【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話   作:いちごケーキ

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IF 極亜久高校編Ⅱ

 

 

 

 

極亜久高校にわざわざ入学して来た、30人のイカれた後輩部員達。

一応ここは入学式前日まで募集を受け付けてるから、甲子園見た後でも来れるけどさ。余裕で定員割れしてるし。

 

正気かよ?自ら闇の道に進むとかバカじゃねーの。ワザワザ県外っぽい地名の所から来た奴も居るとか、バッッカじゃねーの?

何なんだ、狂った世界で俺だけが正気なのか??

 

 

「よーしゴミが大方消えた所で、ランニングだ!」

『…………ハイッ!!!』

 

困惑しながらも良い返事をした後輩達、煩い。

音量がデカすぎるんだわ。まぁ、バイクの爆音よりかはマシだけど。

 

 

「あ、ガン付けられたら死ぬ気で逃げろ〜。ヤクザと繋がってる奴も居るから、下手に手ェ出すと終わるぞ。……あ、伊川は基本的にダイジョブだ。チキンだからな!」

「死んでくれゴリキョウ」

 

 

___バキッ!

 

「痛ってて」

「ほらな!手ェ出しても反撃しねぇ!あ、だからと言ってコイツをボコろうとするなよ。エースを負傷させたら俺が直々にボコるゾ」

『…………』

 

後輩の前で最初から先公にボコられるとか、俺の威厳が欠片も無くなっちまう!

あー、少し位は配慮してくれても良いだろ!死ね!このクソ教師!!

 

 

 

 

「あの……殴られた時けっこう良い音してましたけど、大丈夫ですか?」

「ん?あー、別に。流石のアイツでも、基本的に殴りに行かなきゃ骨は折らねぇからな。いっそ折ってくれたら、堂々と野球部休めたのによ」

 

確かコイツは、大凶シニア出身のせとたくま。

ワザワザ先輩を尋ねて来るなんて、どんな魂胆なんだ?面倒な事を起こさなきゃ良いんだが……。

 

 

「えっ?あっ、そうなんですか……えと、その……」

「俺の名前は伊川始だ。ま、別に覚えなくても良い」

「流石に知ってます!甲子園で大活躍だったので!!」

「あっ、やっぱりそんな感じか」

 

やっぱり甲子園見て来たのか……まさか、極亜久高校の最悪な雰囲気を知らねぇで入学したんじゃねーだろうな?

今までの人生で出会った中で、1番マトモそうに見える奴が来て流石に心配になって来た。

 

 

「この学校、極悪って言われる位には治安悪りぃぞ。犯罪者になる前にとっとと転校した方が良いんじゃね?」

「…………俺と奥村は、伊川先輩と野球がやりたくて来たんです___最初から逃げ出すなんて、出来ません」

「えぇ、正気か……?」

 

少なくとも表面上、めっっちゃくちゃ優しい奴が入学しやがった!コイツはSSR後輩だ!!

あんな醜態を晒した後でも気を使って来るとか、マジかよ?!甲子園効果スゲーな!!

 

 

「あ、うん。まぁ頑張れよ。少し位は応援してやる」

「ありがとうございます!……もし良ければ、その、奥村にキャッチングをさせてやってくれませんか?」

「ん?まぁ良いけど!」

 

投げるのは面倒だけど、こんだけ気を使われて頼まれちゃ断れねぇな。……乗せられやすいのは自覚している。

 

 

 

 

___バシッ!

 

「ナイスピッチです、伊川さん」

「あ、ああ」

 

 

___バシッ!

 

「コントロールはズレて良いので、球速を早くしようとして見てください」

「まあ、良いけど」

 

 

___バシッ!

 

「さっきより、良いボール来てますよ」

「そうか?」

 

なぜ俺は、ゴリチュウにシバかれる前から野球をしているのだろうか?

……マトモそうな後輩に頼まれたからだな。多少は恩を売っといて損はなさそうな相手だから、仕方ねぇ。コレも全部、あの先公が悪い。

 

 

___バシッ!

 

「飽きた。そろそろ辞めて良いよな」

「後10球お願いします」

「あ、そう」

 

 

___バシッ!

 

「ナイスボール」

「後9球だな」

「後10球お願いします」

「えっ?」

 

まさか、俺が投げてなかったとでも言うのか?後10球とは、何なんだ……。

 

 

 

 

結局は20球は追加で投げさせられて、ようやく練習が終了した。

ま〜たヤベェ奴が部に増えてしまったのか?いや、自分の都合の良い様に動くなんて普通の事か。

 

 

「ありがとうございます、次もお願いします」

「え、面倒臭い。ピッチングなんて、ゴリチュウ……クソ教師監督に言われた時だけで良くね?」

「は?……野球を舐めないでください!いくら天才とはいえ、練習しなければ上手くなれません。伊川さんは荒削りな面が多いので、もっと真面目に練習してください!」

 

