【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話   作:いちごケーキ

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IF3つの中から2年生になった頃の正史を、投票で読者様に選んでいただく予定です。ただ、同じ位の得票数だった場合は作者の気分で決めさせていただきます。
1年夏甲子園編の終わりまでが投稿されるまで集計します。

これは青道ルートになります。別名青春ルートです。


IF 青道ルート

「おーエース! あの噂知ってるか?」

「なんだよ、その噂って……」

 

甲子園が終わり、北瀬はクラスメイトにエースという少し変なあだ名がつけられている。

正確にいうなら、毎試合10点近く取られるエース(笑)という揶揄が含まれていた……が、全体的に見れば好意的なあだ名だったので北瀬は全く気にしていなかった。

 

 

「俺達の高校さぁ……あの青道に合併されるかもしれねーんだと!」

「はぁ?! まじで? なんで急に」

 

北瀬と、一緒に話を聞いていた伊川はとんでもなく驚いた。

そんな話一ミリも聞いた事無いんだけど!

北瀬と伊川が知らないのも当然だ。この話が生徒まで流れてきたのは昨日の事。

クラスメイトとメールを交換していないというか、メールアドレスが流出して大変な事になったので新しい番号はクラスメイトに教えていない。

 

 

「さぁ? まぁうちの学校って生徒少ないしボロいし、その内無くなってもおかしくないとは思ってたけど……急だよな」

「やっぱ甲子園効果じゃね?」

「でも青道も全国区の強豪だよなぁ」

 

(北瀬の引き抜きが来るかもしれないとは思ってたけど、まさかこんな手で来るなんて……いや流石にたまたまか?)

 

伊川は、マジで北瀬を引き抜きに来たよ! と妄想半分だと自覚していた予想が当たってびっくりしていた。

まあ、別に北瀬と一緒にいられるなら別に良いか。そう思った伊川だが、ある重大な事に気付いてしまった。

え。俺達、あんな怖い先輩達がいる強豪校で野球をする事になるのかもしれないのだろうか、と。

 

(最悪だぁ。俺、あんな人達と野球やりたくない。それに俺のリード、なんかSNSでも叩かれてるし……辞めよ、野球部。いや家に1人でいても暇だし、マネージャーに転向しようかな)

 

 

「北瀬と轟と伊川を引き抜きたかったんじゃねーの?」

 

伊川が才能を溝に捨てる様な事を考えている時、クラスメイトの1人が真実に気付く。

そう……青道高校首脳陣は北瀬・伊川・轟に対して、学校の名前を上げてくれる素晴らしい才能を見て、薬師高校を規模の割には非常に高額で買収する事にしたのだ。

校長は夢見た甲子園出場チームを手放す事に渋っていたが、こんな機会は2度とないと見た家族が説得し、話はどんどん進んでいっている。

 

 

「流石にそんな事で合併までするか?」

「まあなんにせよ、偏差値高い学校と合併されるなんてラッキーだよなぁ!」

 

 

 

 

 

 

衝撃的な噂を聞いてソワソワしてる薬師高校メンバー。

監督が帰ってくるまで各自素振りをしていると、校長室だかに呼び出されていた監督が帰ってきた。

 

 

「いやーびっくりだわ……お前ら、あの話聞いたか?」

「はい……青道と合併させられるなんて、マジなんですかね?」

「まだ決定じゃないけどな……マジらしい」

『ハァ??!』

 

薬師部員達は絶叫した。いやホント、どういう事だろうか。あの偏差値が高くて野球が強い青道に、薬師高校が吸収されるってどういう事だよ?!

部員達は本気で意味が分からなかった。

 

 

「野球部にも関わってくるから説明するわ」

『おなしゃーす!』

 

いつ説明されたのかは知らないが理由を知っていた監督が、珍しく割としっかりと説明してくれるようだ。

 

 

「青道高校は経営不振の高校を吸収して大きくなってきたらしい学校だ。経営不振の学校を合併して、あそこまで大きくなったんだよ。」

「あー、生徒数5000人位いるんでしたっけ?」

「ああ……でだ。俺達の学校を買収して、未来のスター選手を獲得しようって話らしい」

「これがマジになるなら、お前らだけで野球が出来るのは、来年の春が最後になるな……」

 

