???side
いつも夢を見る。
あの日から、止まっていた私の世界は動き出した。
鮮血と焦げた肉片が足元に飛び散り、黒煙と煤が宙に舞い上がり、気化した脂が風に乗って唇に貼り付く。
一緒に遊んでいた友達は、ただ茫然とその光景を眺める事しかできなかった。
私がゆっくりと両手を伸ばすと、ようやく自分の置かれている状況を理解したのか、喚きながら蜘蛛の子を散らすように走り去っていく。
泣いて助けを求める友達の服を、掴む。
そして、明確な殺意を両手に込める。
その瞬間、友達の身体が眩く光り──
──そして、爆ぜた。
まだ温かい肉片と血が降り注ぎ、轟音が身体の芯を震わせ、私を高揚させる。
あの時の音が、私に絶望の表情を向ける弟の顔が、今でも忘れられない。
──ああ、いい音だ。
三人称side
事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュース。
以降各地で『超常』は発見され、原因も判然としないまま、時は流れる。
世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。
世界では一つの職業が脚光を浴びていた。
生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・
双子の弟の勝己もまた、『平和の象徴』と呼ばれるトップヒーロー、“オールマイト”に憧れ、彼を超えるヒーローになる事を志す少年だった。
勝己には、父の『酸化汗』と母の『グリセリン』を複合した『爆破』という“個性”が出現した。
だが紅己には、5歳の誕生日を迎えても“個性”が発現する事はなかった。
勝己は、兄に“個性”が発現しない事がわかると、両親にバレないように兄を虐めた。
─“無個性”だから。俺よりすごくないから。
子供の行き過ぎた悪戯だった。
勝己に虐められていたのは、紅己だけではなかった。
彼等の幼馴染みの緑谷出久もまた、“無個性”だった。
勝己は、他の友達を取り巻きにして、紅己と出久を虐めた。
家にも幼稚園にも居場所がない紅己にとって、同じ境遇の出久だけが唯一自分を晒け出せる相手だった。
だがそんな日常は、ある日突然崩れ去った。
勝己は、いつも通り取り巻きと一緒になって紅己と出久を虐めた。
だがこの日は、いつもと違う事があった。
紅己は、とうとう我慢の限界を迎えたのか、取り巻きに反撃をした。
──その瞬間だった。
「え……?」
突然、取り巻きの身体が紅い光を放ち始めた。
さらに次の瞬間──────
ボオォン!!!
「……………は?」
耳を劈く轟音と共に、取り巻きの身体が水風船のように弾け飛んだ。
至近距離にいた紅己の身体には、血と肉片が飛び散る。
取り巻きがいた場所は黒く焦げ、黒煙を上げていた。
その場にいた取り巻き達は、ただ立ち尽くす事しかできなかった。
「……ぁ、ぼ、ぼく……」
紅己は、血塗れの自分の手を眺め、ようやく状況を理解する。
最悪の“個性”が、最悪のタイミングで発現してしまった。
自分の“個性”で、人を殺めた。
その現実を理解した紅己は、助けを求めるように勝己と出久を見る。
二人は、顔面蒼白になり、ただ茫然と紅己を見ていた。
紅己は、“個性”の反動でうまく動かない身体に鞭打ち、ゆっくりと両手を前に掲げる。
すると取り巻き達は、ようやく自分の置かれた状況を理解し、絶叫した。
「うわぁあああああああっ!!!」
「っ……!」
取り巻き達は、泣き叫びながら後退りする。
取り巻きの叫び声を聞いて、勝己と出久はようやく思考を取り戻した。
「ひぃっ、いや…やだ、パパ、ママ…ッ」
「まっ、待って…!たすけ……」
取り巻きが逃げようとすると、紅己は泣きながら縋るように取り巻きの服を掴む。
誰もが恐怖に支配される中、一人だけ紅己を助ける為に動いた者がいた。
「こうちゃん!!」
出久だけは、助けを求める紅己を助けようと飛び出した。
だが出久の声は、紅己には届かなかった。
紅己は、取り巻きの服を掴んで“個性”を発動し、再び幼馴染みの前で爆破した。
取り巻きを一人残らず爆破して殺害した紅己は、血と煤で全身ボロボロになり、“個性”の反動で身体が動かなくなり、その場で膝をついて放心していた。
その場に残された勝己と出久は、友達が殺されていくのをただ見ている事しかできなかった。
紅己の暴走がようやく止まった頃、爆破音を聞いた近隣住民が駆けつけ、惨状を目の当たりにする。
「キャアアアッ!!け、ケーサツ!!」
「ヒーロー呼べ、ヒーロー!!」
近隣住民の通報により、騒動は収束を迎えた。
“個性”を暴走させた紅己は、意外にもあっさりヒーローに確保された。
幸いにも、紅己が起こした事件は“個性”事故として処理され、爆豪一家が刑事責任を負う事はなかった。
爆豪夫婦は、紅己が死なせた子供の遺族に賠償金を支払い、公安委員会に紅己の身柄を引き渡した。
爆豪一家は裕福であったため、賠償金の支払いで困る事はなかった。
だが問題は、紅己の身柄だ。
“個性”事故を起こした子供は原則として、公安が管理している児童自立支援施設に送られる。
“個性”を制御する練習や“個性”カウンセリングを行い、社会復帰を支援する為だ。
爆豪夫婦は、最後まで紅己の引き渡しに反対していたが、息子が人の命を奪った事実がある事、そしてどういうわけか紅己自身が自ら施設行きを志願した事もあり、最終的には公安に紅己を引き渡した。
