進撃のサイヤ人   作:ただのトーリ

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ここから先どんどん原作キャラ増えるのか……。
扱いきれるかなぁ。


バルト班

 あれから何度か壁外調査などを行った。

 

 小規模での調査では、ほぼ被害ゼロになりつつあるが大規模調査を行うとやはり少なくない被害者が出る。

 

 理由は俺の力の制限だ。

 

 

 小規模調査では基本的にエルヴィン団長の判断の下、俺の力を知るものだけが選ばれるため気を使った戦闘を許されていた。

 そのおかげで仲間の危険時にも余裕を持って対応出来る。

 

 しかし大規模調査の時はそうはいかない。

 エルヴィン団長曰く『お前はリヴァイ同様に人類を勝利に導く鍵の筆頭だ。現状でその力を不用意に見せびらかすのはデメリットしかない』との事。

 

 仲間を見捨ててまで守ることなのかと聞いたが『必要なことだ』と断言された。

 つまり、大きな未来(人類)のために小さな被害(仲間)を切り捨てる覚悟を決めていたのだ。

 

 

 原作でアルミンが言っていた。

 

『何かを変えることのできる人間がいるとすれば、大事なものを捨てることができる人だ』

 

 

 その言葉の重さを改めて見せられた気がした。

 

 だから俺は自らを鍛えまくった。

 俺が他の団員を守れるように、被害を少しでも減らせるようにと。

 

 そのために巨人を遠征の度に一体捕獲し、修行がてら肉弾戦での修行を繰り返した。

 急所さえ破壊しなければ無限に戦える無垢の巨人は、俺にとって最高のサンドバッグと言えた。

 

 

 その結果、調査兵団へ入った時より数段力が上がった気がする。

 

 

 それはいいのだが……俺の成長に食らいつくようにリヴァイ兵長もメキメキ力をつけていくのだ。

 俺はサイヤ人の因子が強さの秘訣なのだが、リヴァイ兵長はアッカーマン一族……つまり巨人の因子を持つだけの人間のはずだ。

 瀕死に陥る度に強くなるなんて素養はなかったはずなのに、壁外調査を繰り返す度に力を上げていくのだ。

 

 俺が15m級を相手にスパーリングしてる横で、リヴァイ兵長は巨人数体相手に攻撃せずにひたすら回避するという、人間離れした動きを繰り返していた。

 

 

 

 しかも行っていた気のコントロール修行をついに習得してしまったようで、自由自在とは行かないが、滞空と直線飛行だけ数百メートルを高速移動が可能で、俺を抜けば速度は現状トップレベルだ。途中で5分ほどのインターバルを置けば再度飛行も可能と来た。

 

 また溜めが必要だが気功波を放つことにも成功。気弾以上かめはめ波未満と言った感じだ。

 ただこちらは一日の弾数は3発まで、それ以上使うと舞空術もままならなくなる。

 

 

 だがそれでもアッカーマン一族の異常性を見せつけられた気分だ。

 

 またミケも気のコントロールを習得、舞空術で細かな動作をする事だけに関してはリヴァイ兵長より上だ。

 ……もしかすると、あの日を生存する可能性が大きく増えたかもしれない。

 

 ペトラはまだゆったりとした物とはいえ舞空術に加え、気の譲渡を習得した。

 

 気の譲渡は自身の余剰エネルギーを他者へ送り込むことで治癒能力を促進させる技術だ。

 もちろんペトラの持つ気の総量はそれほど多くないため、応急手当レベルだがそれでも十分価値がある。

 

 

 このように徐々に気を操ることを可能にした兵士が増えつつある。

 

 

 

 また、俺にも大きな節目が訪れた。

 界王拳の再現に成功した。

 

 リヴァイ兵長との遠征中に一度、危険に陥ったことがある。

 

 独断専行し、負傷した調査兵を庇いながらの撤退戦が発生したのだ。

 

 そんな時15m級の奇行種が負傷者を執拗に狙い始めたのだ。

 

 俺もリヴァイ兵長も必死に抵抗したが、その数が異常で徐々に押されつつある状況になっていた。

 このままでは救助に来た兵士にも被害が出る。

 

 そんな時、小柄な巨人が不意打ちのように負傷者が乗る馬車を横転させた。

 そこに群がる巨人の群れ。

 

 咄嗟に命令を忘れ気を解放した瞬間、体にいつもと違う変化が起きた。

 赤いオーラが身を包み、これまでとは段違いの力が溢れ出したのだ。

 中から外へ溢れ出す気とそれを内側へと押し留めようとする気の流れ。

 

 

「おい、お前それは……」

 

 隣で何かを言うリヴァイ兵長の言葉など耳に入らず、行けると思った次の瞬間には叫んでいた。

「界王拳……3倍だぁ!!!」

 

 まるで時の流れが遅くなったような加速。

 迫る巨人の腕を殴りつけるだけで根元から弾け飛ぶ。すれ違うだけで巨人は枯葉のように空を舞い上がった。

 

 急加速と急停止、そして方向転換を駆使して巨人を殴り飛ばす。

 それを繰り返し、大小様々な巨人を空に打ち上げた所で構えを取る。

 

 

「か……め……は……め……波ぁぁぁぁぁああああ!!」

 

 一気に10体前後の巨人を全身丸ごと消し去っていた。

 

 

 その後、反動で俺が倒れてしまい一時は騒然としたが、俺が放ったかめはめ波の光を遠くから見つけたエルヴィン団長率いる部隊が合流。

 

 

