【転生したらスライムだった件】世界を旅する、貴方を見守る   作:すっぱい調味料

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12話:何度目かの名付け、ドワーフの王

そして次の日の早朝。早速、会議が始まった。リムルを抱えるシオンの隣に座り他の出席者が集まるのを待つ。みなそれぞれ思うことがあるだろうがリムルはどう話を収めるつもりだろうか。

リムルが(スライムの姿だが)緊張した顔つきで話し始める。最初に、オークを罪に問う気はないことを話し始めた。オークがなぜ今回の武力蜂起をするに至ったのかをおそらくゲルドの記憶から知ったのであろうことからすべてを話した。彼らには賠償できるだけの蓄えがないということも。そしてリムルはこれらは全て建前なのだと、オークの罪はリムルがすべて引き受けたのだと、そう言った。また私には相談せずに。いつもリムルはそうだ。また私に相談もせずに引き受けている。これは怒るべきなのではないだろうか。そしてその発言に意見したのはオーク側の代表だった。

「お、お待ちいただきたい!いくらなんでもそれは道理が・・・」

「それが魔王ゲルドとの約束だ」

その言葉にみな何も言えなくなる。そしてベニマルの一言で一気に話が進む。そしてリムルはリザードマンの長からのオークを全てこの森で引き受けるのかという質問にまさかの回答をした。森に住む各種族間で大同盟を結びたい。そしてオークたちには各地に散ってもらって食住を提供するかわりに労働力を提供してもらいたいのだと。そして最終的には多種族共生国家を作りたいと。

それは魔物にとっては今まで考えつかぬことだったはずだ。魔物の世界は弱肉強食。誰かの配下に加わることはあれども同盟という形で共生する、というのは弱気を助けるという考えがなければ思いつかないことだ。これは、リムルが人間だから思いつくことだろう。シオンからリムルを受け取りみなが跪く様を眺める。

そしてトレイニーの宣誓のもとこの場にリムルを盟主とした''ジュラの森大同盟''は成立したのだった。そしてトレイニーとともに私もリムルの前に跪く。

その時のリムルの冷や汗と言うか焦りようはあまりにもかわいいものだった。なんで!?なんていわれたがリムルが盟主で私は同格だけど庇護されてる側だからね。なんて言うとリムルは諦めてくれた。

 

 

その後も少し続いた会議の結果、リムルはまた名付けをすることになった。総勢15万人の。今回の名付けは今までと違うものなのでそこまで心配はしていない。それでも何かあったらを考えて隣で名付けの様子を見てはいるが。それにしても今回の名付けはなかなかに適当なような。まあ15万人もの名付けだから仕方ないか。もう10日も経っているし。座っているだけだがなかなかに厳しかった。

そしていよいよ最後も大詰めというときにゲルドの側近だった子を名と意思を継げということでゲルドと付けたのだけどその瞬間いまたいつもの低位活動状態(スリープモード)になってしまった。今回はリムルも分かっていたようだ。心配しなように言付けリムルが起きるまでいつも通り過ごすことにした。

 

そしてオーク騒動から3ヶ月。技術力の大幅に進化したこの町でゆったりと過ごしていた。今までの暮らしが嘘のようにゆっくりとした時間で過ごしていける。発展途上だった町も住む者たちも増えそれに比例して家も増え今や1万を超える魔物たちが暮らす一つの都市ともいえる場所へとなったのだった。

そしてこの3ヶ月のうちにはガビルやその配下、それと親衛隊長だった子(今はリムルによりソーカと名付けられた)が更にリムルの配下へと加わることになった。

さてそんなこんなもありながらリムルと共に新居で寛いでいたのだがいきなりドワルゴンの王が天翔騎士団(ペガサスナイツ)を率いてこの地へと降り立った。

カイジンの何用で訪れたのか、という問いにそこのスライムの本性を見極めてやろうと思ってなと答えたガゼルに鬼人たちの殺意が膨れ上がる。確かに本性を見極めるなどと言ってこうも武装状態で騎士団を引き連れているのだ。敵意ありと判断されても仕方ないだろう。それでもさすがにこちらから手を出されると困るので横目に奇人たちを見る。ひぇ、普段笑わないソウエイが笑っている。陰湿な雰囲気を纏うソウエイが少し恐ろしい。が、さすがに目の届くところでは何もしなさそうなので見なかったことにする。ベニマルもなかなかに恐ろしい、まさしく''鬼''の形相をしているが、大丈夫、だよな?リムルも不穏な気配を察したのかこの場の緊迫した雰囲気を和らげるためにガゼルへと話し初めた。

「今は裁判中でもないし、こちらから話しかけてもいいんだよな?」

「当然だ」

リムルの発言に後ろの騎士団の1人であろう黒い鎧をまとったドワーフが背中に刺した剣へと手をかけるがおそらく団長らしきドワーフによって止められる。さすがにこちらもはっきりと敵意を出されたら警戒せざるを得ないのでその判断は正しいだろう。というか、ドワルゴンの王は一スライムの裁判にも顔を出すのか。なかなかに忙しのでは?

