異世界TS転生曇らせ愉悦部員が失敗するだけの汚話 作:アスタロット
「秘宝の在処が分かりました」
朝一番に、パーティー全員を集めたティアナ。
彼女が放った言葉は、衝撃的なものだった。
「はぁ!?秘宝が見つかったのか!?」
驚いた。
いつの間に、彼女は秘宝の所在を突き止めたんだ。
「ええ。秘宝とみて、まず間違いありません」
「ほう、我が国で散々と遊び呆けていたキサマがなぁ…真面目に調査している、そんな素振り、なかった筈だがな」
同席していたサティアが、ティアナに毒突く。
「遊び呆けた…さて何の事やら。まぁ、調査はそれなりにしてましたよ。サティアさんが存じ上げなかっただけでは?それよりも肝心なのは、秘宝がある場所です」
ティアナはサティアの挑発に乗る事なく、話を続ける。
「チッ…近頃のキサマは酒も飲まんし、つまらん聖女様になったものだ」
サティアは舌打ちをしつつも、これ以上ティアナを揶揄うつもりは無いようだ。
「っていうか、今までのティアナがおかしかったんじゃないの?アタシが言うのも何だけど、聖人としての品格が無かったし」
アーシャはティアナの変貌を、つぶさに感じ取っていたようだ。
確かに、酒を断ってからティアナは品が良くなった。
「同意だ。今のティアナこそ、王国の聖女たるに相応しい。その…男装は…平素からもっとしてくれて良いのだが…」
おっと、エリナさん!?
心の声が漏れてるぞ!!
「さて皆さん、ここで質問です。王国の秘宝は、宝物殿ではなく王城地下の倉庫にあった盃でした。では、魔都にあると思われる秘宝は、一体どこにあるでしょうか」
「それなら魔王城にあって、尚且つ器のような物なんじゃないのか?」
俺は前提知識から、ティアナにそう答えた。
「違います」
「いや違うんかい!!」
堪らずアーシャが指摘する。
「じゃ、どこに?」
「山です」
「「「やまぁ??」」」
「ええ、山です」
「「「どこの!?」」
「そこの山です」
ティアナは徐に窓を開け、そこから覗く魔王城を指し示した。
「いや、山じゃなくて城じゃないの。あんたバカぁ?」
「その奥ですよ、奥。そんな事も分からないんですか?アーシャさんは純粋ですね」
「ムキィッ!!」
猿のような声を上げるアーシャを他所目に、俺はその先をよく見つめる。
魔王城の背後には、荘厳な山嶺が聳え立っていた。
「おいクソ聖女、その山は我ら魔族が崇める霊山ビーモンだ。人間はおろか、魔族ですら入ることが許されん禁域だぞ。たとえ秘宝とやらがあるとしても、入ること罷りならん!」
「あ、そこら辺は色々と面倒なんで、魔王陛下から直接の許可は取ってますよ」
「何ぃ!?!?ほ、本当か!?えぇー!?陛下ぁー!?ちょ待て、へ、陛下に確認を取ってくる!!」
サティアはドダドタと音を立てながら、家を出て行った。
「ねぇアンタ…本当に許可とってる?」
そう言いながら、アーシャはジットリとティアナを見つめる。
「勿論です、プロですから。あ、ちなみに対象物の形状は漏斗です」
「ジョーゴ?ジョーゴ…ジョーゴって何よ!」
アーシャはよく質問してくれて助かる。
「まぁそれは実物を見れば良いでしょう。さて、さっそく準備しましょうか。今回の目的地は山ですし。宝物殿のように、拠点から簡単に行き来は難しいですからね。あ、エリナさんはお留守番お願いします」
「なぜ!?私も行きたいぞ!」
「だってエリナさん、放置されるの好きじゃないですか」
「はぅあっ!?」
俺とアーシャとティアナは、変態なエリナをサティア邸に放置して、買い出しに向かった。
♢
同時刻ー魔王城、玉座の間ー
そこには息を切らせながら、魔王に傅くサティアの姿があった。
肩を上下に揺らし呼吸する様はまるで、全速力で駆けつけてきたかのようである。
「はぁっ…はぁっ…へっ、陛下ぁ!魔王陛下ぁ!!あんのクソ聖女にっ…霊山の…立ち入り許可を、出したと言うのはまことですか!?」
「騒がしいな、サティアよ。ふむ、それに関しては相違無い」
「な、なぜ!!あそこは古来より禁域と聞いております!それが何故!まさか本当に秘宝があるとでも!?」
「あの女の言う通りならば、おそらくな。それにヤツは我に約束をした」
「ーっ、ふぅー……そ、それはどのようなお約束で?」
息を整えたサティアは、続け様に主へ問うた。
「それはあの女から直接にでも聞くがよい。それとも、お前は我の決断を疑うのか?」
魔王からプレッシャーがサティアに放たれる。
彼女に戦慄が走った。
「い、いえ…その様な考えは全く」
漸く息を整えた彼女であった。
だが魔王の圧力により、またしてもサティアの呼吸が荒くなりつつあった。
「我の圧如きに堪え兼ねるか…サティアよ。その体たらくでは、あの女の足元にも及ぶまい………まあ良い。これより先の問答は無用。お前は勇者共の秘宝探索に助力せよ。あの山は、中々の歯応えだぞ。ついでに、その錆びついた腕も霊山で鍛え直すがよい」
「…は、拝命いたしました」
不祥不詳といった具合で、サティアは引き続きアルト達に協力する事となった。
ー同時刻サティア邸ー
「ハァッ…♡ハァッ…♡久しぶりのっ…放置…♡た、たまらん♡」
サティア邸に独り残されたエリナは、放置に堪え兼ねて自家発電していた。
この直後に家主が帰ってくる事も知らずに。
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おっぱい