【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話 作:いちごケーキ
楽しみに待ってました!
『さあ___現れました、成宮が!
稲城実業のエースとして君臨した成宮鳴が現れました!』
『1年半前、嘗てはエースの証たる背番号1を背負い、学校の誇りと優勝旗を賭けてこの球場で相まみえました』
『しかし今日は違います。
背番号と、そして違う物がもう1つ。彼はプロの誇りを背負って、再び薬師の彼らと戦います!』
燦々と、まるで夏の舞台の様に降り注ぐ太陽。
10月なのに【暑さが足りない】とは感じなかった。
「さーてと、落とし物の回収に行きますか!」
実を言うと、俺が先発したいと言った時は揉めた。
スタートダッシュこそ絶好調でリーグ1位だった物の、ビックリするくらい露骨に対策されて今の防御率で言えば上の先輩が居たからである。
一応アイツらは高校生とはいえ、プロの全力で掛からなければならない相手だ。
一線級の実力を証明したとはいえ、強い投手が十分にいる中わざわざ高卒1年目を出すのは如何なものかと言う話にはなった。
チーム1位の先輩も「なんでまともに先輩に気を使わん奴に譲らなきゃいけねえんだ」みたいな事は言っていた。
その時の発生した謎の『え、それアンタが言うんすか』みたいな空気について俺は特に追及する気も無かったけど、その後はなんか微妙に許されていい感じに事が進んで。
色々売り込んだ結果のエキシビジョンということもあり『リベンジマッチとかええやん燃えるやん!』みたいな感じで上の方でも会議が進んだらしい。
最終的には、あくまでもシーズン優先という名目もあり前日の公式戦の先発はその先輩がやってくれる事になった。
勿論そんなお上の事情とかなんかはどうでも良くて、念願叶って薬師戦での先発が許されたんだ!
イキイキと多田野達に報告しようとしたら堅物の雅さんに止められた、けちんぼめ。
……って言ったら睨まれるだけじゃ済まなさそうだから、心の中に留めておいたけど。
まあそんなこんなで至る、今日。
なんか怖いくらいに世界が俺に都合がいい感じに進んだけど、まあ棚ぼただろうとなんだろうと餅があるなら食えねえほうが悪いって事でキッチリ有難く頂戴するとして。
___後は俺がそれを活かせるかどうかって話な訳だ。
雅さんが1軍に上がってれば、またバッテリー組んでリベンジマッチに望めたのにさぁ。
折角こんなお膳立てで挑めるチャンスなんて、もう2度と無いってのに。……いや、まさかこんな事になるなんて流石の俺も予想出来て無かったけど。
「しっかしまた、去年よりも良い顔してんなー。
どいつもこいつも」
今日の為にフロントがわざわざ一人一人データを集めたけど、結局は北瀬抜きでも打順上位7人が要注意人物って話だっけ?
なんかもう前見たメンツばっかで、逆に安心感あったね。
あとなんだっけ?バットの速度を計測したら、なんかU-18の時より明らかに強くなってるとか言われた時はちょっと笑ったっけ。
どんだけ進化し続けるつもりなんだって、悔しいけど見習わなきゃねって思ったんだ。
思えば初戦の夏じゃ足折られるし、秋は勝手に自滅するし、センバツじゃ訳わかんねえぐらい撃ち込まれて……
つーかアイツらの影響受けた後の春季大会の時なんか、『意欲は買うけど自分達に勝った相手を馬鹿にしてるのと同じだ(意訳)』って監督にめっちゃ怒られたんだっけ。
なんだったら、あれが1番効いたような……
うわっ!なんかコイツラの事考えてると嫌な思い出が次から次へとラッシュしてくる!
『背番号8ーーーセンター、秋葉』
そう考えてる内に、薬師のバッターボックスに最初の打者がやって来た。
秋葉一真。俺が思うに、薬師の中で味方に獲れるならまずコイツだって奴が本日の1番打者。
一体コイツの火打石に、どれだけの投手が乱された事か。
つか最初の夏6割で最後の夏は7割だっけ?
