、彼らにこう声をかけた。

 

 

「今日から3日間、この35名は仲間になる

甲子園を巡るライバル達相手だが、U-18へのベンチ入りを掛けて頑張って欲しい

この中から半分以上が落選し、最終的に18人まで絞る事になるが……正々堂々、ライバル達と戦って欲しい。以上だ」

 

監督の言葉を聞いて拍手した候補生達。

俺が絶対選ばれてやるという決意を胸に、今日から3日間の練習に挑む事となる。

……北瀬と伊川だけは異常にやる気がなく、周りの熱気に少し怯えていた。

そんな奴らがベンチ入り当確なんて、不条理にも程があるだろう。

 

 

 

 

 

 

まずはピッチャーとキャッチャーを集めて投球させ、彼らの出来を間近で見ようとしている、真木コーチと関根トレーナー。

 

 

何人か投げさせた後、次は降谷-御幸バッテリーにピッチングをさせる番だ。

うねりのある剛速球を見て、コーチやトレーナーは喜んでいた。

 

 

「降谷くんの剛速球、良いですね!」

「コントロールが崩れがちなのが玉に瑕ですが、世代によってはエース運用も有り得た選手でしょうね……」

 

 

 

 

次は、天久-円城バッテリーの投球を見る番である。

全国経験や圧倒的な剛速球などは無い事から、天久はU-18にギリギリで呼ばれた選手であり、ベンチ入りをするのはかなり難しいと思われていたが……

 

 

「彼も優秀なピッチャーですねぇ!」

「1年のサボりがなければ、もっと良いピッチャーになっていたかもしれませんが……この世代は優秀なピッチャーが多い事を考えると、微妙かもしれません」

 

見てみると、思ったよりは良かった様である。もしかしたらU-18の控えとして呼んでも良いかもなぁとコーチやトレーナーは考えていた。

 

 

 

 

次は、本郷-円城バッテリーの番だ。

素晴らしい剛速球に、キレキレの変化球。同年代にメジャー級ピッチャーさえ居なければ、どう考えても彼がエース扱いだっただろう。

 

 

「素晴らしい! 高校生離れした剛速球に精密なコントロール!!」

「普通に考えたら、彼がU-18のエースなんですがねぇ……北瀬くんと同世代なのは、彼にとって幸か不幸か……」

 

 

 

 

最後に、北瀬-影山バッテリー。

メジャーから契約を提示されているという噂すら信憑性がある、100年に1人の逸材と呼ばれる選手である。

 

まずはストレートから投げさせたが……あまりの球威に、経験豊富なコーチ達すら愕然としていた。

 

 

「なんというストレートだ……!! 俺が現役の頃でも、見たこと無いレベルだろ……」

「ありえない……! 彼は絶対、日本を背負うピッチャーになりますよ!!」

 

 

次は変化球の切れ味を確かめる番だ。

ワクワクと言った表情を隠せないコーチ達が北瀬が変化球を投げさせると、影山はポロポロと零し始めた。

 

これには思わず、渋い顔をしてしまう。

 

 

「うーん、影山くんが思ったより悪いんでしょうか? それとも北瀬くんのピッチングが良すぎるんでしょうか?」

「とりあえずキャッチャーを変えてみましょう、取れたら儲けものです」

 

 

 

選手を替えてみても、変化球を今直ぐ取れるキャッチャーは居なかった。

というか、安里と円城はストレートすら満足に取れなかった。

コーチとトレーナーは、あまりにも凄いピッチャーを活かしきれないかもしれない事を歯噛みながら、神妙に会話を続けた。

 

 

「北瀬に専属でキャッチャーを付けて、この3日間で慣れさせるしか無いですかね……間に合うと良いのですが」

「同地区の御幸以外となると、やはり影山でしょうか? 彼も、ストレートなら1度も零さなかったですし」

「そうですね、そうしましょう」

 

ピッチャー達の実力を、ある程度把握したコーチ達。

ピッチャーとキャッチャーを休ませながら、次の予定について会話を交わしていた。

 

 

 

 

 

 

一方、野手陣の能力を見ている並木監督。

まずはノックで、野手陣の守備力を把握しようとしている様だ。

 

 

ノックをしている最中、轟は簡単な打球でも有り得ない失態を連発してしまう。

監督は、思わず溜息が出てしまっていた。

 

 

(高校最強バッターでファーストといえど、コレは酷い……まあDHで使えば良いのかもしれないが、それにしても……)

 

 

 

 

