BRAVE10   作:花札

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弁丸を途中で寄った街へ置いて行き、一行は京都へ来た。


茶会

夕方……

 

 

 

 

「うわー!!」

 

 

京都へ着いた才蔵達……

 

 

「凄ーい!!賑やかなところだねぇ!!

 

皆、キラキラしてるー!!

 

 

ねぇねぇ、あとでお散歩してもいいかなぁ?佐助とアナにお土産買いたい!」

 

「物見客か、お前はよぉ」

 

「じゃあ幸村、私はここで別行動させてもらうよ。」

 

 

伊佐那海が騒いでいる中、明日花は幸村に話した。

 

 

「あれ?明日花ちゃん、泊まる場所もアタシたちと違うの?」

 

「一族の当主が、用意してくれてる宿があるから、そこに泊まるんだ」

 

「へー」

 

「なぁに、この子に変なことはしないから安心しな?巫女さん」

 

 

明日花の頬に自分の頬を、近付けさせて伊佐那海に不敵な笑みを溢しながら、晃三は言った。

 

伊佐那海は怯え、才蔵の後ろへ隠れた。

 

 

自分に近付いた晃三の顔面に、明日花は裏拳を入れた。晃三は鼻を押さえながら、後ろへ倒れた。

 

 

「近い!!近付けさせるな!!

 

それから、二度とさっきの行動を京都でやるな!!分かったな?!」

 

「はいはい……」

 

「幸村、二日後の朝には戻る」

 

「うむ、承知した」

 

 

京都へ入り、幸村達と別れた明日花と晃三……

 

 

指定された宿へ行き、部屋へと着いた明日花は、窓を開け外を眺めた。

 

 

「全く、何でアンタと一緒に行かなきゃいけないんだが」

 

「お頭さんのご命令だから仕方ないよ。

 

それに、お前はあの狸さんに狙われの身なんでしょ?」

 

「確かに、そうだけど……」

 

「それを心配したんだよ。だから、俺を呼んだんだ」

 

「……

 

そういえば、今回の召集って一族全員なの?」

 

「そうだね。

 

でも、お前は初めてだから一族のみんなはお前の事は知らないよ?もちろん、紫苑の子供だってこともね」

 

「……だから、私は」

 

「おっと……そこからの言葉は禁句だよ?」

 

「……分かったから、離れろ!!」

 

 

自分の顔に近付き、指を口に当てる構造を、明日花は殴り飛ばした。晃三は飛ばされた勢いで、壁に頭をぶつけ押さえた。

 

 

「酷いなぁ……

 

昔は、喜んでよく俺の膝に乗ったじゃねぇか」

 

「余計なこと思い出すな!!

 

風呂に入ってくる」

 

「そんじゃあ俺も」

 

「覗いたら殺すよ?」

 

「怖いなぁ……」

 

 

 

 

翌朝……

 

 

「しかし、召集に正装の格好をするなんて……」

 

 

青いチューブブラを着る明日花……

 

その隣で、腹にさらしを撒く晃三……

 

 

「全員集合だからじゃないかな?皆が集まるんだ。正装で来た方がビシッと決まるだろ?」

 

「まぁ、そうだけど……

 

一族の正装、何とかならないの?男も女も露出度高い!!」

 

 

そう言いながら、明日花は羽織を腕に通し、腰をベルトで締め右袖だけ脱ぎ肘まである黒い手袋の紐を結んだ。

 

 

「そう言うなって。

 

光坂の“光”の漢字は“光”って書くだろ?」

 

「うん」

 

「それにちなんで、男女ともに服の露出度を上げたのさ。」

 

「何だよ、それ」

 

「さぁ、着替え終えたら、早く行くぞ。」

 

 

頭に布を巻き、部屋を出る晃三……

 

その後を、明日花は髪を纏め上げ首に襟巻を巻き慌てて晃三の後を追い駆けて行った。

 

 

 

 

その頃幸村達は……

 

 

「刃傷御法度!?」

 