 結論から言えば、独断専行した兵士は新兵でありながら次々と功績を挙げていく俺に対する嫉妬から来る暴走だったと判明。

 

 もちろん、部隊を危険に晒したとしてかなり重い罰を与えられたらしいのだが、それよりも当人は俺に対して尊敬の眼差しを向けるようになっている様子らしい。

 

 なんでも『命の恩人、強さに惚れた、あの人は人類の未来だ』と知り合いに言って回ってるらしい。

 

 

 持ち上げるような発言を止めるように言いに行ったら……土下座する勢いで『バルトさんの班に入れてください』と頼み込まれる始末。

 これを聞いたリヴァイは面白そうに「折角だ、お前が鍛えてやれ」と言い出した。

 

 ハンジは「もう、バルトはそろそろ自分の班を持ってもいいと思うしね」と賛成。

 他にもミケや他班長たちもこれに賛成。

 

 こうして俺は調査兵団所属からわずか半年で兵士から班長へと昇格した。

 

 

 

 ちなみに階級だが以下の通りになる。

 

 ・司令官(ピクシス等)

 ・団長や師団長(エルヴィン、ナイル)

 ・兵士長(リヴァイ)

 ・分隊長(ハンジ、ミケ)

 ・班長(俺……etc.)

 ・兵士

 ・訓練兵

 

 

 

 

 ともあれ、俺の部下に配属された兵士の名前を聞いてみた所何の運命なのか、聞き覚えのある名前だった。

 

 ゲルガーとナナバ。

 

 

 原作だと非武装の104期生を守るために孤軍奮闘し、最後には無惨な死を迎えた者達だった。

 

 こうなればヤケだとエルヴィン団長に彼らの限界までの強化を申請。

「作戦に支障のない範囲で許可する。また強化に成功した暁には特殊作戦班として今後活躍してもらう」

 と許可された。

 

 ちなみに暴走したのはゲルガーの方で、ナナバは彼に「あの人はすごい、リヴァイ兵長を超える兵士だ」と聞かされ興味を持って一緒に配属を希望したというのが顛末だ。

 また班は基本的に5人1組が常識だが、俺たちは3人1組(スリーマンセル)となった。

 理由は集中的な指導をするためである事と、特殊作戦班として運用するならば高速機動を目的とするため人数は最低限に収めるためだ。

 今後は増えるかもしれないが、今はこれでいい。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 

「さて、まず自己紹介をしようか。俺は新しく班長になったバルト・ロメオだ。経歴だけで言えばアンタらより下だが、この立場になった以上、遜るつもりは無い。とはいえ、そちらも経歴で下のやつにヘコヘコするのも業腹だろうから同期に喋るような口調でいいぞ。もちろん作戦中は弁えてもらうが、それ以外は普通に接してくれて構わない」

 

 とりあえず言いたいことを伝えるとゲルガーのやつは「恐れ多い」みたいな様子だが、ナナバは少し意外そうにしていた。

 

「もっと生意気なやつかと思ったか?」

「あ、いえ……いや、正直実力主義でのし上がったガキンチョだと思ってたよ」

「おいナナバ、テメェーー」

「暴走やらかしゲルガーは黙ってろ」

「……はい」

 

 ナナバの態度にゲルガーが息巻くが止める。

 

「大規模の調査でも部隊が離れてたこともあって、ナナバとはこうやって話すのは初めてだよな」

「ええ、噂しか知らなったからちょっと意外に思ってる。こんな可愛い顔だったなんてね」

「そりゃ嬉しいな、俺彼女募集中だから」

「あら? 訓練兵に可愛い幼なじみがいるって聞いたけど?」

「あー、サシャは妹みたいに思ってたからなぁ。確かに顔は可愛いんだけど、あいつの飯食う時の鬼気迫る感じを見ちまうと、女とは思えねぇんだよ」

「はは、可哀想に。飯を美味そうに食う女は嫌い?」

「いんや、むしろ好きだね。ただアイツはもうちっと懐の広い男とくっつくべきだと思うんだよなぁ。俺結構束縛するから」

「あら、私は結構じゃじゃ馬だよ?」

「そういうのを乗りこなすのって楽しくない?」

 

 軽口に軽口で返していると、ゲルガーのやつがぽかんとした顔で俺を見てる。

 

「ナンパな奴だって軽蔑したか?」

「あ、いえ、むしろ親しみやすいって思いました!」

 敬礼のポーズで答える。

 うーん、こいつの俺に対する硬さはどうにかならん物か。

 

 するとナナバはゲルガーを窘めるように言った。

 

「あんたねぇ、尊敬するのは構わないけどそれを望まない上司に押し付けるのは逆に失礼だってわかってる?」

「え、そう、なのか?」

「私とのやり取りでわかっただろ? 班長さんは気安いやり取りの方が好みなんだよ」

 

 その言葉に頷いてみせると、少し困惑しながらも「じゃあ、俺も……普通に喋っていいか?」と恐る恐る聞いてきた。

 

「おう、それでいいぞ。今度美味そうな肉取ってきたらそれを摘みに1杯やろうぜ」

 

 そこからはゲルガーのヤツは打ち解けた。

 

 

 

 

「バルト! 珍しい酒が手に入ったんで一緒に飲もうぜ!」

「こら、酒よりまずは報告を先にやりな! 班長もだよ!」

「ちぇっ、ナナバは頭が固ぇーな」

「ほんとだぜ」

 

 こんなやり取りが街中でちょくちょく見られるようになるのだった。

 

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