ライバルである青道高校と合併するかもしれないという、衝撃的な事実を聞き……真っ先に真田が考えたのは轟監督の去就だった。

 

 

「監督はどうなるんすか?!」

 

劣勢でマウンドに立っている時すら笑顔を崩さない真田が必死な顔をして、轟監督が監督を続けられるのかどうかを怒鳴るような声量で聞いている。

 

 

「あちらさんが、監督では無いけどコーチとして雇ってくれるらしい。まー給料はずいぶん上がったわ!」

「良かったぁ……」

 

安心して腰が抜けたのか、真田は大きなため息を吐きながらグラウンドの砂に座り込む。部員の多くも安堵した顔で息を吐いている。

当然といえば当然だろう。部員の多くが轟監督に激アツな野球を教えてくれたという恩がある上に、轟親子の家は借金で火の車生活なのだ。

薬師高校の監督という収入がなければ、自業自得の雷蔵監督は兎も角、雷市がどうなってしまうのか分からない。

 

 

「でもな、優秀な選手が多くいる青道に合流するって事は、来年の夏はもう同じメンバーで出られないっつー事だ。」

「確かに……」

 

自分が甲子園に出られたのは、強力な1年生がいるからだと自覚している大多数の部員達は思わず呻いた。

監督は、最後にこう締めくくった。

 

 

「だからこそだ! 来年の夏に全力を注げ! 甲子園に出れるのは後1回しかねーんだなかな!」

『はい!!』

 

 

……

 

 

話を聞いてから1週間位が経過し、マネージャー転向への意思が固まった伊川。北瀬に説明して賛同を得て、監督への説得に向かう。

こんな経緯で、伊川はマネージャーに転向すると監督に言おうとした。

 

 

「監督……もし俺が、マネージャーに転向したいって言ったら、どう思いますか。」

 

本当にしようと、直前まで言おうとしていたのだけれど、何故か彼は言えなかった。

 

(俺、今、マネージャーに転向するって言おうとしたよな?)

 

別に野球に対して興味なんて無いし、親友の北瀬と野球に熱心な部員に引きずられてやっていただけだ。そんな事当然自覚している……それなのに、何故か選手を辞めたいと言えなかった。

 

 

「嫌だな」

「嫌っ、すか……」

 

真顔で監督は、凄く子供っぽい嫌がり方をした。40歳を過ぎた大人がである。

なんて子供っぽい言い方をする監督なんだと伊川達は呆れた。

 

(違うな、子供っぽいのは俺もか……これじゃあ引き止めて欲しいな言い方だ)

 

伊川が内心自嘲している中、轟監督は伊川にこう言った。

 

 

「なんてったって打撃の薬師の主軸だからなァ! そりゃ辞められたら嫌だろ。それに……薬師高校として最後の試合、北瀬だって勝ちたいだろう?」

「そりゃそうっすね」

 

轟監督の勝ちたいだろうと言う質問に対し、北瀬は即答した。今までにいた環境の中で、1番楽しい所だったのだ。当然最後は、勝って楽しく終わりたいに決まってる。

轟監督はそうだろうと頷きながら、伊川にこう言った。

 

 

「でだ。ピッチャーがうちには4人しかいねーんだが、その中で1番回数が投げられる北瀬が抜けて、成り立つと思うか?」

「…………」

 

伊川は思わず口籠った……あまり考えてなかったが、厳しいかもしれない。彼は無意識の内に、そのデメリットを考えない様にしていた事には気付かなかった。

 

轟監督にが伊川に辞めてほしくなかった理由は、打算抜きであくまで伊川の才能がどこまで行けるか知りたかったという事が一番大きい。

だがあくまで基本的には理詰めで、伊川が辞めない様に説得する。

 

 

 

「それにな……あいつらも最後まで、伊川とやりてぇと思うけどな」

「……そうですかね?」

 

監督の言葉に対して、伊川は当然の様に疑った。

まあ確かに、割と強い戦力位には思っているかもしれないが。

けど、夏大会より薬師高校は時間が経つにつれ強くなった気がする。それなら別に、俺が選手じゃなくても良くないか?

