【転生したらスライムだった件】世界を旅する、貴方を見守る   作:すっぱい調味料

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お久しぶりです。文章の書き方がだいぶ変わりました。読みやすくなったでしょうか?
感想などを頂けると励みになります。


13話ガゼルとの同盟、ジュラ・テンペスト連邦国の樹立

「魔物の危険度?」

「そうだ。大まかな区分だがな」

そう言いガゼルは魔物の危険度についてリムルに説明していく。リムルはほへーなんて声が出そうな感じで聞いているけど一国の王相手にそんな感じでいいのだろうか。

こう、威厳がないというかなんというか。まあそれは今に始まったことじゃないか。

この際だ。私も一度魔物について知っていることを整理しよう。

 

【魔物】とは一般動物以外の人間に敵対する種族の総称である。そのうち知性が高い種族を【魔族】、強力な力を有する人型の魔物を【魔人】と分類されている。

私とリムルはこの【魔人】という括りに入るわけだ。そして、ゲルミュッドもこの括りに入るわけだが、まぁ魔人と一括りでも差はあるので特別奴が弱いわけではない、、はず。

(あの程度で上位と言われると何ともいえない気持ちになるが"私"の知識はどうしても魔王クラスに偏っているのであまり考えないことにする。)

そしてここは私も初耳だったのだが【魔物】はその危険度に応じて自由組合(ギルド)というものによりランク付けされているらしい。

上から特S災禍級(ディザスター)、S災厄級(カラミティ)、特A災害級(ハザード)、A~Fといった感じだそうだ。

聞いただけで大体の脅威度が図れるのは良いことであると思いながら私もガゼルの話に耳を傾ける。

そういえば、といった感じでリムルが口を開く。

「魔王はどこに区分されるんだ?」

「魔王ならば災禍級(ディザスター)だな。怒れる魔王など災禍そのものだ。うっかり出会っても手を出すなよ」

助けてやらんぞと真剣な眼差しで言うガゼルに笑いながらリムルは出さないって、と軽口を叩くがそこにはきっとシズの仇以外は、という言葉が後ろにつくだろう。

私もあまり干渉はするつもりはないが頼まれたのだからしっかり約束は守るつもりである。

だがちゃんと席を守り続けている魔王はそれはもう力はあるし知識もあるのでその分のバックアップは任せてもらおう。リムルには人間としての意識が強いから力はあれど戦うということがまだ下手なのである。優しさとは時に己が身を滅ぼす、そのことに大切なものを失う前に気づいてくれれば良いのだが。

 

くすくすと皆が笑いを漏らしながら夜は耽っていく。

楽しく食事をしているとガゼルはまた真剣な表情になりリムルを見る。その変わった様子にリムルは気づいていない。だいたい何の話がしたいのかは予測できてはいるがリムルにはあまり王としての自覚がないから不安である。いや、大賢者がいるから大丈夫、かな?

「リムルよ、俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

やはりその話か。そうだとは思ったが何より驚いたのはその言葉を聞いたリムルの顔だ。目を白黒させるなんてものではない表情をしている。

「「何を言ってんだこのオッサン」みたいな顔をするんじゃない。ステラも「嘘だろおまえ?」みたいな顔をお前に向けているぞ」

「本当に、そう。頭悪いわけでは、無いのに、どこか抜けてる。リムルは、いつも、そう。」

その言葉に多少は真面目に話を聞く気になったのかリムルも少し姿勢を正す。

「この町は素晴らしい造りをしていた。ここはいずれ交易路の中心都市となるだろう。———後ろ盾となる国があれば便利だぞ?」

このガゼルという王は良いことを言うではないか!そうだこの町はとても素晴らしいのだ。リムルが統制した魔物たちが協力し皆で素晴らしい街を作っている。料理も道も家も人材も、全てが(すべか)らく素晴らしいのだ!

ガゼルの言葉に冷や汗をかきながらリムルは続ける。

「それは俺達を・・・魔物の集団を国として認めるということだぞ?」

その言葉に、にやりと笑みを浮かべるガゼル。

「無論だ、これは王として言っておる。当然だが善意の言葉ではない。双方の国に利のある話だ。」

「ホントにぃー?俺騙されてない?」

「ふははははっ!

恩師や樹妖精(ドライアド)を前にその主を謀ろうなどせん。条件はとりあえず二つだ。

一つ、国家の危機に際しての相互協力。

一つ、相互技術提供の確約。

なに、答えは急がずともよい。よく考えるが良い」

「・・・いや。この話喜んで受けたいと思う。」

その言葉に少し私は驚いた。いや、別にリムルがこの提案に乗ると思わなかった訳ではなくここまで即答すると思っていなかったってだけだ。

もう少し悩むのではないかと、これは悪い意味ではなく良い意味での即答であるとは思う。

「王者に相応しき決断力だ、さすがは俺の弟弟子よ!」

楽しそうなガゼルに背中をバシバシと叩かれているリムル。これが男の友情というものだろうか?なんか違うとまたリムルに言われそうな気がする。

 

「で、お前たちの国の名はなんというのだ?」

その言葉に私達の動きは固まった。考えたこともなかったからだ。

国としてこのジュラの森大同盟を認めさせるのに何年かかることかと思っていた段階で、ここまで早く協力してくれる国が現れるなど予測できるだろうか。いや、できるはずがない。

たぶん、様々な偶然が重なってここまで上手くトントン拍子で最速で物事が進んでいるのだ。

「おいあんまり俺を持ち上げるんじゃない。ここには森の管理者だってい———「いいと思います。リムル陛下」」

この町で、これからできるこの国で、王としての資格を持つのは魔王種にまで至ったゲルドを倒し、多くの種族を庇護し纏めているリムルだけであろう。

ちらっとリムルは助けてくれと言わんばかりの表情でこちらを見てくるが全力で首を左右に振る。私にできることはない!

