異世界TS転生曇らせ愉悦部員が失敗するだけの汚話   作:アスタロット

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公妾アトラとの邂逅

 

実はエリナ姫の母親については、素性がよく分かっていない。

ゲームでもこれと言って、出番も無かった。

ストーリーの本筋から外れるし、仕方ない事だとは思うが。

分かっているのは名前がアトラで、ネイ王妃が嫉妬する程度には美人の公妾という事だ。

 

エリナにお母上であるアトラについて、一度あれこれ彼女に聞こうかとも考えたが…それは断念した。

“アナタのお母様を手籠にして、心身共に私に依存させた状態で突き離したいんです”

なんて言った日には、私はエリナに斬り殺されるだろう。

殺されても死なないけど。

 

そういう訳で、アトラについてはほとんどリサーチ出来ていない。

さらには情報不足な状態に加えて、時間がない。

そう、王都を立つ時期が迫っているのだ。

 

王国と魔族との和平協議が、間も無く整う筈。

交渉は当初予想されていたよりも、遥かに円滑に進められている。

王国の和平反対派は沈黙しているし、魔族内部も魔王が力で押さえつけているから。

 

ゲームのストーリーでも、宝物殿ダンジョンのクリア後に魔族領へ入れるようになる。

二つ目の秘宝を求めて、魔族領へ向かわなければならない以上、これ以上王都に長居は無用だ。

 

しかしながら、どうやってアトラに接触したものか。

時間もそう多く残されていない。

王宮にコネはあるが、ふむ…難しいな。

 

うーん…うーん…うーん…

 

あ、そうだ。

 

 

・

・

・

 

 

「ということで、お願いがあります。ヴァニタちゃん」

 

「ということって、どういう事だよクズ野郎が」

 

私は経過観察と称して、ヴァニタがいる王城へ向かった。

王子からヴァニタ救出の顛末を聞かされていたらしい従者達は、喜んで私をヴァニタに面会させてくれたよ。

どうやら彼女(?)は王宮でも、上手くやっているらしい。

可愛らしい見た目も相まって、王宮の従者達にも人気者のようだ。

 

「ふふふっ…イキがっていても、お股から白いアレがダダ漏れでは…何ともサマになりませんねぇ」

 

「なぁっ!?ウソっ!?えっ!?マ、マジかっ!?」

 

ヴァニタは狼狽しながら、自らの股を確認しようとしている。

本当にコイツはポンコツだな。

とても私のスペアとは思えない。

 

「嘘ですよ」

 

「…………チッ…このクソ野郎が!しね!」

 

言葉遣いが悪くなっているのは、性自認の男性を強くしたからか。

ロリ娘が強がっても、ハッタリにしか見えないが。

 

「さて、世間話は程々に…ヴァニタちゃんにお願いしたい事はですね」

 

「おい、勝手に話を進めるなクソ野郎」

 

「エリナさんのお母様、アトラさんに会わせてほしいのです」

 

「アトラ?いったい誰の事だ?俺は知らないね」

 

「惚けるのも程々にした方が良いですよ?ふふふっ…」

 

「何がおかしい」

 

「アナタの卵巣に対して、排卵を促しても良いんですよ?子宮から卵管まで、”王子のソレ”でパンパンなら、今すぐにでも…」

 

「えっ…!?や、やめてくれ…いやだ…いやだ…」

 

「じゃあアトラさんに私を紹介して下さい」

 

「許してくれ…あの人は、今の俺を家族のように思って接してくれてるんだ…頼むよ…」

 

「へぇ、そうですかぁ…同情ですか。私の分け身とはいえ、随分と落ちぶれましたね。仕方ない…では、アナタのボテ腹姿でも眺めて我慢するとしますか…」

 

私はヴァニタの下腹部に、手を当てがった。

ヘソの下を丁寧に、みだらに優しくさする。

 

「ひいっ!んんっ……うぐっ…うぅ…やだぁ…やだよぉ…まだ妊娠したくないよぉ…」

 

「では、アトラさんの元へ連れて行って下さいますか?そうすれば、特別に処置してあげますよ?」

 

「ひぐっ…分かった…分かったよぉ…クソッがぁ…分かったから避妊してくれよぉ…」

 

「良い子です。よろしくお願いしますね、ヴァニタちゃん♪」

 

「ちくしょうがぁ…地獄に堕ちろぉ…クズ野郎」

 

私は魔力を込めた手で、ヴァニタの下腹部を淫にマッサージした。

処置の効果は、じきに出るだろう。

 

・

・

・

 

私はヴァニタに強制して、アトラの私室まで案内させた。

正妻の部屋と比べれば質素に感じられるが、おそらくはアトラの趣向だろう。

部屋に通された私達を、椅子に腰掛ける優雅な女性が迎えてくれた。

 

「アトラおかあさま!」

 

「なぁに?ヴァニタちゃん…あら、そちらの女性は?」

 

これは驚いた。

確かに、エリナに似ている。

エリナをもう少し柔和にして、豊満にしたようだ。

 