「まず名乗ろうか。俺の名はリムル。スライムなのはその通りだが見下すのはやめてもらおう」

リムルの姿がスライムの姿から人の姿へと少しずつ移り変わっていく。その様子に後ろに下がっていた騎士団の子たちも驚いているようだった。たしかにそうだろうな。擬態ができるスライムなんて普通に考えてありえないのだから。

「これでも一応ジュラの森大同盟の盟主なんでな。これが本性って訳でもないんだがこっちの方が話しやすいだろ?」

人へと姿を変えたリムルに驚いたようにガゼルは息をつく。

「ほう・・・人の姿で剣を使うのか」

「そんなに警戒しないでほしいんだけどな」

「それを判断するのは俺だ」

その言葉とともに剣を抜きリムルへと向けるガゼル。その動作に一気に私達も警戒態勢へと入る。

「貴様を見極めるのに言葉など不要。この剣一本で十分だ。この森の盟主などという法螺吹きには分というものを教えてやらねばなるまいしな」

さらにソウエイとベニマルの殺気が高まる。ゴゴゴゴゴなんて音を出していそうな雰囲気の2人を横目に見ているとまたいつかのように一枚の葉が舞い降りてドライアドの姿を形作る。

「我らが森の盟主に対し傲岸不遜ですよ。ドワーフ王」

おそらく私達の話を聞いていたのであろうトレイニーが他にも2人のドライアドを引き連れて現れた。突然のドライアドの登場に驚いた様子の向こう側だったがガゼルもリムルが森の盟主だと信じてくれたようだ。それにしてもどこの子でもドライアドが現れたらざわざわするね。それにしても流石にドライアドが来たことには驚いたようで顔に手を当て笑い出すガゼル。

「ふはっふはははは。森の管理者がいうのであれば真実なのであろう。法螺吹き呼ばわりは謝罪するぞリムルよ。だが、貴様の人となりを知るのは別の話。獲物を抜けい!」

その言葉に怒り魔力を込め始めるトレイニーとそれを抑えるリムル。リムルは愛されているな、みんなに。

「まだ無礼を重ねると・・・」

「いいよ、トレイニーさん。俺が無害で愛らしいスライムだってことは(こいつ)で証明するしかなさそうだ」

そういい腰にさしていた剣を抜き構えるリムルに私達も少し後ろに離れる。そしてトレイニーが立会人に立候補しついに試合が始まった。

リムルから仕掛けるがきれいに受け止められ弾かれたように離れる。そしてまたリムルが更に仕掛けていく。が、やはり受け流される。

心配そうなシュナとリムルの勝利を革新しているシオン、そして2人の勝負を真剣な目で見るカイジン。カイジンはドワルゴン出身だったはずだからガゼルのことも詳しく知っているのだろう。

しかしリムルはハクロウとの訓練の時のように汗をかき真剣に、そして焦ったように剣で斬りかかり続ける。

ガゼルは先程から一歩も動かずにリムルの剣を受け流し続けている。リムルはスキルは使っていないようだがそれにしてもガゼルの剣技は素晴らしいものだ。

「どうした?そんなものか?」

「うるさい!まだ本気出していないだけだ」

焦ったように斬りかかるリムルにガゼルは『英雄覇気』を発動する。さすがのリムルでも『英雄覇気』は効くようだな。ここまでか、とリムルにとどめを刺そうとするガゼル。どうしたものかとリムルに注目する。無理そうならここでリムルは嫌がるかもしれないが手を出して逃亡するが・・・?

「う・・・」

「う?」

リムルは何を?

「うおおおあああっ!!!!!」

リムルが叫んだ瞬間、リムルに纏わりついていたガゼルの『英雄覇気』が解けるのを感じた。

「・・・解けたぞ」

そしてリムルはまた刀を構える。リムルは、本当に規格外だな・・・・

「・・・そうこなくてはな。では次はこちらからだ」

その言葉とともに不敵にガゼルはリムルの目の前から消える。これは、たしか、ハクロウとリムルの最初の戦いのときに見た。。。。

目には見えない動きでリムルに斬りかかる。それをリムルは避けそして次の瞬間には上から振り下ろされた剣を刀で受け止めているリムルがいた。

それに驚いたように目を見開き笑い出すガゼル。そして彼は降参を宣言した。リムルのことを邪悪な存在ではないと判断したようだ。その言葉にトレイニーがリムルの勝利を宣言し私達もとてもわッと声が上がる。

一気にリムルに駆け寄るシオンとシュナの2人と共に私もリムルの共に向かうと聞き慣れた笑い声が聞こえた。

「ほっほっほっ。お見事でしたなリムル様」

その声にリムルと私の声が揃う。

「「ハクロウ」」

森の中から現れたのはハクロウとゴブタだった。

「ですが打ち込みの方はまだまだ。明日からもっと厳しくせんとなりませんな」

その言葉にうへぇとリムルが声を出す。見てるだけでも厳しそうだからな。やってる側はきついだろう。

「失礼ですが剣鬼殿ではありませんか?」

「・・・先ほどの剣気、如何なる猛者かと思ってみれば随分と成長なされた」

その言葉に私もリムルも2人の顔を交互に見てしまう。まさかとは思っていたがハクロウがガゼルの師匠、なのか?

少しハクロウと話したかと思うとリムルの背中をズバンとたたき町を案内してくれと頼むガゼルに少しムッ、とする。というか先ほどと全然雰囲気が違うな。これが素なのかもな。

「上空から見たかぎりじゃ美しい街並みだったぞ?美味い酒くらいあるのだろう?」

「・・・まぁあるけど」

やはりガゼルの柔らかな雰囲気に違和感を抱いたのか軽くないか?なんてガゼルと話をしだすリムル。

しかしドワルゴンの王はなぜリムルが森の盟主になったと知っていたのだ?まさか、リムルのことを探らせていたのか?

そんな疑問を抱きながら私達はガゼル一行を町へと迎えたのだった。




ステラは基本誰にでも呼び捨てで呼びます。上位存在ですから。
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