【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話   作:いちごケーキ

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矛盾点の大きい没集です。今まで消してたんですけど、勿体ないので途中から上げることにしました。

4月2日、23球目まで入れました
4月3日、25球目の途中を入れました
4月12日、35球目の途中まで入れました
5月11日、74球目の途中まで入れました
5月15日、78球目を入れました。
6月28日、122球目まで入れました
8月8日、161球目までを入れました
8月16日、172球目の途中までを入れました
10月13日、195球目前の描写を入れました
12月25日、220球目を入れました
5月16日、小説の練習で書いた小説を入れました。


没シーン・250球目まで

 

↓22球目 北進学園ベンチ

 

 

これを見ていたエース堀川は、気付けば監督に対し、無我夢中にこう言い放っていた。

 

 

「監督! 自分を登板させてください!!」

『……?!』

 

エースの降板からのまさかの同点弾でビリビリと張り詰めていた北進学院ベンチの空気が、固まった。

 

 

「いや……それは出来ない。お前の身体は、もう試合を出来ない状態だからだ」

 

大城監督は、迫りくる敗北の音を感じながら、エースの訴えをどうにか退けようとした。

 

だが、昔春のセンバツにも出ている大城監督は、甲子園での敗戦の悔しさを、良く知っていた。2度と取り戻せない学生時代、甲子園勝利への欲求を……だから監督は、無茶を承知で、堀川篤哉の再登板を決定した。

 

 

「ポジション変更のお知らせをします……ピッチャー柄本に代わりまして、堀川篤哉くん。ピッチャー堀川くんに代わります」

 

「辞めろ大城!」

「奴はプロの器だぞ!」

「ふざけんなー!!」

 

変更を決定した瞬間、観客席からの怒涛。

……当然だろう。観客達も、あの倒れ込む堀川の姿を見ているのだ。甲子園優勝も大切だが、選手を壊してはならないと信じる観客たちは立ち上がって罵声を飛ばした。

 

……こうなる事が分かっていて、大城監督はエースを再登板させたのだ。当然、堀川篤哉をベンチに戻した時から、非難の可能性は覚悟していた。

 

↑没理由・一旦ベンチに戻ったら再登板出来ないルールがあった気がする。

 

 

 

↓22球目 vs北進学園

 

 

スタンドは正に大盛況……当然だ。9回裏から、まさかの9点も取り返し同点。

これで盛り上がらなければ、何の為に高校野球を見に来ているんだとすら感じられる大逆転劇。

 

そんな大歓声も、知らないおっさんが騒いでいるだけだとガン無視して伊川は打席に立つ。

 

↑没理由・打順が違う。

 

 

↓23球目 vs巨摩大藤巻高校の前

 

「悪りぃな、準決勝と決勝は任せたわ」

 

これまで辛い練習を続けてきたのに甲子園の途中で離脱……悔しいだろうに、真田はあくまで軽い口調で言う。

 

懐いてた自覚はないが、実際の所そこそこ懐いていた北瀬と伊川は思いっきり黙り込んでしまった。

真田は2人の顔を見た後、笑っているのか苦しんでいるのか微妙な顔付きで言った。

 

 

「そんな顔するなよ……相手の不幸を利用して勝って来たんだ。俺がなっても仕方ない」

「…………」

「……その理屈なら、俺達が真っ先になってたと思いますけど」

 

北瀬は黙り込んでしまい、代わりに伊川が答えた。この2人は、普段知らない人相手には基本伊川が話し、知り合い相手では北瀬が話しているのだが、珍しく逆になった。

 

北瀬は、本当に何を言えば良いのか分からなかったのだ。

 

相手の不幸を笑ったからと言って、その人は不幸にはならないと北瀬と伊川は知っている。それなら真っ先に不幸になって然るべきな奴が、小中学生の頃は大量にいたからだ。

具体的には書かないが、北瀬達の地域には相手を不幸にするような商売をしてる人が沢山いた。そして、そいつ等は別に不幸になってなどいない。彼らはそう考えた。

……実際の所、彼らの地域の不幸率は非常に高いのだが、知らぬが仏だろう。

 

仮にもしそれが本当だとしても、真田先輩が怪我をするのは違うと思う。その前にまず、真っ先に俺達がなるべきだと思う。そう彼らは考えた。

彼らは薬師高校に来てから、自分達が割と卑怯かもしれない事に気付き始めていた。彼らの学校では生ぬるい奴な位であったが、世間一般では違うのかもしれないと、優しい先輩達を見て思い知り始めたのだ。

まあ同じ位の強さで、先輩達が特別に優しいのかもしれないと疑っていたが……

 

 

「そんな事言うなよ。俺は、お前らの代わりに怪我したんだとしたら、して良かったって思う位にはお前らの事が好きだぜ」

 

