戦国†恋姫~世界変革の弾丸~   作:しゅんとも

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chapter1-12

かろうじて麦穂との手合わせに勝利することができた遼太郎。しかし、最後の五人目はあの鬼柴田と呼ばれる壬月である。

 

 

 

「えっと、壬月さん?でいいんだよね?」

 

 

 

「ん?そうか、小僧にはまだ挨拶していなかったか。我は柴田権六勝家、通称は壬月だ。好きに呼んでくれて構わない」

 

 

 

これまでと同じ手合わせ用にこしらえられた、屋敷の庭の広間に壬月と遼太郎は向き合う。

 

 

 

「それじゃ、壬月さん。得物ってい武器は?」

 

 

 

未だに武器を手にしていない壬月に対して遼太郎が問いかける。

 

 

 

「少し待っておれ。今、取りに行かせている」

 

 

 

壬月が答えると久遠の屋敷の入り口からなにやら荷車がやって来る。

 

 

 

「申し訳ありませーん!遅くなりましたー!」

 

 

 

橙色の巻き髪の女の子が額に汗を浮かべて、息を切らせながら荷車を引いてくる。

 

 

 

「ご苦労。戻っていいぞ」

 

 

 

壬月はその荷車に運ばれてきた武器を手にして、運んできた女の子に向けて言う。

 

 

 

ここで遼太郎は初めて壬月の得物を目にする。自分の背丈より少し短い程度の斧である。大きさはそこそこなので当たればかなりの威力であろう。

 

 

 

(こっちは細身の刀だし、スピード勝負に持ち込むのが得策か)

 

 

 

刀に比べれば、斧の方が動きが鈍くなるのは明瞭である。つまりは得物的には刀の方が対人では有利なのである。遼太郎は最後の手合わせの方針をたてるのであった。

 

 

 

そんな斧を軽々と担ぎ上げ壬月は遼太郎と改めて向き合う。

 

 

 

「さぁ、小僧!準備はいいか!?」

 

 

 

壬月が遼太郎に対して言う。その顔は目を大きく開け、すでに臨戦態勢である。

 

 

 

「あ、ああ!準備……で…き…て?」

 

 

 

遼太郎が壬月に返事を変えそうとしたときだ。壬月が殺気や覇気が混ざったようなものを一気に解放する。これには遼太郎も怯まずにはいられない。

 

 

 

さらに遼太郎は驚くべきものを目にする。

 

 

 

「……あの、壬月さん?その斧、なんか大きくなってない?」

 

 

 

そう、覇気の解放とともに壬月の持つ斧がみるみると大きくなっていくのだ。元々遼太郎より低いサイズであった斧は、今やすでに三メートルいや、四メートルに迫るほどになっている。

 

 

 

「どうした小僧。問題はなかろう」

 

 

 

遼太郎の問いに、特に気にすることもなく壬月が答える。

 

 

 

「あの、壬月さん。ちょっとばかり手を抜いてもらっても……?」

 

 

 

「気にするな。全力で相手をしてやろう」

 

 

 

昨日の化け物と相対したときとり、命の危機を感じる遼太郎。手加減を請うも壬月は全く相手にしない。

 

 

 

「壬月さん。俺も銃は使う気ないからさ。だから……ね?」

 

 

 

「全く問題ない。全力で相手をしてやろう」

 

 

 

このままでは死んでしまう、そう考える遼太郎はどうにか手加減を頼むも壬月は全く相手にしない。

 

 

 

「えっとさ、ほら、これって手合わせでしょ?鬼柴田と呼ばれる壬月さんが本気なんて出さなくても…さ…?」

 

 

 

「大丈夫だ。全力で相手をしてやろう」

 

 

 

「問題だらけなんですけど!!」

 

 

 

遂にさじを投げる遼太郎。それと同時に壬月からの覇気がさらに高まる。遼太郎はあまりの勢いに目を閉じそうになる。

 

 

 

「うだうだ言うな!さぁ、いくぞ!小僧!」

 

 

 

壬月が斧を振りかぶる。スピードとか得物の有利とか言っている場合ではない。遼太郎は体全身で身の危険を感じて、全力で回避行動をとる。

 

 

 

「おおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

壬月の操る巨大な斧が遼太郎目掛けて振り下ろされる。

 

 

 

     "全力で回避"

 

 

 

幸か不幸か遼太郎の視界にコマンドが現れる。指示通り、地面を蹴りヘッドスライディングの要領でその場を飛び退く。間を置かずに、壬月の斧が遼太郎の元いた場所を通過する。

