BRAVE10   作:花札

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幸村達とは、別行動をとっている明日花……

京を離れ、山の中にある社へと着いていた。


光坂の召集

「ここなの?」

 

 

狐の面を上げて、社を見る明日花……

 

その隣にいる晃三は、明日花の面を顔に着け直し頭に手を乗せた。

 

 

「面を取るな。」

 

「頭が、取れって言うまでか?」

 

「そうだ。」

 

「……」

 

「ほら、行くぞ」

 

 

そう言いながら、晃三は社の中へと入った。明日花も続いて社の中へ入った。社の中には既に人が集まっており、皆色々な面を着けており、空いた扉に目線が一斉に明日花と晃三に向けられた。明日花は殺気立たぬ目線に怯え、晃三の後ろへ隠れた。

 

 

「遅いではないか!晃三」

 

 

集まる皆の前に、立っていた男が立ち上がり晃三を呼んだ。晃三はニヤけながら、明日花を自分に寄せ男の傍へと近づいた。

 

 

「お久ぶりだなぁ。お頭さん」

 

「お主もあまり変わっておらぬようだな?

 

紫苑の倅も、見ないうちに随分と逞しくなったな」

 

「紫苑の倅?

 

頭、そのガキ紫苑のガキなのか?」

 

「そうか、お主らは初めて出会ったな。

 

皆、面を取れ」

 

 

頭の男の言う通り、集まっていた者たちは全員面を外した。

 

その者たちに続き、明日花と晃三も面を外した。

 

 

「明日花、皆に挨拶するのだ」

 

「ハイ。

 

 

名は光坂明日花。武田軍隊長と副隊長の子であり、副隊長である光坂紫苑の技、木術を得意とする」

 

「紫苑の子か……」

 

「しかし、あの隊長さんの血も継いでいるのか……」

 

「ますます、光坂の血が薄れていくな」

 

「技を受け継げば、良いんじゃないんですか?」

 

「しかし…」

 

「皆、騒ぐでない。

 

明日花、お主を今日の集会に呼んだのは、お主の存在を一族全員に教えることと、お主のパートナーを紹介することだ。」

 

「パートナー?」

 

「銀之助、こっちへ来い」

 

「はい」

 

 

一人立つ少年……

 

少年は、青い髪を耳下で一つに結った容姿に、手には鳥の面を持っていた。

 

 

「誰、コイツ」

 

「光坂銀之助。年はお主と同い年だ。水の技を得意とする。

 

仲良くしてやれ」

 

「ハァア!?」

 

「銀之助です、始めまして」

 

「知るか!!」

 

「そいつらの見合い話はいいから、とっとと本題に入ってくれませんか?頭」

 

「そうだな……

 

 

二年前から、あの狸の動きが派手になってることは、お主らは知っておるな?」

 

「……」

 

「確か、二年前だったよね?紫苑が死んだのは」

 

「おい、娘の前だぞ」

 

「あぁ、悪い」

 

「……」

 

「狸の動きが派手になればなるほど、明日花の身が危険になっていく」

 

 

頭の言葉に、一同は驚いていた。騒ぐ一同を頭は鎮めながら、明日花の方に目を向けた。

 

 

「明日花、話せるか?」

 

「……」

 

 

明日花は首に巻いていた襟巻を外し、首から下げていた勾玉を皆に見せた。

 

 

「これは……」

 

「確か、紫苑が身に着けていた物」

 

「私がまだ幼少期の頃、母さんがこれを身に着けていろと言って貰った物だ。

 

けど、二年前これを狙って狸の忍集が私と母さんを襲った。

 

 

そして、母さんは私を庇って死んだ」

 

「……」

 

「晃三、その勾玉にいったい何の意味があるんだ?」

 

「さぁな……

 

けど、その魂には不思議な力があるのは確かだ。」

 

「不思議な力って……」

 

「さぁねぇ……」

 

「答えろよ……」

 

「お前たちに、教える義理はねぇよ」

 

「何を?!」

 

「人の事、いつも変人呼ばわりして、避けてたのはどこの誰だっけ?」

 

「うっ……」

 

(私と母さんだけだったのか……

 

コイツと関わっていたのは)

 

「何れにせよ、いつかは戦争が始まる。

 

その時、俺達は信濃を守り抜くことだ。未だに、真田の倅幸村は徳川についてはいない。」

 

「私たちの故郷、信濃は今は真田家の手の中……」

 

「甲斐の国もだけどな」

 

「守り抜くって言うけど、お前たち大丈夫なのか?腕の方は」

 

「どういう意味だ?!晃三!」

 

「いやぁ……

 

ここに集まっている者大半数は、旅芸人として生きているって言うじゃないか?

 

 

忍として生きているのは、銀之助と明日花と、その他十人だけ……

 

他はどうなのかなぁ?ちゃんと戦えるのかなぁ?」

 

「んだと!!もういっぺん、言ってみろ!!」

 

「それなら、戦ってみるか?明日花とどれくらいの力の差があるか」

 

「晃三!!」

 

「望むところだ!!倅、表出ろ!!」

 

「止さぬか!!」

 

 

武器を取り表へ出ようとした時、頭は怒鳴りつけた。武器を持った男は、その迫力に怯え手に掛けていた引き戸から手を引いた。

 

 

「一族の中で、争うをするとは何事か!!頭を冷やせ!!」

 

「す、すいません」

 

「晃三!!お主もだ!!

 

争いを誘うような口の効き方をしおって!!」

 

「ヘイヘイ」

 

 

軽く返事をする晃三に、明日花は頭を殴った。

 

 

「ちゃんと反省しろ!!」

 

「はーい……」

 

「全く。

 

 

まぁ、晃三の話には一理ある。」

 

「お頭……」

 

「無理には言わん。この世代だ。

 

 

いつ争いが起きても不思議ではない。自分の身が守られる程度の力はつけとくように。分かったな?」

 

「諾」

「御意」

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