北瀬と伊川はそれを聞いて、もし俺達に兄がいたら……こんな人だったなら良いなと思った。

彼らは薬師高校に来てから、2人ぼっちである事の不幸に気付き始めていたが、それを見ないようにしていたのだ。

別に、轟親子は母親が居なくても不幸じゃないし、俺達だってお互いがいるから不幸じゃない。そう思い込んで見ないようにしていたのだ……助けてくれる大人がいない不安を。

その感情が、変な形で真田先輩に対して発揮され始めていた。

 

いや別に、自分の兄が代わりに不幸になって欲しいと言っている訳では無い。だけど、もしこんな兄がいたら、俺達はもっと幸せだっただろうな。

2人とも、そんなもしもを夢想してみた。そのもしもは、想像した所で過去には絶対訪れないのだが、彼らは気付かないフリをしていた。

それに、そのもしもは未来に訪れるのかもしれないのだが、彼らは全く気付かなかった。

 

彼らは、相手はたかが1歳年上なだけのチームメイトに対して、そう思う事へのおかしさすら気付かなかった。

 

 

「俺は……真田先輩に怪我させて、俺が怪我したくないなんて思ってないんですけど……つまり、まぁ、真田先輩の事を尊敬してるって事です」

「俺が怪我したって、すぐ直せば良いですしー……でも、真田先輩がいないとチームが暗くなりそうですし、そっちの方が嫌です」

 

北瀬は真田に対して、というか伊川以外を相手に簡単に好きだとは言えなかった。でも大切に思っている相手に好きだと言われたので、尊敬してると言い少し吃り、照れ隠しをしながらそう答えた。

ちなみに、当然だが全く持って恋愛方面の意味では無い。

 

伊川も北瀬より上手く誤魔化しながら、真田先輩を尊敬していると答えた。ちなみに、言っている事は全て本心のつもりで言っている。

 

 

「お前らがそこまで言ってくれるとはなぁ! ……じゃあ、そう思うならさ。深紅の大優勝旗、学校に飾らせてくれよ」

 

真田は彼らの気持ちを利用する事になると考えながら、怪我の代わりに、甲子園を優勝した時に手に入る深紅の大優勝旗が欲しいと答えた。

これで彼らが死力を尽くしてやってくれたら、俺達を激アツにしてくれた轟親子達に優勝旗を与えられるかもしれない。と人の友情を利用しようとしている事を自覚しながら、言った。

 

 

「深紅の大優勝旗……? それってどこで売ってるんですか?」

 

伊川はどれ位の価格なのか……買えるか財布と検討する為に聞こうとしたが、北瀬がどこで売ってるか聞いた時、真田の顔が少し困った事に気付いて聞くのを控えた。

え、今北瀬って変な事言っただろうか。と疑問を持ちながらも、無言で真田の回答を待った。

……彼らが悪い言葉をした訳でも無いのに、たかがバイトもしてない高校生に物理的に旗を買ってこいと言ったら相当なゲスだと思われるが、彼らはは気付かなかった。

 

 

「売ってはねぇな……甲子園を優勝したら手に入る、高校球児の大半が憧れてる旗なんだぜ」

 

(なるほど……それが欲しいから、高校球児は甲子園に出たがるんだな)

 

伊川は致命的な勘違いをしたが、北瀬も真田も気付く事はなかった。ちなみに、普段一緒に勘違いする北瀬は、普通に野球が好きなの手間そんな勘違いはしなかった。

 

 

「じゃあ、多分持って来ますね……その旗!」

「後2回勝てば良いんですよね。ならまぁやってみます」

 

この会話を最後に、北瀬達は病院を退出した

 

 

↑没理由・主人公達の覚悟がガンギマリになり過ぎる。

 

 

 

↓25球目 夏休み

 

甲子園が終わり、あと少しの夏休みだけど部活に集まる事にした薬師高校野球部。

疲れを取るために練習自体はしないが、集まって何かしようという話になったのだ。

 

(そうそう、俺はこういう事を求めてたんだよ! 北瀬とチームメイトと楽しい事をする部活! うっしゃあ!!)

 

いつになく内心テンションが高い伊川。野球は好きでは無いが、チームメイトは割と好きな彼からすれば当然の話だ。

 

彼らの前に、部室に行こうとしている真田先輩が現れる。内心尻尾を降るように近付きながら、まるで舎弟の様にこう言った。

 

 

「真田先輩! 今杖っすか、荷物持ちますよ」

「この状況で喧嘩売られたらヤバいっすね。俺、真田先輩の家まで護衛しますよ」

 

真田先輩に対して、今までよりも積極的に話しかけに行った伊川達。彼らはついこの間、真田先輩を本気で尊敬している事を自覚したからだ。   

だから……彼が高校を卒業しても連絡をとってくれるような後輩になろうと思った。

それに、それは関係なく護衛は絶対にしなければならない。伊川達は燃えていた。

 

 

「護衛って! そんな道ですっ転んだりしねえって、流石に大丈夫だろ!」

「いやだって、たまに爆竹とか飛んでくるじゃないですか。避けられないでしょ」

「??!」

 

