【完結済】気付いたらパワプロで適当に育てた選手に転生してた話   作:いちごケーキ

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今の北瀬の寮生活

6時〜  部活開始
8時〜  学校スタート
15時〜 部活開始
20時〜 追加の素振り
22時〜 寝る


寮に入った事や、医者に伊川が睡眠問題を指摘されてから、北瀬が伊川の為にゲームをしなくなり、マジで野球漬けです。
素振りは部屋に2人しかいない状況の為、部屋でやってます。練習量が多すぎる気もしますが、鉄人なので問題ありません。

伊川が寝るまでずっと見張っています。伊川の行動の方が極端ですが、北瀬は北瀬なりに、伊川の事を家族として大切にしています。


38球目 片岡監督

 

 

 

 

 

片岡コーチは教員免許を持っているので、自分から希望して教師を兼任する事にしていた。

野球部に脳を焼かれている理事長は、別にやらなくても良いよと言っていたのだが、生徒を導くのが私の仕事ですと話して感激させていた。

 

この学校はDQNではないが頭が悪い生徒が多く、当然そこまで真面目な教員がいないので、素晴らしく感動したのだ。

 

 

君になら野球部を任せられる、ワシの目に狂いは無かった! ……挨拶をしに行っただけでそこまで感激された片岡コーチは、何の事やらと困惑していた。

 

強豪校なのに7年も甲子園に行けていないと、凡人ならメンタルを病む程に、青道高校の理事長達にプレッシャーを掛けられ続けていた片岡元監督。

まだ何も達成していない段階でお褒めの言葉を貰いまくり、不思議な理事長だなと感じていた。

まあ結果が出せなければ当然俺はクビになるだろうが、野球部の生徒達の事を考えてくれていて良い理事長だろうと思考する。

 

実際の所、片岡コーチがとんでもない事をしなければ、結果が出せなくても理事長はクビにしないだろう。

とんでもないやらかしとは、生徒に体罰を与えるとか、飲酒運転みたいな法律的にアウトな話である。

 

 

まず、甲子園ベスト4の投壊野球部に理事長は脳を焼かれまくっていた。何億円も使い、都内に大きな寮を立てる位にはである。

 

次に理事長が、北瀬、轟、伊川の超熱心なファンになっていた事が挙げられる。具体的には、公式試合は何を捨ててでも全部見に行き、プロになっても追いかけ続ける位の熱心なファンだ。

その彼らに慕われているコーチを切るなんてありえない、それなら追加で野球部長を雇う!

あくまで理事長はそういった姿勢だった。

 

理事長は、彼らがメジャーに行くまで生きていた場合、移住してまで試合を沢山見ようとする凄いファンである。

ちなみに、何かの拍子に北瀬と再会した時、薬師野球部を支えてくれた恩人としてホームパーティーに誘って貰えるイベントが起きた。

彼はその事に感激してファンとしての熱意が加熱し、北瀬がサイ・ヤング賞のトロフィーを持たせてくれた時に取った写真は、何枚も現像した上で死んだ時は棺桶に入れてくれと遺言を残した。

そして、葬式では北瀬の応援歌を流してくれと頼み込み、実際に行われた。

 

多くの参列者が神妙な顔で参列している時、突如吹奏楽の音楽が流れ始めあ然とする中、生前に理事長が地声で録音していた動画が流れ始める。

ハロー、ワシじゃ! この動画が流れていると言う事は、ワシはもう死んでいるじゃろう……わが生涯に一片の悔いも残さぬ為、ワシも育てた薬師高校の軌跡を見てもらう事にした!

こんな感じで始まった、故人理事長の野球への情熱を語るムービー……多くの参列者は、笑いを堪えるのに必死だったという。愉快な爺さんだった。

 

 

 

 

 

 

普段は先生が話していても、割と適当に雑談をしている薬師高校の学生達。

最近、妙に新しい教員が増えてきているので、教員紹介の時も興味なさげに喋っている生徒は多い。

……だが、この日だけは違った。

 

 

「今日からこの学校に赴任してきた、片岡鉄心だ

___よろしく頼む」

 

(何だ、このヤクザみたいなオーラのある教員は?!)

