【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話   作:いちごケーキ

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設定が秋季大会出場した事になった為、IF扱いに変更になりました。申し訳ありませんがご了承ください。

日時が変わってもメンバーは変わらない為、どこかで似たような事が起きている裏設定です。


IF 31球目 三年生引退

 

 

 

 

 

国体を2回戦敗退で終えた薬師野球部。全校朝会でやる事になった野球部引退式を前に、理事長が持ってきてくれた肉を使い、新しく出来た薬師野球部の寮で焼き肉パーティを決行していた。

ちなみに昨日に寮が完成した様で、一足先に明日から野球推薦扱いの北瀬、伊川、雷市が入寮する……ちなみに監督も一緒にだ。

 

嬉しい事に、学校側はボロいアパートを立て直してピカピカの建物にしてくれていた様だった。なぜ分かるかというと、明らかに壁とか床とかの綺麗さが新品だからである。

ベットやテレビなども全て新品、これで採算は取れるのだろうか……? 実は、野球部に夢中の理事長が、ポケットマネーからお金を補填していた。

 

 

「ガハハハ! ……いやぁお疲れ! この2年間マジで楽しかったわぁー!」

 

轟監督がカルピスを飲みながら、まるで酒を飲んでいる様なテンションで話し始める。高校生の前で酒を飲む訳にはいかないし、そもそも監督は体質的に飲めない。

監督のハイテンションも気にせず、部員達……特に3年生は大はしゃぎだった。なぜかというと卒業生6人、全員が野球で進路を決められたからである。

野球ばかりしていて勉強を全くしていなかった部員もいたので、進学させたかった親御さん達は一安心だった。

 

まあ金が無いから、息子は絶対進学させないと考えていた親御さんもいた。いたが、有名大学に野球特待生として入れるなら話は別だ。

最初は、無精ひげが生えた冴えないおっさんである轟監督を胡散臭い人を見る目で見ていた親達も、今では非常に感謝していた。

コネも無いのに全員野球で進路を決められたのは不思議だが、3年生全員が国体にベンチ入りしている野球部員だから、そんな事もあるだろう。

 

 

「監督親子のお陰で、俺達の身の丈に合わないスゲー野球が楽しめました! ありがとうございました!」

「俺、大学進学しても偶に遊びに来ます! てか早稲田から野球推薦来たのは監督のお陰っス! あざーす!!」

「まさか俺が、日本ガスの実業団に入れるとはな……」

『マジすか?!』

 

引退焼き肉の時に、衝撃的な事実が判明。

普通に就職予定だったショートの小林先輩は、まさかの実業団に拾って貰えていた。

それを今日初めて聞いた薬師部員達は、マジでビックリして驚いていた。

 

ちなみに急に今日言ったのは深い理由など無く、それが決定したのは最近で、言う場面が無かったからなんとなく小林先輩は報告していないだけだ。というか言い方的に、言っていない事を忘れていたに違いない。

 

彼は1年生5人で感覚が麻痺していて、実業団入りを報告すべき事だと思わなかったのだ。

どうせ1年生達は全員プロ入りするだろうし、実業団入れたのらビックリしたけど、皆が驚く程凄い話では無いだろうなと勘違いしていたのだ。 

ちなみに三島、秋葉はプロ入りまで考えるとギリギリの実力かもしれないのだが、小林は気付いていなかった。小林先輩は薬師部員の割に真面目だったが、やはり適当な部の雰囲気は受け継いでいる。

ちなみに監督だけは橋渡しの為、彼の実業団入りを知っていた。

 

 

実業団入りの理由は下位打線とはいえ、北瀬、轟、伊川の自軍投手破壊守備3人組に守備位置が囲まれ全力でサポートしていた上に、甲子園ベスト4である薬師高校のバッターだった事が評価された事だったらしい。

 

後は性格面。元々優しく真面目な性格ではあるが、それよりも薬師高校のキャプテンだった事が評価されていた。

実は北瀬、伊川、轟の天才1年生にさり気なく小林の評価を聞いていた、日本ガスのスカウト。

癖の強そうな天才達が、別々に聞いたにも関わらず、口を揃えて真面目で優しくて良い部長だと答えた事が高評価に繋がったらしい。

実際、癖のある人間を纏められ、責任感があり、優しくてある程度の実力のある選手が欲しいチームは沢山あるだろう。

他校には知られていないが、意外と北瀬達天才三人衆は意外と先輩の言う事を聞くタイプなので、癖のある人間を纏められるというのは過大評価かもしれないが。

 