伊川の1言を聞いて、なんだその世紀末はと思った真田。治安の悪い地域では、日本でも子供が普通にやっていたりするのだ。環境は大事である。

ちなみに北瀬達は今でも、帰宅中に爆竹が飛んできていたりしている。世紀末だ。

 

 

「小学生の頃って爆竹投げ合うのって人気でしたよねー」

「確かに薬師高校は凄く安全な学校ですが、いつ不良が難癖付けてくるか分からないんで……俺達を、護衛に付けさせてください」

「いいかな。うちの地域は爆竹とか飛んでこないからさ……」

 

真田は軽い口調でいいながら、実際は地雷を踏まないかビビりながら、この際だし大切な後輩の事情を聞きたいと思った。嫌がっていたら辞めるけど、彼らの事をもっと理解したいと思ったのだ。

彼らは部室に付き、北瀬達意外は既に集まっていた状況だった。それを見渡しながら真田は決心し、北瀬達に過去の話を聞いた。

 

 

「お前らってさ、色々複雑なんだろうけどよ……その辺のさ、嫌な事が合った時の話、教えてくれねぇか」

「良いっすけど、そこまで面白い話じゃないっすよ?」

 

北瀬達の住んでいた地域での彼らは、どちらかと言うと悪い位の環境でしかなかった為、特に気負いせず話す。

 

 

「……俺の父親が冒険家やってたんで、小さい頃はお金が無かったっすね。母親は顔が良かったっす」

「俺の両親はめちゃくちゃ仲悪かったっすね」

 

真田は彼らの話しを聞き始め、この話しは普通の顔して話す内容じゃなくないか、と内心涙目になりながら聞く。彼は基本的に、相手の事を思いやれる人間なのだ。

彼らは普通の事として話しているので、強い反応を見せる訳にはいかない。チームメイト一同は暗いムードになったら話しを終わらせてしまうだろうと、普段通りを意識して聞いている。

 

 

「北瀬の父と浮気してる時でも、北瀬の実家金持ちムーブで別室にいさせてくれたのはありがたかったですけど」

「で、父親と伊川の母親が再婚した後、金渡されたと思ったら2人ともどっか行きました」

 

彼らは微妙な顔をしながら話し、そういえば両親ってどこに行ったんだろうなと軽く疑問に思った。そもそもどこに行くかの話しなんてされていただろうか、とも思った。

話せるとしても英語位だろうから、恐らく英語圏だと思うが真相は分からない。

 

 

「アメリカに行ったんだっけ……」

「フランスだった気もする……」

 

父親は出張で中々帰ってこない位でそこそこ家族円満に過ごしている真田は、両親の行方も知らない彼らの話を聞いて、自分の両親ってもしかして当たりなのではと思い始めた。

自主性に任せてくれてお金も普通程度にあってという段階で、既にその通りと言えなくもないが彼の両親は普通の範囲である。

北瀬と伊川とその地域のヤベえ奴率が高すぎるだけなのだ。

 

 

「うちの地域ちょっとヤンキー率が多いんで、絡まれて大変だったっすねー」

「クソヤンキーばっかだしなぁ……俺バイクに轢かれた時何針縫ったっけ?」

「20針近くなかった? まさか教室で轢かれるとは思わなかったよなぁ、庇ってくれてありがとう」

『…………』

 

流石に絶句した薬師部員。当然だ、なぜ中学生がバイクで教室に乗り込むのか。

そんな事例は聞いた事もなかった部員達は、だから急に北瀬達は物騒な発想になるんだな、と心底納得した。環境がヤバ過ぎるだろう。

ちなみに彼らの縫った箇所は、なぜか今肉体にもある。というか、転生したのに元々の身体の境遇と殆ど変わらないのだ。身体の能力が上がっただけである。

 

 

「あっ、すみません。折角今から遊ぶのにちょっと暗い話して」

 

 

↑ 没理由・暗すぎる、この作品のテーマに合わない

 

 

 

 

↓32球目

 

 

「何?! 三島もインフルか……分かった。甲子園までにゆっくり休め」

 

電話を切り、轟監督は頭をガシガシ書きながらぽつりとこう零した

 

「ア゛ーこれで正規部員は6人……! まったく、非正規名義貸し部員を募っていて良かったぜ」

 

薬師高校で大流行しているインフルエンザ。それに部員が掛かりまくってしまい、  高校相手に部員が4人しかいない事態となってしまった。

12人しか部員がいない事態に割と危機感を持っていた轟監督。対策として、人数がいるバドミントン部から、何人か名義貸しをして貰って試合登録しておくファインプレーを見せていた。

ちなみに学校からもバドミントン部監督からも、きちんと許可を取って行っている。

よってバドミントン県大会と被っている今回の場合でも、野球部非正規部員には、バドミントン大会を休んでこちらに出て貰える契約をしていたのだ!

