月収50万ゼニー、ナルガクルガをモフるだけの仕事!!! 作:ルルザムート
船を降り、ココット村へ向かう1人と3匹。2時間あれば辿り着くはずの村への道のりは何故か丸2日以上かかっておりその理由のひとつが──
〜
森丘のとある洞窟にて…
「はうぅ〜ん」
「ねぇレイン、いい加減行きましょうって」
「あとちょっとだけ!」
そのあとちょっとを3時間続けてるのよアナタは…何が楽しいのかしら
くねくねと悶絶しながら何かの骨?の影に隠れて双眼鏡を覗くレインにはもうため息しかでない、ちなみに眼鏡の先にあるものと言うと──
「ぴっ、ぴぴっ、ぴい」
「あっ、あっあっ、みて、みて…!リオスベビーの1匹が地べたを這いつくばっている虫ケラ昆虫に興味津々みたい!
未発達の翼パタパタさせて…!よちよち追いかけてる!
それで…アッ!他の2匹が『なになにー?』って巣材の中から覗いている!!
んんああがあぁかわいいよぉおぉ…!!」
持ってきたお酒も無くなってしまったしいい加減ココット村に行きたいのに…
ルナとナズ子はすぐ外の断崖絶壁で遊んでいる、いくら主人が好きとはいえ流石に飽きたのだろう
「ぴっ♪ぴっ♪ぴ?…ぴきゅっ!?」こてん
「ああっ!転んじゃった!大丈ぶ…いえダメよレイン、手助けしちゃ!
ここは見守るのよ…!
! 他の2匹が寄ってきた、心配そうに転んだコを舐めてる…ううっ、なんて兄弟想いの良い子達だろう…!
彼らの親に、そして彼らを生み出した祖なる龍に感謝…!感謝っ…!」
感謝するならこっちを向きなさい、そして少しくらい言うことを聞きなさいまったくもう…
結局我慢できなくなったので外のナズ子をちょっとだけ脅迫…もとい説得をして舌ペロでレインを口の中に回収、ついでにちょっとだけ声帯麻痺毒を加えてもらった
さ、ココット村に行きましょう。…ああ、塔に帰りたいわね
〜
ココット村にて…
「こ、こんにちは」
「ああ。」
「こんにちは」
頭に皿…盆?を乗せた村人から挨拶をされてもロクな返しをしないレインに代わって挨拶をする
「あの、この先にはどのような用事で…」
「話す必要はな「この村に祀られている片手剣を見たいと思って!」
威圧感MAXのレインを遮ってとりあえず目的を話す
「あ、あー!そうなんですね!もし引き抜けたら持っていってもいいそうなので是非挑戦してみてはいかがでしょうか!」
「ずさんな決まりだ、本当に祀られているのか?」
「いや、えっと、その、そう、村長が…あ!私用事あったんで失礼しますー!」
ああ行っちゃった
「ねぇレイン、あなたが重度のケモナーで人と話すのが苦手なのは知ってるけどね?もう少し腰を柔らかくしてもいいんじゃないかしら」
今の人凄まじい早足で逃げてったわよ
「今それどころじゃないの」
それどころじゃない、って…
「ならそのリュック渡しなさい、代わりに背負「だめ」
渡してなるものかもリュックを庇うレイン、中身は当然のように小さくなったルナが入っている
「ぴー」
(僕もここがいい!)
「はうっ!?背中から聞こえる天使の声とリュック越しで伝わる天使の温もりくぁwせdrftgyふじこlp」
「ああまったくもう…」
「というかそもそも用意されたマイハウスでのんびりしてれば良かったじゃーん、ネコートさんからもうすぐ指示が飛んでくるんだからさぁ」
「ついてきて、なんて言った覚え無いわよ」
「あのねぇ?ワタシ表向きは護衛よ?おジョー様1人で行かせたら不審な目で見られちゃうでしょうが!
