月収50万ゼニー、ナルガクルガをモフるだけの仕事!!!   作:ルルザムート

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出張中、3月後半だというのに気温が10度も無い事務所兼仮眠室にて気がおかしくなりながら書いたナルガクルガもふもふ話。なんならナルガクルガ以外だってもふもふする時がくるはず
しかし続くかどうかは知らん!

…お楽しみください


1もふ目 ナルガクルガはかわいいな(2もふ目は多分こない)

古塔の頂にて…

 

 

バテュバトムという地に存在する、ギルド上層部でもごく一部の人間しか知らない遺跡…そこにある雲より高い塔の上で元気ドリンコを飲みながら誰かを待っている人間がいた。名前はレイル

 

 

そいつは高くも低くも無い平均的な身長と体格であり身体もそこまで鍛えられている、というわけでも無い

 

 

しかし灰色のウルフカットに、初対面なら例外なく萎縮してしまう紫の吊り目、無機質なインナーとランポスの革をなめして作られたレザーパンツの上からギルド支給のトレンチコートを身につけ、鉄鉱石の代わりにメランジェ鉱石を贅沢に使って特注した針山だろうと踏み荒らせそうなブーツを履いた姿は『非番の殺し屋』といっても差し支えないだろう。気が立っているのなら尚更である

 

 

 やれやれ、遅い…

例のアイルーから渡された時計の針は既に約束の時間から1時間を回っていた

 …まぁそれならそれで良い、向こうに落ち度がある分たんまりと吹っかけてやるだけだ

 

 

以前温泉村で購入した『算盤』という計算道具を使って延滞料の計算を始める。…金にがめついのもまた、殺し屋に見える要因だろうがレイルは気付かないし気にしない

 

 

と、そこでようやく塔の頂唯一の出入口から気配がして計算を止める

「遅かったなネコート

「ギルド上層部でも私とそちらとの密会を知る者は極々少数…モンスターだけでなく人にも知られる訳には行かぬ故に慎重にならざるおえないのだ、許されよレイル殿」

 

 

 一理ある、が。だからと言って1時間も人を待たせていい理由にされてはたまらない

「護衛は?」

「G級ハンターを2人連れてきた、心配しなくとも信の置ける兄弟だ」

 

 

「その割には時間がかかったものだ、延滞料として入れておく。要件はなんだ」

『余計な前置きはいらない』と予め断ってから再度質問する。

 

 

「うむ、そなたの拠点をまた移動させることになった」

「──やれやれ」

 またか

「重ね重ねすまぬ、今回も依頼料とは別に費用は全額こちらで負担する故許されよ」

「いいさ、他は?」

「いや、それだけだ」

 

 

 ・・・本気か?

「まったく、密会とはいえ一言二言のためだけに何もこんな場所を選ぶ必要は無いだろう。ニャン次郎に手紙の郵送を頼むだけじゃダメなのか?」

 転がしニャン次郎、何度か世話になっているが獣人族の中でも群を抜いて優秀な彼ならネコートも安心して預けられると思うが。

 

 

「それも考えたがあのニャン次郎殿とて神ではない、不測の事態に備えレイル殿との連絡に形の残る物は使いたくないのだ」

 相変わらず度を超えた慎重派だな…だからこそアイルーでありながらギルド上層部より信頼を得ているわけだが

 

 

「そうか、まぁ金を払って約定さえ守られるならこれ以上の文句は言わない。移転場所はどこだ」

アルコリス地方だ」

 

 

 アルコリス?また随分辺境なところだ、ココット村がある地域だったか?今の拠点(ドンドルマ)からだと──1日2日で着きそうにないな、やれやれ

「3日後にジャンボ村に向かうのだ、そこからココット村に向けて君専用の船が出る。…『彼』はどうだ、向かえそうか?」

「あいつは養成学校を卒業したばかりの測量士より地形や地名を理解してる、いらん心配だ」

 

 

 まぁ…素直に従ってくれるかは分からんがな

「ならばよい。…それとたった今待機させている護衛からテオ・テスカトルの襲撃があったと連絡が入った、既に撃退しているようだが炎王龍が現れた以上炎紀龍を含めた他の古龍が現れる可能性を否定できない。ここから近いバテュバトム樹海まで送ろう」

「それなら──ん、いや遠慮しておく、こっちはこっちで迎えが来たようだ」

 

 

トンッ

 

 

それは空からやってきた

 

 