 

強豪校を率いてきた、迫力満点の威圧感に黒いサングラス。普通の人間でしかない生徒達は、完全にビビっていた。

なんだ、この任侠映画のトップみたいな威圧感のある教員は……これが新しい教師なんて、嘘だろう?!

教師とは思えない迫力のある新たな教員に、生徒達の空気は完全に飲まれていた。

 

片岡先生は実際の所、生徒思いで男気溢れ熱心に指導をしてくれる素晴らしい教師なのだが、それをまだ生徒達は知らない。

というか、ここまでのコワモテで生徒と信頼関係を結べる片岡コーチは、ある意味めちゃくちゃ凄い人間なのではないだろうか。

 

ていうか何で学校でサングラス掛けてるの、舐めた真似したら許さんって事?! 生徒達は、この教員の所属になったら嫌だなと恐怖に震えていた。

彼がサングラスを掛けているのは威圧の為ではなく、恐ろしい眼光を隠すためなのだが、それを生徒達は知らない。

 

 

 

片岡コーチ着任後、1年生の現代の国語担当になった片岡コーチ。彼が教室に入った瞬間、程々に騒がしかった教室が恐怖で満たされた!

 

 

「現代の国語を担当する事になった、片岡だ。よろしく頼む」

 

(ヤクザが俺らの指導をするのかよ……最悪だ)

 

ちなみに、片岡コーチが教員も志望してあっさり通った理由は、元々の国語教師が現代の国語と言語文化という2つの科目を担当していたからである。

当然、教員で科目を分けられれば負担は減る。学校側に取っても渡りに船なありがたい発言だったのだ。それに来年から生徒数が増える予定なので、教員は増やせるだけ増やしたい。

理事長だけは内心少し、野球部に専念してほしいかもと思っていたりもしたが……背に腹は代えられない。

 

 

……

 

 

片岡コーチが自己紹介を軽くした後、早速授業を始めた。

新任教師にビビっている学生達は、珍しく真剣に話を聞いていたが……真面目に勉強する事に慣れていない学生達は、誰もが直ぐにペンや消しゴムを弄りまくりだった。

 

 

___カシャカシャ

 

少し音を鳴らしながら、筋トレ道具で握力を鍛えていた北瀬。眼の前の生徒の身体で一応隠していたが、直ぐにコーチの眼に入ってしまった!

 

 

「北瀬! 何をしている!」

「えっ、サーセン、筋トレです!!」

 

北瀬はビビリながら、そんなに悪い事はしてないよなといった顔で答えた。

小・中学生の頃は誰も教員の話なんて聞いていなかったし、高校に上がっても堂々とケータイを弄っている生徒が多かった為、誰も彼に注意をしていなかったのである。

授業中に筋トレをする事を、悪いとすら感じていなかった。授業しっかり出てるだけ良い生徒だよな! そんな思考ですらあった。

確かに中学時代まではそうだったかもしれないが、薬師高校では不真面目生徒扱いである事を彼は知らない。

 

 

「ふざけるな、授業中だぞ! 罰として宿題を10枚出す!」

「……うっす」

「教員に対しての返事はうっすではない。ハイか分かりましただ……気を付けろ」

「ハイ、分かりました……」

 

北瀬の雑な敬語も注意したコーチ。北瀬は内心、それ位で怒らないでくれよと思いながらだが、めちゃくちゃ怖い、人殺しかもしれないコーチにビビって従っていた。

 

