本当にありがとうございます。とても嬉しいです
これからも頑張って書いていくので、よろしくお願いいたします
「おはようございます…」
一人つぶやく。自分以外には誰もいないのだが、習慣になっているものなので仕方がない。
昨日の作業の疲労が残っているのか体が重い。それに腕が痛い。妖怪も筋肉痛になるものなんですね。初めて知りました。
疲労で重い体を布団から起こして、窓の外を見てみる。大体お昼頃でしょうか。太陽が上のほうにあるのでたぶんそうでしょうかね。
「お腹すきましたし、何か食べましょう」
昨日採ったきのこや木の実はかごに入ったまま。妖怪の肉は別に用意していた袋に入っています。あの袋には、冬の冷気を縛って、逃げないようにしてあるので、三日くらいならば生ものだって大丈夫です。名付けて冷蔵袋。能力って本当に便利ですね。
「きのこでも焼くですか」
かごの中からきのこを取り出し、木の枝で作っておいた串に刺していく。筋肉痛の腕が少し痛むが気にしない。赤、青、黄、緑に紫。色とりどりですね。
最後のきのこに串を刺し、それらを別の入れ物に入れて外へ出る。さすがに家の中で焼くわけにはいきませんから。
「薪は…っと」
きのこが入った入れ物を適当な場所に置き、離れた場所に薪を積んでいく。
四つくらい積んだところで妖術で火をつける。私だって妖怪ですから、簡単な妖術くらい使えます。火を出す妖術だけなのですが。他はおいおい覚えていくつもりです。
薪に火がついたのを確認してから串に刺さった赤色のきのこを一本、入れ物から取り出し眺める。
「今からあなたの名前はふんごさんですよ」
なんとなくきのこに名前を付けてみた。ふんごさん、かわいいでしょう?まあ今から炙っちゃうんですけれど。
きのこが刺さっている串を持ち、火に近づけていく。
「うへへ、今からお前はあの火で炙られるのです。一番ですよ、喜んでください。」
変な演技をしながらゆっくりときのこを火に近づける。
そしてついにきのこが火に入る瞬間―――――
「……お、い…」
「ん?」
今何か聞こえたような…
気のせいですかね?
「…う……」
「気のせいじゃないみたいですね」
誰でしょうか。せっかくふんごさんが火に入ろうとしていたというのに。正確には入れられる、ですが。
声の主を探すため周りを見渡す。もちろん妖怪だった時のために、いつでも能力が発動できるよう用意しておく。妖怪と対峙するときはは油断が命とりなので、です。
見渡していると家の前に誰かが倒れているのを発見した。慎重に近づいていく。いきなり飛びかかられたらたまったものではない。
「人間ですか」
しゃがんで様子を見る。長く伸びた白い髪はところどころ煤けている。それ以外に目立った傷などはないようだ。
「もしもーし、どうされましたかー」
恐る恐る声をかけてみる。が、返事はない。死んだのでしょうか。
死んでいたら死んでいたらで、食糧が増えるのでこちらとしては好都合である。
「返事しないと食べちゃいますよー」
「……は…った…」
「なんです?」
「腹……減った…」
――――――――――――――――――
「このきのこ美味いな!」
「それはよかったですよ」
白い髪の少女に炙った赤いきのこを渡すと、一瞬で食べてしまいました。ああ、私のふんごさん…
「まだありますのでここから選んでください」
「おお!ありがとな!お前妖怪なのにいいやつだな」
入れ物を私の手からぶんどり、きのこを選んでいる白い髪の少女。あの勢いだと私の分まで食べてしまいかねないので一応くぎを刺しておく。
「ちゃんと私の分も置いておいてくださいよ」
「わかってるって!」
本当にわかっているのだろうか。少し心配である。
そういえばなぜ家の前で倒れていたのでしょうか。人里から少し離れているところにあるので、人間がここまでたどり着けるとは思わないのですが。普通は途中で、妖怪や狼に殺されて餌になってしまいます。陰陽師なら大丈夫でしょうけど。
気になったので聞いてみる
「えーっと…」
「心配するなって、一本は残してるよ」
「一本だけですか…」
こちらが考え込んでいるときに食べてしまったらしい。ひどいものです。ってそうじゃないです。
「そうじゃなくて、です!なぜ私の家の前で倒れていたのでしょうか?ここは人里から離れているので普通の人ならここに来るまでに一回や二回以上は死にますよ。」
「あー…、まあ確かに一回死んだけどさ……」
死んだ?どういうことでしょうか?意味が分からないのです。
「どういうことですか?」
「まあ今はそんなこといいじゃないか。腹が減ってるんだ、食べさせてくれ。後で説明してやるから。な?」
私の分まで食べようとしておいてなんてやつですか。図々しいです。まあ説明してもらえるのならいいんですけど。私もお腹すきましたし。
「後で説明してくれるならいいですかね」
「おうよ!」
「あっ!?きのこもう無いじゃないですか!」
「あ、あれ?おっかしいなー」
こいつめ。許すまじです。食べ物の恨みは怖いのですよ。説明せずに逃げようとしたら地の果てまで追いかけてやりましょう。
「仕方がないですね…。お肉でも食べましょう」
「肉!?肉があるのか!?」
「妖怪の、ですが。っていうかあなたまだ食べる気ですか。よく食べますね」
「へへっ…」
「褒めてませんから」
得意そうに笑う少女。本当に図々しいです。殺して食べてやりましょうか。などと思いながらも少女の分も用意してやる。私って優しいですね。
そういえばまだ名前を聞いていませんでした。
「まだお名前を聞いていませんでしたね」
「藤原妹紅。妹紅でいいぞ。それより肉はまだなのか?」
「妹紅さん、ですか。私は絞崎縛理。何とでも読んでください」
肉はまだかと急かすのを無視してこちらも名乗る。相手だけに名乗らせておくというのも失礼でしょうし。
「縛理か。いい名前だ。なあ縛理、肉はまだか?」
「ありがとうですよ。もうちょっと待ってください。我慢ってものを知らないのですか?」
肉を用意しつつ、妹紅さんと話す。紫さん以外とまともな会話を交わすのなんていつぶりでしょうか。まともっていっても、先ほどから肉はまだかと急かされているだけなのですけれど。
「はあ…」
ため息をつく幼い少女。しかしその表情は、笑顔だった。
冷蔵袋、そのままですね。
少し表現が難しかったので補足しておきます
冬の冷たい空気を袋にいれる→それを能力で袋に縛って逃がさないようにする、といった感じです。
もこたんinしたお!