戦国†恋姫~世界変革の弾丸~   作:しゅんとも

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chapter2-11が抜けており、追加しました。大変申し訳ありません。


chapter2-12

森家の棟梁、桐琴からだ渡された鬼が持っていたとされる手紙は大部分が血や土で汚れており、またちぎれてもいたが文字が残っているところを読んでいく。手紙は下記のように上端と下端の一部しか残っておらず、大部分が失われた状態であったが遼太郎と詩乃は唯一の情報に集中力し始めた。

 

 

 

 

 

『…………い兵の待…………苦労である。……いに応………………田の軍が予…………本日………てきたが、……測より早い…………あ………に記…………………』

 

 

 

 

 

ここまでが手紙の破片の一つである。

 

 

 

 

 

『………………かの…人………蝶……の身………くれるなら……、今回の………………に……援助……………るとのこと…………る。ここ…………を叩くことが………れば、……力を…………のしあ…………………くも同………ある…………く行け…尾…………ら手に…………れん。……………らして、……………元に嫁……………………切り者であ…………ど我々……庇………………の微塵……ない。……………達の……………行軍及び…………よる…………報告……………ている。

 

       斎………………』

 

 

 

 

 

「…なぁ詩乃。これって……」

 

 

 

判別できる手紙の切れ端を調べ終えた遼太郎が、同じく調べていた詩乃に話しかける。

 

 

 

「えぇ…。恐らくは斎藤家が周辺の領地のものに出したものでしょう。」

 

 

 

詩乃が遼太郎の言いたいことを代弁するように言葉を補足していく。

 

 

 

「あぁ!?何でも俺らがぶっ殺した鬼どもが斎藤の手紙なんざ持ってんだよ!?」

 

 

 

「ひっ!?」

 

 

 

遼太郎と詩乃の会話を聞いた森家の小夜叉が怒ったような口調で詩乃を問いただす。これに驚いた詩乃は思わず声をあげてしまい、遼太郎の方に助けを求めるように縮こまってくる。

 

 

 

「何もかにも、今回の一件は斎藤家側に鬼がついている可能性があるって言うのは、こないだの評定でも話題になっていただろ?」

 

 

 

どうしてそんなことを思った遼太郎が少しずつ呆れながら訳を述べる。しかし…

 

 

 

「んだぁ!?評定だぁ!?そんなつまんねぇもん出てられるかってんだ!なぁ母ぁ?」

 

 

 

「おう、儂らは殿にお許しをいただいておるからな。儂ら森家が出張るのはいくらだけって決めてんだ」

 

 

 

「えぇ!?なんだよそのあまりに酷すぎる脳筋思考みたいなやつは……」

 

 

 

二人の予想もしなかった返答に、遼太郎は驚きを隠せなかった。なおも森家の二人が凄まじい剣幕で迫ってくるので遼太郎は苦笑いで対応せざるを得なくなってしまった。

 

 

 

そんなやり取りをやっている間に、遼太郎の後ろに隠れた詩乃は手紙の破片を見て何かを考えているようであった。

 

 

 

「…遼太郎様、この手紙もしかしたら…」

 

 

 

 

 

『姉御!!何やら美濃の方で何か動きがあるようですぜ!

 

 

 

詩乃が何かを言い出そうとしたその時、木々の奥から荒っぽい口調の男の声が響き渡った。

 

 

 

遼太郎が声のする方を振り向けば、もはや武具とも言えないような半身のみの着物を着た者やや、鍛え上げられた筋肉をむき出しにした上半身裸の男達がぞろぞろとやって来た。

 

 

 

「あぁん?てめぇらには辺りの捜索で、鬼を見つけ次第ぶっ殺せって言っといただろうが。何でまだ遠方にいるはずの美濃の奴等の動きがわかるんだ?」

 

 

 

森家の桐琴が半分キレたように、自身の部下であろう者たちに詰め寄っていく。

 

 

 

「そんなこと言われたって俺らにはわかりませんって。ただ、数十人、数百人じゃ利かない人数が多方面で動いてるのを、でしゃばって見回り範囲外に出た奴等が見つけたようでして…」

 

 

 

『「…っ!!?」』

 

 

 

森家の人達の返答に対して、何やら詩乃ともう一人がただならぬ反応を示す。

 

 

 

「ど、どうしたの?詩乃?」

 

 

 

「遼太郎様、どうか落ち着いて聞いて下さい」

 

 

 

詩乃の反応に気が付いた遼太郎が聞いてみると、詩乃は何やら神妙な様子で遼太郎に向き直っていた。

 

 

 

「あ、あぁ、わかったよ」

 

 

 

遼太郎がそう返答すると、詩乃は無言で首を縦に1度振るとゆっくりと話し始めた。

 

 

 

「それでは、遼太郎様。現在我々織田の軍は窮地に立たされた状況となっています…『なっ!?』…落ち着いてください。とにかく、早期に対応しなければこのままでは織田は全滅の危機すらあります」

 

 

 

「ちょっと待てよ!何がどうなってんだよ!意味がわかんねーよ!」

 

 

 

詩乃の唐突な発言に、小夜叉がたまらずに口を開いた。

 

 

 

「ガキ、ちょっと黙れ」

 

 

 

「…うっ、わかったよ。」

 

 

 

しかし、その隣の桐琴が小夜叉を一言で制する。小夜叉も真面目な母親の対応にはたまらず黙ってしまう。

 