紅己は、新しい名前を与えられ、実家から遠く離れた東京の施設に送られた。
その後、折寺町で紅己の姿を見た者は誰もいなかったという。
紅己side
……さて。
ここまでが、ニュースで語られた記事です。
当時は『折寺公園小1男児爆発事故』という文面が全国紙を飾っていたものですが、今となっては当時の事を覚えている人はほとんどいなくなりました。
このニュース記事、実は事実と異なる記述が幾つかあるのですが、それを説明するにはまず私の“個性”から語らねばなりません。
私の“個性”は『起爆』、この世界ではありふれた発動型の“個性”です。
有機物に両掌で触れると、その物質から爆発性物質を生成し、任意のタイミングで起爆する事ができます。
有機物といっても生物は適応外ですが、対象者が身につけているものを爆発物に変える事で、間接的に爆破する事ができます。
この“個性”ですが、発動するには少々厄介な点がありまして。
対象となる物質を爆発物に変換するには、まず元となる物質を『理解』せねばなりません。
私が“個性”を使えなかったのは、この『理解』の工程が未熟だったからです。
要するに、“持っていなかった”のではなく、“使えなかった”のです。
“個性”が発現したのは、3歳の頃でした。
私は、“個性”の発現を自覚したその日から、爆弾や有機物の構造を頭に叩き込みました。
自慢ではありませんが、私は同級生より少々利口だったようで、“個性”を使いこなす為の勉強は然程苦ではありませんでした。
勝己は私を“無個性”だと思っていたので、私が昔からずっと“個性”の訓練を積んでいた事には気づいていなかったでしょうね。
“個性”を完全に使いこなしたのは、事件の前日でした。
それまでは身近にあるものを爆破して訓練していた私ですが、唐突にとある好奇心が沸き起こったのです。
──この“個性”を、人に使ってみたい。
なに、『力を使いたい』という好奇心自体は、至って正常ですよ。
大きな力を手にしたら、誰だって一度は使ってみたくなるものです。
ただ…私の場合は、その好奇心が爆破という到底社会に受け入れられない要素と強く結びついてしまった事、それが人生の分岐点でした。
“個性”が扱えるようになってきてからは、進路の事も考えました。
情報を集めているうちに、私はある結論に行き着きました。
それは、公安は裏稼業を担うヒーローも募集しているのではないかという事です。
綺麗事だけで、この社会が成り立つわけがない。
公にできない裏の顔があるはずだ、そう考えるのは自然な流れでした。
案の定、調べれば調べるほど黒い噂が出てきました。
そういった仕事をするヒーローがいると確信した私は、公安ヒーローを目指す事にしました。
理由は単純です。
誰にも咎められずにこの力を使えるから。
たったそれだけの事です。
もちろん、ヒーローに対する憧れもありました。
ですが、私の抱いてしまった感情は、決して人に受け入れられるものではない。
表舞台で輝かしい活躍をするヒーローでは、私の好きなようには生きられない。
だから公安に行く事にしたのです。
ただ、公安ヒーローになる道は、決して容易いものではありませんでした。
公安ヒーローは、言わばヒーロー社会の闇の部分を担う汚れ仕事です。
当然、普通の経歴では採用されるわけがない。
親が
そこで私は、こう考えました。
バックボーンが無いなら、
その思考に行き着いてからの私は、自分でも驚くほど冷静に計画を練っていました。
私は、誰かが見ている前で“個性”事故に見せかけて人を爆破し、わざとヒーローに捕まり児童自立支援施設へ行く事にしました。
ずっと満たされる事のなかった好奇心を満たせる上に、私の人生に“箔”がつく。
まさに一石二鳥でした。
幸い、私は周りから“無個性”だと思われていたので、誰もが私を“個性”が暴走して事故を起こしてしまった可哀想な子供だと思った事でしょう。
初めて“個性”で人を殺した時の事は、今でも鮮明に覚えています。
身体の芯に響く音、美しい色を帯びた爆炎。
勝己や出久くん、そして殺した彼等の絶望の表情。
一日たりとも忘れた事はありません。
事故を起こしてからは、全てが私の思惑通りに動きました。
東京の施設に送られた私は、すぐにヒーローの英才教育を受けました。
簡単に人を殺せる“強個性”、“個性”の訓練の一環で培った化学分野の知識、同情を買うような悲しい過去、そしてヒーローの闇の部分を担いたいという私自身の意志。
公安ヒーローに抜擢される理由は十分でした。
座学や戦闘訓練はもちろんの事、通常のヒーロー科では受講できない授業もありました。
汚れ役を実行するのに必須となるスキル、要は暗殺の訓練です。
私は、模範生として学生時代を過ごし、14歳の夏には仮免を取得しました。
晴れて日本政府公認の人殺しになったわけです。
そしてデビューの日、私は願ってもない任務を請け負う事となりました。
「最初の仕事です。折寺町に、
「折寺……」
「貴方の故郷でしたね。貴方には、今の名前を使って一般人として潜入してもらいます。その上で何か不都合でも?」
「いいえ。任務の件、承知しました」
生まれ故郷で初仕事をする事になるとは…これも何かの縁でしょうかね。
さて、やると決まれば徹底的にやりましょう。
それが、『仕事』というものですから。
数日後、手続きを済ませた私は、折寺町にある小さな公立中学校に転入しました。