そしてファーストの三島にボールを飛ばすと、しょっちゅう後ろに逸らすイージーミスを連発。

監督は、呆れた顔を隠せない。

 

 

(薬師ではあまりにも酷い轟などの影に隠れていたが……彼の守備も酷すぎる。DH枠を轟に使う想定な以上、三島は有っても代打枠しか無いだろう)

 

 

 

 

対して大阪桐生のセンターである藤澤は、ファインプレーを連発していた。

 

 

(彼の守備は凄く良いな。轟・三島の後に見ると尚更……彼は打撃力に拘らず、センター起用になるだろう)

 

 

 

薬師高校のセカンド伊川。

彼は守備範囲としている所が多すぎて、ファーストやショートとの衝突を繰り返していた。

 

 

(本当に危ないプレーだな、あそこまで飛び出せる身体能力は素晴らしいが……多分、薬師では必要なプレーなんだろうな

現に轟をサードに置いた時は、上手くカバーしていたし)

 

 

 

 

そして秋葉は、守備範囲以外は微妙としか思われていなかった。

まあ打撃力があるなら良いけどな……という微妙な顔をしている並木。

轟や三島程酷くない為、一応野手陣として使える算段はあるらしい。

 

 

(もっと守備に優れた選手な気がしていたが……思ったより悪いな。守備範囲は兎も角、少しでもアウトを取ろうという気概が見えてこない

……いや、薬師高校のセンターだと考えると正しい動きか。彼が怪我で抜けたら、外野が全て大穴になってしまうしな……)

 

 

 

 

他にも高校レベルと考えると、守備が優れた選手は沢山いたが、あまり監督の記憶には残らなかった。

日本代表レベルと考えると普通だったからである。

薬師野球部の悲惨な守備を見せつけながら、野手陣の守備練習は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

野手陣や投手陣の大まかな能力を見た後、合宿に来ているピッチャーには、バッター6人相手に投げて貰う事になった。

バッターは大体2打席立つ事になる為、そこで能力を示す事になる。

まあそれだけでU-18代表枠が決まる訳では無いが……重要なファクターである事は間違いない。

 

 

 

 

何人か投げて貰った後、次に投げるのは3年生の天久。

この年は強力なピッチャーが多く、U-18ベンチ入りの当落線上にいる選手である。

 

彼は何人かの選手を軽く抑えてしまった。

相手だってU-18候補の優秀な選手なのに、それを物ともしない素晴らしいピッチングである。

……夏に狙うのは、投壊野球の薬師を倒しての甲子園出場なので、この程度で怯んでいられなかったらしい。

 

 

そんな優秀なピッチャーである天久相手に、三島はホームランを放ち注目を集めていた。

 

 

「天久くん良い感じですねぇ……例年なら、代表入り当確だったと思うのですが」

「なんなら今年でも、ベンチ入りさせても良いのでは? ある種プロの様なピッチングが出来てますし」

「というか、三島くんのバッティング凄く良かったですよね。DH枠が同じく薬師高校の轟くんに取られているのが非常に勿体ない……」

「例年ならDH確定でしたよね。本当にあのスイングは惜しいですよ」

 

 

 

 

次に投げるのは、青道高校の降谷。

甲子園行きは達成出来ていないが、彼もまた天才的な選手である。154kmを計測するなど、常人には出来ない事なのだ。

 

 

「うーん……球威は凄く良いんですけど、ストライクが取れない事が多いですねぇ」

「彼はスロースターターな選手ですからね。使う時は慎重にしないといけないでしょう……」

「経験を積ませるという意味では、なるべく使った方が良いピッチャーですよね。彼の経歴を見るに、試合経験の足りないピッチャーですから」

 

薬師高校の伊川と秋葉が打席に立っていて、伊川はフォアボールを選択、秋葉はツーベースヒットを放っていた。

 

 

「秋葉くんの打撃力良いですねぇ! 思ったよりかなり良いですよ!」

「薬師野球部だから埋もれて見えてしまうだけで、彼も素晴らしいバッターだったみたいですね……!」

「レフトかライトで起用したいですね……それにしても、伊川くんのバッティングは消極的に見えませんか?」

「そうですか? セオリー通りに、ちゃんとフォアボールを狙っただけに見えますけど……」

 

 

 

 

次は、巨摩大藤巻の本郷がマウンドに立つ。

様々な選手を三振に切って捨てたが、轟にだけソロホームランを打たれてしまった。

 