 

 

「それで、一体どういうわけか説明はしてくれんだよな?」

 

 

 

「ええ、勿論です。」

 

 

 

桐琴の問いに対して詩乃が説明を始める。

 

 

 

「おそらくですが、先ほど森家のお二人が鬼を倒した際に手に入れた手紙は、稲葉山城付近の斎藤家の領地の味方に向けた物だと推測できます。斎藤家はあらかじめ織田が今日現在攻めて来ることを予測して、連携を密にしていたのです。つまり、闇夜に紛れて進軍して有利なように見えた織田は、むしろ逆に罠に嵌められた可能性があります」

 

 

 

「くっ…じゃあ、さっきの美濃の軍の動きって……」

 

 

 

詩乃の説明に遼太郎が焦りながらも、何とか冷静を保とうとする。

 

 

 

「ええ、本格的な囲い込みの作戦が始動した前触れでしょう。もはや後数刻の猶予もありません。早く行動をしなければ……」

 

 

 

「…しなければ…?」

 

 

 

「織田は多方面からの奇襲で、軍は壊滅します」

 

 

 

「「「…っ!!?」」」

 

 

 

詩乃の冷たくも残酷な宣言に遼太郎、そして森家の二人ですら驚きを隠せない。

 

 

 

「ちょっと待てよ!稲葉山城に立て籠ったのはついさっきだろ!?敵方が馬を走らせたような報告はないし、こんな迅速で正確な囲い込みなんて無理だろ!しかも殿が今日の夜攻め込むなんて誰も予想できないだろうが!」

 

 

 

桐琴に制されて渋々静かになっていた小夜叉が、我慢の限界か詩乃の言い分に反抗していく。

 

 

 

「…なるほど、そこで鬼か。物理的手段では暗躍も可能で速度も充分か…」

 

 

 

「えぇ…」

 

 

 

1人黙って顎に手を当てて考え込むようにして聞いていた桐琴が理解したような様子で発言し、詩乃がそれを肯定する。

 

 

 

「しかも、どうやら相手の方にもこちらの進軍予測をして、罠に嵌めようとするほどの賢い方がいるようですね…」

 

 

 

「……っ」

 

 

 

若干自虐的な言葉にもとれなくないことを、詩乃が敵に対して苦笑する。

 

 

 

織田には麒麟児と恐れられた竹中半兵衛こと詩乃が賢いと評する者が、敵にいることに遼太郎は息を飲んでしまう。

 

 

 

「…ということは久遠に、久遠に知らせなきゃ…ヤバイよ!このままじゃ軍が壊滅するんだろ!?早く撤退を…」

 

 

 

「遼太郎様!落ち着いてください!」

 

 

 

 

 

ようやく理解が追い付いたような様子から一転、途端に取り乱し始めた遼太郎を詩乃がたしなめる。

 

 

 

「うっ……ごめん、そうだよな」

 

 

 

詩乃に叱責された遼太郎は、ひとまずは落ち着きを取り戻した。しかしこの時、詩乃からは見えなかったからもしれないが、遼太郎の表情からはなぜか安堵が見て取れた。

 

 

 

「とにかく、現状の遼太郎様では難しいでしょうから、久遠様の方には私からこの手紙も携えて報告に行き、迅速な撤退をと進言してきますので。遼太郎様は及川隊に戻って心身を休めてください。すぐに私も向かいますから」

 

 

 

「…ごめんな、頼りない隊の頭で」

 

 

 

「いいえ、あなたに助けられた命ですから。あなた様のためだけに捧げますよ。では、後程に」

 

 

 

遼太郎の方へ向き直って微笑むように遼太郎に言葉をかけた後、詩乃は手紙の破片を携えて本陣の方へ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、儒子。お前はいったい何に気が付いたんだ?」

 

 

 

詩乃の後ろ姿が闇夜に消えてから、しばらくして桐琴が口を開く。

 

 

 

「なんだ…、うまく隠し通せたと思ったのに、気付かれてたのか」

 

 

 

「へっ!さっきの詩乃ってやつに隠そうとしすぎて、俺らからは丸わかりだったってーの!まぁその程度わからなきゃ、戦場での命のやり取りなんてできやしねーけどな」

 

 

 

桐琴だけでなく、小夜叉も何やら遼太郎の様子に気がついていたような発言をする。

 

 

 

「それはごもっともだね。流石は評定免除な武闘派一家なだけあるよ」

 

 

 

(角度的に詩乃には隠せたのならまぁ良しかな。詩乃も鬼との戦は初めてで緊張してたのから、見落としちゃったりっ言うのもあったかな?)

 

 

 

先ほどの森家の兵の報告このとき、詩乃だけでなく遼太郎も僅かに驚きの様子を見せたのを、流石は戦場の達人森家であろうか、二人は見逃しはしなかった。

 

 

 

 

 

観念するように両手を軽く上げた遼太郎は、改めて二人に向かって姿勢を直す。そして、こんなことを口にしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうか、森家の人々にお願いなんだけど…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「城攻めに…手を貸してはくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やら、撤退戦だけでは済みそうにない戦が始まろうとしている…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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戦国恋姫とバイオハザードのプレイ経験について

  • 戦国恋姫(X.EX)プレイ済み
  • バイオハザードシリーズプレイ済み
  • 両方プレイ済み
  • 両方未プレイ
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