私が起こした事故からもう8年も経過したからか、当時の事はほとんどの住民の記憶から消え去り、誰も私の存在に疑問を抱きませんでした。
誰も覚えていないのなら好都合だ。
『平凡な中学生』を、徹底的に演じるまでです。
「東京から来ました。
勝己side
俺は、兄貴の事が嫌いだった。
嫌い、というよりは、気味が悪くて、ずっと遠ざけてきた。
ずっと道端の石ころだったくせに、ある日を境に
話しかけても上の空だったり、やたら難しい本ばっかりねだったり、そんな事が毎日続いた。
俺の事なんか眼中にねえってツラしやがって、俺には見えてないものを見据えてる気がして、それがずっと嫌だった。
だからあいつが“無個性”だとわかった時、安心した自分がいた。
俺は、嫌いなあいつを遠ざけたくて、親父やババアが見てねえ所であいつをいじめた。
“無個性”のザコだから、俺に敵うはずなんてない。
あの日までは、そう思ってた。
あの日俺は、いつもみたいにモブを連れてあいつとデクをいじめた。
いつもと違ったのは、あの野郎が反撃をしてきた事だ。
俺は、ザコの苦し紛れの抵抗だと思って馬鹿にしてた。
何かが起こるなんて微塵も思ってなかったんだ。
それなのに────
───あいつがモブを掴んだその瞬間、モブの身体が赤く光って、凄まじい音を立てて四散した。
俺の『爆破』がチンケに思える程の、あり得ねえ威力だった。
理解が追いつかなかった。
身体も頭も、動かなかった。
あいつは“無個性”のザコのはずなのに、道端の石ころだったはずなのに。
なんで、なんでなんでなんでなんで。
「うわぁあああああああっ!!!」
真っ白になった頭が動いたのは、モブの叫び声を聴いた直後だった。
気がつくと、あいつがボロ雑巾みたいになって泣きながらモブ共を追いかけて、助けを求めるかのようにしがみついていた。
だがあの時、俺は確かに見た。
あの野郎が、モブ共に縋るようにしがみついた時、笑っていたのを。
あの後、あの野郎はヒーローにあっさり捕まって、そのまま病院に運ばれていった。
俺はヒーローと警察にいくつか質問された後、家に帰された。
あの日からずっと、俺は怯えて過ごしてきた。
あいつの歪んだ笑顔と、あいつがやらかした事で俺までヒーローの道を閉ざされるんじゃないかって恐怖がいつまでも付き纏った。
あの事件が起こる前の日常が戻ってくるのを、ただひたすら待ち続けた。
だが事態は、当時の俺が想定してなかった方向に動いた。
俺ん家に黒いスーツを着た奴等が来て、親父とババアが兄貴の事で話をしてた。
あん時はどこのどいつかわからなかったが、あれは公安の奴等だった。
あいつらが兄貴を引き取りに来たのは、あれから1週間経った頃だった。
正直、清々した。
これでやっと、待ち望んだ日常が戻ってくる。
何より、もう二度とあの気持ち悪い顔を見ずに済む。
俺は、クソ兄貴っつうストレスの原因が無くなって、あいつの顔も忘れて過ごした。
クソデクはいつまでもついてきて鬱陶しかったが、あの野郎に比べればまだ可愛いもんだ。
あいつがいなくなった今、俺の思い通りにならない奴なんかいねえ。
そう思ってたのに。
「話まだ済んでねーぞデク」
俺は放課後、デクに詰め寄ってノートを奪い取った。
こいつ、“無個性”のザコのくせに一丁前に俺と同じ雄英を目指してやがったから、ブチのめして現実を教えてやろうと思った。
「カツキ何それ」
「『将来の為の…』マジか!?く〜〜緑谷〜〜〜!!」
「いっ、良いだろ返してよ!!」
デクがノートを取り返そうとしてくるが、知った事か。
そもそも、実力が伴わねえくせにでかい口叩いて俺を苛つかせたこいつが悪い。
俺は、デクの目の前でノートを爆破した。
「あーーーーー!!!!?」
爆破したノートを、教室の窓から投げ捨ててやった。
こんなもん書いたからって、ヒーローになれるわけねえだろ。
いい加減現実見ろやクソナード。
「ひどい…!」
「一線級のトップヒーローは大抵、学生時から逸話を残してる。俺はこの平凡な市立中学から初めて!唯一の!『雄英進学者』っつー“箔”を付けてーのさ。まー、完璧主義者なわけよ。つーわけで一応さ、雄英受けるな。ナードくん」
俺は、ガクガク震えるデクの肩に手を置いて、笑顔で釘を刺した。
デクは、俯いたまま何も言ってこなくなった。
「いやいや…さすがに何か言い返せよ」
「言ってやんなよ。かわいそうに中3になってもまだ彼は現実が見えていないのです」
そう言って、教室を後にする。
あぁ、スカッとした。
そうだ、これ以上俺の後ろをひっついて来ねえように、トドメ刺してやるか。
「あ、そんなにヒーローに就きてんなら、効率良い方法あるぜ。来世は“個性”が宿ると信じて…屋上からのワンチャン──」
「やめなさい」
俺が最後まで言い終わる前に、誰かが俺の言葉を遮った。
ったく、誰だよこんな時に…
「………っあ?」
「『オールマイトを超えるNo.1ヒーロー』、大いに結構。ですがそれ以上は内申に傷がつきますよ」
聴き覚えのない声に、俺は苛つきながら顔を上げる。
見覚えのある茶髪に、切れ長の目。
俺にはわかる。
随分と背が伸びて、声も名前も変わったが、あの時の気味悪い顔を見間違える筈がない。
「兄……貴……!?」
「っえ……!」
ずっと目を背けてきた現実に直面した俺は、立ち尽くすしかなかった。
兄貴は、公安に引き取られて東京の施設に行ったはずだ。
何でこんなとこにいんだよ!?
