戦国†恋姫~世界変革の弾丸~   作:しゅんとも

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chapter2-4

「おーい、遼太郎ー!」

 

 

 

久遠の屋敷を後にした遼太郎に、正面から見知った少女が声を掛けてくる。

 

 

 

「ん?おっ、和奏か。どうかしたのか?」

 

 

 

「これから殿に報せに行くところなんだ。さっきまで墨俣近くで演習してたら早馬が来たことなんだけど」

 

 

 

「それって美濃方面からの報せ?」

 

 

 

墨俣、その地名と早馬と言うと恐らくは美濃絡みだろうと予測を立てる遼太郎。

 

 

 

「お?スゲーな、当たりだよ。その報せによると、龍興が稲葉山城に戻ったらしいんだ。何でも城を占拠してたやつが、龍興に譲り渡したとか」   

 

 

 

「なっ!?やっぱりか…」

 

 

 

遼太郎の予想していたことが現実となる。しかも幾分か早い展開に同時に焦りが沸き始める。

 

 

 

「ありがとう和奏。それじゃ俺行くから」

 

 

 

「お、おう。それじゃあな」

 

 

 

事態が動きだしたこともあり、遼太郎は和奏に悪いと思いながらも会話を中断し、及川隊の長屋に急ぐ。

 

 

 

 

 

長屋に到着した遼太郎は、縁側に腰掛けるひよ子と転子に駆け寄りながら声を掛ける。

 

 

 

「ごめん、二人とも!これからもう一度美濃に向かうから準備して!」

 

 

 

「ええ!?今朝帰ってきたばかりですよ!?」

 

 

 

遼太郎と町を調査して、昨日ようやく帰ってきたひよ子が驚きを見せる。

 

 

 

「けど思ってたより事態が早く進展してるんだ。申し訳ないけど急いでくれ!」

 

 

 

「お頭、ちょっと落ち着いてください。とにかく美濃に行くにしても目的はなんですか?何もわからないと準備も出来ませんよ」

 

 

 

焦り気味の遼太を、転子がなだめ落ち着かせる。

 

 

 

「ふぅー、すまない。ころの言う通りだな」

 

 

 

遼太郎も自身が慌てていたことを自覚して深く呼吸をして整える。

 

 

 

「それで、目的なんだけど今回は竹中半兵衛さん、つまり詩乃を迎えに行くことだ」

 

 

 

「「え?」」

 

 

 

ちょっと何を言っているのでしょうか?今、二人の顔はそんな言葉をまさに表していた。

 

 

 

「任務の詳細は向かいながら話すから、食料と装備、路銀を五日ほど準備してくれ」

 

 

 

「はっはい!じゃあ、ころちゃん。私路銀用意するから」

 

 

 

「わかった!なら私は食料を用意するね」

 

 

 

各々が個人の装備を整えながら、ひよ子と転子が追加で路銀と食料を用意する。遼太郎が加入して無駄に作業しない分、速やかに準備が進んでいく。

 

 

 

そして、いざ出発しようとしたところに……

 

 

 

「ちょっと、遼太郎。今回は私も付いて行くから」

 

 

 

そこには、先程まで久遠の屋敷に居た結菜が立っていた。

 

 

 

「は?駄目に決まってるだろ。今回は場合によっては戦闘の可能性もあるんだ。前回の偵察ならまだしも今回は訳が違う。帰ってくれ」

 

 

 

唐突な結菜の訪問、そして勝手な同行の意思表明に遼太郎の言葉が厳しくなる。

 

 

 

「嫌よ。今だからこそ、あなたに付いていく必要があるの。」

 

 

 

それでもなお食い下がる結菜に、遼太郎はさらに声を荒げてしまう。

 

 

 

「あのなぁ!いったい……」

 

 

 

「久遠の為よ」

 

 

 

結菜の言葉に遼太郎は言葉を止める。

 

 

 

「久遠の…?」

 

 

 

