進撃のサイヤ人   作:ただのトーリ

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やっと……戦闘シーン賭けた。
短いけどこれが精一杯です。




壁外調査〜実践〜

 調査兵団に所属が決まってから3日、俺は待機期間を利用して自主訓練に励んでいた。

 

 

「ふっ、はぁ!! でりゃあ!!」

 

 訓練所の中央にて、俺は1人で対人格闘術の反復練習を行う。

 

 蹴りを、突きを放つ度に空気を切り裂く音が響き渡る。

 脳裏には仮想敵として自分と同じサイズの鎧の巨人。

 

 やつは間違いなくタフネスさを利用した特攻がメインの戦い方となる。気の解放で恐らく押し切れるとは思うが、わざわざあちらの得意なステージでやり合う意味は無い。

 敵の攻撃パターンを繰り返すごとに複雑化し、それを更に対処する……それの繰り返しだ。

 

 常に機動力を意識し、側面を叩く動きを繰り返す。

 打ち込むべきは関節と人体の急所。

 いくら本体は首筋にいるとはいえ、巨人は人を模した化け物である以上、構造上の弱点は通用するはずだ。

 例えるなら関節技や筋組織破壊技だ。

 

 痛覚がなかろうと手足をもぎ取っても再生するというのならば、物理的に行動不能にしてやればいいだけの話だ。

 

 むしろ痛みというのは生存に関する重要な情報だ。それがないということは知らず知らずのうちに致命傷になるまで無茶が出来てしまう欠点だ。

 引き際を判断する材料をわざわざ向こうが捨ててくれるのだから、それを利用しない手は無い。

 

 

「せりゃぁ! ぜえい! だりゃりゃりゃりゃ!!」

 裂帛の気合いとともに連打を仮想敵に打ち込む。

 崩れ落ちそうになった残像目掛けて、決めての首筋への手刀を放ち……そこで終了した。

 

 

 

 

「ふう……」

 

 呼吸を落ち着かせていると、パチパチと拍手が響いた。

 視線を向けるとそこにはハンジが立っていた。

 その隣にはモブリットも一緒だ。

 

 

「いやぁ〜ホントすごいね! 対人格闘術なんてほとんどやらなくなったけど、君の動きを見てるとその重要性を再認識する程度には感心させられるよ」

 

 ハンジは俺の前までやってくると、手に持っていたタオルと水の入った水袋を寄越してくれた。

 

「ありがとうございます」

 

 汗を拭いて水を飲みつつ、彼女を見つめる。

 その目は何かを期待したようなワクワクした目線だ。

 

「……もしかして何か頼み事ですか?」

「え? い、いや? そんなことはァないよぉ?」

「分隊長! 目が泳ぎすぎです!!」

 

 

 実はハンジ、この3日間事ある毎に俺の元へやってきては実験と称し、あれこれ俺の体からサンプルを持っていくのだ。

 最初はシッポの毛、次は血液や髪の毛、果てには精液と本当に遠慮がなかった。特に最後のはまじで勘弁して欲しかったよ……モブリットが何度も謝りながら「済まないバルト」と謝っていたので怒る気にもならなかったが……。

 

 

 ちなみに研究結果だと、微細な違いはあれど全体的な構造は同じだと判明した。この時点でハンジは嬉しそうに「いやぁー実に良かった! ちゃんと子供が作れるよ!」なんて言い出した。

 

 まあ、宇宙人であることを伝えてあるのでその辺を気にしてくれたのだろうが……食堂のど真ん中でそれを言うのはやめて欲しかった。

 

 一瞬とはいえ、俺とハンジがそういう関係なのかと疑われたほどだ。

 

 

 そのあとリヴァイ兵長が引っぱたいてその場を収めてくれたおかげで妙な事にならずに済んだ。

 

 

 

「で、今回はどんなご要件で?」

「……あーもう、モブリットがバラすから言質を取る作戦失敗しちゃったじゃないか」

「分隊長、せこすぎます!!」

 

 

 やれやれ、とわざとらしい素振りをしたあとハンジは続ける。

 

「実はそろそろ壁外調査を行う時期なんだ。知らないかもしれないが、我々調査兵団は先代の団長よりエルヴィン団長に引き継がれてから、1ヶ月に1度のペースでこれを行ってきているんだ。

 もちろん規模はその時の状況だったり、兵士の疲労を残さないため、あえて小規模に収めている時もある。

 そして今回は小規模壁外調査になる予定だ」

 

「なるほど、その小規模壁外調査に来てくれ、と?」

「そういうこと、一応君は新兵扱いだからベテランの私たちと違って強制参加とは言えないんだ。だからお願いする形で誘いに来たんだよ」

 

 

 なるほど、確かに大規模で行った方がリスクの分散という意味でも安全度が高い。小規模での調査は機動力が得られる代わりに戦闘に陥った時の死亡リスクが高い。故に新兵は基本的に参加しないのだろう。