「…ああ、心配しないで下さい。今の事は先生に報告しません。あくまで忠告しに来ただけですので、悪しからず」
兄貴は、俺がデクにしたように、俺の肩を掴んで笑顔を浮かべた。
その瞬間、頭ん中にあの日の出来事がフラッシュバックして、反射的に兄貴の手を払い除けた。
「……っ、チッ、覚えとけよ!」
俺は、苦し紛れの捨て台詞を吐いて、教室を後にした。
クソッ、クソックソッ!
何なんだ、あの野郎…!
「なあ、今のって」
「隣のクラスに来た吉野とかいう奴だろ。にしても、変な奴だよな。東京の頭良い中学通ってたのに、こんな田舎の公立中学に来るなんてよ」
「カツキ〜あいつ知り合い?」
「………」
俺は、今の今まで兄貴の事を忘れてた。
いや、違う。
本当は、忘れた日なんざ一日もなかった。
忘れたくても、忘れられなかった。
今でも、あの気持ち悪い笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。
本当は、わかってた。
あいつが、ずっと昔から何もかも俺の先を進んでた事くらい。
今ならわかる。
あの野郎、最初からああするつもりだったんだ。
“個性”事故なんて、真っ赤な嘘だ。
俺の目には、あの日のあいつが、やりたいようにやっているように見えた。
あんな奴でも親としての情はあるのか、親父とババアはよくあいつのいる施設に顔を出していた。
その度に、『今日は楽しそうに話してくれた』とか、『久しぶりにお母さんって呼んでくれた』とか、聞きたくもない話を聞かされた。
二人の目には、兄貴は『親想いの優しい子で、不幸な事故で離れ離れにされた可哀想な子』として映ってた。
親父もババアも、あいつの事を何も解っちゃいない。
あいつは、不幸な事故を起こした可哀想な子供でも、親想いの息子でもない。
“個性”をひけらかす為なら平気で家族を捨てる鬼畜、それがあいつの本性だ。
俺が思うようにいかなくて立ち止まってる間、あいつはとっくに自分の思い通りにいく生き方を見つけてた。
誰よりも見下してたあいつが、俺の知らないところで誰よりも自由に生きてた。
その事実を受け入れたくなくて、ずっと見ないふりを続けてきた。
苛立ちをデクにぶつける事で、触れたくないものから逃げ続けてきた。
オールマイトを超えるNo.1ヒーローが、聞いて呆れる。
――いい加減現実見ろやクソナード。
心の中で呟いた言葉が、俺の胸を掠めた。
現実を見てなかったのは、俺の方じゃねえか。
出久side
僕にとって、こうちゃんは初めてできた友達だった。
二人とも“無個性”だったから、二人してかっちゃんにいじめられてた。
お互い似た境遇だったからか、僕はこうちゃんとすぐに打ち解けた。
双子のはずなのに、性格はかっちゃんと正反対で、本が好きな大人しい子だった。
でもヒーローに憧れてるってところは同じで、よくヒーローの話で盛り上がった。
僕がヒーローの話をすると、こうちゃんは楽しそうに僕の話を聞いてくれた。
こうちゃんが、『内緒ね』って言って、僕にだけ勝おじさんの書斎から持ってきた本を見せてくれた事もあった。
あの時の僕には難しすぎてわからなかったけど、こうちゃんと一緒に遊ぶのは楽しかった。
だけどあの日から、こうちゃんは僕の目の前からいなくなってしまった。
あの日、僕とこうちゃんはかっちゃん達にいじめられた。
その日は、こうちゃんも我慢ならなくなったのか、いじめっ子の一人、シュウくんに反撃した。
あの時僕は、何かが起こるだなんて思ってなかったんだ。
だけど次の瞬間、シュウくんの身体が赤く光って、僕達の目の前で弾け飛んだ。
わけがわからなかった。
こうちゃんに“個性”はなかったはずだ。
おじさんも、おばさんも、かっちゃんも、そう言ってた。
こうちゃんも、僕の前で“個性”を使うそぶりを見せた事はなかった。
だけど、あの時の爆発は、こうちゃんが起こしたとしか考えられなかった。
「うわぁあああああああっ!!!」
その場にいた皆の声が響いて、ようやく我に返った。
こうちゃんは、ボロボロになって泣きながら他の皆を追いかけていた。
僕は、こうちゃんが助けを求めているように見えた。
僕はこうちゃんを助ける為に、飛び出した。
だけどその時、僕は見てしまった。
こうちゃんが、ボロボロになりながらも笑顔を浮かべながら友達の服を掴んでいるのを。
止められなかった。
あの笑顔を見てしまった僕は、どうする事もできなかった。
あの後こうちゃんは、ヒーローに保護されて、病院に運ばれた。
僕もヒーローと警察にいくつか質問をされてから、お母さんに迎えに来てもらって家に帰った。
こうちゃんが町を出ていくって話を聞いたのは、その数週間後の事だった。
“個性”事故を起こしたから、施設に送られたらしい。
僕は、あの時の事を今でも後悔してる。
あの時僕が止めていれば、友達が死ぬ事も、こうちゃんがいなくなる事もなかったのかもしれない。
オールマイトみたいなヒーローになりたいって思ってたのに、身体、動かなかった。
僕は、こうちゃんを止められなかった事と、きちんとお礼とお別れを言えなかった事を、ずっと心のどこかで引きずり続けてきた。
だけど8年後の春、こうちゃんが帰ってきた。
最初は誰かわからなかったけど、おじさん譲りの髪と、かっちゃんの反応を見てピンと来た。
