【転生したらスライムだった件】世界を旅する、貴方を見守る 作:すっぱい調味料
リムルがシズを捕食したことによって人間に擬態を得た。擬態、いや人化したリムルにあったエレンたちはシズの仲間になれて楽しかった、ちょっと危なっかしいけど、という言葉にしんみりした雰囲気から一転、わいわいとシズとの冒険であったことのを話していた。話していたというよりドジを押し付け合っていたような。そんな話をリムルと苦笑しつつ聞くが少しシズに頼り過ぎではないだろうか。
最後に彼らは人化したリムルにシズへの感謝の言葉を涙ながらに告げて帰っていった。彼らにとってもシズにとってもきっと最高の旅になっただろうと、そう感じた。
「よし、ステラ!今から俺はこの体の確認作業をするから一人にしてくれ!!」
「?別に、いいけど、」
だいたい、リムルがこういうことを言うときは何かしら悪いことを考えている時だとなんとなく予想がつく。まあ私も少しやりたいことがあるからいいけど。そんなこんなでここでリムルと私は離れることになった。
私のやりたいこととはヴェルドラが隔離されている空間への干渉だった。『見守人』が言ったように干渉は可能というだけで干渉しようとするとなかなかに厳しい。正確に言うと解析をすれば可能、というのが『見守人』の言い分だ。つまり、リムルの持つ異空間を解析しなければならないのだ。これがなかなかに難しい。遠くから接触していないものを解析するというのはなかなかに、というよりありえないほど難しいのだ。
よく考えてほしいのだが、ユニークスキル『賢者』や『賢人』などの権能である「森羅万象」の持つ力はこの世界の、
私はここ最近リムルを抱えあげ
次に大切な物がある。それは私の持つユニークスキル『見守人』の持つ【凝望】という力である。これはマーキングした人物をたとえどんな場所にいようと同じ空間にいるのなら俯瞰して見る事ができるという能力で、リムルには言っていないがなかなかに非人道的というかなんというかなモノだ。まあ、見るだけで直接何かをしたりということが出来ないし、同じ空間というのがネックで冥界や異界や異空間に目当ての人物がいる場合、冥界なら冥界、異界なら異界、異空間なら同じ異空間にいなくては見ることが出来ない。これがなかなかに辛くてヴェルドラを見守ることが出来なかった。が、魂の回廊を少しとはいえ解析できたことによってこの【凝望】を使って離れていても見えていれば解析ができるようになったのだ!!そう、これでリムルに接触していなくてもリムルの異空間を解析できる!!あ、リムルのことを覗き見するつもりはない。流石に1人にしてと言われたのだからそこを覗き見などヘンタイの所業だろう。
ふふふ、これならいつの日かヴェルドラと話すことが出来る日が来るだろうし、『無限牢獄』の解除にも貢献できるかもしれない。もっとこの肉の身体が強くなれば、あるいは精神生命体にまで進化できれば『見守人』が持つ中でも最強の権能である
ふふふ、さてさて、解析しようではないか!!ヴェルドラとの会話を目指して!!
エレンたちとの別れから数日。リムルは人化を確認できたようだがなぜか少し落ち込んでいた。俺の、俺の二世が、、、と言っていたのだが二世とは?まああまり気にすることではないようだ。
そして今日もリムルと私は別行動をしている。リムルは今まで得たスキルの実験をしたいと思っていたようで今日は新しく獲得した分身体で実験してみる予定らしい。少しリムルを「凝望」で覗いて見ていたのだがイフリートの持つスキルはなかなかに高威力だったようだ。
私は、というとガルムたちなんかのところで裁縫を習っていた。私は知っていることは多いのだがやったことがあるものは少ないので村のみんなに無理を言っていろいろと手伝っていたのだ。意外とこのコツコツと自分の手で作品が作り上げられていく様子、というものは楽しくハルナたちとお喋りを楽しみながらリムルの洋服なんかを作っていった。
ハルナたちとともにリムルを着せ替え人形にした翌日、私はリムルとともに洞窟に来ていた。結界の実験がしたいらしいのだが、昨日の威力を知っている身としてはなかなかに恐ろしい。リムルが言うには「ちゃんと分身体で問題ないこと確認したから!!!!」とのこと。見ていたから知ってはいるが、、、、それでも恐ろしいものは恐ろしい。そしてリムルと共に各種スキルの確認と各種スキルの統合が始まった。リムルのユニークスキル『大賢者』の声を私も聞こえるように一時的にしてもらったのだが、だいぶおかしいことをしていた。いかに演算特化のスキルといってもスキルを獲得、進化させることが出来るスキルなんて聞いたことも見たこともなかった。そうなかったのだが、もうこれは頭を抱えるしか無いだろう。最初のうちにリムルのスキル獲得に関する解析を切っておいてよかったと心の底から思う。それに世界の言葉を流用するだと?世界の言葉へ打診をできるだなんて普通のスキルではない。『大賢者』とは本当に何なんだろうか私ですら理解が出来ないスキルだ。
そんなこんなでリムル、というよりリムルのスキルに恐怖しつつ私達は洞窟をあとにした。
「完全に、リムルのこと、超絶美少女に、しか見えない」
「俺、仮面付けてるんだけど??」
「ん、オーラが」
なんて軽口をたたき合いながら外へ出る。
(リムル様!ステラ様!)