全力でリムルを王に持ち上げる私達を見てガゼルも諦めろとリムルへ伝える。

それにしてもガゼルも酷い男だ。明日の朝までに国名を考えておけと言うくせに今夜は酒に付き合えなどと。まぁ、たまには無茶振りしてもいいだろう。うん、存分に悩み給え。

 

翌日。朝方まで続いた宴会は流石に解散となった。

少し私も飲みすぎた気がするがあの日手に入れた毒耐性の影響で酔うことはない。酒は百薬の長というが耐性的には毒判定のようだ。面白い。

面白いといえばガゼルの部下たちに面白い話を聞いた。

もしもあの同盟を蹴っていたら討伐対象として災禍級(ディザスター)のランクを受けていたそうだ。まあどう話が転ぼうともリムルが同盟を蹴ることは無かっただろうしその"もしも"はもう過ぎた話なのだからそこはどうでもいい。

それともう一つ。魔物の最上級の区分、災禍級(ディザスター)の上にはもう一つ階級があるらしい。

天災級(カタストロフ)と呼ばれるその階級は文字通りの天災。世界を崩壊させることのできるレベルの力を持つ存在。私達のよく知る暴風竜ヴェルドラや一部の魔王が該当するそうだが現実的ではなく省略されることが多いらしい。

まぁ、あのレベルの子たちだって基本無闇矢鱈に力を見せることはないから妥当といえば妥当だろう。

 

そんな朝の出来事を思い返しながら着せ替え人形にされているリムルをニヤニヤと見つめる。この後に行われる調印の儀式に相応しい格好にリムルは着替えさせられているのだ。

「あのー、ステラさん?ニヤニヤしてないで助けてくれませんか?」

「しっかり、した、服を着るのは、大切よ?がんばっ、て」

「いやそれは分かってるけどね?!一緒に参加するんだしステラも一緒にさ?ほら!」

どうにか自分の周りでワイワイとしてる子達の人数を減らしたいのかあの手この手で提案してくるリムル。そこで私はリムルにとって驚愕の事実を叩きつける。

「私の、服は、もう、決まってるの。残念、でしたー!」

「えええ!早くない?!なんで!?」

「昨日のうちに先に決めておいたんですよリムル様。」

「そうです!あとはリムル様だけなんです。あ~どのお召し物もよくお似合いで悩んでしまう。。。」

その様子をくすくす笑いながら眺める。流石に私も着替えなければ行けない時間だろうか。

いい感じにシュナが意見を纏めてくれているみたいだし、と少し部屋を抜け着替える。

 

個人的には私的な理由でこの調印の儀式には出たくはないのだがリムルと同格であることが決め手となって半強制的に出席することになってしまったのだ。いや、リムルの成す全てを見守るのが私の使命なので嬉しくはあるのだが、なんて誰に届くでもない弁明を呟く。

さて、話は変わって。今回の私の服はローブモンタントと言われる服である。リムルの元いた世界では昼の時間帯での格式高いドレスだそうで、全体的な露出はほとんど無く落ち着いた印象のものを皆で選んだのだ。

正確に言うと出たくない私が最終的にシュナに折れて出した折衷案がドレスは自分で決めるという条件で選んだのだが。なぜそんな条件を出したのか?当たり前だろう。現在のリムルと同じ状況になることが目に見えていたからだ。

さらばだリムル。元気でやれよ。なんて思いながら準備を終わらせる。

すべての準備が終わる頃にはリムルの服決めも終わっており、普段サラリと流されている髪は一つにまとめられ、前髪もぴしっと整えられていた。

「いつも、より、威厳が、あるね。馬子にも、衣装、ってやつ?」

「それ褒め言葉じゃないよ?!ステラはいつも微妙に言葉選び間違ってるよね!?まぁいいけど。。でもそういうステラさんもいつにも増して美人っていうか、なんか、女の人!って感じだね?」

「そう?ドレス、だから、かな?あんまり、こういう服、普段、着ない、から」

「身長おっきいし、あんまりむ、、、いや、やめとく。なんか寒気が、、、、」

「?」

この素体は"彼"の身体を模している。女という感じが普段しないのはそれが理由だろう(声は普段使っているのを流用しているのだが。)だから私の見た目を褒めるというのは"彼"を褒めることと同義である。つまりは、嬉しい。

リムルの褒め言葉にるんるんとした気持ちで足取り軽くベニマルたちと合流する。

 

「ではこれよりドワルゴンとジュラ・テンペスト連邦国における協定の証として両国の代表による調印を行います」

シュナの掛け声により調印の儀は始まった。

しかしここから特筆する点は特に無い。なぜなら私は見ていただけだからだ。まぁ私にとってはそれがいちばん大切なのだが。

強いて言うなら魔法により盟約が公開された瞬間の驚いた顔のリムルが可愛かった、という点だろうか?しかしリムルは普段から可愛いから当たり前のような気がしてしまう。

見守ることこと我が使命。ここからは彼が作っていく国の歴史を見守ることにしよう。と一人決意する。彼だけでなく、彼が作る国を、民を、歴史を、文化を。きっとそれは"私"にとって大切なものになるだろうだから。

 

 

 

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