通常種を2回りは上回る体格、それ相応の重量のはずだが殆ど音もなく塔の頂へと着地したそれは主の髪色よりも銀色に近い、例えるなら満月のような毛並みを逆立てて威嚇している。

 

 

「グルルルル…」

 

 

バシバシとしなやかな尻尾を打ち鳴らし、鋼鉄すら両断できる鋭利なブレードを両前足に携え、邪魔者をバラバラにしようという殺意に満ちた飛竜の瞳がネコートを射貫く

 

 

「ナルガクルガ希少種…私もこの目で見るのは久しぶりだ」

──ネコートがそう呟くとほぼ同時に

 

 

「っと!ギリギリ間に合ったみたいだな兄弟!」ドハハハハ!

「炎王龍に続いて月迅竜たぁ、正直ツラいが今回ばかりは退く訳には行かねぇな!」バハハハハ!

 

 

豪快に笑いながら2人のハンターが頂へとやってきた、2人とも殆ど同じ防具だが色が違い赤いハンターシリーズを身につけた男がハンマー、黒いハンターシリーズを身につけた男がライトボウガンを構えている

 

 

 この2人組は──なるほど、確かにこれ以上の護衛は居ないな。この短時間で炎王龍を退けたというのも納得が行く。それにしても…やれやれ

 

 

「目撃者が出たぞ」

「強いだけの護衛など連れてこない、安心してほしい

…それよりも彼を抑えてくれないか、レイル殿」

「分かっている、おいルナルガ

そいつらは敵じゃない、やめておけ」

「赤鬼殿、黒鬼殿、武器を収められよ。このナルガクルガは敵ではない」

 

 

困惑しながらも武器を下ろす2人組、

ナルガクルガ──ルナルガの方もあまり納得がいっていなさそうにあらぬ方向を向いている

「…説明と事後処理は頼んだ、俺達は戻って移転の準備をする」

「うむ、こちらのことは任せてもらいたい。規定の日時にまた会おう」

 

 

そっぽを向いているナルガクルガの首元を丁寧に撫で、その背中に乗る

 やはり機嫌が悪いな、ここまで追いかけてくる時点で察してはいたが

「帰るぞ」

「グル…」

じっとこちらを見つめるネコートを尻目に、ナルガクルガの背中に乗って塔を離脱したのだった

 

 

そして30分程の空の旅を終えて──

 

 

ドンドルマ地方、国境付近にて…

 

 

「到着だ、よくやった」

先と同じように音なく着地したルナルガの背中から降り、隠れ家の1つである豪邸へと入る

隠れ家にしては大きすぎるかもしれないが…この『大きさ』が必要なのだ

 

 

ドア代わりのシャッターを待ち上げて中へ

玄関で靴を脱ぎ、トレンチコートを投げ捨て、吹き抜けになっている一階部分のリビングへ

ナルガクルガ希少種もそれに続き、リビングの真ん中で寝転んだ瞬間

 

 

「わああぁん!寂しかったねえぇ!

ルナを1人にしてごめんよおぉ!」

 

 

レイルの仮面を叩き壊してルナルガもといルナたんをひたすらモフる、モフる、もふもふもふ…!

 

 

 360度どこから触ってもモフモフの胴!それでいてしっかりと筋肉のついてる身体!似た骨格のティガレックスに比べて速度と軽さを追い求めた肉体には必要以上の筋肉が無く無駄のない黄金比!そこから首を辿って頭部に向かえば凛々しい小顔から覗く2つの瞳とかわいい口…!これでまだこの子のほんの一部なのである。ほんの一部なのである!!!

 

 

下から掬い上げるように抱きついてめいいっぱいナルナル成分を接種する

「スゥ──…スゥ──…」

「グル、キュ…」(ご主人様、私も嬉しいですが息を吐いてください、死にますよ)

 

 

「本望本望!うーん幸せぇ…」

「グル…」(仕方ありませんね)

 

 

ぐい

「お?おふっ」

前脚で器用に私を押し倒したルナがぐいぐいと鼻先で腹部を押してくる

「ぶふっ!」

(ほら息を吐いて、赤ん坊じゃないんですから)

 

 

ぐりぐり

 

 

 うわぁ顔が近い近い近い!ハッ、これがガチ恋距離…!?

できればもっと顔を近づけたいな!