「おかあさまに会って欲しい人を連れてきたの!」

 

「貴女は…」

 

「あのね!ティアナさんっていう私を助けてくれた人なの!」

 

「まぁ!あの聖女様ですか!」

 

「いつもエリナさんにはお世話になっております。イェンティアナ・ラブカスと申します」

 

「教会の聖女様にお会いできて光栄ですわ。こちらこそ、我が不肖の娘がご迷惑を掛けていないかしら?」

 

「とんでもない。エリナさんは勇者率いるパーティーの中でも、大切なメンバーですよ。それと、出来れば早めにアトラ様にもご挨拶したかったのですが…申し訳ございません」

 

「そんな小さな事、気にせずともよろしいのに…そうだわ!立ち話も何ですから、娘の活躍をお聞かせ願えるかしら?」

 

「もちろんです」

 

「では、お茶を淹れましょう」

 

「アトラ様直々にお茶を淹れて下さるとは、光栄の極みですね」

 

「ふふっ…所詮、私は妾です。そんなに畏まる必要はありませんよ」

 

「では、お言葉に甘えて…」

 

・

・

・

 

「こんなに楽しいお話、久しぶりだわ。聖女様を連れてきてくれて、ありがとうねヴァニタちゃん」

 

「いいの、私も母さまが喜んでくれて嬉しいの」

 

私達三人はお茶を交えながら、今までの冒険やエリナの活躍についてアトラと会話した。

ヴァニタは会話に興味がないのか、菓子をモリモリ食らっていたが。

まぁ、初対面の今回はこんな所だろう。

王都を立つのが近いとは言えども、それは明日明後日の話ではないからな。

まだ猶予はある筈。

 

「アトラ様、実はお願いがございまして」

 

「あら、何かしら」

 

「また明日、こちらにお邪魔してもよろしいですか?」

 

「もちろん、大歓迎よ!なかなかお客さまも来る事がないから、お話できるのが楽しいですもの」

 

「ありがとうございます、アトラ様」

 

「モッシャモッシャ…ごっきゅん。もうお話はおしまい?」

 

「ええ、ヴァニタちゃん。もう聖女様はお帰りになるから、二人でお見送りしましょうね?」

 

「うん!」

 

ヴァニタは私と二人きりの時以外は、本当に年相応にしか見えない所作をする。

コイツの中身がオッサンとは、誰も思うまい。

まぁ、私もだがね。

 

「では、今日の所はこれで失礼いたします。また明日お会い致しましょう、アトラ様」

 

ファーストコンタクトとなったお茶会も、無事にお開きになった。

私はアトラの部屋を後にして、アルト君達がいる宿へ戻ろうとした。

 

しかし、ここでアクシデント発生。

王宮から出る最中に、ネイ王妃に見つかってしまったのだ。

今回は後ろめたい事をしていないが、何だか面倒な事になりかけた。

 

アトラに会った事をネイに白状したら、物凄い笑顔で私を部屋に誘ってきたのだ。

何だか知らないけど、アレはきっと怒っている、そんなヤヴァいオーラだった。

断れる訳がない。

 

私はおとなしく、王妃の部屋にドナドナされた。

ネイ王妃はお茶会と称して、王宮秘蔵のお酒を私に振舞ってくれた。

普段は入手できない、貴重な酒をガバガバ飲ませてくれたから良いけど。

ご機嫌を取りながら会話するのも、何だか疲れたなぁ。

 

気が付いたら王宮のベッドで朝を迎えていたし。

ヤバいな。

そろそろアルト君達に、説明できなくなる。

こっそりと王宮で、高級な酒を飲んでいたとは言えない。

とりあえず、パーティーのみんなにはお土産でも持って行くとしよう。

アイテム欄に保管してある寿司折でいいか。

 

 

 

あ、そうそう。

先日ヴァニタに施した処置。

実はアレ、排卵促進だ。

嘘は言っていない。

処置は処置だからな。

 

この私がヴァニタ相手に、避妊処置なんてする訳ないだろ。

私の劣化コピーとはいえ、本当に馬鹿なヤツだ。

 

何週間かは知らないが、そのうちヴァニタの腹は膨らんでくるだろう。

くくくっ…

精神が男のままで妊娠、出産とかヴァニタちゃんどうなるんだろうな。

 

出産時もおそらく私に通知が来るから、ライブ配信を楽しみにさせて貰おうか。

アトラの攻略に加えて、また楽しみが出来た。

 

よし、一旦宿に戻って、またここに来るとしよう。

 

あっ、ネイ王妃オッスオッス。

どうも、おはようございます。

えっ?これから風呂?

一緒に?

えぇ…めんどk

仕方ないなぁ。

 

じゃあ私は、美人な人妻と朝風呂行ってきます!

 




Tips:王家秘蔵の酒
非常に美味だが、アルコール度数が高い。
酒に弱い者が飲めば、瞬く間に酩酊に至るだろう。
古くからはこの酒に薬を盛って、謀でも使われていたようだ。
酒は飲んでも飲まれるな。

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