何言ってんだ?コイツ、流石にクソ真面目過ぎだろ……。

 

 

「はぁ?何で部活なんか真面目にやんなきゃいけないんだよ。ただでさえ最近ゴリチュウに禁煙強要されててイライラすんのによ」

「は??高校球児が煙草なんて吸って良い訳が無いですよね、正気を失ってるのは貴方では??」

 

コイツの言ってる事は、極亜久に在籍してなきゃ正論なのかもしれない。煙草位、誰でも吸ってると思うけどな。

ほんっと無駄にクソ真面目な奴だな……でも一周回って、生態が気になる気がして来た。

 

 

 

 

後輩達が入部して、先輩達が退部してから1週間が経過したあたり。(詳しい日数は知らん)

いつも通り、俺は着替えた後で近所のコンビニに食い物を漁りに行った。誠に残念ながら、極亜久高校の学生は入店が禁止されているからだ。

面倒な話だが……盗むは暴れるわで、確かに俺らは邪魔な存在だろうな。

 

 

「あっ、極亜久高校の」

「…………」

 

げっ、何でバレたんだよ?!遂にこのコンビニ使えなくなったか……近くで便利だっただけに、残念だ。

 

 

「野球部エースの伊川くんだよね?!サイン頂戴よ!」

「えっ、まあ今後も買わしてくれんならどうぞ」

 

なんか店長らしき人物が、サインを求めて来た。

あの人は高校野球に興味があんのかね?そんな奴、身近にいるもんなのか。校内ではゴリキョウ以外は気にしてなかったから知らなかった。

 

 

 

 

荒れ果てた花壇の縁に、1人で座り込んだ。

ここ、かなり景観が悪くてコバエが飛んでるから誰も来ないんだよな。絡まれたくない時は楽で良い場所だ。

 

いつも買っている甘ったるいメロンパンと、店長からの頂き物の賞味期限の過ぎた焼きそばパンを頬張りながら、1Lの紙パック牛乳を流し込む。昼飯多くなってラッキー!

 

食い終わったら教室に行って自主勉強でもするかなと思いながら、土の付いたズボンを払った。

授業なんて誰も聞いてないし、先公の声が小さ過ぎてそもそも聞こえない事が多い。てか、そもそも椅子に座ってるのなんて10人も居ねぇ。

噂によると、頭の良い学校は全員着席してる事もあるって話だが……流石に盛りすぎだろ。退屈な話を、クラス全員が聞くなんて有り得ねぇ。

 

 

そんな事を考えながらぼやぼやしてると、靴箱から俺の方に向かって来る2人の人影が見えた。

うげっ、何の用なんだよ。俺にちょっかい出すと、ゴリキョウにボコられんの知らねぇのか?

虎の威を借る狐みたいでイライラするが、実際便利っちゃ便利なんだよな。この立場。

 

何も改造されてないだっせえ野球ユニフォームに、マジの運動靴って感じの運動靴。

スパイクっつうんだっけ?俺も公式戦用に、ゴリキョウから一足買わされた。無駄な出費過ぎて最悪だ。死ね。

 

あ。コイツら、野球部の後輩だ。確か名前は、オクムラコウシュウとセトタクマ……だった筈。

 

 

「チワース!伊川先輩!」

「伊川さん、時間があるならキャッチング練習に付き合ってください」

「あ、どうも」

 

授業が面倒になったらしいコイツらが、野球の練習に誘って来やがった。

いや……サボりたいってより、野球を沢山やりたいのかもしれねぇ。確か、甲子園に行きたいって言ってたしな。

 

 

「何か先生に、今日の授業は終了だから帰って良いって言われたんです。俺のクラス全員野球部だから、練習しようって事になって……伊川先輩も一緒にやりませんか?」

「……」

 

あ、コイツらは自主的にサボってる訳じゃないのか。

 

それにしても、何で俺なんかに授業サボって野球しようぜって言うんだ?ワザワザ先輩を誘うって意味分かんねぇ。

でも___何か青春っぽいな!

ま、1度位はこんなイベントに参加してみるのもアリか。

 

 

「分かった、今から着替えて行くわ」

「アザース!!」

 

 

 

 

授業をフケて、部活動に打ち込んでいる俺達。まぁ、自主的にサボったのは俺だけなんだが。

気付けばグラウンドに来ていたゴリキョウも半泣きになりながら「こんなに熱心に野球をしてくれるのは始めてだ!!」と大層喜んでいる。ウゼェ。

てか、先公として授業をやらなくてイイんすか?そりゃまあ、どうせ誰も聞いてないけど……。

 

 

「お前ら!そんなに野球が好きか!!」

『ハイッ!!』

「よぅし、それなら午後の授業は無くせって頼んどいてやる!つか、俺がお前らの担任になるわ!午前中は程々に聞いといてくれよ?部費の交渉材料になるからな!」

『アザース!』

 

