戦国†恋姫~世界変革の弾丸~   作:しゅんとも

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このchapterより戦国恋姫のキャラが登場します。原作未読の方は是非原作の登場人物を確認していただけると物語にすんなり入って行けると思います。下記に無印版戦国†恋姫のホームページのリンクを載せておきますので是非確認してみてください。



http://nexton-net.jp/sengoku-koihime/



この話に登場する「小平太」と「新介」は、登場人物欄ではなく、スペシャル欄の恋姫用語集にて立ち絵があります。
なお、chapter1は細かいところで変化はありますが、chapter1-17まではシナリオに準じています。ご了承下さい。


chapter1-2

視界で雨粒が捉えられるほどの大粒の雨が降り続く。

 

その雨が地面を叩き断続的に、ザーザーと言う音が鳴り響く。

 

 

 

「申し上げます!」

 

黒い陣笠を頭につけ武具で身を守った足軽の使番の一人が報告する。

 

 

 

「許す!」

 

その使番に対していささか若い女性の声が返答をする。

 

 

 

「今川勢は現在、田楽狭間にて小休止!全軍を分散させて昼弁当を使っております!」

 

 

 

「デアルカ。……大義」

 

若い女性の声が少しで考え込むようにしたが、すぐに返事をし使番を返す。

 

 

 

「勝者の余裕……ということですかな」

 

 

 

使番の報告を受けた女性の側につかえた、赤装束を着たガタイのいい大人びた女性が言葉を漏らす。

 

 

 

「勝者か。あながち間違ってはおらんな」

 

若い女性は別に気にするようなこともなく軽くその発言を返す。

 

 

 

 

 

「我が方は二千弱。対する今川義元公は一万五千ほど。軍神摩利支天と言えども、この差を覆すのは至難の業でしょう」

 

今度は大柄の女性ではなくいかにもお姉さんと言う風貌の黄緑色の装束を纏った女性が発言した。

 

 

 

大柄の女性がその言葉に続けた。

 

「常識的に考えれば、あの大軍にこれだけの少数で奇襲を掛けるのは無謀を通り越して自殺行為だからな」

 

 

 

大人二人はまるで少数側の方を無茶だと揶揄するように話す。

 

 

 

「常識などと、そんなつまらんものに縛られるものに、大業などなし得んぞ」

 

若い女性は全く気にせずに言う。

 

 

 

「ですが殿…」

 

 

 

「おけぃ。今やるのは問答ではなく合戦である。説教は義元を討ち取ったあとに聞いてやる。持ち場につけ」

 

 

 

「「はっ!」」

 

 

 

二人の女性はそう言って持ち場へと走り去っていく。

 

 

 

先ほどまで座っていた殿と呼ばれる若い女性が立ち上がる。

 

「さて……これより織田久遠信長、一世一代の大博打。勝ちきって見せようではないか!」

 

長い黒髪をなびかせ、誰に言うでもなく、彼女は一人そこに宣言したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

バァン!

 

薄暗い空が白く光り雷鳴が響く。

 

雨は止むどころかその勢いを強めていた。初夏であることから足軽武士たちはその武具鎧のせいもあってかなり蒸し暑そうである。

 

 

 

さらに雷が鳴り響く。

 

「ひぃーっ」

 

「こら!小平太うるさい!雷なんかで騒がないで!見つかっちゃうでしょ!」

 

 

 

戦場には似つかわしくない二人の少女とも呼べる年齢の子が今川軍をこっそりと観察している時のとこだ。

 

 

 

「わかってるけど、雷様が怖いんだよぅ」

 

白髪短髪の小平太と呼ばれた少女がおどおどしながら言う。

 

 

 

「武士なら武功を立てられないことを怖がりなさい。この戦に勝てなければ殿様の命だって危ないんだから。今までご恩を受けてるんだからしっかりしなさい!」

 

もう一人の黒髪をを赤いリボンで後ろに縛った少女が強めの口調で言う。

 

 

 

「わ、わかってるよ。ここが死に場所だって心得ている。けど…雷様がなぁ…」

 

 

 

「静かに!」

 

 

 

黒髪の少女がなにかを見つけたかのように鋭く白髪の少女を制する。

 

 

 

「どうしたんだ?」

 

 

 

「ほら、あそこの一際大きな木の根元。雨を避けているんでしょうけど…。あの鎧に兜。間違い無いわ。」

 

 

 

「うへっ、戦場なのに鎧脱いでるのかよ。まぁムシムシしてるからわからなくはないんだけどな」

 

 

 

「私たちみたいな小勢をって侮っているんでしょう。全軍緩みきっているわね。これは好機かも…」

 

 

 

黒髪の少女はそう言って手元の得物を確かめる。

 

 

 

「…行くのか?後続に連絡した方が良くねぇか?」

 

 

 

「後続を待っていたら時機を逃しちゃうでしょ。それに武功は独占してナンボよ。呼子を鳴らして報せたら二人で突撃するわよ」

 

 

 

「いいねぇ、新介にのった!」

 

 

 

「…っし!二人ならどうとでもなるわ。…いくわよ!小平太!」

 

 

 

新介と呼ばれた黒髪の少女が先に走り、呼子をならしながら小平太がその後ろに続く。

 

 

 

「織田久遠信長、馬廻り組組長、毛利新介が参侯!今川治部大輔とお見受け致す!」

 

 

 

「今川殿が御首級、この服部小平太が頂戴する!」

 

 

 

「お覚悟!」

 

そう言って新介は木の根元で休んでいた今川義元公に突撃する。

 

 

 

「なっ何奴!殿をお助けしろ!」

 

すると騒ぎを聞き付けた今川家足軽がぞろぞろとやってくる。

 