…あっ、おジョー様って響きなんかいいね、女の子のイビルジョーに会ったらこう呼んでみようっと!」
ジャンボ村では1人にしたクセに、と言いたくなったものの藪蛇だろうと言葉を飲み込む
そうだ、今歩いているのはくだらない言い合いのためじゃない。『原初のハンター』…つまりこの村の村長が遺したと言われる片手剣を見に来たのだ
「これね…」
村の外れの林の中、石階段を登った先でしっかりと刺さっている剣を見つけた。…ヒーローブレイドである
「ねー行こうよー」
「………」
なんちゃらブレイドに余程ご執心なのかミラは催促に応えずその剣をまじまじと眺めている
「……こんなのが…?いや、だとしたら村長の実力は……」
しかも1人でブツブツ言っていてちょっと気味が悪い
アナタ武器好きってわけでもないでしょうにー
「よし、試しに抜いてみようかしら」
ええ…
「そんなもの貰ったって置き場所に困るよ、使いもしないのに」
「ちょっと見てすぐ戻すわよ。…んっ?中々抜けないわね」
ガシャガシャ引っ張ってはいるか剣が抜ける様子が無い。取るなって暗示じゃないの?と彼女に言ったがそれでも止める様子は無さそうで──
…あ、あれ?なんか剣が刺さってる台座も一緒に持ち上がってるような…
「本当に重いわねコレ、ん〜…!」
祖龍の力でも抜けない剣があるんだろうか、なんて思いつつ刃の部分まで素手で掴んで引き抜こうとするミラを呆然と眺める
「ミラちゃん、やめた方が ボゴォッ
「あ」
「あっ」
「ぴ。」
剣が抜けた。…台座ごと。
「………」
「キュ…」
「あー…これ、ハンマーだったみたいね」
この、ロリーッ!違うだろ、違うだろォー!!!
って言いたくなるのを抑えて現実を直視。うわぁ、台座のとこの地面がエグられてる…
「ツッコミ待ち?」
「いえ…ともかく誰か来る前に剣を抜いてしまいましょう
最悪、紅雷で台座の部分砕いちゃえば…」
不穏で不安になりそうな言葉が聞こえたんだけど???
「このっ。 ドグシャアッ アッ」
待てぃ、今明らかにおかしな音が聞こえたぞ、何か硬いものが強引に引き潰された音が。
そして『アッ』ってなんだ『アッ』って
「・・・」
「ミラちゃん」
「・・・えへっ」
「えへっ、じゃなーい!どうすんの!?どどどどーすんの!?」
柄から先が粉々に握り潰されたヒーローブレイドとちょっと涙目になってるミラを交互に見ながら入れる激しいツッコミ!ワタシどっちか言うとツッコミされる側じゃなかったっけ???
「どうしよう…!?どうすればいいと思う?」
「知らん知らん!自分でなんとかしなさいな!」
どこの世界に剣を握り潰せる人間がいるか──あ、そういえばこのコ祖龍だったわ
「私1人で考えろって言うの!?」
「そう!!!」
悪いが知った事では無い、そもそもヒーローブレイドなんて私はどうでも良かったのにミラちゃんが勝手に…
「…そう、なら」
ぼふん
「ん!?」
煙と共に彼女の姿が消え、現れたのは──
「────ハッ!」
真っ白に美しい毛並みと逞しい胴体、そこから繋がる強靭な手足と神々しい翼、引き締まった筋肉に護られた首の先には凛々しい御尊顔があり、紅蓮石を思わせる真紅の瞳。紛れもない祖龍ミラルーツ!…が地面に伏せてこちらを見上げているっ!!!
「シュウン…」
(ね、一緒に考えて?)
「ウッッッ!そ、そんな手に乗ると思ってるの!?」
林から出ないよう、小さく丸まり、翼も頭も地面にぺったりとつけて上目遣いでこちらを見つめる祖龍ははっきり言って超絶破壊兵器である
(一緒に考えてくれたら…そうね、甘噛みしてあげる)
「あまがみ。」
あ、あっ、あくまの囁きが。
「い、いや!無理無理!もうどうしようもないし!」
(考えるだけじゃなくて…もしなんとかしてくれるなら…『かぷかぷ』の『びりびり』よ?)
かぷかぷの。びりびり。
「キュ!?キュー!キュー!」
リュックの中でルナが抗議しているようだが既に言葉は届いていない
「か、かぷかぷの…」
(びりびり、ね?)
「・・・・・」
私はリュックを置き、フラフラと『かぷかぷ』の『びりびり』を求めて前へ──
「これはネコート殿、お久しぶりです」
「ココット村長殿もお元気そうで何より。ところでレイルという男はこの村に来ているだろうか?」
「くるる…?」
(あれ…あのアイルー、レインがいってたコートのアイルー…?)
ほぼ同時刻、透明になってこっそり村を散歩していたオオナズチことナズ子。
(レインをさがしてるみたいだ、レインにおしえてあげなきゃ)
ピシャァァン!!!
「クルーッ!?」
「ッ!?何事だ!!」
真っ赤な雷がすぐ近くに落ちたらしく、なんなら地面も少し揺れた
(びっくりした!びっくりした!びっくりした!)
