もう三月だと言うのに年明け、一発目の投稿です。
もし、楽しみしておられた方がいましたら、お待たせしてすみませんでしたm(__)m
それと、久しぶりだったので、文が変になってたりするかもしれないですが、その辺りは目を瞑っていただけたら幸いです……
まぁ、前置きはこの辺にして本編をどうぞ!
Dクラス戦の翌日の昼休み。
僕が、いつものようにヒナと一緒に過ごしていると
「明久、ヒナギク。ちょっと聞きたい事があるんだが、少しいいか?」
雄二が僕とヒナに声を掛けてきた。
「いいけど、なに?」
「悪巧みとかじゃないなら、いいわよ?」
雄二に呼ばれて直ぐに悪巧みを疑うヒナ。
凄い信頼関係だ。
「止めろ、ヒナギク。俺は明久とは違うんだぞ?」
「でも、雄二君と明久が一緒にいる時は、大抵何か考えてる時でしょ?」
あ、違った。
凄い信頼関係なのは、雄二だけじゃなくて僕も含まれていたようだ。
「それは心外だな。俺は明久と違うから、そんな事はないぞ?」
「あはは。雄二は面白い冗談を言うね? それだとまるで、僕がいつも悪巧みしてるみたいじゃない。そう言うのは雄二がいつもしてる事でしょ? 僕は雄二とは違うんだよ?」
「はっはっは。明久、謙遜するな。今までやって来た事は全て、お前がやった事じゃないか」
「何を言ってるのさ? あれは全部雄二の仕業でしょ? 僕は巻き込まれただけだよ?」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」
「やんのか、この野郎!!」
「上等だ、コラ! 掛かってこいや!!」
お互いに相手の胸ぐらを掴みあい、お互いに殴り掛かろうとした時
パコン! パコン!
「止めなさい‥‥‥‥‥‥‥」
ヒナに呆れられながら、僕と雄二はヒナの持っていた教科書で頭を軽く叩かれる。
くっ! またこのパターンか!
今度は雄二も一緒だけど‥‥‥‥‥‥‥
「それで? 大分話が逸れちゃったけど、私達に聞きたい事って何かしら?」
「ん? ああ、そうだったな。明久のバカのせいで一瞬なんの話か分からなくなってた」
それは僕のセリフだ。
雄二のバカのせいで、またもヒナに怒られる羽目になったんだから‥‥‥‥‥
と、僕が雄二を軽く睨んでいる間にも、雄二は本題を話し出した。
「俺がお前等に聞きたいのは、この名簿の事だ」
そう言って雄二は、2年Fクラスと書かれた名簿を僕等に見せてくる。
「俺が確認した限り、今このクラスには48人しかいない。んで、誰が足りないのか調べてみたら、綾崎ハヤテって奴と、三千院ナギって奴がいない事が分かった。‥‥‥‥‥‥‥お前等、コイツ等二人がどんな奴か知ってるか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥え? ハヤテとナギちゃんってFクラスなの?」
「ん? ああ。このクラス名簿にはそう書いてあるな。と言うか、やっぱりお前の知り合いだったか。どんな奴なんだ?」
知ってるか知らないかで言えば、もちろん知ってる。
実際に会った事もあるし、二人とは結構仲が良いとも思ってる。
けど
「どんな奴って‥‥‥‥‥‥‥‥13歳なのに飛び級して高校二年生になってって、無駄に賢こく、引きこもりでゲーム好きな三千院家のご令嬢と、何でもできて不死身みたいに頑丈な体を持ってるけど、死神に愛されてるんじゃないかと思うくらい常に不幸で、一億五千万の借金を抱えてる執事?」
二人ともFクラスになるようバカじゃないはずなんだけどな‥‥‥‥‥‥
普通にAクラスに入ってると思ってた。
「は? なんだそれ? それだと凄いのか凄くないのか良く分からんのだが‥‥‥‥‥‥」
そんな事を言われても、、これ以上ない説明だと自分では思う。
「まぁ、明久に説明を求めた俺がバカだったな。ヒナギク、どんな奴らなんだ?」
さらっと人をバカにする雄二。
コイツは人をバカにしないと話ができないのか?
