仮面ライダーマギア   作:眼鏡侍

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はじめまして。
そしてお久しぶりの方はお久しぶりです。

以前投稿していた拙作『仮面ライダーガルム』が行き詰まり、リメイクしようか悩んでるときに浮かんだのが本作になります。
超がつく不定期ぶりになると思いますが、お付き合いいただけると幸いです!

というわけでプロローグをどうぞ。


ep:0

 

「いつもいつも、どうしてレオは喧嘩ばっかりするのです?」

 

記憶の中の彼女は、いつも困ったような笑顔を浮かべていた。

 

「べつに、アリアにはカンケーねーだろそんなこと」

「むぅ…そんなこと言って、またお隣さんにからかわれたのでしょう?」

 

誤魔化そうとしてもすぐに言い当てられて、こっちが口篭って。

それを見た彼女がまた困ったように笑う。

それが、二人のいつものやりとりとなっていた。

 

「まったくもう…傷は放っていたら病気の元です。少しじっとしていてください」

「いや、こんなんツバつけとけばなお…」

「じっ・と・し・て・て・く・だ・さ・い・?」

「……ハイ」

 

すっかり大人しくなった少年を見てため息を吐きながら、少女は持っていたポーチの中からあるものを取り出す。

 

それは、翡翠色をした小さな結晶体。

少女はそれをかざすと、ゆっくりと瞳を閉じる。

 

『癒しを、此処に──ヒール』

 

その瞬間、結晶体から光が溢れ少年を優しく包み込む。

そして数秒後、光が収まると少年の体のあちこちについた傷が何事も無かったかのように消えていた。

 

「はい、これで大丈夫ですよ♪」

「……あんがと」

 

つい照れ臭くなり、礼を言う時もそっぽを向いてしまう。

それも彼女はわかっているのかいないのか、小さく微笑みを浮かべていた。

 

ちらり、と少年は少女に視線を向ける。

自分より二つほど年上らしい彼女は、いつも綺麗な身なりをしている。

白を基調としたローブ、そして胸元には先程のものと同じ結晶体でできたブローチが付けられていた。

 

円環の中に三本の杖、『教会』の一員であることを示すものだ。

 

間違っても底辺、出来損ない呼ばわりされる自分がが変われるような人間ではない。

 

「……なぁ、アリアはどうしてオレなんかに構うんだ?」

「え?………も、もしかして迷惑でした!?」

「いや、そーじゃない!そーじゃないんだけどさ……その、わかんなくて」

 

そこまで言うと、少年は俯いた。

その瞳は、とても八歳のものとは思えない、薄暗いものを抱えていた。

 

「私が、レオとお友達になりたいから…それじゃだめですか?」

「……え?」

 

彼の取り巻く環境は少女もよく知っている。

同行した牧師は、目の前にいる彼とは関わるなと釘を刺された。

それでも、彼を一目見た瞬間に決意した。

 

この少年を、救ってみせると。

 

「レオは魔法をどんな風に思っていますか?」

「……大嫌いだよ。オレ魔法使えないから出来損ないって呼ばれるし。みんな魔法でオレをいじめるんだ」

「………そうですか。そう、ですよね」

「だから魔法なんて──」

「そんなこと、言わないで」

 

その言葉を遮るように、少女は少年の手を取った。

 

「確かに、あなたは魔法で傷つけられてきたかもしれない…でも、魔法は、それだけじゃないんです」

「さっきみたいに、傷を癒すこともできますし…誰かを笑顔にすることもできるんです」

 

そう言うと少女はもう一つ結晶体を取り出す。

先程のものとは違い、綺麗に形が整えられており表面には杖を持った妖精の彫刻が施されている。

そしてそれを両手で包み込み、祈るように瞳を閉じた。

 

「お願い……彼に、心からの笑顔を」

 

次の瞬間、柔らかな光が二人を照らす。

今度は二人だけではなく、その周囲も。

そして少女の背後に光が集まり、徐々に形を成していく。

 

現れたのは蝶の如き羽を持つ一人の男性。

豪奢な衣服に金の王冠を携えた彼は、穏やかな笑みを浮かべその手に持った杖を天に掲げる。

 

変化は、すぐに訪れた。

鮮やかな花が咲き誇り、周囲には小さな妖精が笑顔を浮かべながら飛び回る。

その幻想的な光景を見て、少年の顔には次第に笑みが浮かんでいた。

 

「レオ、これだけは覚えていて」

 

「魔法は誰かを傷つけるだけのものじゃない」

 

「その本質は、みんなを笑顔にするものなのです」

 

「どうか、それだけは忘れないで──」

 

 

そして、月日は経ち──。

 

◆◆◆◆◆

 

7年後

 

「なぁ師匠ー。本当にこっちが近道なのかよ。普通に街の方突っ切ってった方がよかったんじゃね?」

『なぁに甘ったれたこと言ってんだ。街ン中をチンタラ歩いてたら日が暮れる。それに、此処を通りゃお前の鍛錬にもなるだろうよ』

 

鬱蒼とした森の中を一人の少年が駆ける。

学生服の上からローブを羽織り、首にはペンダントが掛けられていた。

 

そして少年はそのペンダント、正確にはその先端に吊り下げられた結晶体から発せられる声と会話をしていた。

 

「いや、今更こんぐらいの道通るぐらい訳ないんだけど」

『下手こいて俺様の存在を知られる訳にゃいかねえ。今はまだその時じゃあないのさ。あの家を出る時に話したろ』

「分かってるって。お披露目はド派手に、だろ」

『そういう事だ……見えてきたぜ』

 

次第に道が開け、少年の目の前に灰色の塔が現れた。

所々に結晶体が埋め込まれ、頂上部には真円の中に剣と杖の意匠が施されたレリーフがある。

はやる気持ちを抑えながら中の階段を登り、展望台であろう場所にたどり着く。

 

そこからは先程まで通ってきた森やその先にあった街、そしてなにより、少年の目的地である学校も一望できた。

 

「とうとう来たんだな……マギアカデミア」

『ああ、これからお前はあそこで様々なことを学び…マギスタルを、魔法を操る者『魔導士』となる』

「ああ…この7年、その為にあんたの元で鍛えたんだ」

 

少年はそういうと展望台の端に立ち、徐に大きく息を吸い込んだ。

 

『えっちょっ待てお前───』

 

「アリアァァァ!!!漸く来れたぞぉぉぉ!!!!待ってろよぉぉぉ!!!!!」

 

師の静止を振り切って叫んだ後、少年は端に建てられた柵を飛び越える。

塔の高さ数十メートルはゆうに超えている。

明らかな自殺行為、しかしそれでも笑みを絶やさずペンダントを握りしめて叫んだ。

 

「ブースト!」

 

瞬間、少年の体を白い光が包み込み──地面へと激突した。

明らかに無事では済まない高所からの落下、しかし何事も無かったからのように立ち上がると服に着いた埃を払う。

 

『お前なぁ!俺様言ったよぁ!正体バレたらなぁ!色々まずいんだってなぁ!』

「分かってるって!どうしてもあれはやりたくってさ」

 

少年はそう言うと、ぼやく師の声をよそに懐からあるのものを取り出した。

 

ベルトのバックル部分であろうそれには、二つの白い円形状のパーツが備え付けられており、複雑なラインが何かの陣を描いていた。

 

「こいつを貰った時から、俺のやりたい事は決まったんだ」

『ほう……それはなんだ?草薙玲央』

「決まってんだろ!」

 

師の問いかけに少年──草薙玲央は笑みを浮かべ、応える。

 

 

「アリアの隣に立てる男になる為に──最強の魔導士になってやる!」

 

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