 

「いいなぁ! 日本ガスとか入れたら嬉しいですよー! 羨ましいっス!」

 

基本的に性格が悪めの伊川だが、お世話になった先輩が有名企業に入れた事に対して全力で褒め称えていた。下手したら、甲子園出場が決まった時より喜んでいる。

まあ他人に無関心な伊川だから、仮に嫌いな先輩だったとしても逆恨みとかはなかっただろうが。

 

 

「お前だったらプロ入りも絶対行けるだろ!」

 

ニコニコと笑いながら、小林先輩は本気でそう言った。可愛い俺達の後輩なら俺より素晴らしい結果を出す筈だと、伊川の実力を内心褒め称えながら口にしていた。

確かに伊川は、どう考えてもプロ入り確実な能力である。甲子園最高打率を更新し長打も打てる、プロでも最上位の光り輝く才能がある。

まあ性格的に考えて、伊川がプロ入りしても幸せかどうかは別の話になりそうだが……

 

 

「いやもし入れても、プロとか実質博打ですよ。有名企業の社員の方が絶対良いですって! 俺も日本ガスにスカウトされないかなぁー!」

 

真剣にそう話す伊川。そもそも彼は、自分にプロ入り出来る実力があるとは対して思っていなかった。プロ入りを言い出せば、ワンチャンギリ入れるかもな位の感覚で考えている。

それにしても、甲子園最強格のバッターがプロ入りを博打扱いとは……全国の野球部員を敵に回しそうな発言だった。

 

 

「おめでとうございます小林先輩! 頭にジュース掛けとかしましょうか?」

「要らねぇよ!!」

 

今日から最上級生の真田が、プロ入りっぽい感じのイメージで、ビール掛けならぬジュース掛けを提案。当然断られた。

真田先輩は割とノリが良く、なんとなくのイメージで口にしただけでマジで言った訳では無いが、こんな特別な日だしどうせならやれば良いのにという顔をしていた。

 

 

 

 

「その話も良いが、次の部長も発表するぞ

……迷ったが、真田に決定した!」

『へー……えっ??』

 

監督が急に話題を替え、キャプテンを決定したと話す。

主将は、2番手ピッチャー兼ライトかファーストの真田だ。その以外な決定に対し、薬師部員は遠慮なく不思議そうな顔をしていた。若干真田に失礼である。

本人もそこまで向いてない事が分かっているから良いのかもしれないが。

 

基本的にノリで生きている薬師部員。その中で唯一マトモな、人生設計がガッチリしていて真面目な平畠という2年生が、本人以外はキャプテンで確定だろうと思っていたのだ。

まあ今の所、どうせ12人しかいない部活だし誰でも良いかもと考える彼ら。来年の新入生の数を、あまり考えていなかった。

 

 

「えっと……真田先輩の事凄く尊敬してるんですけど、でも平畠先輩の方が少しだけですけど向いてませんか……? 真田先輩は盛り上げてくれるタイプというか……」

 

ぶっちゃけキャプテンとか誰でも良いが、真田先輩と話せる機会が減ったら嫌だと考えた北瀬が、反対しようとして若干真田先輩に失礼な事を言う。

真田先輩を含めた全員が内心そう思っていた為、全く問題にはならなかったが、決まった部長に対してコレを言うのは若干酷い。

 

 

「いやーでもよぉ……新入生がバンバン入って来たら、平畠じゃ舐められるだろ。

100人とか纏めるんだったらよ、それっぽいカリスマと無くもないリーダーシップを使って何とか出来る可能性のある真田の方が良い」

『うーーん、確かに……?』

 

薬師部員は一応納得した。

まあ監督が言うならそうかもしれない。監督は野球で適当な事をするタイプでもないし……まあリーダーとかは適当にきめそうだけど。

まあ平畠は確かに100人纏めるとしたら、あまりにも押しが弱い気がする? と何とか理解を示した彼らは自己完結した。

 

