【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話 作:いちごケーキ
彼らは精神的な安定感がなく、意外と周囲の影響を受けやすい為に個人主義の稲城実業に入ると、野球への熱意の無さもあり完全に孤立します。
伊川は試合にだけ出る感じのサボり魔になります。野球が嫌いになってプロにはなりません。
北瀬は一応惰性で野球をやり続けますが、ずっと1人で練習する事になります。闇落ちしますがプロには行きます。
真田はどのルートでも最終的にはプロになれますが、高校時代にメンタルが鍛えられた影響で稲実ルートが1番活躍します。
轟はあまり変わりません。
成宮はエースを剥奪されますが、甲子園には出られるのでどっちがマシでしょうか?
稲城実業メンバーも元薬師メンバーも彼らがいる間、空気が最悪になりますが、後にプロとして大活躍する3人を排出した稲城実業のイメージは大幅アップします。
IF3つの中から2年生になった頃の正史を、投票で読者様に選んでいただく予定です。ただ、同じ位の得票数だった場合は作者の気分で決めさせていただきます。1年夏甲子園編の終わりまでが投稿されるまで集計します。
これは稲実ルートになります。別名孤高の天才ルートです。
「おーエース! あの噂知ってるか?」
「なんだよ、その噂って……」
甲子園が終わり、北瀬はクラスメイトにエースという少し変なあだ名がつけられている。
正確にいうなら、毎試合10点近く取られるエース(笑)という揶揄が含まれていた……が、全体的に見れば好意的なあだ名だったので北瀬は全く気にしていなかった。
「俺達の高校さぁ……あの稲実に合併されるかもしれねーんだと!」
「はぁ?! まじで? なんで急に」
北瀬と、一緒に話を聞いていた伊川はとんでもなく驚いた。
そんな話一ミリも聞いた事無いんだけど!
北瀬と伊川が知らないのも当然だ。この話が生徒まで流れてきたのは昨日の事。
クラスメイトとメールを交換していないというか、メールアドレスが流出して大変な事になったので新しい番号はクラスメイトに教えていない。
「さぁ? まぁうちの学校って生徒少ないしボロいし、その内無くなってもおかしくないとは思ってたけど……急だよな」
「やっぱ甲子園効果じゃね?」
「でも稲実も全国区の強豪だよなぁ」
(北瀬の引き抜きとかあり得るかもしれないとは思ってたけどさ、あのバントの稲城実業と合併するとは……いや、流石にたまたまか?)
伊川は一瞬、稲城実業が北瀬を引き抜きに来たのかと思ったが、やはり違うかと思い直した。
それに、別に北瀬と一緒にいられるなら別に良いか。青道高校での恐怖体験をコロっと忘れて適当に考えた伊川。その事を、後で後悔する事になる。
「北瀬と轟と伊川を引き抜きたかったんじゃねーの?」
伊川が才能を溝に捨てる様な事を考えている時、クラスメイトの1人が真実に気付く。
元々、看護専門学校を作る為に古い校舎ごと学校を購入しようと考えていた稲城実業首脳陣。
北瀬・伊川・轟に対して、学校の名前を上げてくれる素晴らしい才能を見てついでに、薬師高校を規模の割には非常に高額で買収する事にしたのだ。
薬師高校の校長は夢見た甲子園出場チームを手放す事に渋っていたが、こんな機会は2度とないと見た家族が説得し、話はどんどん進んでいっている。
「流石にそんな事で合併までするか?」
「まあなんにせよ、偏差値高い学校と合併されるなんてラッキーだよなぁ!」
衝撃的な噂を聞いてソワソワしてる薬師高校メンバー。
監督が帰ってくるまで各自素振りをしていると、校長室だかに呼び出されていた監督が帰ってきた。
「いやーびっくりだわ……お前ら、あの話聞いたか?」
「はい……稲実と合併させられるなんて、マジなんですかね?」
「まだ決定じゃないけどな……マジらしい」
『ハァ??!』
薬師部員達は絶叫した。いやホント、どういう事だろうか。あの偏差値が高くて野球が強い稲城実業に、薬師高校が吸収されるってどういう事だよ?!