 

 

 

 

「監督まで風邪で消えちゃったよ……」

「雷市も風邪だし、野球部で残ってるの俺と北瀬と秋葉、復活した三島だけか……?」

「ええ……どうしよう……」

「とりあえず、野球部を上位打線で固める……よな?」

「もうそれさえ守れば適当で良くないか?」

「じゃあ俺は、4番が良い!」

「じゃあ三島は4番で……」

「俺は1番にして、伊川が次で3番が北瀬で良くないか? これなら大体、普段通りになるし」

「良いんじゃないか? ……多分」

 

 

↑ボツ理由・ギリギリの試合になる理由を2年生のヘタ守備に変更した

 

 

 

↓33球目

 

 

試合を数日後に控えた北瀬達。彼らに対して、行政から連絡が届いた。音信不通で海外にいる両親が、事故に巻き込まれて死亡したと言われてしまったのだ!

相続人が彼ら以外いない為、どうしても現地に行って手続きをしなければならないらしい。

 

 

「やばい! 明日から試合あるのに!」

「いや待てよ問題はソコじゃない!進学費用どうするよ?!」

 

送金されていたお金は、ある程度進学費用として取っておいていた彼ら。だが生活費等も考えると、明らかに大学に行くには足りない。

残り6年以上も生活費が掛かるのだ……どれだけ切り詰めても、バイトに明け暮れなければ明らかに足りない。

だが本質的に賢くない彼らが、バイトと勉強と野球で三足の草鞋を履くのは不可能だと分かっている。

それに彼らは、家の家事とかも自力でやっているのだどう足掻いても時間が足りない。

 

「……俺、絶対高卒でプロになるよ。そしたら、そのお金で伊川は大学に通えば良い」

「いや……いやいや……それは駄目だろ。少なくとも俺は、北瀬から搾取する気は無いし……」

 

そう悩み込んでいると、伊川は天啓を得た。

もしかして……高卒プロになってすぐ辞めて契約金を使えば、実質ノーリスクでお金が貰えるのでは? と。

 

 

 

「つまり……伊川はしばらく試合に出れないって事か……」

「はい……チームに迷惑を掛けて申し訳ないと思っています……」

「いや、そんな理由じゃ仕方ない。どうせ出れねーなら、怪我とかじゃなくて良かった!」

 

 

↑ボツ理由・超展開過ぎる

 

 

 

 

↓35球目IF

 

 

「すまん北瀬……薬師が勝つには、お前を酷使するしか思いつかなった」

「仕方ないっすよ。うちのチーム人数少なめだし、真田先輩は怪我持ちですし。先輩を酷使する位なら、俺を使って貰った方がマシです」

「すまん……思ってたんだが、お前かなり真田が好きだな」

「まあ、良い先輩ですよね。グッズが公式販売されてたら買いたいです」

「グッズ……? ああ、球団で売ってるアレか。まあ真田がプロ入りしたら買えば?」

 

北瀬のイメージしているのはアニメ系のグッズだったが、監督のイメージしているのは野球ファン用のグッズだった。

この時代はアニメ文化がマイナーなので、アニメに興味がなくて野球狂の監督なら当然の話だろう。

 

 

 

↑ボツ理由 轟監督責任をこれ以上増やしたくない

 

 

 

↓74球目IF

 

春季大会で青道高校に負けはしたが、関東大会への出場が既に決まっている薬師高校。

 

今日は、稲城実業vs     高校や、青道高校vs    高校と言った目玉になる試合があり、見に行きたい部員も多い様だ。

 

轟監督は、まあ偵察がてらに行ってきても良いぞと、今日試合に出す可能性がある20人以外は許可を出そうとしたが、片岡コーチが止めていた。

ライバル校の試合を見るより、先ずは己の力を磨けと言った話である。

 

確かに正論なので、轟監督は渋々試合に行きたい部員達に非許可を突きつけていた。

今の所使わねぇ新入生達なら、自主的に偵察に行きたいなら行かせてやれば良いのにとは考えていたが、片岡コーチと争う程の事では無かった様である。

 

 

 

 

 

 

 

「今日のピッチャーは友部! というか、お前が完投しろ!」

「……マジすか?」

 

つい数日前に起きた、2回14失点の悪夢が忘れられない友部。

あの後から実力が付いた訳でもないのに、本当に俺で良いのかと不安そうな顔をしながら

 

 

「なんだ、心配か? ……別に、相手は強豪校じゃねーよ。相手は、神奈川のベスト16の県立川上高校。大船に乗ったつもりでテキトーにやっとけ」

 

「えっ……はい……」

 

激戦区の神奈川県でベスト16って、かなり強いのでは? そう友部達は思いつつ、

 

 

 

 

↑没理由 友部が無駄に連投になる

 

 

 

 

 

↓78球目IF

 

 

「うおおぉぉ! 打倒セイドウ! やってやるぜー!」

「カハハハハ……! フルヤ、サワムラ、倒す!!」

「おいおい、美川実業の荒谷を忘れてないか?」

 