あのままずっと会えないものだと思ってたから、まさかまた会えるなんて思いもしなかった。
僕がかっちゃんに爆破されたノートを拾いに行くと、既にこうちゃんがノートを拾ってくれていた。
池に捨てられたノートはずぶ濡れになってたけど、こうちゃんが“個性”を使って乾かしてくれた。
「とんだ災難でしたね」
「あ、ありがとう…こうちゃん」
「そう呼ばれるのは何年振りでしょうかね。それはそうと、弟が無礼を働きましたね。申し訳ありません」
「そんな、こうちゃんが謝る事じゃないよ!」
「あれでも志と才能はあるんですが、あとは言動がどうにかならないものか…」
「それは十分、心得て…います」
数年ぶりに再開したこうちゃんは、まるで別人だった。
背も僕より低かったのが今ではすっかり伸びて、僕に対しても敬語で話す余所余所しい人になっていた。
僕は、こうちゃんとの再会を喜ぶ一方で、まるで別の世界の人のようになってしまったのが少し寂しかった。
「あの…っ、こうちゃん、変わったよね。雰囲気とか、話し方とか…幼馴染みなのに、全然そんな感じがしないというか…」
「そういう貴方はお変わりないようで。ところで、引子さんは今お元気でしょうか?」
「うん…相変わらず元気にしてるよ。こうちゃんが帰ってきたって言ったら、きっと喜ぶよ」
「そうですか。挨拶もせずに去ってしまったものですから、心残りだったのですが…お元気でいらしているのなら良かった」
お母さんは、僕に“個性”が出なかったのと、あの日の事故の事もあって、ストレスで太って前より暗い性格になってしまった。
だけどそんな事、こうちゃんには言えなかった。
「時に出久くん。小耳に挟んだのですが、貴方…ヒーロー志望だそうですね」
「えっと、一応…ずっと、オールマイトみたいなヒーローに憧れてて…」
「そんな話をしていた頃もありましたっけ」
「僕、“個性”が無いせいで…そのせいだけじゃないかもしれないけど、かっちゃんや皆に馬鹿にされてて…でも、人を救けるってすごくカッコいい事だと思ってて…オールマイトみたいに笑顔で人を救けるヒーローに、僕もなりたいんだ。“無個性”でも、ヒーローになれるかな…?」
僕が話すと、こうちゃんは「ふむ…」と顎に手を当てて考え込んだ。
そして何を思ったのか、こうちゃんはクスッと笑った。
やっぱり馬鹿にされたかな…
「なれるかどうかは兎も角、がむしゃらに夢を追い続けている人は、私は好きです。『“無個性”でもヒーローになれるか』という質問の答えにはなっていませんが、貴方に最後までやり遂げる覚悟があるのなら、私は応援しますよ」
「こうちゃん…!」
「ただし、信念を貫くと決めたからにはそれ相応の努力をしなさい。話はそれからです。夢を追う事、好きなものを分析する事、それ自体は否定しません。それらも突き詰めれば、それ自体がその人自身の真理と言えるでしょう。ですが貴方のしてきた努力は、果たして身体が資本であるヒーロー業に見合っているでしょうか?雄英ヒーロー科の入試では、毎年、何千何万といる将来有望な学生が、たった数十しかないイスを奪い合うのですよ。その殆どが、貴方より実力のある者達です。彼等を蹴落として勝ち残る覚悟が、貴方にお有りですか」
「っ、それは…」
「何かを得たければ、同等以上の代価を支払え。本気でなりたいものがあるのなら、他の何を抛ってでもやるべき事があるはずだ。そうでないならやめてしまえ。生半可な覚悟で救えるほど、命というものは軽くない」
「……………」
こうちゃんの言葉を聞いて、僕は何も言い返せなくなってしまった。
こうちゃんの言う事は、いつだって正論だった。
頭が良くて、いつも自分の道を誰よりも見据えてる。
別人のようになってしまったけど、そこだけは昔から変わっていなかった。
「おっと、お喋りが過ぎました。私はこれで」
そう言って、こうちゃんが帰ろうとすると、僕は咄嗟にこうちゃんに声をかけた。
「あの…っ、どうして僕を助けてくれたの?」
僕は、気になっていた事をこうちゃんに尋ねた。
こうちゃんは、一瞬黙り込んだかと思うと、笑顔を浮かべながら言葉を返した。
「ヒーローは、人を助けるのが『仕事』ですから」
紅己side
まさか、弟と幼馴染みに再会するとは思ってもみませんでした。
仕事に差し支えが有れば
あの二人のどちらか…或いは両方が、最高のヒーローになるその日までは。
「それにしても…彼、まだ勝己に虐められていたんですね」
まあ、私がいなくなった分の皺寄せが来たというのもあるのでしょうけど。
それに関しては、同情はしますが申し訳ないとは思いませんね。
弟の虐めを擁護するわけではありませんが、実力の伴わない者が出しゃばれば、実力の優れた者に淘汰されるのは当たり前の事です。
弱肉強食、自然の摂理です。
しかし、勝己も勝己です。
オールマイトを超えるヒーローを志す者が、あんなみみっちい理由で弱い者虐めをするなど、
才能と信念は評価しているんですがね…
おっと、考え事が過ぎました。
仕事に集中しなければ。
私は、指定の公衆電話の電話帳の下に挟まっていた茶封筒を回収し、中に入っていた鍵を使って指定のロッカーの鍵を開け、その中に入っていた鞄を回収しました。
あとはこの鞄を指定の場所へ届けるだけですが…
「さて。確かこの辺のはず…」
BOMB!!!