今の声は。『大賢者』と『見守人』が同時に伝えてくる。
《個体名ランガからの思念伝達。声音から救援要請と推測──》
《警告。襲撃を認識。
リムルとともに示し合わせたかのように走り出す。かけつけるとゴブタが斬りかかられたところだった。傷は浅いようだが痛いものは痛いのだろうゴブタが叫ぶ。叫ぶゴブタにリムルが回復薬を頭からかける。見たところによると倒れている者たちは魔法で眠らされているだけのようだが昏睡魔法を使うとはなかなか強力だ。上位種族である
さて、どう退けようか。リムルはいつもどおり対話を選ぶようだが明らかにリムルを見てから殺意が上がった彼らが対話してくれるだろうか。
「おいお前ら!事情は知らんがウチのヤツ等が失礼したな。話し合いに応じる気はあるか!?」
桃色の髪のオーガの少女が赤髪の大柄なオーガに耳打ちをする。おそらく昏睡魔法を使ったのは彼女だろうな。見た所、あの白髪のオーガが一番強いのだろうが装備的に赤髪のオーガが立場は一番上なのだろう。さて、対話は
「正体を表せ邪悪な魔人共め」
は?
「お、おいおいちょっと待て!俺達がなんだって!?」
「魔物を使役するなど普通の人間にできる芸当ではあるまい」
それはそうだが、、、。あ、リムルの仮面で妖気が抑えられて力量差がわからないのか。魔物の世界は基本的に妖気で力量が分かるものだからな。。
赤髪のオーガが自信満々といった様子で続ける。
「見た目を偽り
リムルが落ち込んだようにそんな、、、と呟く。
「ふん、答えを聞くまでもない。貴様の正体は全てその仮面が物語っている」
仮面?これはシズの形見なのだ。それにシズは優しかった。シズが特に理由もなくオーガを襲うような事があるのだろうか。やはり、なにか勘違いしているのでは。
リムルも同じ考えに至ったようで慌てて弁明する。
「待ってくれ、何か勘違いしてないか?これはある
「同胞の無念その億分の一でも貴様らの首で贖ってもらおう」
しかし、ここまで言われるのは私としても少し気に食わない。勘違いで襲われるなど許されたことではないのだ。
「対話を、持ちかけていると、いうのに、戦うと?」
わざとらしくフッと鼻で笑い上から目線で私も続ける。
「知恵、というものが、ないの?」
憐れね、と吐き捨てる。私のその言葉にオーガ全体が殺気立つのを感じる。
「ちょ、ステラ!?なんで怒らせた!?」
「どっちにしろ、戦うの、でしょう。なら、本気のほうが、いいわ」
私だって、ただこの数日、いや洞窟にいたときからリムルに頼ってばかりだった訳では無い。私だって研鑽していたのだ。腹をくくったような顔をしたリムルがランガに問う。
「ランガ、魔法を使うのはどいつだ?」
「はッ。巫女姫と呼ばれた桃髪の女です」
「ではステラと一緒に彼女の牽制を頼む。残りは俺がやる」
「それではリムル様が5人を相手取ることに・・・・」
「問題、ないわ」
「問題ない」
リムルと私の声が同時に響く。
「「負ける気がしない」」
リムルは相変わらず、私が弱いと思っているのだろうか。できれば私にもオーガの1人や2人任せてほしいものだ。それくらい問題ないというのに。
強がりかそれとも自信があるのか赤髪のオーガが怒りをにじませた声で語る。
「・・・真勇か蛮勇か。その度胸に敬意を払い、挑発に乗ってやろう」
後悔するなよ。という相手の声ととも巫女姫と呼ばれたオーガのもとに走り出した。
任された仕事は牽制なのでそこまで攻撃は仕掛けないようにする。ランガには相手が逃げないように警戒をと言付け、相手が仕掛けた魔法を威力がまったく同じな魔法をぶつけ相殺する。こうなると技量の差が問題になってくる。仕掛けてきた魔法の威力なんかを解析する解析力。そしてすぐに解析した魔法と同じ威力スピードの魔法を瞬時に放つ瞬発力。彼女も私との力量差はすぐに分かったようだ。それでも仕掛けてくるその胆力、敬意を表するのに値するだろう。
「ッ!