 

 

 

「くっ!」

 

 

 

遼太郎は直撃を避けられたものの、通過する斧の勢いでさらに地面を転がってしまう。

 

 

 

「ほうほう、今のを避けるとは面白い。少しはやるようだな」

 

 

 

振り下ろした斧を再び構え直した壬月が、遼太郎の様子を見て感心したように言う。

 

 

 

「今のはモロに食らってたら、とてもじゃないけど耐えられそうにないですよ。…すこし位手加減してくれてもいいのに…」

 

 

 

「ああ?ボソボソ言ってないで今度はそちらから来たらどうだ?このまま逃げ続けるのも面白くなかろう」

 

 

 

「なら、お言葉に甘えてっと!」

 

 

 

言葉を言い切る前に、遼太郎が一気に壬月との距離を詰める。それに反応して壬月も迎撃態勢に入る。

 

 

 

しかし、壬月が斧を振る動作に入ると同時に遼太郎は走る向きを急激に変え、壬月の左横を突きにかかる。

 

 

 

右利きの壬月が構える斧の正反対側のまさに弱点である。

 

 

 

「もらったぁ!!」

 

 

 

刀を握りかえ、峰を先に向けて壬月に切りかかる。

 

 

 

 

 

「甘いわ!小僧!」

 

 

 

しかし、そんな遼太郎渾身の攻撃も不発に終わってしまう。それどころか、何故か遼太郎が再び吹き飛ばされていた。

 

 

 

(なっ!?何でだよ!)

 

 

 

予想外のことに遼太郎が困惑する。壬月を見れば、何か行動を起こしたようにも見えない。それどころか先程の位置から一歩も動いていないようである。つまりは、遼太郎が一人ただ吹き飛ばされていただけであるのだ。

 

 

 

「次はこちらからいくぞ!」

 

 

 

唖然とした表情で困惑する遼太郎を見逃すはずもなく、再び壬月が斧の振り下ろす動作に入る。

 

 

 

それを見た遼太郎は、先程よりもワンテンポ遅れて回避行動に入る。

 

しかし、現れたコマンド表示は無情であった。

 

 

 

"衝撃に備える"

 

 

 

 

 

回避ではなく衝撃を受ける前提のコマンド表示の時点で、どうみてもこの一撃は避けられないようである。

 

 

 

(コマンドでもそれかよ!ふざけんな!)

 

 

 

悪態をつく遼太郎であったが、選択肢は他にないため、衝撃に備える。

 

 

 

体が自然と動き、右手に持つ刀と再び左手で背中から抜き去るナイフで斧の打撃点をカバーする。

 

 

 

ガギィッン!

 

 

 

どごぉぉぉぉぉぉん!!

 

 

 

「ぐはぁっ!」

 

 

 

刀とナイフで斧を受けるも勢い殺せず、遼太郎は呻き声とともに後方に吹き飛ばされる。

 

 

 

どさっ!

 

 

 

十数メートル以上飛ばされた遼太郎は、そのまま地面に叩きつけられる。そして遼太郎はその衝撃をもって気を失ってしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、この程度の力で伸びてしまうとは情けない」

 

 

 

壬月は自身が吹き飛ばした遼太郎が気を失うのを見て、やれやれと言った様子で口にする。

 

 

 

「阿呆ぅ。貴様の一撃を初見で避けただけでなく、その攻撃を受けて、五体満足でいるだけマシであろうが」

 

 

 

そんな壬月を見て久遠が呆れた顔でやって来る。

 

 

 

「確かにそうかもしれませんな。攻撃の瞬間、その場に立ち止まるでもなく、衝撃に備えて打撃点に得物を二つ重ね合わせるようにして受け流しましたからな。構える位置がすこしでもズレれば無事ではなかったでしょう」

 

 

 

「うむ、なかなかな腕前であろう」

 

 

 

遼太郎を誉める壬月に、久遠も嬉しそうに言う。

 

 

 

(しかも、奴は昨日の鬼との遭遇戦で使っていた鉄砲を使っていないと来ている。不馴れな武器でここまでとは。こやつ、なかなかに…)

 

 

 

壬月が未だに倒れる遼太郎の方を見て考えを巡らす。

 

 

 

「他のものはどうだ?」

 

 

 

久遠は続けて、そばに来ていた者たちに尋ねる。

 

 

 

「私は元々認めておりましたから」

 

麦穂も遼太郎の腕前に賛同する。

 

 

 

「雛もー、異議なーし」

 