「どんなって言われても‥‥‥‥‥‥‥ねえ?」
そこで僕に振らないでほしい。
僕にはさっき説明した以上の言葉は出てこないんだから‥‥‥‥‥‥
「ねえ雄二? なんなら今日、二人の家に行ってみる? どんな人かは会ってみれば分かると思うよ?」
僕の説明が間違っていない事が。
「‥‥‥‥‥‥‥まぁ、これから試召戦争を続けるなら、味方は多い方が良いしな。少々面倒だが、いつものメンツも連れて、そいつ等に会いに行くか」
「了解。じゃあ、ナギちゃんに‥‥‥‥‥言っても仕方ないだろうから、そのメイドさんに今日行くって伝えておくよ」
「頼んだ。その間に俺は他の連中に声を掛けておくとするか‥‥‥‥‥‥」
こうして、僕等はいつものメンバーでナギちゃんの家を訪れる事になったのだった。
☆
と言うわけで、ナギちゃんの専属メイドである、マリアさんに僕等がナギちゃんの家を訪ねると連絡して、マリアさんが快く承諾してくれたので、僕等はいつものメンバーでナギちゃんの家、三千院家を訪れたんだけど
「な、なんて広さだ‥‥‥‥‥‥」
「す、凄いわね‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥驚いた」
「全くじゃ‥‥‥‥‥‥‥」
皆、庭を見ただけで驚きの声を上げていた。
今、皆が見ている範囲も庭の一部に過ぎないんだけど‥‥‥‥‥‥‥‥‥
まあ、それは今は良いだろう。
と、皆が驚いている間に
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。ヒナギクさん、明久君」
「こんにちわ。マリアさん」
「すみません。急にお邪魔しちゃって」
ナギちゃんのメイド、アリアさんが僕等を出迎えてくれた。
彼女は凄い美人でとっくに成人している大人の女性に見えるけど、一応17――
「明久君? 何か失礼な事を考えていませんか?」
訂正。
れっきとした17歳だ。
「いえ、そんな事はないですよ?」
このように、僕の思考を簡単に読み取れる凄い人だ。
他にも、飛び級で13歳にして白皇を卒業し、二期連続で白皇の生徒会長を務めたりもしている凄い人なので、接し方には充分注意する必要がある。
もちろん、絶対に怒らせてはいけないと言う意味で。
「そ、そんな事よりナギちゃんとハヤテは何かあったんですか? 二人ともFクラスになったって聞いたんですけど‥‥‥‥」
本来ならナギちゃんは間違いなくAクラス。
ハヤテも普通に試験を受けれればAクラスで、少しの不幸が舞い降りてBクラス。さらに不幸が続いてCクラスには入れる学力があるはずなのに、二人がFクラスにいると言うのは、何かあって試験を受けれなかったとしか思えない。
「えーっと。まあ、とりあえず付いてきてくれます? 多分一目で分かると思うので‥‥‥‥‥‥‥」
「わ、分かりました」
一目で分かるとはどういう意味だろうか?