午前中は授業を聞かなきゃならなくなった、可哀想な後輩達。どうせ元々サボり放題なんだから、公式で午後の授業が無くなったって良い事ないのに。ゴリキョウに騙されてるな。

 

 

「それと伊川ァ!」

「は?なんスか」

「今日からお前も、1年5組所属な!時間割を1人だけ変えるのメンドクセーし!」

「はぁ、マジすか」

 

何の権限があって、ゴリキョウが上級生を下級生の場所に振り分けられんだよ。おかしいだろ、学校のシステム的に。ただの教員兼監督の癖に。

ま、どうせ無法地帯だから、勝手に強権発動しても誰も気にしねぇだろうけど。

 

 

 

 

空き教室と言う名の、窓ガラスが粉々に破壊された場所に呼び出された俺。

ギャルに呼び出されるならまだ良いんだけど、実際に言ってきたのはゴリキョウなんだよな。マジウゼェ。

 

ちなみに時刻は、本来なら午後だから授業中。ま、極亜久高校にそんな事は関係ねぇけどさ。

後輩達には自主練習させてるらしい。まだそっちに混じってた方がマシだったぜ。

 

 

「伊川ァ!シューズ買いに行くぞ!!」

「いや、そんな金はねぇっすよ」

 

バカな事を言うゴリキョウに、勿論俺は反論した。

 

 

___バキッ!

 

「うるせぇ!!行こう!!」

「最っ悪なワンピースっすね」

 

 

 

 

仕方なく付いていったショッピングモールで、機嫌良くシューズを何足も買った俺。どうやら、こっそり部費から出してくれるっぽい。

良かったぁ!最近マトモにバイトも入れてないし、ほぼ食費が無くなっちまう所だったぜ。……それも全部、部活で時間を拘束して来るゴリキョウのせいだ。死ね。

 

 

「高っかいシューズなんて、何足も買って良かったんスか?」

「そりゃお前、甲子園選手が練習でいつまでもスニーカー履いてるなんておかしいからなァ!ハハハハハ!!」

 

少し青ざめた顔をしながら、ゴリキョウが笑った。

もしかして、部費から出すのけっこうマズかったんじゃ……コイツ、見栄の為に無理しやがったのか?

 

 

「部費だって大した額じゃないんだし、節約してくださいよ?……ま、俺だけ買って貰った後に言うのもバカバカしいっすけど」

 

先公と仲良く並んでお買い物なんてバカバカしいなと思いながら、大人しく帰り道を歩いている。

あーあ、何でこんな事に。こんなの絶対、後で元マブダチにバカにされるだろ。

 

 

「ア゙?何言ってんだ?これは俺のサイフからだっつの!」

「……はああぁぁ??!」

 

意味分かんねぇ。嘘に決まってる!何言ってんだコイツ!

クソ教師が、他人の子供に金なんて使う筈が無いだろ!!

 

 

「何言ってんすか……そんなバカな事、ある筈が……」

 

 

___ドカッ!

 

「別に良いだろ!俺の金だ!……ま、お前の野球には期待してんだよ」

「…………」

 

どうせ、俺を騙そうとしてるに決まってる。

それでも___ホントの意味で期待してるって言われたの、始めてかもしれない。

くっそゴリキョウめ……俺の純情を弄びやがって……。ちょっと嬉しいと思っちまったじゃねぇか。死ね。

 

 

 

 

 

 

「あっそ。じゃー、もしもプロになれたら倍返ししてやりますよ」

「お!マジか、レシート全部取っとこ!……それならついでに焼き肉行くか!プロ入りしたら倍返しだかんな!!」

「マジすか」

 

うっざ。コイツの金で食い尽くしてやろ……ざまぁ!!

 

 

 

 




1年後、全額きっちり倍返しする事になるのを伊川は知らなかった。


「別に、アンタに感謝なんかしてねぇかんな!無理やり振り回されたら結果が出ただけ!偶にイタ電してやる!!」
「お!そーかそーか……スパイク、焼き肉、その他諸々合わせて25万4252円な」
「ういっす(コイツ、自分で食べた焼き肉代までキッチリ2倍で計算しやがった。しかも1円単位かよ……やっぱウゼェ。けど感謝してなくもない、腹立つけど!)」


Q.薬師高校どこ行った?
A.轟雷蔵が、就任前に借金で夜逃げしちゃいました。


Q.この伊川はどんな顔?
A.小湊春市を少女漫画風にした後、目のハイライトを無くした感じです。若干ホラー気味。

暫くの間IFを連投する予定なのですが、どれが良いですか?

  • 稲城実業
  • 平行世界
  • 伊川中二病
  • パワプロ薬師高校編
  • 極亜久高校編
  • その他(活動報告にお願いします!)
  • 無回答
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