だが、基本的に北瀬の意見を優先している伊川は、北瀬を憐れみながら、まあ北瀬に勉強させてくれるのはありがたいと考えていた。

彼は、北瀬が内心プロ志望に傾いてきているのを知らない。プロ志望と呼ぶには意志薄弱過ぎるが、真田先輩がプロに行くなら、俺も行きたいなと薄っすらと考えていた。

一応エースだし、打撃力もそこそこあるし、どこかが拾ってくれないかなぁ。小林先輩みたいに実業団とかさと考えている彼は、自分の実力をあまり理解していなかった。

まあ甲子園ベスト4の少人数野球部にいたら、感覚が狂ってしまっても仕方ない。

 

それに伊川にとっては、暴力ではなく宿題増量で対応した点も、かなり高評価だった。

コーチへの元の評価が低過ぎた事もあるが、伊川がコーチを少し見直すきっかけとなる出来事だった。実際、顔が怖いだけでめちゃくちゃ良い教員な片岡コーチは、マジで不憫だと思われる。

 

 

 

 

 

 

新しい教員に緊張している割に、集中力のない生徒達。

片岡コーチがこの間まで教師をやっていた青道高校と、20は違う偏差値の学校の雰囲気に困惑していた彼だが、1人だけ熱心にノートを取っている人物がいた。伊川である。

彼は兄弟の北瀬と同じ学校に入りたかっただけで、実際はもっと上の学校を目指せた人物だ。

授業が終わっても真剣にノートと向かい合う伊川を見て、片岡コーチは優しく話しかけた……優しく話しかけたのは、伊川には伝わらなかったが。

 

 

「伊川、お前は勉強熱心だな」

「……はい、まあ公務員になりたいんで、普通に勉強してます」

 

伊川はびくびくしながら、怖い顔をした片岡コーチの言葉に答える。怖い顔をしているのは、単に元からの片岡コーチの顔付きである。

人格者なのに最初は怯えられていて可哀想だが、彼を知っていく内に良い教師だと皆が思う為、まあ問題ないだろう。

 

 

「そうか。将来をしっかりと定めているんだな……だがそのノートの取り方では、勉強の効率が悪いぞ」

「えっ……?」

「教師の話す内容を一字一句書こうとして大切な所が抜けてしまっている。

……必要なのは、テストに出てくるであろう言葉と、それに付随する意味だ。教員の言っている事とはいえ、教科書と関係のない俺の自己紹介の話まで書かなくて良い」

 

片岡コーチの意見に対して伊川は、適当な事を言って野球に専念させる気じゃないだろうかと疑っていた。

疑っていたが、確かに一理あるかもしれないと困惑していた。それが本当なら、勉強の効率が凄く良くなるかもしれない。

伊川は教員の言っていた事全てをノートに3回書き写し、教科書に書いてある事全てを3回ノートに書く勉強方法をしていたのだ。

小学生の頃の教員が言っていた、教員の言う事と教科書の書き取りさえ熟せば、勉強はなんとかなるという言葉を信じているのである。

 

……もしかしてこの人って、案外良いコーチだったりするのだろうか? こんなに顔とオーラがヤバいのに。

伊川は早い段階で、その可能性に気付き始めた。基本的に他人に興味がない彼だが、人を見る眼が欠如している訳でもないのだ。

 

 

「……ありがとうございます。参考になります」

 

まあ一応、参考にしてやっても良いかな……? そんな顔をしている伊川を微笑ましく思いながら、片岡コーチはこう言った。

 

 

「学問も野球もしっかりと熟す。それは思うより難しい話だが、学生の本分だろう___期待しているぞ」

 

ここまで野球より勉強を優先する部員は珍しい。そして、それを隠そうともしないとは良い度胸をしている……面白い奴め。

そして今日から、俺の大切な部員だ。最高クラスの逸材を、俺はどう導けるか。轟監督や俺の手腕が問われるな。

 

片岡コーチは肝が据わっていた。

野球にやる気の無い天才を、絶対に活かして見せると、赴任してきた当日に考えられるだけ凄い人間である。

彼が退部してしまったり身体を壊してしまったら、強く責任が問われるだろう……だが、片岡コーチは怯まない。部員を導けるのは、俺達監督陣しかいない。

強い責任感を持ちながら、公務員という夢を否定したりはしない。人間性が素晴らしい人であった。まあ強豪校の監督としては、少し甘過ぎる所もあるのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