 だがーー。

 

「もちろん参加しますよ。それが目的で無茶な手を使ってまで入団したんですから」

「……いいのかい? かなり危険だよ?」

「危険なんて今更でしょう。百年の歴史をぶち壊した一撃が百年また間を空けてくれる訳無いんですから」 

 

 

 

 その言葉にモブリットは目を見開く。

 きっと気づいていなかった訳では無いんだろうが、無意識に考えないようにしていたんだろう。……もし同じことが起きたらどれほどのダメージが人類に及ぼされるか、考えるだけで恐ろしかったから。

 

「そう、だね。確かにその通りだ。であるならばこそ今回の壁外調査は小規模でも実りあるものにしたい。是非、よろしく頼むバルト」 

 

 彼女の言葉に敬礼で答える。

 

 

 

「ちなみにいつ出発なんですか?」

「明日」

「早ぇわ!!」

 そう言うところだぞアンタ。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 翌朝、俺は馬に乗ってトロスト区の門から外へと出るために集まった。

 

 そこに居たのはエルヴィン団長、ミケ班、リヴァイ班、ハンジ班、その他2班の合計6班となった。

 ちなみに1班は5人1組なので小隊としては最小の30人となっている。

 

 

 とりあえず戦力バランスとして俺はハンジ班に配属。

 モブリットを抜いたほかのメンバーと顔合わせしておく。

 

「バルトです、よろしくお願いします」

 そう告げると若い男性が2人迎えてくれた。

「ロイドだ、君が噂の新人か。よろしく頼むよ」

「フォードだ、なれない壁外調査だから無理をするなよ」

 

 変に威圧的だったりしない良い先輩たちだ。

 彼らと共に今回の作戦を成功させるために気合いを入れよう。

 

 

「これより、小規模壁外調査を行う! 皆油断をするな!」

 

『ハッ!』

 

 兵士たちの応えが合わさる。

「開門せよ!」

 

 壁外、ウォールマリア領へと繋がる道が開かれるとそこへ次々と馬が飛び込んでいく。

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 

 馬で駆ける中、俺は周囲の気を探ることに意識を向けていた。

 既に門を抜けて3時間になる。そろそろ巨人と出会ってもおかしくは無い。

 

 

「ーーっ、団長! 進路方向右手から5体の気配を感じます!」

 

 その言葉に皆が視線を向けるがそこには木々が生い茂っており、見える範囲にはいない。何よりミケが何も言わない。

 

 オルオがそれに対し「何を適当な……」と言いかけた次の瞬間。

 

「いや、来る!」

 遅れてミケの声が上がる。

 すると動きのなかった森から鳥が飛び立ち、木を揺らしながら異様な速さでかけ出す巨人が5体現れたのだ。

 

 

「ま、マジで出やがった」

「5m級が2体、8m級が2体……13mオーバーが1体!」

 

 単眼鏡でサイズを測ったモブリットが声を上げる。

 

「総員迎撃態勢!」

「!?」

 

 エルヴィン団長がそう声をあげると兵士たちが驚きの声を上げる。

 

 本来壁外調査は如何に巨人と戦わないか(・・・・・・・・・・・)が重要となる。つまり索敵で早い段階で見つけた場合、逃げを打つか数名を囮として残して逃げるのが基本だ。

 ちなみに囮は死亡率が7割を超える。

 

 

 だというのに今回、彼の指示は迎撃態勢。つまり全員で相手をするということだ。

 

 1体や2体であればそれも納得できるが5体だ。ほとんど1班につき1体の計算だ。

 不可能ではないだろうがリスクが高すぎる。

 

 

 しかも続けて発したエルヴィン団長の指示に耳を疑う。

「対応はバルト調査兵に任せる。他の者は周囲を警戒し、不意打ちに注意せよ!」

 

 新兵に5体の巨人を任せると言ったのだ。

 しかも周りにはアンカーを刺せる様な建造物は無い。

 これでは立体機動もままならない。明らかに自殺行為だ。

 

 ハンジ班のロイドたちも抗議の声を上げるが「決定事項だ、従え」と言われ悔しげに黙る。

 

 

 そんな中、俺は「任せてください」と言って馬から降りてエルヴィン団長に問う。

 

「ここで俺に任せるってことは、いいんですよね!?」

「私が責任を取る。今は君の力を確認するのが最優先事項だ」

「了解……じゃあ、油断なく行きますかね。ーーはぁっ!!!!」

 

 

 気合いと共に気を解放する。

 すると馬達が驚き嘶く。

 

 続けて両腰からブレードを引き抜いて構えると、アンカーも使わず空を飛び高速で巨人達に迫る。

 

「わるいな、恨みは無いが生きる為だ。死んでくれ」

 