「
ふむ。技の威力も出す速さも申し分は無い。しかし、巫女姫と言っていた通りオーガの一族ではあれどあまり表立って戦う技術を収めてはいないのだろうな。さて、と一息つき動きを止める。いきなり立ち止まった私を不審に思ったのか直ぐに魔法を発動できるよう身構えながら彼女も動きを止めた。
「そろそろ、向こうも、終わるかな」
「何を・・・?」
「みて、あれ」
リムルの方を指差す。リムルが左腕に『黒炎』を巻き付かせていた。それを見た巫女姫は驚愕の声を上げる。
「ああ・・・あれは・・あの炎は周囲の魔素を利用した妖術ではありませぬ!あの炎を形作っているのは純粋にあの者の力のみ、炎の大きさがそのままあの者の力──!!」
「そう、リムルは、強い。私達は、
これで、分かってくれた?なんて聞くと、流石に考え直してくれたみたいだ。リムルの出した『黒炎』を見てもなお立ち向かおうとと考える赤髪のオーガと白髪のオーガの2人。誇り高い長としては正しいだろうができれば仲間は増やしておきたいので死んでほしくない、というのが私の考え。ここは巫女姫に説得を頼もうか。
「説得、してほしい。戦うのは、本意ではない。それに、無駄に、命は、散らさないほうが、いい」
その言葉に覚悟を決めたらしく、ありがとうございますと言ってリムルの方に駆けていった。
「ランガ、リムルの方に、行こうか」
「はッ!」
まだランガは警戒しているみたいだけど、あとはリムルと巫女姫がなんとかしてくれるだろう。なんて思いながらリムルの後ろに控えていると、リムルが巻き付けていた『黒炎』を捕食したのだが、オーガもだいぶ引いているような・・・?多少警戒した様子の若と呼ばれていたオーガが私達に問う。
「結局何者なんだ、お前たちは?」
「私、元人間の、人魔族」
「俺はただのスライムだよ。スライムのリムル」
リムルのスライムだと言う発言に訝しんだオーガの若。それはそうだ。こんなスライムがいるものかという気持ちは分かる。しかしそんな視線もスライムに戻ったリムルの姿を見ると驚愕のものに変わった。オーガの若と巫女姫がリムルの仮面を確認している間に他のオーガたちに回復薬を配って、いや叩きつけて?いく。流石にリムルの粘糸は私ではほどけないのでリムルに外してもらったが。
「───申し訳ない。こちらの勘違いだった。どうか謝罪を受け入れてほしい」
「うむ。苦しゅうない」
「みんな、生きている。とりあえず、問題は、ない」
ちゃんと謝れるのはいいことよとオーガの若が下げた頭を撫でておく。しかし、オークがオーガの村を滅ぼした。か、いや目の前の6人がいるから滅んではいないのだが、それでもオークがオーガに勝てるだろうか。もしや、、、いや、あり得るのか?
「ステラさーん?今まで敵だったんですけど・・・」
「?褒めて、伸ばす。それが大事だと、昔聞いた」
「あ、はい」
固まっているオーガの若はおいておいてゴブリンの子たちの昏睡の魔法を解いていく。起きたことを確認するとリムルがオーガの子たちも一緒に町に帰ることを提案した。ああ、そういえば今日は宴会があったな。リムルの町の子はみな総じて宴会が好きなのだ。事あるごとにしている気がする。オーガの子たちと色々と話しながら森を歩いていく。やはりオーガの子たちは少し申し訳無さを感じているみたいだがリムルが良しといえばこの町の子は良しと答えるで大丈夫だと伝えると少し安心したようだった。私の言葉に、宴会があるから君たちが来てくれたほうが人数が増えて楽しいだろう、とリムルが続ける。
しかしこれで戦闘種族であり上位種族のオーガに借りが作れた。なにか有ったときは多少は力となってくれるだろう。リムルはお人好しだから、私がなにか有ったときのことを考えておかなければいけないだろう。リムルの大事なものを守るためなら私は惜しみなく力を使おうと、そう決めているのだ。
ステータス
ステラ=テンペスト
種族:人魔族
加護:暴風の紋章
■■■の加護
称号:見守る者
魔法:元素魔法
固有スキル:なし
ユニークスキル:『見守人』
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『念話』
耐性:刺突耐性
物理攻撃耐性
痛覚無効
熱変動耐性
電流耐性
麻痺耐性