僕等はマリアさんの言った意味が分からなかったが、とりあえずマリアさんの言う通りにして、マリアさんにある部屋に連れて来られた。
そして、いざ部屋の中に入ってみると
‥‥‥‥‥‥ピコピコ。
‥‥‥‥ピコピコ。
‥‥ピコピコ。
「うわぁ!! お嬢様! 大変です! 回復薬が切れました!」
「なんだと!? くっ! ならば生命の粉塵を使ってやるから、少し待っていろ!」
「お、お願いします。お嬢様」
ナギちゃんとハヤテがモンハンをして遊んでいた。
「ええっと、マリアさん? この光景でだいたい分かりましたけど、なんでこんな事になってるのか、教えてもらっていいですか?」
確か二人のやっているゲームが発売されたのは、振り分け試験の前日だったと思う。
僕の考えが間違っていなければ、二人が試験を受けなかった理由はおそらく
「それが、その‥‥‥‥‥‥‥。簡単に言いますと、ゲームをクリアするまでは学校に行かないとナギが言い張ったので、仕方なくハヤテ君がナギと協力してゲームクリアを目指してるんです」
やっぱり、ゲームをやっていたのが原因のようだ。
「またですか‥‥‥‥‥‥‥」
呆れたように頭を抱えるヒナ。
その気持ちは良く分かる。
まさかゲームをするために学校の試験を休むとは誰が予想‥‥‥‥‥‥‥いや、ナギちゃんなら普通にやりそうな事だったな‥‥‥‥‥
普段から引きこもって、新しいゲームがでたら学校を休んで、ゲームに没頭するような子だし‥‥‥‥‥‥‥
と、僕等が話してる間に
「ふぅ~何とか勝てましたね。お嬢様」
「バカ者。私がいるんだから、こんなのは当然の結果だ」
二人は一旦戦闘を終えたようだ。
このタイミングなら話しかけても大丈夫だろうと思い、僕は二人に話しかける事にした。
「こんにちわ。ナギちゃん、ハヤテ」
「ん? その声は‥‥‥‥‥‥‥おー! 明久ではないか! 久しぶりだな!」
「あれ? どうかしたんですか? ヒナギクさんも一緒みたいですけど‥‥‥‥‥‥」
結構前からいたんだけど、どうやらナギちゃん達はゲームに熱中しすぎて、僕等の存在に気づかなかったようだ。
「『どうかしたんですか?』じゃないわよ! ハヤテ君達が学校に来ないから、様子を見に来てあげたんでしょ?」
「な、なるほど‥‥‥‥‥。お嬢様、もう新学年にもなりましたし、やはりここは一度ゲームを中断して、学校に行くべきでは?」
「何を言うハヤテ。まだゲームはクリアしてないではないか」
ハヤテがナギちゃんを説得をするも、あっさり失敗していた。
やはりナギちゃんの引きこもり魂は伊達ではないようだ。
「そ、そうは言ってもお嬢様。最新作は既にクリアしてるわけですから、もう」
「甘いぞ、ハヤテ! シリーズ物の最新作だけをクリアして終わりなどと言うのは間違っている! シリーズ物をクリアすると言う事は、前作のシリーズも全てクリアしてこそなのだ!」
凄い熱弁だ。
そこまでゲームに情熱を掛けられるのは純粋に凄いと思う。
僕なら最新作を終わらせたら、前作もやろうなんて気にはならないと‥‥‥‥‥‥‥‥‥ん?
「前作もクリア?」
今、ナギちゃんは前作も全てクリアするって言わなかった?
「うむ。オタならば、全シリーズを完璧にやってこそだ! 新しいのが出たから、前作はいらない等と言っていては愛が足らない! 愛が足らないオタはただのマニアなのだ!」
どうやら僕の聞き間違いではなく、ナギちゃんは本気で全シリーズをやるつもりのようだ。
「ちょ、ちょっと待って、ナギちゃん! モンハンを全シリーズって何作あると思ってるの!?」
僕はやった事がないけど、確かPCとか、WIIとかでも出てた気がするから、全シリーズなんて言い出したら10作以上でてると思うんだけど‥‥‥‥‥
「30前後くらいだろ? それ位なら問題ないではないか」
僕の予想を遥かに超える30だった。
なんて恐ろしい数字なんだ‥‥‥‥‥‥‥
ナギちゃんはそれ位なら余裕とまで言っているが、僕なら間違いなく心が折れているだろう。
そもそもモンハンなんて、全クエストを終わらせたらクリアなのか、全武器・防具を作ったらクリアなのか、どこまで行ったらクリアなのか良く分からないゲームなのに‥‥‥‥‥‥
「とりあえず、全クエストをクリアしたら、1シリーズクリアと言う事にしている」
それは採集クエストも含まれているんだろうか?