1か月前位に負けた、青道高校にリベンジする事に燃えている薬師野球部一同。

1回戦は普通に強豪校の、美川実業である事を忘れている。

 

 

「真貝さんとメル友なんですけど、打倒薬師に燃えてるらしいっよ」

「いいね……激アツじゃん!」

 

1回戦は、真田-友部-三島の継投で行く事に決めている薬師高校。

友部も優秀だが、まだ美川実業相手に守護神をさせるのは危険だと轟監督は考えた様だ。

 

先発として5回まで投げ抜く予定の、真田俊平は絶対に勝つと燃えていた。

 

 

 

春のセンバツでは9回表に緊急登板して、1失点に抑えた真田。

だがあれは、1イニングだけ突発的に登板した事による優位で、自分の実力だけとは言い切れないと感じていた。

 

だがら、今回は俺の実力で抑えてみせる! ……まあ完投出来る訳じゃないけど、5回5失点位に抑えるんだ!!

内心、高いんだか低いんだか分からない目標を掲げる真田。

5回5失点では普通抑えているとは言えないが、ファイヤーフォーメーションの薬師野手陣がいるから仕方ない。

 

 

↑青森安良と混合している

 

 

 

 

↓122球目韓国戦

 

フルスイングがカス当たりとなり、ボテボテのサードゴロ。

だがそれても、韓国のバッターは全力で走った。

 

 

「イ゛ッ……!」

 

その結果、バッターの左足が、ベースを踏んでいた遠本の右足を蹴り上げてしまう。

 

 

「お前ら……! いい加減にしろよ!!」

「クソ外道が!!」

「일부가 아니다! (故意ではないんだ!)」

 

軽く怪我をした遠本や、キレやすい真貝は韓国のバッターに掴みかかった。

 

「뭐하는 거야! 적재를 놓아라!! (何するんだ! 載元を離せ!!)」

「직접 공격하는 것은 비겁하다!! (直接攻撃するなんて卑怯だぞ!!)」

「テメーらは許さねぇ! ここでブチのめす!!」

「乱闘か、久しぶりだな……」

「you!Stop!! (君達、止まりなさい!)」

「お前はここでブチのめす!!」

 

 

日本代表も韓国代表もファースト付近に集まった時に、先ずは真貝が、遠本を踏んだ載元の胸元を殴った。

 

 

「태메 탑재에 무엇을 한다! !(載元に何しやがる!!)」

 

殺意をボールに乗せてきた、エース李も身内は大切だったらしく、李を殴った真貝の横っ面をぶん殴ろうとした。

 

 

「___これで、正当防衛だ」

 

 

___バキッ!

 

「아오! (ア゛ッ゛)」

 

韓国エースの拳を、左腕で受け止めた伊川。

その直後に全力で回し蹴りをして、乱闘を止めようとしていた韓国選手数名ごとノックダウンさせた後、ナチュラルに韓国エースの顔面を蹴っ飛ばした。

流石にやり過ぎである。

 

 

「하아? ! (はぁ?!)」

「후자 켄나! ! (ふざけんな!!)」

「援護するよ!!」

 

___バキッ!

 

『와우? ! (うわぁ?!)』

 

やり過ぎな伊川を見て、タックルを仕掛けようとした韓国代表達。

 

だが、彼らは喧嘩に慣れていない。

無駄に仰け反って攻撃を開始しようとした敵2人を見て、北瀬は片方を蹴り飛ばしてもう片方に当てた。

 

 

「落ち着け! お前達は日本の国旗を背負ってるんだ!」

「殴り込みじゃー!!」

「아이츠들을 멈추자! ! (アイツらを止めろぉ!!)」

「ちょっ、ヤバいって?!」

 

血気盛んな代表メンバー達が乱闘を始め、流石にヤバいと外野は慌てて止めようとしている。

 

……最終的には、伊川と北瀬に立ち向かった奴はボコボコにされて終わった。

顔の骨が折れて、消えない傷が残った奴もいたらしい。

伊川は喧嘩慣れしていない相手と戦う事が今まで無かったので、まさかここまで相手が脆いとは思っていなかったのである。

 

後で、流石にやり過ぎだとして北瀬達は非難を浴びた。

彼らからすれば、戦ってない代表メンバーまで攻撃しなかったのは慈悲深いと本気で思っているらしい。

 

 

 

 

 

『試合終了! 0対9で、日本代表の勝ち!!

