ありふれていない戦闘民族は最強になりたい   作:鋼色

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四話 オルクス大迷宮

オルクス大迷宮に入った後、外と比べれば嫌な予感が強くなっている。本当に何なんだ、と思いながら進んで行く。

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ!あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、大した敵じゃない。冷静に行け!」

 

筋肉がムキムキの外見ネズミであるラットマンは中々の早さで光輝達に襲いかかる。気持ち悪いのか、女性陣営は顔を顰めていた。しかし、それでも倒そうとしているのか、魔法を準備し、剣を振るう。

 

此処の一番の活躍は光輝であろうか。国の宝物庫から取り出されたアーティファクトであるバスターソードでラットマンを一気に何体かを葬っていた。

 

「「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れーー螺炎」」」

 

光輝、龍太郎、雫が前線で戦っている間、香織と恵里、鈴が詠唱を開始して『螺炎』を発動した。先日檜山達四人が発動していた魔法とは文字通り格が違っていた。まあ、これではオーバーキル過ぎて魔石が落ちないだろうが。しかし、これは訓練なので問題は無いと思うが。

 

悟浄が考えていた事をメルドが口にしているを聞き、少量の苦笑いをしながら次のクラスメイトを見る。日頃の訓練によって魔法や武術に関する技術は上昇しているのだが、戦う者として足りない事がある。命を奪う覚悟、奪われる覚悟。それができていない。武闘家などならば問題ないかもしれないが、戦争に参加する者としては大問題だ。

 

覚悟ができていないのは大減点だな、と思いながらため息を吐いていれば、今度は悟浄達の番が来た。本来ハジメは生産職なので後ろに居るべきだと思うのだが、前に出ている。騎士達と一緒に居るので問題はないと思う。騎士達の出番は無いと思うのだが。

 

ハジメは迫ってくるラットマンの拳による攻撃を裏拳で弾いた後、地面を錬成して腹部に突きを与えた。血は腹部から流れているが、絶命にはまだ至っていない。ならば、と地面の錬成を一度解き、ラットマンを場面に打ち付ける。ラットマンは起き上がり、反撃をしようとするが、立ち上がらない。

 

地面にある棘が十数本も刺さっているのだから。ハジメがした事は技能である錬成の派生技能の[+多重錬成]と[+錬成遅延]によって多重に地面を錬成した後、時間を遅らせてラットマンを倒したのだ。体捌きはクリリンに教えてもらった時期があった為か、並大抵の者には負けない。

 

ハジメの動きに悟浄は「ふゅー!」と嬉しそうに息を吐く。友人が正当な評価をされる機会が訪れ、心の底から笑みを浮かべる。

 

粘着糸で絡めているラットマン五体を斬撃糸で切り裂きながら。

 

「お疲れ様、悟浄くん」

「おう、其方こそお疲れ様だぜ。ハジメ」

「僕はそんなに疲れてないよ?……ねえ、随分と嬉しそうだけど、何かあったの?」

「いやな、クラスメイト達の顔を見てみれば分かるんだけど、めっちゃ驚いたんだろ?バカにしてたクラスメイトが強い。勘違いしてたからこそのアホ面、嬉しくないか?」

「それ、割と性格悪いと思うよ」

 

自分でも薄々と感じていた事を言われるのはショックするものがあるのだが、ハジメが認められてきた、という事実で立ち直る。

 

時は進んで二十階層。出て来た魔物はロックマウントだ。先ずは光輝と雫が取り囲もうとし、龍太郎が前に立ち塞がるのだが、地形の問題で取り囲む事ができていない。鍾乳洞的な地形は慣れていなければ大変だからな、と考えていれば、ロックマウントは咆哮を口から発した。五月蝿い、と煩わしく感じながら光輝を含めた前衛を見てみれば、硬直していた。

 

威圧的なものか、と納得をしていたら、ロックマウントは前衛が怯んでいる隙に岩を後衛組に向かって投げる。オルクス大迷宮に入ってから気の探知をしている悟浄からしてみれば、苦笑いを浮かべてしまうものだった。

 

空中で一回転を終え、両腕を大きく広げたロックマウントの姿は某三世の泥棒を思い浮かべてしまう。あれは人の姿であるから良い__それでもまあまあ嫌だが__のであって、目が血走り、鼻息が荒いロックマウントがしても需要は驚く程無い。

 

ロックマウントの気持ち悪さに後衛組は悲鳴を上げて魔法を中止してしまう。

 

(気持ち悪いのの耐性、あんま無いよなあ)

 

そう悟浄は考えながら斬撃糸を使って切り裂く。そして遠くにいる後衛組に聞こえるように大きく叫ぶ。

 