いくら高校生相手でも、そんな打てる奴プロにもいねえ。
コイツを始まりにした5人と主砲級下位打線とかいう頭の悪いサイクルで、悪循環が悪循環を呼ぶ最悪の状態に見事嵌められたあの選抜の事は、今思い出しても顔から火が出そうだ。
あの時、今の半分くらいの落ち着きがあれば紫は獲れてたんじゃないかなんて、女々しい考えを偶にしてしまう位には黒歴史。
「ま、U-18じゃ笑えるくらい頼もしかったけどな」
ああそうだ、U-18と言えば今回あの時と同じ木製バットな訳だけど。
なんか知らねえけどアイツらも普段金属使ってる筈なのに、合宿での木製への順応っぷりったら凄かったな。
他の奴らがミートポイントの違いに悪戦苦闘する中、3倍以上の速度で慣れてったのにはちょっと引いたんだけど。
とりあえず今回は、木製経験者のU-18五人組に特に注意を絞るってことになってるけど___っと。
ちょっと睨まないでよ太野さん。
こっちだって思い出に浸ってるばっかりじゃないからさ。
浮ついて勝てる相手じゃない事は骨身に染みてんだって。
世界一信用してくれたっていいんだぜ。無理?酷いなぁ。
良いじゃん投げる前に感傷に浸る位、まぁふざけてないで、とりあえず初球は打ち合わせ通りに行きますか。
『成宮1球目、投げました!』
___バシッ!
「ストライク!」
「うわ、キレッキレ」
『インコース一杯!
際どい所にしっかりと決める、見事なストレートです!』
兎に角コイツら相手に、怯むとか弱気になるとか省エネとかそんなくだらんことを考えてたら、一瞬で何もかもグチャグチャに崩される。
そういうレベルの連中なのはとっくに分かってんだ。
初球だからって様子見とかやらねえよ、今更。
初球でストライクを取ったものの、上手いこと変化球を見切られて2ボール、そこからファールで2ストライクまで粘ってきたけど___関係無いね。
___バシッ!
「ストライク、バッターアウトォ!」
「うへー。映像で見てたけど、また切れ味増してんなぁ」
『出ました!成宮鳴、伝家の宝刀チェンジアップ!これで三振です!』
『いやいきなり出して来ましたか。
薬師対成宮はもう2度と見れないカードなだけに、この展開は観客の興奮も大いに高まりますね』
きっちりお仕置きして三振。
こいつが塁出るかどうかで180度は言い過ぎでも90度は風向きが変わるんだ、手を抜く必要はどこにもねぇよ。
さてと___心の準備は出来た。
『背番号4ーーーセカンド、伊川』
その名前が呼ばれた瞬間、アナウンスの何倍もの音量と思う程の、黄色い悲鳴混じりの叫び声が球場を木霊した。
「さーて、出やがったな?薬師最大の障壁がよ」
そう、俺からすれば北瀬よりコイツが1番の問題児だ。
秋葉や轟も大概だけど、コイツは他の奴らとは根底からして何もかもが違う。
薬師は打の天才の集まりと言われてきたしそれは事実だ。
もし単純な打力が実力の全てなら、雅さんと山岡が薬師のベンチの奥に押し込まれるレベルのバケモン揃い。
___けれどその誰と比べても、まず種族が違う。
そのままの力関係であることを受け入れるのはゴメンだが、北瀬涼が投手として現在の最強である事は、誰から見ても明らかだ。
その事実を認められない程、俺だってガキのままでいる訳じゃない。
あの今世紀最高の天才と同じくらいの天才は、まぁ来世紀にはいるんだろう。
……けどコイツだけは絶対にない!100%あり得ない!
いたらもう、野球のルールが変わっちゃうレベルだし!!
どんな球を投げようと、良いピッチングも悪いピッチングも全く同じように打ち返す。
文字通り壁みたいにだ。絶対の自信を以て投げなきゃいけないのが投手の仕事なのに、心を折られちまった投手なんてそれこそ10や20じゃ効かないだろう。
あの辛酸をなめ続けた時間は、プロになってからはそれもいい経験だったと思う他なかったけど……
___カキーン!
『初球からフェンス直撃いいいいいい!!』
『伊川始、アウトコース一杯を挨拶代わりにいきなりツーベースヒットォ!これは苦しい展開です!』
本当に、つれえもんなんだぜ。
打たれると分かってる球を投げなきゃいけねえなんて、プライドの高い投手には、特にな。
今回のプロ編は、読者様から小説を頂いております。
なので暫くの間、本編の毎日投稿は無理です。
代わりにIFを投稿していますが、本編を連続して読みたいと言う要望が多いので投票お願いします!
本編を頂くまでIFを投稿し続けるか、IFは無しで本編を待つか、vsプロ編を本編と取り敢えず切り離して投稿するかの三択になります。(本編と切り離す場合、vsプロ編が終わったら適合性を合わせます)
ちょっと間が空きすぎているので、(12/12現在、約2週間) 再度「IFについて」の投票場所を作って貰えませんか?とコメントを頂いたので再投票出来る方はお願いします!
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IFでも良いから毎日投稿を目指せ
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日数が空いても本編だけで良い
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時系列めちゃくちゃでも並行で投稿して
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その他・無回答