だとしたら、恐ろしいなんて物じゃないな‥‥‥‥‥‥‥
「それに何だかんだ言っても、残りPシリーズの2ndGと3rdだけだからな。もうじき終わる予定だ」
「早っ!! そんな速度でゲームをして大丈‥‥‥‥‥ナギちゃんは大丈夫だろうけど、ハヤテは大丈夫なの!?」
ここまでの会話だけでも分かるように、ナギちゃんは完璧に引きこもりのオタクなので、学校を休み続けてゲームをやり続けるのは造作もない事だろうけど、それに付き合っているハヤテが心配だ。
無理をしすぎて体を壊したり―――
「え? これくらい普通ですけど?」
壊したりしないようで、ハヤテはケロッとしていた。
「あれ? これって僕がおかしいの?」
「大丈夫ですよ。明久君が普通で、あの二人がおかしいだけですから」
「ですよね!」
良かった。危うく騙されるところだった。
「まさか明久が普通だと言われる日が来るとは‥‥‥‥‥‥‥」
「どういう意味だよ!? バカ雄二!」
それだと普段は僕がおかしいみたいじゃないか!
「そんなの言葉通りの意味だが? と言うか、一人で喋ってないで、いい加減俺達に気を遣え。いつまで放置しておく気なんだ?」
あ、言われるまで皆の事忘れてた。
「おい! お前、今俺達の事を完全に忘れてただろう!?」
「仕方ないじゃないか! ナギちゃんとハヤテが衝撃過ぎて、それどころじゃなかったんだから!」
「おおぉい! ちょっと待つのだ、明久!」
「そうですよ! 明久の良い方だとまるで僕とお嬢様が、とんでもない事をやってるみたいじゃないですか!!」
「このタイミングで二人も絡んでくるの!? どうしよう!? 僕の手には負えない状況に!!」
雄二に放置していた事に対して文句を言われ、ナギちゃんとハヤテにも二人の扱い方について文句を言われる。
僕はその後も雄二達に文句を言われて続けた。
僕が皆に文句を言われ続けて、しばらくしてから僕が皆に謝ると言う事で、一応の事態は収まっていた。
「ところで明久。さっきはスルーしたが、後ろにいる連中は誰だ? ヒナギク以外は知らない奴ばかりだぞ?」
事態を納めた後、思いついたかのように僕に聞いてくるナギちゃん。
ようやく少しだけ興味を持ったようだ。
「ええっと、じゃあ紹介していくね? まず、ここにいる女の子は島田美波。ナギちゃんと同じクラスの人だよ」
「初めまして、島田美波です。去年日本に来て、それまではドイツに住んでたから、日本語に慣れてないんだけど、喋るだけなら問題なくできるから、よろしくね? ナギちゃん」
美波はそう言いながら、ナギちゃんに向かって手を差し出す。
「あ、いやこちらこそ‥‥‥‥‥‥」
それに対してナギちゃんも照れながらではあるが、美波の手を取り握手した。
どうやら人見知りの激しいナギちゃんだけど、美波は大丈夫のようだ。
ナギちゃんと同じように胸がない者同士、仲良く
ボキッ!
ドガ――ン!
「ぐわぁ―――――!! 手が曲がってはいけない方向に! しかも、何故か椅子まで飛んできて、いつもよりも甚大な被害が――――――!!」
美波に腕の関節を外され、ナギちゃんには高そうな椅子を投げつけられて、僕はいつもの倍以上のダメージを受けていた。
何故こんな事に?
「何故かアキの腕を折らないといけない気がしたわ」
「何故か明久に椅子を投げつけないといけない気がして、思わず投げてしまったではないか。たかだか500万の椅子だが、勿体ない事をしてしまったな」
どうやら二人はエスパーか何かのようだ。
と言うか、たかだか500万の椅子って‥‥‥‥‥‥‥相変わらずナギちゃんの金銭感覚はおかしいな‥‥‥‥‥‥
「いたたた‥‥‥‥‥‥よっと(コキッ)さ、続きを紹介するとしようか」
「明久君‥‥‥‥‥‥アナタはなんでそんな簡単に外された関節を戻せるんですか?」
「え? 一般技能ですけど‥‥‥‥?」
「待って下さい。それは一般技能に含んだらいけませんわ。むしろ、生涯使わない方が良い技能ですわ」
マリアさんが何やら驚いているけど、ここはスルーさせてもらおう。
なんだか話を聞いたら、僕が悲しくなる気がする‥‥‥‥‥‥‥‥
「まぁそんな事より、続きを紹介しよう。美波の隣にいるのが」
「木下秀吉じゃ。良く間違われるのじゃが、わしは女ではなく男なので、よろしく頼むのじゃ」
「秀吉はこう言ってるけど、本当の性別は」
「わしは男じゃ!」
「嘘だ! 秀吉が男だなんて僕は認めない!」
秀吉が雄二と同じ性別なんて僕は絶対に認めない。
そんな事を認める位なら、秀吉の性別は秀吉で良いと思う。
「ん? ん? 結局どっちなのだ?」
「じゃから、わしは男」
「ナギちゃん、秀吉は自分の性別を理解してないからFクラスなんかにいるんだ! 騙されたらいけない!」
「待つのじゃ、明久! わしがFクラスにおるのは、そんな理由ではないのじゃ!」
くっ! 秀吉はどうあっても引く気はないのか!