「気持ち悪いのは分かるが、敵だからな!集中して相手を見ろ!」

 

その言葉に後衛組から悲鳴が来たのは気のせいだろうか。涙目であるから気のせいでは無いかもしれない。しかし、向かい合う覚悟はしたようだからこれ以上の心配は要らないだろう。

 

残りは手を出さなくても問題ないよな、と思考を巡らせて呑気に口笛を吹いていれば、光輝の口から信じられない言葉が出てきた。

 

「貴様、よくも香織達を……!許さない!万翔羽ばたき、天へと至れーー天翔閃!」

「は?おい、ちょ!?待てい待てい待てい待てい!!!斬撃糸、捕獲糸!」

 

一瞬光輝が何を口にしたのか信じられなかったが、瞬時に意識を取り戻して光輝を[+捕獲]で行動を止めた後、斬撃糸で残っているロックマウントを切り裂く。

 

動いたのは微量なのだが、突然のアホ行為を止める為に精神的なダメージを負ったみたいで息を荒く吐いていた。

 

説教をしに行こうと思ったが、メルドが既に説教をしているのが見え、行くのを辞めた。あれでバカみたいな行動を辞めてくれると良いんだけどな、と微かな希望を抱きながら。

 

苦笑いをしている香織達を見て大変そうだ、と感じたいれば、ある声が耳に入った。

 

「あれ、何かな?キラキラしてる……」

 

その言葉に一番早く反応したのはメルド。あの鉱石が何なのかを説明していた。次に反応したのは檜山。檜山が動いた時、強烈な威圧感が悟浄に襲いかかる。糸を使用して止めようとするが、間に合わない。メルドの声も檜山に投げているのだが、返答はしない。

 

絶望の宣言は罠を見抜くフェアスコープを持った騎士によってだった。

 

「団長!トラップです!」

「ッ!?」

 

 

魔法陣がクラスメイトや騎士達全員の範囲に広がり、転移が発動された。目の前に広がるのは橋と下が一切見えない奈落。撤退をするように指示をするが、前後に魔法陣が展開される。一つは大量のトラウマソルジャー。一つは頭部に兜を取り付けたような巨大な魔物のベヒモスを何とかしようと動き出すのだが、頬を突如殴られた。

 

急な打撃に悟浄は吹き飛んでしまうが、床に爪を当てて停止する。殴った者は何なのか、確認をする為に瞳に映せば、悟浄の脳内にはあり得ないという思考で溢れていた。

 

巨漢で髪一つ無い頭。フリーザ軍の戦闘服。そして腰に巻き付いている猿の尻尾。悟浄は画像でしか見た事が無いのだが、名前を知っている。ベジータと共に地球に襲来した戦闘民族サイヤ人のエリート戦士、ナッパである。

 

何故此処に居るのか、先ず思い浮かんだのはドラゴンボールによる死者蘇生だが、だったらどうしてトータスに居るのか、という事になり、脳内で却下をする。しかし、それ以外の考えが思い付かない。

 

そう悩んでいれば、ナッパと目が合う。光が全く無い、感情が全く無いナッパの瞳と目が合う。

 

(此奴、もしかしてクローンなのか……?)

 

もしそうなのであれば納得がいく。何故ナッパの遺伝子を知っているのか、姿を知っているのか、それが謎のままだが、今は関係無い。この目の前の男がクローンと知れた今はこの者を倒す事以外考える必要は無い。

 

ナッパと悟浄の拳がぶつかり合う。打撃と打撃の衝突に暴風が発生する。ナッパの攻撃で拳に少々の痺れを感じるが、そんな痺れ関係無いと、そんな痛み関係無いと行動で示す為に気弾を発生させ、ナッパの腹部に当てる。

 

攻撃の仕方は檜山の時と同じだが、威力は段違いだ。しかし、あまり威力が大き過ぎても周りに影響が出てしまう為、周りに影響が出ない威力の範囲であり、その中で最大限の威力だ。これで絶命するとは思っていないが、少しはダメージを受けていると予想していた。

 

「ぐぁっ!?……はあ…はあ…タフ過ぎんだろ」

 

気弾による攻撃にナッパは怯む事無く、悟浄の腹に打撃を与えた。攻撃を受けても動かないタフさ、一発で大きくダメージを与える超腕力。痛みで闘志が上昇していく。幾年振りの強敵に顔が狂気的な笑顔に歪む。

 

次に動くのはナッパ。強烈な気弾が悟浄に向かって放たれる。その攻撃、避けない。否、避けれないのだ。これ程の強力な気弾は受け止めない場合、被害はこの場に居る全員に降り掛かる。

 

圧縮された気。あまりの密度に手にダメージが行く。歯軋りを鳴らしながら、苦しみの声を出しながら気弾を更に圧縮する。

 

バチンッ!!