 

 

「──帰ってきて早々何をしてるの、レイン」

「あれ、ミラ?帰ってたんだ」おっひさー

 相変わらずいつもと同じ白いドレスを着こなした白髪の少女が呆れ気味に真紅の瞳を細めてボヤく

 

 

「…やっぱりアナタ多重人格者じゃないの?」

「レイルはただの演技!私はレイン!モンスター(特にもふもふしてるタイプ)を愛する女!知ってるでしょ?

んにゃっ、寒空に晒された身体にルナの体温は効くねぇ〜」

 

 

 ルナが顔面押し付けをやめて顎乗せにシフトした、もちろん乗せる場所は私の上!

ああっ、死んじゃう!幸せで死んじゃう〜

「ルナ、貴方はこれでいいの?」

(ご主人様が幸せそうなら私も満足なので…)

「・・・揃いも揃って詐欺でしょ、アナタ達は」

 

 

 いや詐欺とかアンタに言われたくはないわよ1000年ロリめ

「…それで?ネコートから呼び出しがあったのは知ってるわ、また引っ越し?」

 

 

 おっとそうだった

「うん、アルコリス地方。また遠出になるねぇ」

「出発は?」

「3日後〜ジャンボ村から船が出るんだって〜」

 

 

 折角の船旅だ、ネコートに内緒でルナも乗せることにしよう

「そ、なら準備と買い出し行ってくる」

「いいの?ミラちゃん?」

「その状態の貴女に行けって言ったってゴネるでしょう」

「正解正解大正解〜!」

(ご主人様に同じ。)

 

 

「全く、ナルガクルガを撫でるだけで月収50万なんて、人間に対する冒涜では?」

「じゃー人間辞めまーす!」ケラケラケラ

「…ほんとにもう、呆れた」

 

 

────────────────────────

レイル(?)

 

かつてはハンターズギルド直轄の古塔調査隊の1人として動いていたものの塔の頂を調査中に紅い雷に打たれ、それ以降大半ののモンスターがレイルに敵対しなくなりさらに一部のモンスターを手懐けられるようになる体質を手に入れた

事態を把握したネコートの迅速な行動によりレイルの異常な体質は世間に知られる前に死亡扱いとなった

またモンスターを手懐ける能力とは別にもう一つネコートが把握していない力があるのだが…

 

 

ルナルガ(♂)

 

レイルに最初に懐いたモンスター、ナルガクルガ希少種。希少種の名の通り非常に目撃例が少ない本種であり通常種に比べて非常に凶暴なはずなのだがレイルの命令には従い、庇うような仕草を見せるなどレイルの異常な体質を際立たせているモンスターでもある

 

 

白いドレスの少女(♀)

 

レイルの体質が変わってすぐ彼の元に現れた謎の少女、いつも何かしらの真っ白な服を着ていること以外一切が不明。

 

 

そして…

────────────────────────

レイル改めレイン(♀)

 

元古塔調査隊でモンスター専門のケモナー、虫系とババコンガ以外全てのモンスターを愛している。

ONモードでは男性として振る舞っているが残念なことに女性。なぜモンスターと仲良くできるかよく分かってないが幸せならOKです!

ハンター経験は無いがそれなりに戦える、お気に入りはタンジアのハンターから譲ってもらった超硬質ブレードを翔蟲を使って振り回すこと。心臓を捧げよ!

またソフィアという友人がいる

 

 

ルナルガ改めルナ(♂)

 

レインのことが大好きでしょうがないナルガクルガ希少種。主人の度が過ぎているだけで目立たないが主人を前にしたデレっぷりは中々のもの

毒棘は危ないので2人からは封印指定を食らっている

あとナチュラルに自分の意思を2人に伝えているが喋れているわけではなく彼女の考えていることを2人が何故か理解できているだけである

 

 

ミラ改めミラルーツ(-)

 

白いドレスの少女こと祖龍ミラルーツ、レインの体質がおかしくなった元凶。

元々目障りな調査隊を追い返すために落とした雷がこんな事態を引き起こすとは思っておらず塔から降りてきた

真の力でレインを排除しようとするも祖龍すら『萌え』の対象であるとブレない彼女へ完全にドン引き…もとい興味を示し人間に化けて行動を共にしている

(また、この作品唯一の擬人化枠である)




ナルガクルガのブレードを最高級研磨材で手入れしてあげたい作者のルルザムートです、ハイ。
途中やりがたくさんあるのにまた新しいのに手を出しました。だってナルガクルガはかわいいからね
ただあんまり長続きせずコヤンスカヤの方に戻ると思うので暇つぶしにどうぞ…
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