【転生したらスライムだった件】世界を旅する、貴方を見守る 作:すっぱい調味料
ベニマルたちが仲間になってから数日が経過した。リムルが剣の達人であるハクロウに剣術を習いたいと申し出たようで警備隊の子たちの訓練に混じっている。私は元素魔法だけで十分だと思っているので座ったままリムル達を眺めていた。警備隊の子たちは今までちゃんとした戦闘訓練を受けたわけではないだろうからよい勉強になるだろう。しかし、ハクロウが手にしているのは木刀のはずだというのに威力がおかしい気がする。木刀で地面が割れるとは・・・・なんて思っているとリムルが休憩を取ったようでベニマルと共に木陰に移動していた。おそらく先程から話している
「私も、聞く。ほら、リムル」
「え、ああ、おう」
リムルを抱えあげる。リムルはここの主なのだからたとえその意図がなくとも見下したように上から見られるのは良くないのだ。リムルはそれが分かっているのか分かっていないのかは知らないが私には抱え上げられてくれる。
「続けて、ソウエイ」
「はっ、リザードマンの一行を目撃しました。湿地帯を拠点とする彼らがこんなところまで出向くのは異常ですので取り急ぎご報告をと」
「リザードマン?オークじゃなくて?」
「はい」
「なにやら、近くのゴブリン村で交渉に及んでいるようでした。ここにもいずれ来るかもしれません」
「ふーん」
リムルは分かっていないようだがその時交渉するのはリムルなのだが。これは自覚して貰わなければならないな。リムルがここの主なのだとリムル自身に。
「そう、分かった。何かあったら、リムルと、私を呼んで」
交渉は、リムルがするから、と続けるとリムルが「え!」と声を上げる。当たり前だろう。配下が交渉事を任されてもいなのにするわけがないのだ。完全な君臨すれども統治せずは出来ないのだ。リムル様ーと遠くからシオンの声がする。町の方から駆けてきた彼女はにこにこと笑顔で昼食の準備ができたと伝えてくれた。
「今日は私も手伝ったんですよ」
「おう、ありがとうシオン」
「ありがとう」
味覚を手に入れてからのリムルは御飯の時間がとても楽しみのようで結構わくわくしているのを私は知っている。リムルはベニマルとソウエイも誘ったのだが、ソウエイは気付いたらいなくなっていたし、ベニマルも遠慮するらしい。珍しいなと話しながら先にシュナ達のいる工房へと向かう。この2人は合う度にリムルの世話で張り合っている気がする。私は別にリムルと一緒にいればいいから世話係じゃなくてもいいので2人の張り合いは見る専へと回る。問題があるとするならば2人が引っ張るせいでリムルが伸びてしまっていることだろうか。流石に耐えかねたらしいリムルが人の姿に変化して私とリムルの服をシュナに頼んでいる。リムルが木片に描いているイメージ図をみんなで覗き込む。こういうの、なんて言いながらいくつかさらさらと描き出していく。シュナは頼られるのが嬉しいみたいでリムルの依頼を嬉しそうにして受けていた。ふう、なんとかこの場は収まったみたい。私もお腹が減ったのだ。さて、じゃあ行くかとリムルが外に出ようとする。
「せっかくのシオンの手料理が冷めちゃうからな」
「うん、楽しみ」
えっ・・・とシュナが引き攣った声を上げる。そのままシオンたちとともに食堂へと向かうがリムルが少し冷や汗をかいているような?いや、スライムは汗をかかない、、、擬態だと勝手が違うか。なんだ、なにかあったのかと不安になりながらリムルの隣に腰掛ける。少ししてシオンが私達の前に皿をおいてくれた。
な、なんだ、これは。
まるでマグマが吹き上がっているかのように沸き立つ紫色のスープ
もくもくと紫色の煙、いやオーラ?を纏う''ソレ''
おぉぉぉおぉと不気味な声の合唱が聞こえるようだ
いや、聞こえているな!?
バッと音を立てリムルと顔を見合わせる。お互いに顔から冷や汗が吹き出ている。
本能で分かるのだろう。これは、食べ物ではないと。。。。
「い・・・いただきます」
スプーンを持つ手が震えているが気にしないようにして口に含む。ええいままよ!!
「お、おごッッッッ!!??」
口に広がる形容し難き味。
なんだ!?なんなんだ''コレ''は!?明らかに身体が飲み込むのを拒否している。
いやしかし一度は口に入れたもの、それにシオンが嬉しそうに準備してくれたのだそれを吐き出すわけには・・・・
その迷いが良くなかったのだろう。あ、死んだ、と思うと同時に意識が落ちる感覚がして最後に私が見たのは泡を吹き白目を向いて床に倒れ込んでいるゴブタの姿だった。
《『見守人』より世界の言葉へ。人魔族、個体名:ステラへの毒耐性の獲得を申請。
・・・・・了。申請を条件付きにて受理されたことを確認。
世界の言葉に代わり■■■■■■より毒耐性を獲得・・・成功》
「ス、ステラ!?!?」
まあ、この程度で死ぬ私ではないのだが、、、、。
ああ、この表情。ベニマルたちは知っていたのか。
いやでも生存戦略としてはあっているとは思うがこんなものをリムルに食べさせようとしたのか????本来、命の危機に瀕したときにしか発動しないはずのスキルが勝手に発動して毒耐性を獲得させられたのだけど??????これは毒か???何をどうしたら普通の食材でこうなる?????何を混ぜたんだ????