だがホームランを打たれたとはいえ、監督達からの評価は非常に高かった。

当然の話だ。MAX151kmのストレートに、キレキレのスライダーとスプリットを放つのだから。

 

 

「これは凄い! 素晴らしい選手だ!!」

「彼をエース起用出来ないのは、本当に勿体無い! ……まあ、U-18優勝を考えたら最高の布陣ですが」

「彼からしたら、北瀬くんは大きな壁でしょうね」

 

 

次の話題は轟に移り、和気あいあいと今年の選手達の実力を喜んでいた。

 

 

「それにしても、轟くんのバッティングはめちゃくちゃ良かったですねぇ! 本郷くん相手に1打席でホームランを出すとは……!」

「守備が崩壊していても甲子園優勝校のスタメンなだけありますね、DHで使えるのは非常に良い。もしDH制度が無かったら……想像したくないですね」

「やはり彼はスタメン確定でしょう。今すぐドラフトをしても、1位指名が貰える選手ですから」

 

 

 

 

次は北瀬の投球。キャッチャーは影山で、恐ろしい顔をしてキャッチャーミットを構えていた。

彼はビビらせようとしているのではなく、しっかりとキャッチしてやると顔を強張らせてしまっているだけである。

 

 

「先に言っておく、今日の練習では、北瀬くんにはストレートしか使わせない。それを踏まえて、バッターは打席に立ってくれ」

『はいっ!』

 

影山を筆頭に、悔しそうな顔を隠せない選手達だが、それでも大きな声で返事をした。

ここにいる選手は皆、優秀なアスリートである。

 

 

 

 

まず打席には、同じ高校所属である伊川が入った。

 

 

___カキン!

 

「カハハハ……ナイスキタセ!」

 

伊川をストレートだけでシングルヒットに抑えた北瀬を、轟は称賛していた。

今の所、伊川をマトモにアウトに出来た事があるのは、練習試合を含めても北瀬しかいない。

北瀬の影に隠れているが、伊川だってメジャー級の選手なのである。

 

 

「すっごい、やっぱり伊川くんは物が違いますね……!」

「北瀬くんだって手は抜いてないのに……アレが何で打てるんでしょう?」

「守備の粗さはあれど、伊川くんはスタメン入り確定ですね」

 

 

 

 

2番目のバッターは、大阪桐生クリーンナップの赤川。

北瀬や轟が出現する前は、高校最強スラッガーになると称されていた選手である。

 

 

___バシッッ!

 

「アウト!」

 

「北瀬くんは、やっぱりアウトを取りましたね」

「いやー彼は世紀の天才でしょ、ストレート縛りが無ければもっと凄いと考えるとヤバいっすね」

 

 

 

3番目のバッターはCL学園の遠本。

強力なバッターだがプライドが高く、ゆるゆる野球部所属の薬師野球部メンツからめちゃくちゃ怖がられている。

 

 

___バシッッ!

 

「アウト!」

 

だがMAX165km相手なので、簡単にアウトを取られてしまった。

まあ100億円超えの超大型契約を提案される程のピッチャーが相手では仕方ないだろう。

 

 

……

 

 

ファイブアウトランナー1塁で、最後のバッターは轟。

ピッチャー北瀬と同じチームのバッターで、高校最強と呼ばれるスラッガーである。

 

 

___ガギーン!

 

「アウト!」

 

危うく長打になりそうな球だったが、センターの原が上手く捌いてアウト。

薬師高校の野手陣相手だったら、ランニングホームランだったかもしれないが……流石はU-18日本代表候補と言った所だろう。

 

 

「いやー轟くん良いですねぇ! あんな剛速球に合わせられるとは!」

「同じチームで打ち慣れているとはいえ、中々出来る事ではないですよ。やっぱりDHは彼に決定ですね」

「流石は、来年のドラフトの目玉候補の1人と言った所ですかねぇ」

「1番は、明らかに北瀬くんでは?」

「彼はメジャーとの契約が決まりそうらしいですよ?」

『マジっすか……』

 

 

U-18代表候補の35人が、己の実力を見せつけ合った今日。

薬師野球部の5人も(崩壊守備も含めて)自分達の実力を示しきった様だ。

 

明後日には、北海道ツナの2軍と戦うイベントがある。

その試合に出られれば、ベンチ入りメンバーへの昇格が見えてくるだろう。

 

彼ら薬師野球部の2年生達は、見事U-18代表に選ばれる事が出来るのだろうか?

……特に適正ポジションのDH枠が空いてない三島は、頑張って欲しい。

 

 

 

 

 

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