この音は……
商店街の方角ですか。
それにあの煙……
あれはニトログリセリンを主原料とした燃料が爆発した時のものですね。
私は、近くにあったビルの壁を駆け上り、爆発があった商店街を望遠鏡で覗きました。
煙幕で見えにくいですが………
…………あれは…勝己……?
ヘドロ状の
勝己は“個性”を使って必死に抵抗していますが、そのせいで商店街が火の海となり、却って状況を悪化させています。
ヒーローは…
…ああ、あれはダメですね。
被害を拡大させない判断自体は間違いではありませんが、あのままでは勝己が危ない。
私なら、あの
「『グレン』です。申し訳ございません。急用ができてしまいました。用事が終わり次第そちらに向かいますので、車を手配していただけませんか。ええ、場所は……」
私は、全速力で商店街に向かいつつ、専属の情報屋に連絡を入れました。
初任務で遅刻とは、散々なデビューです。
…が、今はやむを得ません。
人を助けるのが、ヒーローの仕事ですから。
時間にして約5分、ようやく現場に辿り着きました。
野次馬を押し除け、勝己のもとへ向かおうとしたその時。
私の横を、何かが通り過ぎました。
通り過ぎたのは、私と同い年くらいの少年でした。
「馬鹿ヤローー!!止まれ!!止まれ!!!」
ヒーローの制止を無視して、少年は
あれは…出久くん…?
何故彼がここに…
出久くんは、ヘドロ
そして、
「かっちゃん!!」
「デク!何で!!てめぇが!!」
「足が勝手に!!何でって…わかんないけど!!!君が助けを求める顔してた!」
………!
ああ、その顔だ。
それですよ。
私があの日、あの時一瞬見た
己を顧みず死地へと飛び込み、もがく者の表情というものは、かくも美しいものか。
私は、くつくつと喉を鳴らしながらヘドロ
「避難誘導をお願いします」
「あっ、おい!」
「ここからは、私の仕事です」
私は、両手を組んでコキ、と鳴らすと、ヘドロ
「こうちゃん!」
「クソ…兄貴……!」
「もう少しなんだから、邪魔するなあ!!!」
「ふむ…流動体の“個性”ですか。ならば…」
私は両掌を合わせ、普段から左手に填めている手袋に“個性”を発動しました。
手袋の構成分子からニトログリセリンの原料となる硝酸を生成し、濃度を調節し…あとは、そのまま手をヘドロ
彼自身の液状の身体が急速に硝酸を全身に循環させ、肉体を構成する組織を破壊し……あとはもう語るまでもないでしょう。
“個性”の性質上強酸に耐性のある勝己が人質だからこそできる荒っぽい方法ですが、手段を選んでいられる場合でもありませんしね。
「ギャアァアアアアアアアッ!!!あ゛、あ゛つ゛い゛、や゛け゛る゛、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
「ク…ソがぁ…!」
「かっちゃん!!」
ヘドロ
ふむ、上出来ですね。
さてと。致死量ギリギリの硝酸を流し込んだので当分は自由に動けないと思いますが、おいたが過ぎた
私が“個性”を使ってヘドロ
「すまないな、少年。我々大人の不手際で迷惑をかけた。あとは私に任せなさい」
オールマイト…
…くく、なんだ。
どうやら私の出る幕ではなかったようだ。
「DETROIT SMASH!!!!!」
私が見たのは、雄叫びと共に血を吐き散らしながら拳を振り下ろすヒーローの姿でした。
オールマイトがヘドロ
やがて雨が降り、降り頻る雨は周囲の炎を消し去ってしまいました。
一撃で天候まで変えてしまうとは…これが、No.1ヒーローというものですか。
「さて、そろそろ仕事に向かわねば。あとは現場のヒーローに任せるとしましょう」
出久side
あの後、散ったベトベトはヒーローらに回収され、無事警察に引き取られたみたいだ。
僕はヒーロー達にものすごく怒られ、逆にかっちゃんは賞賛された。
――生半可な覚悟で救えるほど、命というものは軽くない。
――相応に現実も見なくてはな、少年。
こうちゃんとオールマイトに言われた言葉が、脳裏を掠めた。
その通りだ。
あの場にいて、僕にできる事なんて何もなかった。
結局、ヒーロー達の邪魔をして、こうちゃんとオールマイトに助けられた。
「そうだ、こうちゃんとオールマイトに謝らなきゃ…」
僕が振り向くと、オールマイトも、そしてこうちゃんも姿を消していた。
さっきまで近くにいたはずなのに…
「いない……?」
◇◇◇
紅己side
ヘドロ事件から、もう1年半経ちました。
時の流れというのは早いものですね。
事件の1年後、勝己と出久くんは二人とも雄英のヒーロー科に進学しました。
勝己はともかく、出久くんはどうやってヒーロー科の試験に通ったのか疑問でしたが、何やら私の知らないところで“個性”が発現していたようで、先日の雄英体育祭では腕や指を壊しながら戦っていましたね。
私は、相変わらず公安ヒーロー見習いを続けています。
つい先程、一件の仕事を終えたところです。
今回の仕事は、医者である
金を払えない患者だろうと
公安は岩鐘夫婦に
最終警告にも応じず、公安はとうとう最後の手段に出ました。
社会の基盤を揺るがす危険因子の排除という名目で、私に岩鐘夫婦の抹殺を依頼したのです。