「‥‥‥‥‥‥ええっと、ヒナギク? 結局、どっちなのだ?」
「男よ。ただ、明久や元文月学園の生徒の皆は男女問わず、秀吉君の事を女だと思ってるみたいだけど‥‥‥‥‥‥‥」
当たり前だ。
秀吉が男だなんて、そんなのは悪夢以外の何物でもないじゃないか。
「‥‥‥‥‥‥‥‥気持ちは分からなくもないですね」
「あー、うん。そうだな。正直私も女で良いと思ってしまったし‥‥‥‥‥‥‥」
「うっ! 頼むから、お主たちはわしを男だと認識しておいてほしいのじゃ‥‥‥‥‥‥」
秀吉の切実な願い。
どうしてそこまで男である事にこだわるんだろうか?
女の子、若しくは秀吉の方が、僕等としては嬉しいのに‥‥‥‥‥‥‥‥
「あー、秀吉君? 私は秀吉君が男だと思ってますから、そんな悲しそうな顔をしないで下さい」
「マリアさん‥‥‥‥‥‥‥ありがとうなのじゃ‥‥‥‥‥‥」
秀吉は目の端に涙を浮かべながら、マリアさんにお礼を言った。
‥‥‥‥‥‥‥なんでだろう?
凄く秀吉に悪い事をした気になるのは‥‥‥‥‥‥
「ええっと、なんか秀吉が傷ついてるけど、とりあえず次に行くね」
「ええっ!? 明久、秀吉君はスルーなんですか!?」
ハヤテに驚かれたけど、スルーだ。
このまま話を続けて、秀吉が男だと認定されたら溜まったもんじゃないからね。
「こちらムッツリーニこと土屋康太だよ」
「アキ、普通は逆よ? それだと土屋があだ名に聞こえるわよ?」
「え? ムッツリーニが本名だよね?」
ムッツリスケベなんだし。
「‥‥‥‥‥‥なぁ、ハヤテ」
「なんです? お嬢様?」
「明久の紹介がおかしいのか、私達のクラスメイトがおかしいのか、どっちだと思う?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥僕は明久の紹介がおかしいんだと思いたいです」
僕の紹介を聞いて、段々遠い目をするようになってきたハヤテとナギちゃん。
これはマズイ!
「どうしようヒナ! 僕等がバカな事をやってる内に、ハヤテもナギちゃんも学校に行く気が無くなってきちゃいそうだよ!」
「待ちなさいアキ。バカをやってるのはアキだけなんだから、ウチ等を巻き込むのは止めなさい!」
「美波の言う通りよ、明久。全てアナタの説明に原因がある事を自覚しなさい」
「そんなバカな! じゃあ、二人が遠い目をするようになってきたのは、僕のせいだって言うの!?」
「「それ以外に何があるのよ!?」」
おかしい。
僕は事実を言ってるだけなのに、どうして僕だけが怒られないといけないんだろうか?
「まったく。もういいわ。私が明久の代わりに皆の紹介を、と言っても最後の一人だけど引き受けるわ」
ヒナはそう言って、僕の代わりに未だ紹介していない雄二の紹介を始める。
「こちら坂本雄二君。私達のクラス代表よ」
「坂本雄二だ。俺の事は好きなように呼んでくれ」
「私は三千院ナギだ」
「僕は綾崎ハヤテです。僕も好きなように呼んでくれて構いません」
‥‥‥‥‥‥‥‥普通だ。
何事もなく自然とお互いに自己紹介を終わらせてしまった。
あれ? もしかして、さっきまで上手い事行かなかったのって、本当に僕のせいなの‥‥‥‥‥‥?