 

 

 

 

「ちょっと小平太!足軽をどうにかして!」

 

 

 

「やってるってば!けどキリがないんだよ!」

 

 

 

短期決戦を望んだ為、長期戦になれば二人と言う手勢では劣勢になるのは明瞭である。二人が中々大将首がとれないとこに焦り始めたところ、後ろから大軍の遠吠えが迫り来ていた。

 

 

 

「織田久遠信長が家老、柴田権六壬月勝家参侯!」

 

先ほどの赤装束、大柄の女性が名乗りをあげ、多くの手勢を引き連れやってくる。

 

 

 

「邪魔物は柴田衆に任せておけ。新介、小平太抜かるなよ!」

 

 

 

「「壬月さま、ありがとうございます!」」

 

 

 

二人は礼を返し、再び混戦のなか今川大将の首を狙う。

 

 

 

「今川殿、お覚悟!」

 

 

 

小平太が槍でその胴体を貫く。

 

 

 

「小平太!首、首!」

 

「ちょっ、槍が抜けねぇ!」

 

「もう!なにやってるのよ!」

 

 

 

今川治部大輔の胴体に刺さった槍が抜けない小平太を見かねた新介がその首を刀で切り落とす。生々しい音をたて血飛沫が飛び散る。

 

 

 

「やったか?新介」

 

 

 

「え、ええ…」

 

 

 

「よくやった!名を名乗れ新介、小平太!」

 

気が付けば二人の元にやって来ていた織田久遠信長こと久遠が言う。

 

 

 

二人はその言葉を聞き互いに目で頷きあって声をあげた。

 

「「毛利新介、服部小平太が東海一の弓取り、今川殿討ち取ったり!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、小平太と新介が突撃した本陣とは少し離れた所。

 

 

 

先ほどの二人の勝ち名乗りの声が響く。その名乗りを聞いた今川軍足軽は我はじめとしてバラバラと逃げはじめる。

 

 

 

「ああー!こら!逃げるなです!とって返して戦うです!」

 

新介、小平太よりもさらに小さい鹿角フードを被り数珠を肩からかけた少女が、逃走する味方である今川家の足軽を見て怒って言う。

 

 

 

「綾那!ここはもうダメよ!後退しましょう!」

 

鹿角少女の後ろか白装束の女性が呼び止める。

 

 

 

「やですよ!綾那はまだ戦えるです!」

 

 

 

「義元公が討たれた以上この戦はこれで終わりよ!それに、これで私たちの殿様の未来が開けるの!だから後退して殿様と合流するわよ!」

 

 

 

「むー、わかったです」

 

綾那と呼ばれた少女はしぶしぶとしたがった。

 

 

 

二人の少女は兵をまとめ退却の準備へと動く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って今川本陣

 

 

 

「今こそ好機なり!織田の勇士たちよ!これより敵を追討ちーー」

 

 

 

久遠が逃げちる今川家を見てそう命令しようとしたところだった。空が一瞬光った思ったら、辺り全てがしろいろに包まれてしまった。その場にいた全員が何事かと思う間もなく、耳を塞ぎたくなるような炸裂音が心臓が止まるほどの振動とともに起こった。

 

 

 

「う、うわ!なんだ!?」

 

「きゃっ!なによ!?」

 

小平太と新介が悲鳴を上げる。

 

 

 

久遠や、近くにいた壬月さえも一瞬驚愕の様子を見せていたが、さらに奇妙な現象に目を見開いた。

 

 

 

恐らく先ほどの音や振動は落雷によるものであろうことは誰にもわかることであるが、問題はその落雷場所、つまり戦場のド真ん中に人丈はあろうほどの白く輝く球体が出現していることであった。これには敵味方関係なく全員が注目していた。

 

 

 

「壬月、あれはなんだ?」

 

「いえ、私にも………っ!!」

 

 

 

壬月が久遠に返答をしようとしたときであった。その球体が徐々に崩れ始め破片がキラキラと飛翔していくとともに中から見慣れない服装をした男性が横たわっていたのだ。

 

 

 

「あれは男か?我と同じくらいの歳に見えるが」

 

「それより殿!崩れたとはいえ戦力差は未だ歴然です!今すぐ退却の指示を!」

 

今度は代わって黄緑色装束の女性が久遠を諌める。

 

 

 

「……デアルカ。おい猿!」

 

「は、はひっ!?」

 

 

 

久遠の側に仕えていたオレンジ色の巻き髪の少女がビックリしたように答える。

 

 

 

「そやつを持って帰れ。後で検分する」

 

 

 

「あの死体をですか!?」

 

 

 

「死体かどうかはまだわからん。やっておけ」

 

 

 

「はひぃ~」

 

猿と呼ばれた少女が気の抜けた声で返事をする。

 

 

 

「壬月、麦穂退くぞ!」

 

 

 

「はっ!皆のもの、追い首は諦めぃ!今すぐに清洲に戻る!」

 

「全軍退却!速やかに清洲に戻ります!急いで!」

 

 

 

久遠の命より壬月と、麦穂と呼ばれた黄緑色装束の女性が指示を出す。

 

 

 

「義元は討った。これで当面の危機は去った。が、雷鳴とともに現れたあの男は何かの兆しなのか……。乱れ乱れたこの世の地獄に何かが始まる、そんな予感がする…」

 

久遠は撤退を始める部隊を眺めながらそんなことを思うのであった。




感想、評価いただけると助かります。よろしくお願いいたします。

戦国恋姫とバイオハザードのプレイ経験について

  • 戦国恋姫(X.EX)プレイ済み
  • バイオハザードシリーズプレイ済み
  • 両方プレイ済み
  • 両方未プレイ
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