伊川は自分の打撃力に対して自身が無い上、仲間の友情にもあまり気付いていなかった。

 

その上、タダで面倒な雑用係のマネージャーをする訳だし……伊川はあくまで、薬師高校のメリットも考えて話しているつもりになっていた。

マジで無償労働で雑務をするつもりで……何で俺は、親友と一緒にいたいってだけで、無駄な時間を過ごすマネージャーやろうと思ったんだろうか? ずっと北瀬と一緒にいられる訳でもないのにさ。

伊川が自分でも、なんだかおかしいと思える思考回路を疑い始めた所で、轟監督は言った。

 

 

「例えば、北瀬は……伊川がマネージャーになるより、一緒に野球やってた方が良いと思うだろう?」

 

そりゃそうだと北瀬は頷いた後、それでもと、自分にとっての常識を口にした。

 

 

「そりゃそうですけど……それは伊川が決める事ですし……」

「えっ、マジで?」

 

普通に初耳だった伊川は、思わず口にした。

2人はテレパシーモドキは持っているが、気持ちが直接伝わる訳ではなく耳元で電話しているのに近い。だから普通に伊川は北瀬の気持ちを知らなかったのだ。

それを見て、勝ったな。と内心思った轟監督だが、あえてこの1言を付け足した。

 

 

「ついでに、誰か他の部員にも聞いてみろ。気が変わるかもしれねぇだろ?」

 

ニヤッと笑いながら、轟監督は最後にこう話した。

それを聞いた直後、辞めて欲しいと直接言われたらショックだと自覚した伊川は、薬師部員達へも、北瀬と同じ様に愛着が湧いている自分の気持ちを自覚せざるをえなかった。

 

 

……

 

 

「あの……真田先輩」

「なんだ? 始、そんなに緊張して……珍しいな」

 

基礎練習が終わった後、取り敢えず1番親しみ易い真田先輩に話しかけた伊川。

非常に珍しい、彼の極端な緊張に気付いた真田だが……あくまでこれから話す内容が普通の会話だと思っている様に返答した。

 

 

「俺がマネージャーに転向するのと、選手を続けるの……どっちが良いっすかね?」

 

選手としていない方が良いと言われたくなかった伊川は、マネージャーをやるのと選手をやるのの2択の様に聞いた。

選手としての代わりに、マネージャーをする選択だと気付いている伊川だが、それを悟らせない様に注意して口にした。

 

 

「ハァ?! ……いや悪い。焦ったわ……そりゃ選手をやってほしいに決まってるだろ。絶対、そうだ」

「なんでっすか……?」

 

真田は衝撃な上唐突な事を言われ、焦った。嫌だ、お前は野球をやっていて欲しい。と思いながら。

でも、俺に聞くと言う事はまだ決めていないんだろうと少しだけホッとし、穏やかでは無い自身の内心を自覚しながらも優しい口調を心掛けて話す。

 

それに対して、伊川は不思議そうに聞く。伊川なら、雑用係を自主的にやってくれる人がいたら、嬉しいに決まってると考えたからだ。

 

 

「そりゃ、お前の野球が好きだからだよ……お前の打撃はマジでスゲェ。お前らの野球さ、マジでスゲェと思ってるんだ!」

「……そっすか。じゃあ続けますよ」

 

真田先輩の言葉を聞き、伊川は無意識の内にそう答えていた。

 

(あれ、俺まだやるの? これじゃあ青道でも、野球続ける事にならないか?)

 

ここで部活を辞めずに青道高校に合併されてしまえば、一応甲子園出場チームの主軸だから野球を辞められなくなってしまうかもしれない。

ただでさえ野球が好きではないのに、あんなキツい強豪校でやる事になってしまうのかと伊川は嫌がったが、真田先輩に撤回すると言う気にはなれなかった。

 

(まあいっか。後の事は後の俺がなんとかしてくれ……)

 

伊川は自分の将来に責任を持たず、とりあえず真田先輩を安心させる方を選んだ。

 

 

……

 

 

「この前まで敵同士だったけど、今日からは仲間同士だ! 宜しく頼むわ」

 

青道のキャプテン御幸一也がそう少しだけ胡散臭い笑顔ね言った後、旧薬師高校の元キャプテンである真田に握手を求めた。

薬師部員と青道部員に見守られる中、好青年と呼ばれる真田も笑顔で握手しかえし、こう言った。

 

 

