ありふれていない戦闘民族は最強になりたい   作:鋼色

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九話 サイヤ人は瀕死で強くなると言っても限度はある

「4倍だと?ふざけた事を。貴様程度の実力が4倍になったところで、俺様にはなんの影響もない!」

「そう言うと思った…お前ならな。だったら試してみるか、王子様ァ!」

 

界王拳を用いて気を4倍にまで引き上げられた悟浄の体は既に強烈なまでの身体能力の上昇を現実に残していた。界王拳4倍の時点でも全力を出したクローンベジータには一歩及ばないが、悟浄に対して未だ慢心が続いている今のクローンベジータなら攻撃は通る。

 

増幅した気と身体能力をふんだんに使用し、剛鉄を思わせる肌にパンチを喰らわせる。あまりの硬さに頰を歪めてしまいそうになるが、本物のベジータの肌の方が硬かったのを思い出し、気持ちを切り替える。

 

「キサ……ッ!」

「すんません、ベジータさん。恨み言はあの世で言ってください」

 

不意の一撃で吹き飛ばされたのにも関わらず数コンマ後には立て直せかけているクローンベジータに舌を巻きつつも、悟浄は攻撃の手を緩める事はなかった。

 

あっちに動かれれば悟浄の敗北は絶対になる。それを正確に把握しているがゆえ、悟浄は瞬間移動を使用して様々な攻撃を仕掛ける。

 

己の持ち得る特殊な武器……平凡な武器を使用し、全力を出そうと試みているクローンベジータの思惑を全て破壊している。

 

「この…この……クソッタレがァァァ!」

 

そんな健闘虚しく、クローンベジータは大量の気を送り出し、大規模爆発を繰り出した。瞬間移動を用いながら再度の『かめはめ波』を準備していた悟浄にとっては大の致命傷。防ぐすべなく、細胞全てを破壊された。

 

「ハッ……ハッハッハ!俺様は戦闘民族サイヤ人の王子!下級戦士なぞ、一蹴できる能力を持っているのだ!」

「おぉ、そりゃすごいっすね」

 

跡形もなく破壊されたと思い込んでいた悟浄がクローンベジータの腹部に拳をめり込ませていた。

 

完全勝利を頭に叩き込んだはずだった…。しかし、脳裏に過ったのは敗北の可能性。0.1秒どころの話ではない…それよりも僅かな時間。

 

界王拳によって擦り減らされる体力と気……そして自分よりも遥かに強い敵であるクローンベジータ。その大きすぎる両極に挟まれ、悟浄は極限状態の集中を手に入れている。

 

繰り出された強烈な広範囲攻撃にも対して用意していた『かめはめは』で防御ができたのも、極限状態の集中が為した事。

 

そのような集中力、いわば別の思考が独立して立っていると言っても過言ではない。例で言うなら、身勝手の極意の超絶下位互換だろう。

 

そんな思考が繰り出される結論は、界王拳は今の出力では足りないという事。それゆえ、独立した意識は脳にある一つの判断を下す。界王拳4倍を界王拳5倍に引き上げる。この状況…言うなれば、超短期決戦を超絶短期決戦として縮めたようなものである。

 

この戦いで初めてクローンベジータは追い詰められ始め、最善の選択であるはずの行動に迷いが生じている。

 

クローンベジータは圧倒的だった。圧倒的な強さを持っているため、この世に生まれ落ちてからピンチは経験していなかった。

 

その状況が影響し、他を卓越する戦闘IQも仕事をしていなかった。

 

「はっ、はぁ……ゆ、許さん…!この星もろとも、貴様を破壊してくれる!」

「やっぱお前、ベジータさんじゃないな。強さは近寄る事ができても、性格までは似れないようだな。あの人は頭が良いんだよ…」

 

「宇宙のチリとなれぇ!ギャリック砲!

「チリになるのはお前だ…かめはめ波!

 

 

 

 

 

「ふ_______7倍だァァァ!!

「そ、そんなわけ……サイヤ人の王子である俺様がァァッ…!?」

 

【クローンベジータVS悟浄】

 

winner悟浄!

 

 

 

『かめはめ波』と『ギャリック砲』の激突から数時間ほど。悟浄はそれほどの時間がたってようやく目を覚ました。数時間昏倒するほどにダメージを負っていたのだ、と理解が追いつきそうになった時、ふと疑問が浮かんだ。

 

界王拳の7倍を使用したのだが、今は問題なく体を動かせている。現状では数時間昏倒するダメージがるあったとは思えない。

 

「それは私が神水を飲ませたからだけど?任せたら気絶している始末。発見した時大変だったんだけどー?」

「ハジメ、すごく取り乱してた…」

「ちょっとユエ!それは言わないのがお約束でしょ!?」

「そんなお約束知らない」

「ははっ!おもろ」

「アンタのせいなんだけど…!!」

 

頰を引っ張りながら「悟浄が倒れなければ」なんて思考が透けて見え、更に笑ってしまう。それで引っ張る痛みが強くなるのは内緒の話だ。

 

「あ…そういえば。悟浄が寝ている間に話していたの。この迷宮の事。オルクス大迷宮は神に逆らった反逆者なんだって。負けちゃったらしいけど」

「負けた、ねぇ……」

 

(神って事は、イコールエヒト神になんのか?ルーミアや咲夜の発言、あれに関わってんのかな。クローンベジータ、クローンナッパの件はこの世界じゃありえない科学力だ。ほぼ確で関わっているだろうな)

 

当初からあった疑惑が深まっていくのを感じつつ、悟浄は瞼を閉じる。何があっても良いように、体力を深めていく。

 

微量のため息を吐いて、気を濃く練る。頭の中でグルグルと嫌な予感が駆け巡りながら。

悟浄の体内に追加したい作品

  • 転スラ
  • トリコ
  • ワンピース
  • 呪術廻戦
  • ブルーアーカイブ
  • NARUTO
  • 妖怪ウォッチ
  • ポケモン
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