……おや、どうやら韓国代表達と揉めている様ですね』

『あぁ……多分、遠本くんの足が韓国代表の選手に蹴られてしまったからでしょうね

デッドボールも何回か当てられたので、一挙即発ですよ』

『あ゛っ!! 伊川くんが回し蹴り?! 顔面を……蹴り飛ばしました……』

『ちょちょ、放送事故ですよコレ?!?!』

 

試合終了直後、尊敬する先輩達が大変な乱闘騒ぎを起こし、薬師野球部員達は絶句していた。

 

 

「北瀬さん……伊川さん……」

「アイツら、やっぱガチで怒らせるとヤバかったんだな……まぁ俺達は殴らねぇと思うけど……」

「あ゛ー、ヤバいだろコレ!! メジャーとの契約がパーになりかねねぇぞ?!」

 

『ええー……どうやら韓国代表のイ・ジュウォンくんやシン・ジェウォンくんが緊急搬送された様です……』

『北瀬くんと伊川くんの家庭環境は、確かに非常に悪かったと聞いていますが……それがここで出てしまった様ですね……』

 

↑ 没理由・やり過ぎ

 

 

 

 

 

 

↓ 青道高校9回IF

 

 

7回と8回は両者無得点で終わり、試合が終わる9回に入った。

9回表、青道高校の攻撃は8番。

 

 

___バシッ!

 

「ストライク!バッターアウト!!」

『わああぁぁ!!』

 

まぁ大方の予想通り、北瀬に三振にされて終わった。

 

 

 

 

1番の戦艦大和に繋ぐ、重要な9番打者は降谷悟。

投打に渡って春のセンバツで素晴らしい結果を残している彼は、怪物くんと呼ばれ一部で恐れられていた。

西東京に進学しなければ甲子園で大活躍していただろうと高校野球ファンから嘆かれているが、彼は青道高校に進学した事を後悔していない。

 

(今日の試合……僕の出番は無かった。悔しい

だから……ここで打って、監督にアピールする!)

 

本人の予想とは違い、落合監督はチームの中で降谷を1番高く評価していた。

少しでも彼のピッチングが薬師野手陣に慣れられない様に、春季大会準決勝では彼を温存したのだ。

栄純くんにエースを取られてしまうかも……という考えは、完全に杞憂である。

 

 

___バシッッ!

 

「ストライク!バッターアウト!!」

『わああぁぁ!!……後1人!!後1人!!』

 

そんな大エースをアウトにした時、グラウンドが揺れる様な大歓声の後、照らし合わせたかの様にコールが鳴り響いた。

北瀬は楽しそうにしているが、伊川は内心ビビっている。

 

 

 

 

ツーアウトランナー無しで、打席には園。

 

 

『後1人!!後1人!!』

「北瀬ー!170kmで圧勝してくれぇ!!」

「これで打たれたらキャッチャーの責任やぞ!!」

「頑張れ北瀬ーっ!!頼んだぞー!!」

 

4打席1安打1本塁打を放っている素晴らしい実力の彼だが、観客達に期待されているのは北瀬の圧勝だった。

園大和位の実力を持つ選手は毎年1人位は出てくるが、北瀬程の選手は2度と出てこないと思っているからである。

 

 

___バシッッ!!

___ブォォン!

 

「ストライク!」

『わああぁぁ!!』

 

 

___バシッ!

___ブォォン!

 

「ストライク、ツー!!」

『後1つ!!後1つ!!』

 

 

___バシッッ!!

___ブォォン!

 

「___ストライク!バッターアウト!!」

『わああぁぁ!!』

 

園大和は豪快に三振。

薬師相手に11失点で抑えた沢村に、最後は繋げずに試合が終わった。

 

 

 

 

↑ よく考えたらコールドで試合が終わっている筈

 

 

 

 

 

 

↓ 172球目 青道との試合前

 

 

関東大会決勝戦の直前、北瀬は楽しげに笑っていた。

 

 

「やっっと俺の投げる番になった!」

「良かったな、北瀬!」

「降谷さんと沢村、どっちも強くなってるだろうなぁ!」

 

北瀬の嬉しそうな言葉を聞いた伊川は、気まずげに情報を訂正した。

 

 

「いやまぁ……沢村は今回出てこないけどな、多分」

「えっ、何でそんな事が分かるんだ?そりゃ降谷さんは強いけど、リリーフとして沢村さんを出しても良いと思うんだけど……」

「メンバー表に沢村の名前が乗っていないからな。大方怪我でもして離脱したんじゃね?」

「マジかぁ、大丈夫かな……?」

 

3年間ライバルをやってきた沢村の離脱を聞いて、心配そうにしている北瀬。

打てないかもしれないと思えるピッチャーとの対戦があまりないので、居なくなってしまうと悲しいのだ。

まぁ当然、北瀬は性格が良いので普通に心配している気持ちもある。

 

 

「どうだろーな、俺は青道の選手じゃないから分かんね」

「そうだよな……ん?青道のスタンドにいる茶髪の人、沢村じゃね?!」

 

悲しげにしながらスタンドをぼうっと眺めていた北瀬は、敵チームのライバル選手の見つけた様だ。

視力がマサイ族レベルで良い彼は、遠くにいる沢村を見つけられたらしい。

 

 