 

息を荒くしながらナッパを見る。

 

「悪いな、少し腹が立った。だから、受けろよ。クソハゲ」

 

強く、強く力を込めた三連撃。一つの撃は拳を腹に。二つの撃は右足を横腹に。三つの撃は拳を顔に。

 

「名付けるなら『悟浄スペシャル一の段』って言った所かな。……おっと、攻撃はさせないぜ?これが終わった後に思う存分構ってやるよ。だから少し飛ぼうか」

 

フリーザの気を探知した後、瞬間移動をし、再度瞬間移動をしてトータスのオルクス大迷宮へと戻る。

 

悟浄の瞳に映った場面はベヒモスに向かって魔法の大軍が迫っている所であった。これで終わりそうだ、という安堵の感情を抱いた後、それは砕け散った。『火球』の魔法がハジメに向かって行った。軌道が変化して。

 

ハジメは当たり、ベヒモスは兜のような頭部を赤熱化させて突撃をする。幸いな事にハジメは避けるが、不幸な事に橋は音を立てて崩れていく。

 

ハジメ、ハジメェ!!と叫びながら奈落に落ちていくハジメに手を伸ばそうとする。ハジメも手を伸ばそうとするが、横からの攻撃でハジメの手は空振る。

 

吹き飛ばした相手を見れば、巨漢のサイヤ人。ナッパであった。先程までの戦闘を楽しむ感情は無い。怒りという悪感情に満ちていた。このクローンは必ず壊すという感情に満ちていた。

 

小さく戦闘力開放と呟く。先程までの抑えていた戦闘力は8000程。周囲の被害を考え、中々に強力な攻撃を不使用だったので、戦闘力に見合った戦闘ができなかったかもしれないが。

 

戦闘力を全開にした数値は六万。このナッパは気が操作できるのか、探知ができるのかは分からない。まあ、悟浄が発している圧で先程までよりも強くなっている事は分かるかもしれないが。

 

背後に瞬時に移動をする。両手でハンマーのような形……俗に言うダブルスレッジハンマーという技で暗闇でしかない下に叩き落とす。

 

流石のタフさ、と言うべきか、ダメージを喰らっている筈なのだが、空中で止まる。そして超速で向かってくる悟浄を気弾連射で迎え撃つ。

 

それに対して真っ向勝負をするつもりは無い。マトモに避けるつもりは無い。気弾を同じく放つつもりは無い。瞬間移動でナッパの懐に移動した後、前蹴りを放つ。

 

ナッパは壁に当たり、下へと落ちていく。悟浄は両手を使い、横腹近くに大きな丸が入るようなサイズを作り出す。

 

か〜、め〜

 

丸の部分からは青い気で埋まる。

 

は〜、め〜

 

青い光が散らばっていく。

 

はぁぁ!!!

 

『かめはめ波』

 

亀仙人から誠悟、朱玲に伝わり、悟浄へと伝わって来た技が放たれた。

 

ーーー

 

か……の……けっ……にして……しん……しゃ

 

???Ⅰ「南雲ハジメの持つ錬成……どうして変形するか。なんの変哲のないスキル。我々の規定にして条理に当てはまっているスキルだった。どうして彼奴のスキルだけあぁも変形するのだ。まるで異次元に触れ、狂気に満ちたかのように」

 

???Ⅱ「あぁ、孫悟浄か。異を孕む者だとは認識していたが、これ程とはな」

 

???Ⅲ「感心している場合か。我々の計画、その全てがあの者に打ち壊されるのかもしれないだぞ!!悠長にしておれば、いともたやすく壊されてしまうわ」

 

???Ⅱ「そうかっかするな。既に対策は取ってある。落ちるのは運命付けられていたのでな、オルクス大迷宮に置いていたのだ」

「クローンと融合させ、殺戮と滅亡を繰り返す一種の兵器二つをな」

 

???Ⅰ「まさか!?」

 

???Ⅲ「彼奴らを!?」

 

???Ⅱ「見ものだな。サイヤ人にして、王者の所有格。孫悟浄」

「二つの地獄試練を抜けれるか」

 

【絶対悪ノ君主】運命女帝、レミリア・スカーレット

 

【暴走ノ金緋】破壊王女、フランドール・スカーレット




このナッパはクローンである為、ある程度強化をされています。

余談ですが、戦闘力開放に界王拳二倍を使用しようか悩みました。

悟浄の体内に追加したい作品

  • 転スラ
  • トリコ
  • ワンピース
  • 呪術廻戦
  • ブルーアーカイブ
  • NARUTO
  • 妖怪ウォッチ
  • ポケモン
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