 目の前に現れた俺にほぼ本能で手を伸ばしてくる巨人の手を躱し、立体機動より微細な動きで回り込み、背後に回った瞬間一閃。

 これだけで1体目の巨人の生命は絶たれた。

 

 

 続けて加速を繰り返し横一線縦一線と切り刻む。

 5m級の2体は検体として使えるかと思ったので手足を切り落とし、更に指先で気功による輪……ギャラクティカドーナツを放つと足、腕、更に口を猿轡するように縛り上げた。

 

 

 

 残るは13m級。

 

 眼前にまで浮かび上がると、ブレードをしまう。

 

 すると手を伸ばし捕まえようとしてくるが、その手を逆に掴み背負い投げる。

 

 地面に叩きつけられ、身動きが取れなくなったところに見下ろす形で人差し指と親指の指先を合わせるようにして、手のひらで枠を作る。ちょうど四角の覗き窓ができるようになる

 

「気功砲!」

 

 ドン、と重い音と共に巨人は消失し残されたのは四角い地面の穴だけだった。

 

 

 ふわりと飛んでエルヴィン団長の元へ戻る。

 

「ありがとうございます、あのレベルなら50居ても余裕だと思います」

 

 その言葉に流石のエルヴィン団長も言葉を失っていた。

 唯一喋っていた者は検体用に捕獲した巨人に大はしゃぎだ。

 

 

「すっげぇぇぇぇ!! なにこれどうやって捕まえてんのぉぉぉ!? てか一気に2体もぉほぉおお! ねぇバルトー! この輪っか触ってもいいー?」

「分隊長! 興奮しすぎです!!」

(あっち)ぃぃぃいいい!?」

「アンタなんで触ったんですか!?」

 

 

「お前はどうやらマジで人類最強みてぇだな」

 リヴァイ兵長は俺を見てニヤリと笑みを浮かべる。そこには頼もしい仲間を得た喜びが滲んでいた。

 

「とはいえあの力は消耗が激しいので、立体機動の力も鍛えたいです。今後ご指導お願いします」

「任せろ、俺の全てをてめぇに叩き込んでやる。エルヴィン、平原での戦闘はこいつに任せる。それでいいな」

「ああ、その方が損害が無さそうだ」

「で、あのバカが興奮してる原因の巨人はどうするんだ? 持って帰るのか?」

「それに関してだが……バルト調査兵、あの捕縛している光の輪はいつ消える?」

「掛け直ししなければ3日ですね。あれでよく熊や猪を狩って捕まえてましたし……5m級は多く見積もっても腕力はそれ程じゃないはずでしょうから振り切られることも無いと思いますよ」

 

 

「よし、では少し戻ったところに町があったはずだ。そこに移動し仮拠点とする。

 ミケ班は2班を引連れ、捕縛した巨人を連れ帰る為の人材を集めてこちらへ派遣してくれ。その後、再び我々と合流し調査再開だ。

 その間、我々は更なるバルトの力について調査と検証を行う」

 

「了解した」

 ミケ班は部下と2班を引連れ来た道を戻っていく。

 

 俺はギャラクティカドーナツを操り、巨人2体を持ち上げる。

 

「……そんなことも出来るのか」

 エルドが苦笑いしながら浮かぶ巨人をみる。

「ええ、激しく暴れられると難しくなるんですがコイツら鈍いんで」

 

 

「ダメだわけがわかんねぇ」

「私もよオルオ。彼、当たり前のようにやってるけど如何に凄いことか分かってないのかしら」

 

 リヴァイ班のメンツが疲れた顔で呟いているが構わず移動を開始する。

 流石に馬を操りながらの舞空術とギャラクティカドーナツで巨人を運ぶ操作は集中力を使いすぎるため、俺も空を飛んで移動することにした。

 

 馬はモブリットが牽引してくれると申し出てくれた。

 

 何故かハンジを背中に乗せて空を飛ぶことになったが。

 

「おほぉー!! ワイヤー無しでほんとに飛んでるよ! しかも揺れないブレない! キミ、ブレードさえ補給出来れば無限に戦えるんじゃないの?」

「流石に無限は無理ですよ」

「そっかー」

「先に巨人が品切れになります」

「……アハハ!! 最高だよ君は! エルヴィン、何度も言うが私の勘は正しかっただろう!?」

 

「ああ、来季の研究費用の増額は期待していてくれ」

 

「おぉー、聞いた!? モブリット! 今の言葉メモしておいてよ!」

「分隊長! そろそろ降りてきてください! というか、なんでアンタの分の馬まで牽引する必要があるんですか!?」

 

 

 

 




ストックはまだあるんですが、書き直しなどもしてる為そろそろ1日1話みたいなペースは難しくなるかと思います。

頑張って書いていきますので、気長にお待ちください!
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