轟監督と片岡コーチは、男の話し合いとばかりに飲みに来ていた。轟監督は大はしゃぎだが、片岡コーチは普段通りの鉄仮面である。

 

 

「いやー片岡コーチが来てくださって助かりましたよ! 来年誰をスカウトするかとか、ノック練習もやってくださるみたいで!」

「コーチとして、当然の事をしているまでです」

 

あくまで謙遜していくスタイルの片岡コーチに対して、真面目一辺倒で大変そうな性格をしているなと思いながら、轟監督は褒め称えていた。

まあ轟監督の様な、借金作って嫁に逃げられる様な不真面目人間は中々いないだろうが、片岡コーチも滅多にいない真面目人間である。

 

 

「やっぱり青道監督のノウハウがある人は違いますねぇ! 部員達も気が引き締まっているというか! 特に伊川、練習で疲れ切ってる所なんて初めて見ましたよ!」

「ありがとうございます。ですが、過度な緊張は怪我の原因にもなります。私が薬師高校に慣れる事が出来ていないと反省しています」

「そんな真剣に反省しなくても、コーチはマジで上手くやってくれてますよ!」

 

 

この場面を見れば轟監督ばかりお酒を飲んでいるのだろうと思うだろうが、実は監督は一口もお酒を飲んでいない。彼は全く飲めない体質なので、このハイテンションは実は素面である。

逆に、片岡監督はどれだけ飲んでも潰れない人間の為、既に2本も注文していた。

 

ちなみに伊川が練習で疲れ切らないのはサボりもあるが、過酷な労働環境に慣れきっている事と鉄人能力、そして身体の疲れが表情に出ない体質である。

伊川は、疲労には非常に強い体質・性格をしているのだ。それがメリットかと言われると、どれだけ疲れているかを周りが把握し辛いデメリットもあるが。

じゃあなぜ彼が最近疲れた顔をしているかと言うと、片岡コーチが怖いからだ。肉体面の疲労には強くても、精神面の疲労に強くはなかったのである。

 

 

「いやー有り難い! 10人ちょっとの育成でヒーヒー言ってるんで、片岡コーチが来ていなければ来年はどうなっていた事か……」

「過分な評価に感謝します。ですが轟監督は、監督歴2年で甲子園ベスト4まで連れていきました。私がいなくても熟せていたと思います」

 

新しく薬師高校のコーチになった片岡さんの謙遜と過大評価を聞きながら、轟監督は思っていた。

 

(そりゃ監督を追い落としてやるぜー! とか言われたら困るけど、評価され過ぎるのは困るなぁ。俺、もし青道高校に着任しろとか言われたら出来る気しねぇもん)

 

 

「それは生徒の才能ありきですし、大人数の監視能力とは関係ないですが……特に伊川。彼はどう対応するべきか、俺には分からないっすね」

「確かに彼は、北瀬がいるから野球部に入部したと話していましたが……轟監督は、本当だと思われますか」

 

野球部でここまでやる気の無い部員を見たことがなかった片岡コーチは、本人の話はまさか本当なのだろうかと少しだけ疑っていた。

なんやかんや、野球が好きだから入部したのではと考えていたのだ。青道高校に入部した部員も、一部は友人との兼ね合いで入ったと言っていたが、当然野球は好きだったからである。

 

轟監督は、普通そう思うよなーという納得顔をしながら、ショボンとした顔をして肯定する。

 

 

「100%マジっすね! そもそも俺が、野球部の人数不足もあって適当に勧誘してきた人間なんで……ほらっ背が高くてガタイもあったし、適当に」

「なるほど……だから伊川は、無気力にも拘らず野球をしていると言う事ですか」

 

めちゃくちゃな事を言っているにも拘らず、一瞬で理解を示した片岡コーチはスゲェなと思いながら、轟監督は伊川の話を続けた。

 