「お、ホントだな!……なんだ、試合を身に来れる位には回復してるんだ。良かったー!」

「今日は無理だけど、次は甲子園を掛けて戦えるから別にいっか!」

 

運良く試合前に杞憂が晴れた北瀬達。

ちょうどその頃、轟監督が

 

 

↑ 沢村はベンチ内にいる筈

 

 

 

 

 

↓195球目 環境

 

 

 

甲子園出場が決定した次の日、当然試合に出た選手達は休養が当てられていた。

北瀬と伊川は後輩達を集めてゲーム大会をしようと考えていたが、結菜がお願いして伊川と2人きりにして貰う事になった。

 

もちろんこの部屋に拘る必要がない北瀬は快諾し、三島達の部屋にゲームを持っていった。

伊川は放っておいて、皆で遊び倒す方針らしい。

内心北瀬は、まさか俺達の部屋でエロい事をするつもりじゃないだろうなとドキドキしていた様だが……

 

もちろん、そんな事はしない。付き合って2週間で手を出したらちょっと早すぎるし、そもそも寮でそんな事をして良い訳がない。

常識的な彼らは、高校を卒業するまでは節度を守ったお付き合いをするつもりでいた。

まあ……まだ相手の考えは聞いていなかったので、万が一を考えて少しドキドキしていたが。

 

 

___コンコン

 

「おじゃましまーす……」

 

少し緊張した顔をしながら、結菜が部屋に入って来た。

伊川は努めて平常心を保ちツンとしたクールな顔を保っているが、内心はでこの準備で良かったかなと冷や汗ダラダラになっている。

 

「あっ、これクッション。これの上に座って」

「ありがとー」

「それと、これがクッキーと飲み物。コーヒーと紅茶、どっちが良い?」

「紅茶がいいな」

「分かった。ミルクと砂糖は悪いんだけど自分で入れて、好きな量が分からなかったから……」

「うん……色々用意してくれてありがとう!」

 

和やかな雰囲気になってきて、伊川は少し安心しながら本題を話し始めた。

 

 

「ごめん、悪かった。せっかくの1日休みなんだから、ちゃんとデートとか考えとけば良かった」

 

彼女を作った事が無かったし、最近野球漬けだったせいでデートと言う選択肢が思い付かなかったのだ。

結菜に部屋デートらしき物に誘われてから伊川は気付いて、申し訳なく思っていた。

 

 

「ううん、いいの!伊川くんが野球を頑張ってるのを見るのが好きだから……私を優先なんてしなくて良い!」

「えっ?いや、それはちょっと……」

「いいよ。私は野球と北瀬くんと、俊お兄ちゃんの次で良い。分かってるから……」

「……ごめんね(北瀬とか真田先輩はともかく、野球よりは大切にしたいんだけどなぁ……)」

 

正直な所、野球に強い拘りがある訳ではない伊川は微妙に難色を示した。

けれど唯菜には、恋人を偶には優先してあげようと葛藤してるのかなと伝わってしまい、力強く否定されてしまった。

 

 

「……伊川くんも最後の甲子園だね!どう思ってるのか、私に教えてくれたら嬉しいな」

「…………このチームを引退したくない、から……出来ることならずっと来ないで欲しい……かなぁ」

 

湿っぽい空気を変えようとしたのか、唯菜が甲子園の話題を振った。

伊川は最後の甲子園と言う言葉に、分かっていた事ではあるが少しダメージを受けていた。

 

……彼は本気で、薬師野球部を卒業したくないのだ。

プロで活躍するより、このチームに一生居られる方が絶対に良いと思っている。

そんなチームメイトが大好きな伊川を微笑ましく思いながら、結菜は優しい笑顔を浮かべた。

 

 

「伊川くん、皆の事が大好きだったもんね!」

「うん。それに引退したら、結菜と会える時間も減っちゃうしな。せっかく付き合えたばかりなのに……」

「私も寂しいな……けど、それ以上に。伊川くんがプロで沢山打つ所を見るのが、すっごく楽しみ!」

 

結菜が顔を赤らめて楽しそうに話しているのを見て、伊川も少しだけプロ入りで活躍したいなと思った。

彼は元々、真田先輩と同じチームに入りたいだけで試合に出たいとは思っていなかったのだが、恋人の期待にも答えたいと思ったのだ。

但し入団後、故障明けの真田先輩は2軍にいて、恋人の期待に応えるか尊敬する人と一緒の場所で戦うかを天秤に掛ける羽目になるのだが……そんな事を今の彼は知らない。

 

 

「……嬉しい。俺が打つ所が格好良いって思ってくれてるって事、だよな?」

「もちろん!いつも優しくて可愛いけど、野球をやってる伊川くんはすっごく格好良いんだから!」

「か……可愛い?……えっ、俺が……??」

 

恋人の結菜が褒めてきて、なぜか困った顔をする伊川。

彼は根本的に自分に自信がない上に、全肯定する様な言葉に慣れていないのだ。

昔から彼は可愛い顔をしているのに、可愛いと言われた事は1度も無かった。もちろん、子供の頃を含めて。

 