「そうよ。…あなたを見極めるのは私の久遠から命じられた役目。多少の危険でも、私は付いていくつもりよ」

 

 

 

初めてあったときのような強い意思の瞳に、遼太郎は渋々説得を諦める。

 

 

 

「…わかった。けど荒事の時、俺は及川隊の面々の方を優先させる。これで構わないか?」

 

 

 

「多少の武術なら、ひよたちと変わらない程度の嗜みは身に付けていますので問題ありません」

 

 

 

一応押して駄目なら引いてみたが、結菜はまったく気にせずに了承してしまう。遼太郎も腹をくくるのであった。

 

 

 

「はぁ、じゃあ一応ころ、帰蝶のそばについてあげて」

 

 

 

「はい、結菜様。しっかりお守りしますね」

 

 

 

遼太郎の指示で転子が結菜のそばに付き挨拶をする。

 

 

 

「帰蝶も、何かをあったら知らせてくれ。久遠の大切な人なんだ。極力危ない目には会わせたくない」

 

 

 

「あら、なんだかんだ言って優しいじゃない」

 

 

 

遼太郎の言葉に結菜が反応する。遼太郎とて諦めるようにキツくは言ったが、連れていくことになったのならしっかり守るつもりではいるのだ。

 

 

 

こうして結菜を加えた四人となった一行は美濃へ気を取り直して向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日も完全に沈み、辺りがすっかり暗闇と包まれた森の中

 

 

 

「はぁはぁ、まさかこれ程早く追手が放たれるとは………」

 

 

 

前髪が目元を隠した少女が、息を切らせながら懸命に走る。

 

 

 

「このままでは不味いかもしれません。……ふふっ、ですがこの清々しい気持ちはなんでしょうか」

 

 

 

少女が独り言をいいながらも走る。

 

彼女は彼女のやり方で信念を貫いたのだ。その結果こうして追われてしまっているがそれでもこの少女は後悔をしない。

 

 

 

 

 

(ああ、しかし一度でいいから自分の才を天下に示したかった……)

 

 

 

少女はやり残したことに想いをはせる。何時かは捕まってしまうであろうこの逃避行。しかし、少女の胸に残るとある青年に抱かされた想いを心残り隅で当てにして少女は懸命に走り続けるのである……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遼太郎達は出発をした翌日、再び井ノ口の町で情報を集めていた。

 

 

 

「情報をまとめると、斎藤龍興に城を返した竹中さんは自身の在所に戻るため、西方向に出ていったと…」

 

 

 

「はい、そしてそれと同じ頃に斎藤一派の飛騨衆の数人が西門から出ていくのが見掛けられてますね。どうやらそれが追っ手のようです」

 

 

 

遼太郎の説明に転子が加えて説明を補足する。ひよ子や結菜とも情報を合わせ、十中八九間違いないだろうと四人の意見が合わさる。

 

 

 

「お頭、それじゃこれから西方向に向かうのでよろしいですか?」

 

 

 

「ああ、そうだな。道なりに進んでいけばどこかで見かけるかもしれないからね」

 

 

 

そう言って遼太郎一行も井ノ口を出て西へと進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遼太郎は街道を道なりに西へと進んでいる。先程の別れて道でひよ子と転子と別れている。と言っても一時的に分裂した大通りの一部であるので、すぐに合流できる予定である。万が一の時のため、一応呼子と呼ばれる笛を二人には持たせてある。

 

 

 

 

 

そんな遼太郎の歩は焦っているようにして進められていた。

 

 

 

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってってば!」

 

 

 

一時的だが、ベアとなった結菜の声が遼太郎の後ろから掛かる。

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「あなた、ちょっと焦りすぎ。そんな速度で歩いても、結局合流点で歩調をひよ達と合わせるんだから。少しは落ち着きなさい」

 

 

 

遼太郎は結菜に窘められて、ようやく自身の息切れや発汗に気が付く。

 

 

 

「ご、ごめん。無意識のうちに焦ってたみたいだ」

 

 

 