 

「そもそも野球が好きじゃないっすからね、伊川は。それでも……俺は伊川を、プロに行くべき人材だと信じてますから」

「才能だけいえばそうですが___本人の意思に拘らず強要するのは、伊川にとって良くないと思います」

 

プロ入りさせた場合、彼ら監督達に訪れるであろう称賛を無視して伊川の気持ちだけを考えて発言する片岡コーチ。聖人に近い精神構造をしている。

この人は、本当に良いコーチなんだろうな。他人事の様に思いながら、轟監督は鈍く笑い、無理に歪ませた様な苦笑で言い返した。

 

 

「そりゃそうですけどね……でも、あの才能を見てたら、本人の意思なんて、細かい事に見えて来ませんか?」

 

露悪的な言葉遣いをしながら、轟監督はこう語った。

 

ずっと野球だけを見てきた。

野球人生が終わるまで、ずっとプロ入りを目指してきたけど叶わなかった。だから、息子の雷市にその夢を託した。

だがここに……手元にいる大切な部員は、熱心にやらなくてもプロ入り、そして活躍できるであろう天才である。

 

なら、2つと無い才能を活かさずに、どうして新たな名門校の監督を名乗れるだろうか……?

 

 

轟監督は、けして最悪な人間性ではない。寧ろ、無理にプロ入りさせようと画策しないだけ、人間性は悪くない。

 

……だが、人間を導く教師として100点満点の性格をしている片岡コーチは、自分の意見をしっかり述べた。

 

 

「確かに伊川は、野球を選べば名誉を手にする事でしょう

___ですが俺は、彼の意思を尊重します」

 

人間としてかくあるべし。

教科書の様な回答をする片岡コーチに、自分が正しくない事を自覚している轟監督は、いっそ困った顔をしながら言い放った。

 

 

「そう思うなら、そうやって行動してくださいよ。止めはしませんし……でも伊川は、プロに行くべき才能を持っています!」

「才能ではなく、人格を。自分の人生は自分で決めさせるべきです。俺は、そう信じています」

 

轟監督は、教師としては素晴らしいが、コーチとしては甘過ぎる片岡と話しながら内心で愚痴っていた。

 

(俺なんか甘ちゃんな方だ。だってどんな手を使ってでもみたいな強要なんて、しようと思ってねぇ……

だが、伊川を見た群衆はどう思う? 絶対、どんな手を使ってでもプロに入れたい奴は現れる)

 

伊川は強い意志を持って公務員になりたい訳ではない。監督の俺が何をしようが、絶対に伊川をプロに入れたい奴は現れる。

そう気付いている轟監督は、内心彼自身と片岡コーチを小馬鹿にすらしながら、自覚している言い訳を続けた。

 

(片岡コーチもプロ入りを熱望されつつ選びませんでしたが、伊川に掛かる圧力はそれ以上になるでしょ……

伊川のメンタルは、あんた程強くない。俺達が何をしようと、多分伊川は、周りの意見に抗えないっすよ)

 

 

「後、来年になれば伊川はポジションを転向させます……キャッチャーはあくまで急造ですから、無理にやらせないでおいて欲しいです」

「___そうですね。本人のやる気が無いのに、部活外まで無理にやらせる訳にはいかないでしょう」

 

伊川のキャッチャー問題だけは合意した2人は、険悪になりつつある空気を誤魔化すようにくだらない話を続けた。

 

(野球が関わってなきゃ、この人とも仲良く出来なくもないが……濁流飲み干すってタイプじゃねーし、真面目だし、やり辛いな)

(轟監督の方針は、けして間違っている訳ではない……だが野球部は、人格を育てる教育機関でもあるべきだ。言う事だけを聞かせる関係性を構築するのは、教育機関として不適格)

 

 

この2人、根本的に考え方が異なる。最低限の妥協で関係を構築するか、主義主張を超えた協力が出来るか……彼らの手腕が問われるのは、ここからだろう。

 

 

 

 

 

 

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