「ああ、ヨロシクな! 強打の名捕手の噂はこっちにもいっぱい届いてるぜ」

「そうだ御幸一也! 昨日の敵は今日の友! これからは青道と薬師! 2校の力が合わせて最強にするのだ!!」

「だから薬師はもう無いっての! ……ああすみません、お騒がせして」

 

キャプテン同士の挨拶が終わってもいないのに急に話し出す沢村に対して、金丸はつい突っ込む。

彼が本当に苦情を言いたかったのは既に薬師がない事ではなく、キャプテン達の邪魔をした事だった。

 

薬師がもう無いとは知っている薬師部員達だったが、その辛辣な1言には内心少しイラッとしていた。関わっていくと面倒見が良くていい奴なのだが、そんな事はこの段階では知らない。

 

 

……

 

 

「はっはっは! どうだ! 俺のボール!!」

「えっと……俺まだ打席に入ってないんだけど……」

 

キツい練習の後に話しかけられ、あれよあれよと沢村と戦う事になっていた北瀬。展開が早すぎて全く助けられなかった伊川は、ハラハラしながら2人を見ていた。

 

「むっそうか……よし今入ったな! じゃあ投げるぜ!」

「……あ、うん」

 

新しく先輩達が自主練習に励む中、一刻も早く部屋に帰りたかった北瀬だが、沢村のマシンガントークに耐えられず……諦め顔で打席に立っていた。

 

 

___カッキーン!

 

一発目から思いきりバットを振り、盛大なホームラン。思わず唖然とした沢村だが、気を取り直してこう答える。

 

 

「まじかー……やるな北瀬!」

「そう? ありがとう?」

 

カラッとした笑顔の沢村に、困惑しながら一応お礼を言う。

もしかして沢村は、真田先輩タイプの人間だろうか。真田先輩も後輩にヤられても気にしなかったし……沢村は先輩じゃないし、バカっぽいけど。

北瀬はそんな事を考えながら、次の打席を見据える。

 

 

___カキーン!

___カッキーン!!

 

その後何度も沢村は打たれても投げ続けて、物理的に疲労困憊となってからようやく辞めた。

 

 

「ハァ……ハァ……これで勘弁してやる……」

 

北瀬の実力は知っているが、気になったので彼らの勝負を見ていた小湊はぽつりと言った。

 

 

「北瀬くんと戦うには早すぎたんじゃない? ……10年位」

「ム! 春っち、それは違うぞ! 勝負を仕掛けるのに早い遅いもないのだぁ!」

 

春市の辛辣な1言に対して、沢村はそれっぽい言葉を返した。

 

いや、それっぽいは失礼かもしれない。彼はバカだが、信念のあるバカであるからだ。100%本気で言っているに決まってる。

 

 

「というか伊川くん、なんでそんな所に隠れて見てるの?」

 

最初は心配していたが、途中から安心して見ていられた伊川。

ポールの影で休みながら、北瀬と沢村の勝負を見ていた伊川は慌てて答える……初日から変なやつだと思われたら堪らない、と思いながら。

 

 

「いやそりゃ、初めて話す奴に連れて行かれたし、北瀬は大丈夫かなと思って見てたら、何か出る雰囲気じゃ無くなってたっていうか……」

「北瀬くんのお父さん?」

 

 




採用されなかったIFの同人誌20部位刷ってみたいんですが、やるとしたら買ってくださる方いますか?今の所やるとしたら一冊700円位です。
買ってくださる場合、集計したい為下のアンケートの同人誌購入したいボタンを押してください。

人に聞いてみたら「利益出ちゃうとマズいんじゃない?」と言われて納得しましたので、電子書籍を売る可能性は減りました。適当なアンケートをとってごめんなさい。この先電子書籍は出来れば押さないでください。

1年の夏甲子園が終わった後の正史をアンケートで決めます。正史にならなかった同人誌を買ってくださる場合はそちらを押してください。20人を超えたら検討します。1冊700円位と思われます。

  • 青道高校ルート・多分ハッピーエンド
  • 稲城実業ルート・多分ビターエンド
  • 薬師高校ルート・多分トゥルーエンド
  • 押し間違え防止の空白
  • 700円の同人誌買おうかな
  • 電子書籍バージョンなら買おうかな
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