部員達は本気で意味が分からなかった。
「野球部にも関わってくるから説明するわ」
『おなしゃーす!』
いつ説明されたのかは知らないが理由を知っていた監督が、珍しく割としっかりと説明してくれるようだ。
「稲城実業は新たな科を作る為に、良い感じの場所を探していたらしいんだわ」
『へー……』
「でだ、薬師高校の校舎ごと購入すれば、未来のスター選手を獲得も出来てお得だろ? そーゆうことらしい」
『マジすか……』
「これがマジになるなら、お前らだけで野球が出来るのは、来年の春が最後になるな……」
ライバルである稲城実業高校と合併するかもしれないという、衝撃的な事実を聞き……真っ先に真田が考えたのは轟監督の去就だった。
「監督はどうなるんすか?!」
劣勢でマウンドに立っている時すら笑顔を崩さない真田が必死な顔をして、轟監督が監督を続けられるのかどうかを怒鳴るような声量で聞いている。
「あちらさんが、監督では無いけどコーチとして雇ってくれるらしい。まー給料はずいぶん上がったわ!」
「良かったぁ……」
安心して腰が抜けたのか、真田は大きなため息を吐きながらグラウンドの砂に座り込む。部員の多くも安堵した顔で息を吐いている。
当然といえば当然だろう。部員の多くが轟監督に激アツな野球を教えてくれたという恩がある上に、轟親子の家は借金で火の車生活なのだ。
薬師高校の監督という収入がなければ、自業自得の雷蔵監督は兎も角、雷市がどうなってしまうのか分からない。
「でもな、優秀な選手が多くいる稲城実業に合流するって事は、来年の夏はもう同じメンバーで出られないっつー事だ。」
「確かに……」
自分が甲子園に出られたのは、強力な1年生がいるからだと自覚している大多数の部員達は思わず呻いた。
監督は、最後にこう締めくくった。
「だからこそだ! 来年の夏に全力を注げ! 甲子園に出れるのは後1回しかねーんだなかな!」
『はい!!』
……
「お前らとは敵だったけどさだ……今から一応仲間になるんだろ? あ、エース番号は譲る気ねーから! 今からヨロシクね!」
今からヨロシクね、というのは仲間になるからヨロシクなのか、それとも譲る気無いからヨロシクなのか、どっちだろうと思った元薬師野球部。
小さい体格ながらも、エースの風格漂う成宮の威圧感に、弱小を自称する彼らはかなりビビっていた。
「おいおい鳴、そこは先に福ちゃんが挨拶する場面だろうよ」
陽気なブラジル人、神谷カルロスは成宮に軽く注意した。だが成宮にとってその言葉は馬耳東風、つまり全く聞いていないと言う事だ。
「だってさぁ、稲実ってゆったら俺でしょ? エースの成宮鳴様でしょ? だからビシッと挨拶しておかなきゃって思ってさぁ」
世界の真理を語る様に、元々強豪校である稲城実業=成宮鳴だと宣言。
流石にコレは呆れられるかと思いきや、元々成宮に呼ばれて稲実に来たスタメン組はそういう奴だと分かっていたし、こんなにワガママな人間を見た事がなかった薬師メンバーは固まっていたのでそうはならなかった。
「確かにビシッとしてるな。薬師の奴ら、バカみたいに固まってやがる」
「……ははっ、それはひどくね? ウケる。あっ、俺は元キャプテンの真田だ。ヨロシクな!」
白河のとんでもなく辛辣な1言で、慣れていない元薬師部員の空気が凍っていた。
どうにか元キャプテンの出番だと気を取り直して、真田は笑顔で握手しようとする……稲実のキャプテンではなく、成宮鳴に手を差し出していたが。
実は隣にいた福井が、ニコニコとした笑顔で握り返す。急に知らない人に手を掴まれた真田は困惑していた。
「うん、これからよろしくねぇ!」
「……ああ、よろしくね」
この人は誰だろうか? と思いながら、とりあえず真田は握り返した。
成宮ではなく、実はこの人がキャプテンである。成宮はまるで自分がキャプテンであるという風に振る舞っていたが。
「ああ……俺は稲城実業のキャプテン、福井健斗」
「ああそっか、ヨロシク!」
真田は福井を知らなかった為、内心知らなかったわ、と思いながらなるべく顔に出せずに挨拶をした。
福井は野球の実力はなく、性格で選ばれたキャプテンである。細かい情報を精査する以前の問題がある薬師メンバーが知らないのも無理はない。
薬師ではかなり上位層に入る学力を持つ真田すら、彼の名前を全く覚えていなかった。
「よろしくね! 君たちと一緒に試合をするのが楽しみだなぁ……!」
「ああ……お前らと野球するのも楽しそうだ!」
それを反応で察していた福井は、それでも笑顔で話しかける。流石は人柄のみで選ばれたキャプテン……個人主義を極めている稲城実業3年生スタメンに性格的な問題が有りすぎるのだが……
……
「ごめん! 北瀬、何回も取れなくて……」
「あーうん、そんな事もあるよ……」
防具を付けてしゃがみながらもペコペコ謝る多田野に対して、北瀬はめんどくせぇな……と思いながら渋々付き合っていた。
その雰囲気を察している多田野は、本当にごめんと本気で謝りながら必死に取ろうとしていた。