そんな伊川の呆気にとられた様な顔を見て、聡い唯菜は彼の心の闇を確信した。

恥ずかしいとか嬉しいのを隠していると言うより、聞いた事がない言葉を聞いたかの様な反応で察したのだろう。

 

 

「好きな人の事を、女の子は可愛いって思っちゃうの。だから、伊川くんをばかにしたんじゃないよ?いっつも可愛いくて、大好きって思ってる」

「…………」

 

大切な恋人の結菜が好きだと言ってくれているのに、伊川は心の底からは喜べない。

心のどこかで彼女を信じ切れていない伊川は、これから何をされるのかと身構えていた。

基本的に彼は、人の好意を信じられないのだ。例外的に、北瀬や真田先輩に三島などは信じているが。

 

 

「伊川くんは、後輩達にも凄く優しいよね。皆から慕われてて、本当に凄い人なんだよ?」

「…………そう、かな」

「うん」

『…………』

 

伊川は客観的に見ると大多数の後輩から慕われているのだが、彼にその自覚はない。

後輩達は、便利な先輩に近付いておこうと思っているのだろうと考えているのだ。

それでも俺にとっては大切な後輩達だと考えている所が、彼の危うい精神を示しているのかもしれない。

 

 

「…………伊川くんは……昔ご両親に捨てられた事が、傷として残ってるんだと思う。傷つけられた経験は、簡単に癒えるものじゃないから。

___でも伊川くんが思うよりずっと、皆は伊川くんの事が好きなんだよ?少なくとも私は、伊川くんの事が大好きだから!」

「ありがと。俺は……俺も大好き」

 

俺「は」結菜ちゃんの事が大好きと言いかけ、俺「も」と言い換えた伊川。

人が表面上とはいえ好意を示してくれたのなら、それを受け取らなければという思考が働いたのだ。

 

 

「……まだ付き合って短いし、言いたくない事は言わなくて良いよ。でも私は……伊川くんの苦しかった事も、知りたいな」

「そんな面白い話じゃ無いと思うけど……別に、捨てられた事で傷付いてないよ。アイツらはクズだったからな。

食事も満足に与えないし、偶に殴って来るし。寧ろ居なくなってくれて清々してた位?」

「ひどい、ひどすぎる……!そんなの、子供にやって良い事じゃない!!」

「まー親ガチャは成功じゃなかったな!でもこの程度の親ってありふれてるし、そんな気にする程の事じゃないよ

それにさ!便宜上の母親が北瀬の父親と不倫してくれたお陰で、北瀬と本当の兄弟になれたんだ!それには本当に感謝してる!」

 

(伊川くんは幼少期、虐待から抜け出せた矢先に極亜久中学に通う事になったんだ……それでも後輩達を大切に出来るなんて、心の強い人

でも、それでも絶対、心に歪みは出てる。___だから私が、彼を癒してあげられる人になりたい)

 

 

↑作品のテーマと合わない暗さなので没

 

 

 

 

 

 

↓220球目 北瀬&伊川、ヤクルスワローズ入団IF

 

 

大学進学を熱烈に希望していた伊川だが、ドラフト会議当日に衝撃的な出来事が起こった。

実はこの世界でのプロ野球は2008年現在、プロ野球志望届を提出しなくても指名されればプロに行ける制度のままだったのだ。

だから北瀬と同じ職場に入れると言うメリットと、集団土下座でゴリ押しされた結果により、伊川は2位指名でヤクルスワローズに入団してしまった。

1位重複して当然の選手が2位指名で堂々と希望球団に入ったこの事件を伊川事件と呼び、翌年からプロ志望届が義務化した。

 

 

↑没理由 北瀬のメジャー挑戦が決まったから

 

 

 

 

↓番外編・北瀬が恥ずかしいと思うこと。

 

 

 

 彼にとって、バカな事は罪だった。

 

 正確に言うなら『両親の期待に応えられないバカ』は罪だと考えていた。

 

 

 

 別にバカな自分に相応しい差別的な思想を、周囲に押し付けたりなどしていない。

 

 だけど……両親の掛けた期待に応えられなかった自分を、認められていないのだ。

 

 

 

 彼は、自分に勉学の才能が無い事を自覚している。

 幼稚園も小学校も落ちて、誰からも助けて貰えなかった義理の弟にすら一瞬で学力を越されたからだ。

 

 

 

 だから……何となくで入ってしまった野球部でも、ルールすら知らないと笑われる事は、痛かった。

 チームメイトに悪意が無いと知っているから、尚更。

 

 それでも北瀬は、ヘラヘラと「へー!知らなかった!野球をもっと知らなきゃな〜」と笑っていた。

 

 

↑没理由・野球が関係ないし、北瀬の暗い所はなるべく書かない事にしている。彼の役目はチート俺達tueee主人公なので。

 

 

 

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