私は、彼等を爆発事故に見せかけて爆破し、公安も、ヒーローや警察には今回の件を事故として処理させました。
「良い人達でした。『金なんかいらない』、それが彼等の口癖だったそうです。出来る事なら、別の形でお会いしたかった」
「だったら引き受けなきゃ良かったのに」
「そうはいきません。これも仕事ですので」
私が彼等の仕事場から回収した家族写真を見ながら目頭を押さえていると、先輩が話しかけてきました。
現No.3…いえ、No.2ヒーローのホークス先輩。
私の本性を知ってもなおプライベートの付き合いをしてくれる、おかしな人です。
普通の方は、私のような者を煙たがるんですがね…
「グレンくんも、よくこんな仕事続けられるよね。まだ子供なのに」
「適性に年齢は関係ありませんよ。この仕事は、人を殺す事を躊躇う普通の人間にも、衝動を理性で抑えられない獣にもこなせません。だからこそ、私のような人間が抜擢されたわけです」
「ははっ、天職ってわけ」
私が持論を語ると、先輩は無邪気に笑いました。
本当に、長く共に過ごしていてもいまだに考えの読めない人です。
「普通、こんな仕事してればどこか壊れるもんなんだけどなぁ。俺の前任の先輩もそうだった。…いや、君の場合は最初から壊れてるのかな」
「褒め言葉として受け取っておきます」
先輩が仰っているのは、元公安直属ヒーローのレディナガンの事でしょう。
10年ほど前に当時の公安のトップを射殺し、
私達は、私達が普段殺している
正しくあろうとする者が、何の苦悩もなく続けられるわけがない。
彼女は、彼女なりの正義を貫こうとしたからこそ、壊れてしまった。
私の知る限りでは、最も気高く、美しいヒーローでした。
本当に、惜しいものです。
もしも時を遡れるのなら、
「コーヒー奢るよ」
「ありがとうございます」
「ブラックで良かったよね?」
「ええ。甘いの苦手でして」
「甘いのうまかよ」
その後、私は別の依頼を請け負い、ターゲットのいる高級ホテルの最上階へ向かいました。
今度の標的は、
私は、ルームサービスを運びに来た従業員を装い、逃げられないようまずは標的の男の右脚を吹き飛ばしました。
「お前…っ、まさか公安の差し金か!?」
「申し遅れました。私、貴方の抹殺を請け負う事になりました、公安ヒーローです」
そう言って私は、男に向かってゆっくりと手を差し出しました。
すると彼は、命乞いをし始めたではありませんか。
「やめてくれ…!わ、私はこんな所では死ねないんだ!金か!?金が欲しいのか!?だったら、奴等の倍額払う!だから見逃してくれ!」
「ほう、それは面白いですね」
「そ、そうだろう!?この通り、だから…」
「私が面白いと言ったのは、貴方のおめでたい考えです」
私が笑うと、男は絶望の表情を浮かべながら、子供のように泣き喚きました。
自分が殺される時になっても、最期まで患者を救けようとした医者夫婦とは大違いです。
「ひぃっ、いやだ、死にたくない!!やめろ、やめてくれぇ!!」
「くくく、やはり貴方は面白い方だ。貴方は今まで、貴方が見捨てた人達の命乞いに耳を貸した事はありますか?」
「………!」
そう言って、男に歩み寄り、両手でバスローブを掴んで“個性”を発動する。
あとは、起爆するだけです。
「ほんの餞別の品です。それでは、さようなら」
それが、私が彼に贈った最後の言葉でした。
「うむ…」
今回の仕事は、あまり美しい出来栄えではありませんでした。
仕事なのですから、せっかくならもっと芸術的に仕上げたかったんですが…
仕方ありません、切り替えて次の仕事へ向かいましょう。
「兄さん!向こうで爆発が!」
「行くぞ、アル!」
おや…ヒーローがもう近くに。
この近くにヒーロー事務所はなかったはずですが。
声色からして同年代、インターン生でしょうかね。
私の起こした爆発を聞きつけて駆けつけてきた、といったところでしょうか。
何にせよ、一足遅かったですね。
証拠は消しましたし、現場から焼死体が発見されたところで事故死として扱われるだけです。
私が野次馬に紛れてその場を離れようとした、その時でした。
丁度、現場へ向かっていたヒーローの学生とすれ違いました。
金の三つ編みに、赤いコート。
そして、強い信念を宿した金の瞳。
恐らく彼も、誰かを救いたいという信念のもと、ヒーローを志しているのでしょう。
つくづくヒーローというものは、私を昂らせてくれる。
先輩から聞いた話ですが、どうやら今我々が追っている
先日逮捕された
近々、彼等が日本全土を揺るがす大きな戦争を起こす事でしょう。
ヒーローが勝つか、
誰が死に、誰が生き残るのか。
何が正しくて、何が間違っているのか。
私はその結末が見てみたい。
…案外、その結末を見られる日はそう遠くないかもしれません。
本物の狂人に人生を狂わされたかっちゃん、哀れ。
ちなみに主人公は転生者とかではなく、ハガレンのキンブリーにちょっとそっくりなだけの全くの別人です。
色んなとこと小競り合いしてたアメストリスとは違い、あくまでヒロアカ世界の平和な日本で生まれ育った人間なので、原作とは性格や言動にかなり差異があります。
あと、かっちゃんの強酸耐性設定は、勝さんの“個性”が『酸化汗』である事と、空想科学読本の内容を参考にした設定です。