 

それを幸村から聞いた才蔵は、繰り返し言った。

 

 

「あぁ、京中に布令が出た。

 

儂が留守の間、絶対に刃を抜いてはならぬぞ?」

 

「しかし今、京にゃいろんな奴らが来てんだろ?徳川とか伊達の者に、出くわせたらどうすんだよ?」

 

「奴らにも同じ布令が出ている。にわかには襲われまい。

 

 

それよりうちの連中の事だ」

「キャー!!」

 

「待て、クソ女!!」

 

 

縁側を走る伊佐那海……

 

その後ろを追い駆ける鎌之介は、鎖鎌の錘を伊佐那海目掛けて投げつけていた。伊佐那海はその攻撃を避けながら、鎌之介から逃げている様だった。

 

 

「テメェ!!人の朝飯食いやがって!!死んで詫びろ!!」

 

「寝坊したアンタが悪いんじゃない!!」

 

「伊佐那海に暴力を振るうな!!」

 

「うるせぇ!!くそ坊主!!」

 

 

暴れる三人を見る才蔵と幸村……

 

才蔵は呆れて言葉も出なかった。

 

 

「あれを止められるのは、お前しかおらん」

 

「……」

 

「頑張れよ?色男」

 

「抜いたら、徳川に真田を罰する理由を与えることになる……か」

 

「聡いな、才蔵」

 

「それくらい、馬鹿でも分からあ」

 

「そりゃ悪かった」

 

「ま、任しとけ!

 

アイツらを何とかすらあ……!」

 

 

言い掛けながら、才蔵は幸村の方に目を向けた。幸村はなぜかジッと自分を見つめていた。

 

 

「んだよ?!」

 

「いや」

 

「若!そろそろ参りませんと」

 

「では頼んだぞ才蔵。行って来る」

 

 

 

 

京都北野天満宮―――――

 

 

階段を上がり、中へ入る幸村と六郎……

 

 

「その服装で、本当によろしかったのですか?」

 

「ああ、構わん」

 

「着流しは、若一人しかおりませんよ」

 

「これが楽でいいんだ」

 

 

「幸村!!幸村ではないか!」

 

 

その声に気付いた幸村と六郎は、後ろを振り返った。そこには髪を結った青年がいた。

 

 

「おお!!これはこれは。

 

 

久しいな、達者であったか!?三成殿!」

 

「まさか、お主も呼ばれておるとはなぁ……」

 

「変に、狸に気に入られてしまってなぁ

 

 

今を時めく、徳川のお誘いとあっては無下に断れまい」

 

「何かしたのか?」

 

「まさか!儂は面倒事は好まん」

 

「……

 

お主は食えんからな」

 

「そりゃ、買いかぶり過ぎという者だ」

 

「しかし、太閤がお亡くなりになられてから、何とも厚かましい。

 

この茶会も、己の一声で諸大名が集まるという権勢の誇示ではないか!」

 

 

「全く、同感です」

 

 

その声がした方に、顔を向けるとそこに髪を下ろした男が一人いた。

 

 

「兼続殿!」

 

「これはお久しい!」

 

「ご無沙汰しております、幸村殿。

 

 

お二方、挨拶は済ませたのですか?」

 

「いいや、今着いたばかりでな」

 

「では、早く行くとよろしい」

 

「何で?まだ時間ではあるまい」

 

「いいえ、面白い物が見られるので……

 

 

上品ぶった古狸が、人語を操っているのです。あれは一見かと」

 

「全く」

 

「相変わらず、容赦ないな兼続」

 

「おや?そうでございましょうか」

 

「確かに、狸ならば山で大人しくしておればよいものを……

 

 

図々しく、刃傷御法度などと、御大層な布令を出しおって」

 

「いつの間に、奴が大将となったのやら」

 

「このままでは、豊臣家の威信にかかわる!

 

みすみす許さんぞ!家康め!」

 

「まあまあ……

 

せっかくの茶会だ、まったりといこう」

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