びっくりしすぎてちび化がとけちゃった!擬態は…だ、だいじょうぶだよね?たぶん
「落雷…?こんな青空で…???」
「失礼、村長は村の者を頼む。私は様子を見てくる」
早歩きのネコートや村民とぶつからないよう、慎重に身をかわしてココット農場と書かれた看板の方へ。
またおちない保証はないし…すこしかくれよう
「このあたりか?…む、レイル殿!?」
「──ああ、ネコートか。」
現場に駆け付けるとそこには粉々になった何かの台座と思しき残骸と、倒れて動かない白いドレスの少女。そして見知った顔の仕事人の身体からは蒸気と火花のような何かがパチパチと漏れ出ている
「大丈夫かレイル殿…まさか今の雷を?」
「…まぁ、そんなところだ。
今の俺には触らない方がいい、感電したいというのなら別だがな」
「………遠慮しておこう」
今の紅雷、あきらかに自然のものではない。塔で彼に落ちた物と同質の物か?なぜ今になって…
「む、ところでこちらの少女は?」
「余波を食らっただけで直撃はしてない、いずれ目を覚ます
それよりも少し休ませてもらうぞ、アンタがここにいるということは次の場所が決まったということらしいが流石に雷に打たれてすぐ動けるほど頑丈じゃ無い」
「それはいいが…」
リュックと倒れた少女を担いでそのまま彼は行ってしまった
「レイル、ますます君のことが分からなくなってきたな…」
粉々に粉砕された台座とヒーローブレイドを見ながら、唯一形の残っている盾を拾い上げてアイルーは呟いた
〜
で、実際はというと
マイハウスにて…
「やっっっば、めっちゃ興奮した」
「レイン、今のあなたものすごく気持ち悪いわ」
結局レインが考えた『異常気象!?謎の紅雷が祠を破壊して何が何だか分からなくなっちゃった作戦!』のおかげで壊れたヒーローブレイドはさらに粉々になり一件落着したのだが…
「ねぇ今のもういっか「しばらく近寄らないでね」
鼻先を祖龍パワーで押し返してベッドに叩き込む
…あなたのことを理解してるつもりだったけどさっきのは知らない
「クキュキュ?」
(あの、リュックの中からじゃ何をしてるのか見えなかったのですが何を?)
「彼女、私の舌に抱きついてきたのよ。甘噛みされながら。」
「ギュ」
(え")
びっくりして口の中で放電しちゃったし、彼女は彼女で『気持ちよかった』って言ってるし、はぁ…
「変態ね…」
「失礼な、私は変態じゃない。ただちょっと度が強いケモナーなだけよ
電撃だって痛いから嫌いだし。」
………
「──さっきの『かぷかぷびりびり』だけど「やる!?やるの!?ねぇやるの!?かぷかぷびりびり♪ぺろぺろちゃぱちゃぱ♪ブーブーブー♪」
「もう黙ってなさいホント…」
人類の未来のために彼女はここで今度こそ殺すべきじゃ無いかしら
(何を考えてるのか大体分かりますがやめてください、僕だけのご主人さまなんですから)
「あなたも変わり者よね、ルナ?なんだか疲れちゃったわ」
私も少し休んで「おい聞いたか?ココット農場にモンスターが出たらしい!」
…外が騒がしい気がするが気にしている余力はもう無い、そう割り切って床に寝そべるが──
「どんな奴だ?」
「全身紫色でバカでかいトカゲだかイモリみたいな奴だ!」
え"、それって
「ナ・ズ・子・ちゃあーん!今行くnげぶっ」
「キューキュー」
(ご主人さまは休んで!落雷を受けたんですから休まなきゃだめです!)
「もが!分かったから顔面から降りて!あ、降りないで!乗っかってると幸せで私が死ぬからそのままでいて!」
(はい!…あれ、えーと?あれ???)
「どうせ死なないからそのまましがみついときなさい、私はオオナズチを連れてくるわ」
はぁ、胃が痛いわね
子供タマミツネの泡まみれの身体に巻きつかれ全身あわあわで逃がしてもらえないシチュを想像してムフフとなっている作者のルルザムートですハイ。
上で書いた通り気が向いたので。ヒーローブレイドはね、強化すればね、マスターブレイドにすれば確かに強いのよ。もうオンができない初代では最強格の片手剣だしMHPでも煌竜剣ってバケモノ除けば村最強の片手剣だし
ただね、ダサい(※あくまで個人の意見です)
なんかねーRPGを彷彿とさせるデザインでモンハンっぽくないんだよね、強化に手間がかからなかったとしてもポイズンタバルジンとかイフリートマロウとか封龍剣【絶一門】とか片手剣に限定しても強くてクソカッコいいのばっかりなのによりによって物理最強格がコレって…
当時片手剣は頭のおかしい物理補正(1.5倍だっけ?)が入ってたから属性よりも物理重視だったのも悪い。おじいちゃんには悪いけどね、こんなもん刺しとくくらいなら煌竜剣刺しといて『天と地の怒り』クリアしたら抜けるようにしとけば完璧だったんじゃないかとアタイ思ってるワ
…っと、失礼しました。次回更新の予定は超⭐︎未定!気が向いたら書きます