一応本作にはハガレンのキャラのそっくりさんがいて、錬金術や錬丹術、ホムンクルスの能力などは全て“個性”に置き換えられています。
ご希望があればハガレンキャラのそっくりさんの設定集のようなものを公開しようかと。
主人公設定
イメージ画像
【挿絵表示】
プロフィール
本名:
ヒーロー名:グレン
“個性”:『起爆』
所属:ヒーロー公安委員会
出身校:国立
誕生日:4月20日(16歳)
身長:175cm
血液型:A型
出身地:東京都
好きなもの:辛い食べ物、信念を貫く人
嫌いなもの:甘い食べ物、雨、Gのつく虫
性格:自覚のある狂人
戦闘スタイル:中〜遠距離攻撃、暗殺
ICV:吉野裕行(幼少期:國立幸)
HERO’S STATUS
パワー:A
スピード:C
テクニック:A
知力:S
協調性:E
概要
本作の主人公。公安ヒーロー見習い。
爆豪勝己の双子の兄で、緑谷出久の幼馴染み。
人物
長い髪と切れ長の目が特徴的な少年。一人称は『私』。
かつて“個性”事故を起こし、クラスメイトを死なせてからは、児童自立支援施設に送られた。
しかし中学3年生の春、何の縁か折寺中学に転入し、8年ぶりに弟と幼馴染みに再会した。
弟とは正反対の性格で、表向きは誰に対しても敬語で紳士的に接する文武両道の模範生だが、その本性は狡猾で残忍。
公安ヒーローを志望した動機も、『自分の“個性”を誰からも咎められる事なく使えるから』という酷く歪んだものであり、その為に周囲を欺いて用意周到に人生設計を練る頭の回転の速さや執念深さを持ち合わせる。
ずば抜けて知能が高く、立ち回りが器用。
一応自身が人と異なる価値観を持つ事は自覚しているようで、自分の本性を知る一部の人間以外には本性を隠し好青年として振る舞っている。
現に、両親の勝と光己をはじめ、ほとんどの人間が彼の本性を見抜けていない。
小学生の頃からヒーローの英才教育を受けてきたため、全体的に能力値が高く、“個性”の関係上化学や医学の知識が豊富。
戦闘能力はヘドロ事件の時点で並のプロヒーローを軽く凌ぎ、技の熟練度は中堅ヒーロークラス。
アングラヒーローとして活動しているため世間での認知度は極めて低いが、プロの間では14歳で仮免を取得した天才として認知されている。
狂人である一方で、仕事に対しては真摯な姿勢を見せ、ヒーローとして積極的に人助けをし、ヒーロー活動以外の殺生はしない。
また、強い信念を持つ人間を好み、敵味方問わず尊敬の念を示す。
そういった意味では、弟の事は、粗暴な言動はともかくトップヒーローを目指す志そのものは評価している。
ホークスは先輩にあたり、自身の本性を知る数少ない相手。
先輩にあたるレディナガンの事は、気高く美しいヒーローとして尊敬していた。
二十歳くらい歳上の美魔女に初恋拗らせた変態白スーツ。
容姿
父親譲りの茶髪を長く伸ばし、後ろで無造作に束ねている。
初めて人を殺した日から目つきが悪くなり、不気味な印象を与える。
コスチューム
難燃加工を施した白いスーツ。それ以外には特に機能は無い。
最初は白い帽子を被っていたが、“個性”を使うたびに吹き飛ぶので被るのをやめた。
代わりに、いつでも爆弾を作れるよう左手にのみ使い捨ての手袋をつけている。
“個性”:『起爆』
両掌で触れたものを爆弾に変換し、任意のタイミングで起爆できる。
“個性”を発動するには、対象となる物質を正確に理解した上で、イメージを精密に構築する事が条件。
“個性”が発現した当初は化学知識が乏しかったが故に“個性”が使えず、当時診察した医師はこの“個性”の存在を見落とし、彼を“無個性”と診断してしまった。
発動の際は、対象となる物質を構成する水素、炭素、窒素、酸素からニトログリセリンやニトログリコール、ニトロメタン等を生成し、対象物を爆発物に変換する。
その特性上、完全な無機物は適応外。
また、生物は適応外だが、例えば服や人工臓器等を爆発物に変換する事で間接的に爆破する事は可能。
他の元素の配合を調整する事で威力を調整する事ができ、応用次第では毒や薬も生成できる。
自身の脂肪を燃焼して得たエネルギーで“個性”を発動するため、発動限界を迎えると身体が動かなくなる。
キュリオスこと気月置歳に似た“個性”だが、生物と無機物は適応外である点、一撃あたりの殺傷能力が桁違いである点、爆破の規模を調節したり爆弾以外のものを生成したりと応用が効く点が異なる。
ちなみにカメオ出演のキャラ
ヒーローも
指名手配中の
一人娘の
夫婦ともに殺される瞬間まで医者としての使命を全うした善良な人物であり、紅己が殺害を躊躇した最初で最後の標的だった。
雄英ヒーロー科の生徒で、或琉の兄。
背が低く、弟に比べ短気な性格。
幼少期に交通事故で右腕と左脚を失い、サポートアイテムで補助をしている。
“個性”:『錬成』
触れたものを別のものへと創り替える。
ただし同じ質量・構成元素のものしか作れず、生物は適応外。
雄英ヒーロー科の生徒で、英土の弟。
兄より背が高く、落ち着きのある性格。
“個性”:『錬成』
兄の“個性”と同じ。
雄英サポート科の女子生徒で、英土と或琉の幼馴染み。
サポートアイテムオタクな残念美少女。
両親を紅己に殺害されてからは、祖母の
“個性”:なし