「それで? 坂本はわざわざ放課後に私達を訪ねてきたりして、何の用なのだ?」
「なんだ。知ってたのか?」
「マリアから明久が来ると言うのは聞いていたからな。で、放課後にわざわざ私達を訪ねてきて、クラス代表まで一緒にいるんだから、そのクラス代表が私達に話があると思うのは普通だろう?」
凄い洞察力だ。
これが13歳にして高校生をしているナギちゃんの実力なのか‥‥‥‥‥
「‥‥‥‥‥‥中々やるな。ヒナギク並みに頭は回るようだな」
「そうか? これくらい普通だと思うぞ?」
ナギちゃんは造作もない事のように振る舞っているけど、充分凄いと思う。
僕なら絶対に気づけなかったと思う‥‥‥‥‥‥‥‥
「で? 何の用なのだ? こう見えても私は忙しいんだが?」
そう言うナギちゃんの手にはPSPが握られている。
やはり忙しいと言うのはゲームをするから忙しいと言う意味のようだ。
「そうだな‥‥‥‥‥‥まず聞いておきたい。バカがバカな事をするのを見るのは好きか?」
「まぁ、明久を見てると飽きないし、それなりに好きではあるな」
あれ? なんでこの話の流れで僕の名前が出て来るんだろう?
今の会話はかなりおかしくないだろうか?
「なら学校に来たら、明久のバカがバカ騒ぎしてる所を毎日見れるぞ? 明日から学校に来ないか?」
なんで僕がバカな事をするのが確定してるように話が進んでいるんだろうか?
「えー。でも、それだけのために学校行くのもな‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「もちろんそれだけじゃない。と言うより、俺にとってはこっちが本題になるんだが‥‥‥‥‥‥‥‥試召戦争は知ってるよな?」
「ああ、召喚獣と言うのを出して、それを戦わせて、上位のクラスに勝ったらクラスの設備を交換するって奴の事だろう?」
「その通りだ。俺達はその試召戦争をAクラスに仕掛けようと思ってるんだが‥‥‥‥‥‥‥‥面白いと思わないか?」
雄二は口の端を上げて、薄ら笑いながらナギちゃんに語った。
「俺達は最底辺クラスだ。今までの文月学園の歴史で、FクラスがAクラスに勝った事は一度もない。それを俺達がやり遂げようって言うんだからな」
「史上初か‥‥‥。確かにそれができるなら面白そうだが‥‥‥‥そんな事本当にできるのか? 召喚獣とやらの点数はテストの点で決めるんだろう? ヒナギクはともかく他の連中では相手にならんのではないか?」
「勝てるさ。その為の作戦は俺が考えるし、コイツ等だって協力してくれる。それに加えて、三千院と綾崎が協力してくれるなら俺達は最強だ」
そう言い切った雄二は獰猛な笑みを浮かべる。
それなりに長い付き合いだから分かる。
あの顔は本気で僕等が最強だと思っている顔だ。
「‥‥‥‥‥‥‥‥ぷ‥‥‥‥‥あははははははは」
雄二の表情をじっと見つめた後、ナギちゃんは突然笑い出した。
どうやらナギちゃんも雄二が本気でそう思っている事が分かったようだ。
「面白い! 最弱のクラスを最強と言うとはな! 良いだろう。この三千院ナギが協力してやろうではないか、
そしてナギちゃんの中で、雄二の評価は結構上がったようだ。
「お、お嬢様! じゃあ、明日から学校に」
「うむ。学校に行ってやろうではないか。ハヤテ、お前も準備しておけ」
「は、はい!」
ハヤテは心底嬉しそうにしている。
どうやらゲームから解放されるのがかなり嬉しいようだ。
まぁ、ゲーム廃人でもない限りナギちゃんに付き合って、ひたすら永遠と同じようなゲームをやり続けるのは大変だろうから、気持ちは分かるんだけど‥‥‥‥‥‥
まぁ、なにはともあれ、こうして僕等はヒナに続いてAクラス並みの戦力を確保して、打倒Aクラスを目標に気合を入れ直したのだった。