東方縛鎖録   作:ふみくじ

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そうだ、サンドを作ろう




そのろく

 妹紅さんがいなくなって早くも百年が経ちました。

 この百年間は大体、妹紅さんを探したり妖術の練習をしたり妹紅さんを探したり。妹紅さんを探していた記憶しかないですね。三年前くらいに諦めましたけど。ちゃんと出ていった理由を説明してほしかったんですが。

 そういえば妖術の練習中に飛べるようになりました。変化の術の練習をしていたはずだったんですけどね。

 

 

 空から地上を眺める。最近はこうやって、飛びながらぼっーっとしていることが多い。

 

「秋ですねぇ…」

 

 ただいま季節は秋。紅葉が綺麗だ。

 秋といえば食べ物です。栗にきのこ、さつまいも。ああ、想像したら涎が出てきてしまいました。山芋食べたいです…

 

「……ん?何だか美味しそうな匂いがしますね」

 

 どこからでしょうか?あたりを見回してみる。気になりますし、ちょっと探してみましょうか。

 

 

 

「この辺りですかね」

 

 匂いの元であろう場所に降りる。そして、あるものを発見した。

 

「焼き芋じゃないですか!」

 

 誰のものでしょうか?っていうか食べていいんですかね?辺りには誰もいませんしいただいちゃいましょう。

 焼けた落ち葉の中から芋を取り出し、そのままでは食べ辛いので半分に割る。中身はほくほくでいい感じですね。

 

「いただきまーす」

 

「あー!あたしの焼き芋!」

 

 誰でしょうか?声のしたほうを見る。するとそこには、赤い帽子を被った少女がいた。黄色の上着に、オレンジのエプロン。黒いロングスカート。赤く、つばの広い帽子の上にはブドウの飾りがのってある。なんだろう、如何にも秋といった感じがする。

 

「あの、すいません。美味しそうな匂いがしたものでつい…」

 

「つい、じゃないでしょうがー!」

 

 困りましたね。この状況、どうしましょうか…

 どうしたものかと困っていると少女の後ろのほうから、もう一人少女が歩いてきた。

 

「穣子、芋の一つや二ついいじゃないの」

 

「あ、静葉お姉ちゃん!」

 

 静葉お姉ちゃんと呼ばれた少女は、穣子と呼ばれた少女の隣に並ぶと頭を下げてきた。少女っていう字がゲシュタルト崩壊しそうです。

 

「妹の穣子が迷惑をかけたようでごめんなさいね」

 

「いえ、勝手に食べようとしたこちらが悪いのですよ」

 

「そうよそうよー!」

 

「こら、穣子」

 

 赤色の上着に、裾に向かって赤色から黄色に移り変わっているロングスカート。ロングスカートの裾は、楓の葉を思わせるような切り欠きになっている。頭には楓の髪飾り。こちらも、穣子と呼ばれた少女のように、秋をイメージさせる。

 

「あの、静葉さん?でいいのですかね…?」

 

「はい。秋静葉といいます。こちらは妹の秋穣子。」

 

「静葉お姉ちゃん、泥棒さんなんかに名乗らなくていいよー!」

 

「うっ…。それについては申し訳ないと思っていますですよ…」

 

 仕方ないじゃないですか、美味しそうな匂いがしたんですから。そのうえ周りに誰もいませんでしたし…

 

「ほら、穣子、この方もこう言っているんですから許してあげましょう?」

 

「仕方ないなぁ。今回だけだからね!」

 

 許してもらえました。さすが姉といったところでしょうか。ありがたいものです。

 

「えっと、ありがとうございます」

 

「いいんだよー!あとそのお芋あげるから私達と一緒に食べようよ!」

 

「そうですね。せっかくですし一緒にどうですか、えーっと…」

 

 そういえばまだ名乗っていませんでしたね。

 

「絞崎縛理っていいます。何とでも呼んでください」

 

「じゃあ縛理ちゃんだね!」

 

「それでは私は絞崎さんと呼ばせてもらいますね」

 

 紫さん以外に名前を呼ばれるのは百年ぶりですね…

 別に紫さんだけしか友達がいないとかじゃないんですよ!?本当ですよ!?妹紅さんだってそうですから。今はいませんが 妹紅さんの馬鹿。

 

「お姉ちゃん、縛理ちゃん!早く食べようよ!」

 

 焼き芋が待ちきれないのか、早く早くと私と静葉さんを急かす穣子さん。

 

「そうですね。さあ、縛理さんもどうぞ」

 

「それじゃあ失礼するですよ」

 

 穣子さんと静葉さんが並んで座っていたので、何となく静葉さんの左隣に腰を下ろす。そうして手に持っていた焼き芋を食べようとすると

 

「あー!あたし縛理ちゃんの隣がいい!」

 

 そういって穣子さんが、私の左隣に座り、姉妹に挟まれる形になる。右が静葉さんで左が穣子さん。ちょっと落ち着きませんね。

 

「えへへー」

 

「もう、穣子ったら…」

 

 そんな二人のやり取りを間で聞きつつ、焼き芋を一口食べる。あ、美味しい。

 それにしてもやっぱり誰かと一緒に食べるのは楽しいですね。妹紅さん早く帰ってきませんでしょうか。――――妹紅さん……

 まあ今はそんなことを考えても仕方ありませんね。こっちに集中しましょう。

 

 

 

 あ、後で聞いたのですが二人は神様らしいです。びっくりしました。全くそんなふうには見えないのですけれどね。それを言うとまた穣子さんが怒りそうだったのでいうのはやめておきましたが。

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

「秋サンド、ですか…」

「ん?何か言った?」

「いえ、なんでもありませんよ」




今回は服装の描写にチャレンジしてみました。うまくできてますかね…?
秋サンドですよ秋サンド!ただこれがやりたいがためのこの話でした。一度でいいからあの二人に挟まれてみたいものです


今週はあと1話くらい投稿できたらいいなって感じになります。
縛理ちゃんはいつになったらもこたんと再会できるのでしょうかね
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