頭の中がはてなでいっぱいになる。ここまで私を悩ませたのはリムルの『大賢者』くらいのものだったのに。。。。
少しがらがらになった喉を水で潤しながらリムルから注意を受けしょんぼりとしたシオンに告げる。
「シオン、頑張ったのは、認める。味見は、しっかり、して。そう、ベニマルなんかに、してもらっても、いいから」
私の言葉にシオンとベニマルの2人がショックを受けたような顔になる。止めてくれなかっただろう、何をショックを受けているのだ。という気持ちでベニマルを見る。ハクロウも少し覚えがあるようで顔をそらす。ところで、
「シオンは、何を作ろうと、してた」
ふんす、といった様子でシオンが答える。そんな自信を持てる出来栄えか?いや、頑張っていたようだが、、、
「ささ身と青菜のすまし汁です!」
シオンの返答にリムルとともに驚嘆の声を上げる。
「「そんな上品な料理だったの!?」」
なにをどうすればあんな地獄を持ってきたような皿になるんだ!?!?世の中には意外と私が知らないことだらけなようだな。。。
まあ、そんな事もあったがクロベエの様子を見にリムルとともにカイジンたちのいる工房へと向かったのだが刀工なんかに関する専門的な会話が2時間も続いていた。武具なんかの制作方法について知識はあれども私が見たことがある武具防具の作り方とはまったく違いすぎて話に交じる気にはなれない、がこういった話を聞くのは楽しいので好きだ。リムルはそこまでのようだが。
ちょうど話が一段落したところでリグルドがリザードマンの使者が訪ねてきたと伝えに来た。最近のジュラの大森林の情勢から察するにおそらくオークの件についてだろう。そして話を聞きつけてきたベニマルたちと共にリザードマンの使者を出迎えに行った。のだが、とてつもなく演出臭い登場でガビルとやらが配下となるチャンスをやろう!!などと言い出したのだ。少し前の私ならファイアボールくらいうちこんでいたやもしれん。。。他の者達、特にシオンも同じ気持ちのようでリムルの魅惑のぷにぷにボディを抱きしめ?いや、抱き潰している。このままではリムルがスリムボディになってしまう。と心配していたが一旦ベニマルの腕に避難することで落ち着いた。そのままガビルとやらの話を聞いていたのだがリザードマン、いやガビル個人の、だろうが配下に加わればオークの脅威から守ってくれるらしい。しかし、ガビルたちも拍子抜けだろうな。ゴブリンがいると思って来たというのに、いるのは鬼人にホブゴブリンそしてスライムなのだから。そのまま話をしているとガビルは私達にとって一番言ってはいけないことを言ってしまった。
「「主」がスライムとはいささか拍子抜けであるな」
ランガがぐるるるとガビルとやらに威嚇する。主を侮辱されて怒らぬ配下などいないのだから。そんなぴりぴりとした空気の中でとても呑気な声がした。
「あれ?何やってるっすか?」
そしてランガに推薦されゴブタがガビルと戦うことになったのだが、リムルの負けたら「シオンの手料理の刑」という言葉でやる気が出た、というか死にたくなから死ぬ気で、というかまあ結論から言うとゴブタの圧勝だった。理由は簡単だ。リザードマンは本来湿地帯を拠点としており得意なのは水中戦だ。そしてゴブタは『影移動』ものにしていることにより不意打ちがしやすい状況が整っている。そりゃあ圧勝するだろう。まあそれでもゴブタが『影移動』を使いこなしていたのが一番の勝因であろうが。
見事勝ったゴブタの胴上げに私も混ざる。そのままわいわいとみんなでゴブタを褒める。そしてそのままリムルがガビルの配下たちにはっきりと協力なら検討するが配下なら断ると伝えるとそのまま気絶したガビルを引きずり帰っていった。
「さてと・・・今後の方針を立てないとな」
「そうね、とっても、かっこいいの、考えて、あげなきゃ」
「ゴブタの武器の話じゃないぞ?」
ステラの身長は170あるかないか位を想定しています。
大体の見た目。
画像はnekaを使用して作成。
【挿絵表示】
ステラのユニークスキルには謎がいっぱいですが今の状態でも退化しまくっています。
それと作者は一応web版、書籍版、漫画は全部最新話、最新刊まで読破しているにですが基本的には漫画を基本で書いています。感想や、お気に入りをしていただけると励みになります。