……というかこんな人数が少ない薬師高校に、100人も入部してきたら生徒数の半分以上が野球部にならないか? 流石に無いだろと、適当に考えていた部員達。

来年の春、2・3年を合わせたのより10倍位はいる新入生に慌てふためく事になる。

 

 

一応、轟監督にも別の思惑があった。

平畠をキャプテンにすると、来年の夏にベンチ入りしているか分からないのだ。新たな強豪校のキャプテンがベンチ外……これで新入生に舐められたら面倒である。

それだったら最初から、才能があって実力も人望もある、ベンチ入りが確定している真田を主将に据えた方が良いだろう。

 

それに、主軸の雷市達にも真田の方が慕われてるし。そう言うの意外と下は見てるからなぁ。

わざわざ言わないが、轟監督はそう言った方針だった。

 

 

「来年の為に副部長も決めたからー……平畠と北瀬だ」

『はぁ?!』

 

真田がキャプテンに決まった時より愕然としている薬師野球部の一同。

平畠が副部長なのは当然の話として聞いていたが、北瀬は有り得ない選考だ。

彼は人を纏めるのが得意ではない上、そもそも人と話すのが対して好きじゃないのに沢山の新入生を相手にするのは可哀想だと感じていた。

 

 

「監督、いくら何でも北瀬は無いッスよ。まだ俺の方が向いてるし……」

 

基本的に人を悪く言わない三島も、思わず自分の方が向いていると話す。

そこまで悪く言った訳では無いが、いくら何でも無いと言うのは言い過ぎかもしれない……唯の事実ではあるが。

 

ちなみに北瀬は三島の発言に対して、めちゃくちゃ正しいありがとうと感謝しながら、首をブンブン縦に振っていた。

やりたくない。嫌だ。まだ秋葉か三島だろ。そんな感じで考えている彼は、今後待ち受けている苦難をまだ知らない。

 

 

「そりゃ、お前。薬師の顔っつったら北瀬、雷市、伊川の3人だろ。どうせならこの3人から出してぇ……この中なら、ギリッギリ北瀬だった」

『えぇ……?』

 

納得してるんだかしてないんだか微妙な顔で、一応肯定する薬師部員達。実際、轟監督の思惑は違った。

 

___北瀬と伊川は、もっと人と話すべきだ。

お互いに依存して、仲の良い薬師部員とすらそこまで会話しない彼らに、監督はヤキモキしていた。

 

無理矢理話す機会を作るなら、役職を与えるべきだ。そして副部長としてなら、少なくとも彼らが舐められる事は絶対無い。

北瀬が下級生と会話していたら伊川もソレに追随するだろうしと、意外と考えて副部長を指名した監督。それでも博打臭いが……

 

 

ちなみに平畠をキャプテンにすると無難に熟してしまえそうな為、下級生達は北瀬達に話しかける口実が出来ないだろうという思惑もあった。

若干ダメな部長なら、なんとなく副部長でエースの北瀬達に話しかけても良い雰囲気になりそうだと考えたのだ。

 

ガチガチの体育会系は普通、上級生に無闇矢鱈と話しかけられないのである。そして、強豪になった野球部に入って来るのはそう言った部員が多いだろう。

1軍なら話しかけられるかもしれないが、北瀬達と性格が合う合わないがある。2軍でも合う奴がいるなら、部活の体育会系に疎い北瀬達は話させた方が良い。

 

監督がそう考えている事は、言ってないから伝わらない。もうちょい尊敬される為に言えば良いのにとは思うが……そういう細かな努力を誇示する性格では、意外にも無かった轟監督だった。

 

 

 

 

 

意外な決定もありつつ、薬師野球部の方針が決まった。

これで甲子園ベスト4の薬師高校は、総勢12名の新編成で幕を開ける事になる。

 

……確かに小林先輩は守備の要だったが、実業団入り出来るレベルだったなんて知らなかった彼ら薬師野球部。

それなら俺もなりたいと、1年生に活躍を取られて割と空気な、薬師野球部2年生が奮い立つきっかけになりそうな出来事だった。

 

 

 

 

 

 




監督の息子で大会最多本塁打の最強1年バッター轟雷市!
160km投手で大会最多本塁打の最強1年北瀬涼!
甲子園打率9割超えの無気力最強1年バッター伊川始!

こいつら全員から尊敬されてる下位打線のキャプテンって、ある意味凄く評価されそうです。
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