「ちぇー。壬月様がそう仰るなら仕方ないな。ボクも納得してやりますよ」

 

「犬子はね、立ち合ってみてこの人優しい人だなぁーってわかったから賛成ー!」

 

 

 

上から雛、和奏、犬子の三若たちも賛同をする。

 

 

 

「なんだよそれ、嗅覚かよ」

 

 

 

犬子の発言に和奏が突っ込みを入れる。

 

 

 

「そうだよ、犬子の嗅覚は確かだよ?」

 

 

 

そんな和奏の突っ込みに対して、犬子は胸を張って答える。

 

 

 

「よし、決まりだな。結菜もそれでいいな?」

 

 

 

手合わせをした全員から、賛同を得た久遠が側にいた帰蝶に尋ねる。

 

 

 

「………………………………」

 

 

 

しかし、結菜は答えない。

 

 

 

 

 

「結菜」

 

 

 

「まだ…………認めてあげない」

 

 

 

久遠の催促にようやく帰蝶は答えるもまだ返事は芳しくないようだ。

 

 

 

「そうか、なら仕方ない。もともとお前とはそういう約束だったからな。好きにせい」

 

 

 

だか久遠も特に気にすることもなく、帰蝶の言葉に了解する。

 

 

 

「でもさ、殿ー。ほんとにこいつを夫にするのですか?」

 

 

 

和奏が久遠に質問する。

 

 

 

「本気だが何か懸念でもあるのか?」

 

 

 

「いやー、いくら他家からの政略結婚を断る道具だからとはいえ、殿可愛いからさ。こいつが変な気でも起こすんじゃないかなって」

 

 

 

「我の相手がこやつに務まるとは思えんがな」

 

 

 

和奏の懸念に久遠は特に気にしていない様子だ。

 

 

 

「でもー、そこはほら若い男女ってこともあるし?」

 

 

 

そんな会話に今度は犬子が続ける。

 

 

 

「そうなったらなったで、本当の夫にしてやってもいい覚悟はあるぞ」

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 

久遠の意外すぎる返答に帰蝶が驚きを隠せずに言う。

 

 

 

「なんだ?」

 

 

 

そんな帰蝶に久遠が尋ねるも

 

 

 

「べ、別に!…………ふんっ!」

 

 

 

「…??」

 

 

 

不貞腐れた様子の帰蝶、しかし久遠は訳がわからず不思議そうな顔をしている。

 

 

 

「まぁ、結菜様のおむずかりは置いておくとして。久遠様、こやつの扱いはどうしますか?」

 

 

 

そんな様子を見ていた壬月が久遠に尋ねる。その発言に帰蝶が反論があがるが無視される。

 

 

 

「そうですね、働かざる者食うべからず、なんてことも言われていますからね。遼太郎さんには何か役をお与えになった方がよろしいのではないでしょうか?」

 

 

 

壬月の言に麦穂も考えを上乗せする。

 

 

 

「一応、腹案はあるのだがな…」

 

 

 

久遠が自身に策があることを伝えようとしたときであった。

 

 

 

「殿ー!たった今、墨俣より部隊が帰還しましたー!」

 

 

 

先ほど壬月の斧を荷車で運んできた橙色の巻き髪の少女が声をあげながら走ってやって来る。

 

 

 

「デアルカ。………おい、猿」

 

 

 

久遠が少し考えた後、先ほどの少女に呼び掛ける。

 

 

 

「は、はひっ!?」

 

 

 

「貴様もそろそろ武士として名乗りをあげてよい頃だろう。遼太郎の下に付き、功をあげよ」

 

 

 

「えっ!?じゃあ、私……」

 

 

 

「うむ、小人頭を免じ、今日から節となれ」

 

 

 

「あ、あ、ありがとうごさいましゅ」

 

 

 

「うむ。遼太郎……いや及川隊第一号として今日から励むとよい。遼太郎が目覚め次第、二人で城にこい。」

 

 

 

久遠から命を受ける猿と呼ばれた少女、後の豊富秀吉となる人物が遼太郎の部隊の一員となる瞬間であった。

 

 

 

「これにて、遼太郎の検分を終える。城に戻り墨俣よりの報せを聞け」

 

 

 

久遠の言葉より、屋敷の庭先にいた人々は撤収をはじめ城へと戻っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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戦国恋姫とバイオハザードのプレイ経験について

  • 戦国恋姫(X.EX)プレイ済み
  • バイオハザードシリーズプレイ済み
  • 両方プレイ済み
  • 両方未プレイ
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