但し、北瀬が面倒くさいと思っていたのは取れないキャッチャーに投げる事ではなく、何度も謝ってくる多田野に対してだったので、悪循環だったが。
更に完全に邪魔な人が、近くの監督用の椅子に居座っているのだ。そこまで野球に熱心ではない北瀬は、当然イヤにもなるだろう。
「ちょっと樹! 俺のボールが取れるのに、北瀬のストレートは取れないの? 俺が劣ってるみたいじゃん!」
……そう。邪魔者とは、何もしていないのに睨んでくる成宮先輩だった。
小柄だからそこまで怖くはないが、金髪なのが嫌だ。ヤンキーだろうか。それとも顔立ち的に、なんとなく似合ってるから外国人か。
北瀬は投球に全く関係ない事を考えながら、またボールを投げる……多田野は落とした。
(めんどくせー……稲実の国友監督に言われて無かったら逃げてたのにさぁ)
完全に嫌になった北瀬は、逆に無表情になりながら諦めてボールを投げている。
整った顔立ちの彼の顔が強張ると、能面の様に見えて控えめに言って怖い。誰も指摘しなかったので本人は無自覚だった。
ちなみに頭の中で、監督の事をわざわざ稲実の国友監督と長い言葉で言っているのは内心、轟コーチが俺達薬師高校の監督だと思っているからだ。
学校の上の人は簡単に併合を決めたが、下の人間は中々違和感を消せていなかった。
……
国友監督は、伊川の意思を確認した後、ポジションを外野に変更させていた。
なぜなら、やる気のない者を無理にピッチャーと練習させると、そのピッチャーにまで彼の不真面目さが伝染してしまうと思ったからだ。
キャッチャーに対して全く未練のなかった伊川は即座に了承。ポジションがレフトに変更になった。
通常なら守備が1番楽なファーストに伊川を置きたい所ではあるが、そこのポジションには既に轟雷市が座っていた為、2番目に楽なポジションにしたのである。
ポジションに対するあまりの適当さに対して、こいつは本当に大丈夫な人間なのだろうか……と国友監督は心配になっていた。
全く持って正しい懸念だ。伊川のやる気のなさは、歴代稲城実業部員の中で最強格だろう。
伊川は、ラッキーと思わなくもないがどうせキツい練習をさせられるかもしれないのだから面倒さは変わらないかもな、とかなり憂鬱になっていた。
……
最終学年になる真田は、部の体育館でバットを振っていた。カルロスが真田の熱心さを見て、思わず口に出す。
「すげぇ熱心に振ってるな、ピッチャーなのに」
「ピッチャーだって打撃に貢献するぜ? ……いや、少なくとも薬師の時は、そういう考え方だったし」
良い事を言うなぁと言いたげにヒュー! と口笛を鳴らしたカルロスは、親しみ易い人間だなと真田を分類した後こう言った。
「成程ね、確かにお前も北瀬も、ピッチャーなのに打撃がヤベェな。打撃力は鳴以上じゃねーの?」
真田は照れたように笑った後、恥ずかしそうにこう言った。
「ありがとな……つっても俺、下位打線専門みたいな感じだけどなぁ」
自己肯定感の低い人間に囲まれていて目立たないが、轟、北瀬、伊川、三島、秋葉と打撃力お化けに囲まれていたせいで自分の打撃力に自信がない真田。
その顔を見たカルロスは、意外と馬鹿だなぁという顔をして言った。
「そりゃお前、1番上を見過ぎなんじゃねぇの?」
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買ってくださる場合、集計したい為下のアンケートの同人誌購入したいボタンを押してください。
人に聞いてみたら「利益出ちゃうとマズいんじゃない?」と言われて納得しましたので、電子書籍を売る可能性は減りました。適当なアンケートをとってごめんなさい。この先電子書籍は出来れば押さないでください。
1年の夏甲子園が終わった後の正史をアンケートで決めます。正史にならなかった同人誌を買ってくださる場合はそちらを押してください。20人を超えたら検討します。1冊700円位と思われます。
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青道高校ルート・多分ハッピーエンド
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稲城実業ルート・多分ビターエンド
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薬師高校ルート・多分トゥルーエンド
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押し間違え防止の空白
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700円の同人誌買おうかな
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電子書籍バージョンなら買おうかな