「まったくもう、ほらあそこの木の陰で少し休憩しましょ?」

 

 

 

そう言われ、遼太郎は街道近くの木に立ったまま背を預ける。その横に結菜が座る。

 

 

 

「ねぇ、遼太郎。聞いてもいいかしら?」

 

 

 

結菜から木を挟んで声を掛けられる。

 

 

 

「ああ、なんだ?」

 

 

 

「貴方、昨日屋敷で久遠に対して、ちゃんと答えなかったでしょう」

 

 

 

「どういうことだよ?」

 

 

 

遼太郎は昨日の屋敷でのやり取りを結菜が聞いていたことを知らないのだ。

 

 

 

「貴方が久遠に尽くす理由のことよ」

 

 

 

「なっ!?帰蝶聞いてたのかよ!」

 

 

 

「ええ、久遠のへそくりの件からね」

 

 

 

正直、あの時は勢いで言ってしまった感が強い遼太郎。それを第三者に聞かれていたと言うのはかなり恥ずかしい。

 

 

 

「まじか…」 

 

 

 

「それで答えなさいよ。どうしてはぐらかしたりしたの?」

 

 

 

結菜は、遼太郎が恥ずかしがるのを気にせずに尋ねる。

 

 

 

「べ、別にはぐらかしたり……」

 

 

 

「ウソ。昨日の貴方を見てれば、さすがにわかるもの」

 

 

 

どうやら結菜にはお見通しのようである。遼太郎は諦めて観念したようであった。

 

 

 

「そっか、帰蝶にはもう知られてたのか…。そうだよ、俺は久遠が好き…なんだと思う」

 

 

 

遼太郎の想いを結菜は黙って聞いている。

 

 

 

「最初はさ、この子面白いな、とか不思議だなって興味が湧く程度だったんだけどね。いつからか、久遠を目で追うようになってたんだ」

 

 

 

木の後ろにいる帰蝶は何も答えない。

 

 

 

「それで墨俣の一件でさ、何とか築城を終わらせて戻ってきたら、あの大喜び様だよ。この子のために頑張った甲斐があったなって思った頃には、もう自覚してたかな」

 

 

 

「そう……」

 

 

 

屋敷を出るときに言えなかった全てを遼太郎は結菜に話した。対する結菜は、一言呟いた後しばらく考えるようしたのち、

 

 

 

「帰ったら、久遠の元に戻ったらしっかり伝えなさいよ。この事を」

 

 

 

結菜はそう言って立ち上がり、再度出発の準備を整え、歩き出す。

 

 

 

「帰蝶は…、それでいいのか?」

 

 

 

そんな結菜を呼び止めるように遼太郎は聞く。

 

 

 

「いいもなにも、それは貴方と久遠の問題よ。私が口を挟めることじゃないじゃない」

 

 

 

遼太郎の問いに振り返って答えた結菜が再び歩き出す。

 

 

 

「ありがとさん…」

 

 

 

遼太郎がボソッとそんなことを口にする。

 

 

 

「ほら、遼太郎。行くわよ、竹中半兵衛を手に入れるんでしょ?」

 

 

 

遼太郎の言葉は聞こえたのか。聞こえなかったのか、結菜が遼太郎を呼ぶ。

 

 

 

「ああ!」

 

 

 

そして遼太郎が結菜の声に答え、歩き出そうとしたそのときであった。

 

 

 

 

 

"ピーピーピー"

 

 

 

 

 

遠くで呼子の音が聞こえ始める。

 

 

 

「遼太郎っ!これって!」

 

 

 

「わかってる!」

 

 

 

ひよ子と転子に緊急時に吹くようにと、別れる際に渡した呼子の音である。

 

 

 

「遼太郎先に行って!私は一人で大丈夫だから!」

 

 

 

「ありがとう!気をつけてくれよ!」

 

 

 

結菜に後押しされ、遼太郎は音の鳴る方向に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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戦国恋姫とバイオハザードのプレイ経験について

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  • バイオハザードシリーズプレイ済み
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