とても助かってます。
はようジークくんの心を粉砕玉砕大喝采してあげたい。
p.s:タイトル入れ忘れてたんで直しました
「さぁ行くぞ! 怖くてここを動けないなんてバカはいないだろうな!? 腰抜けと言われたくなければ俺とミカサが切り開いた道くらいは駆け抜けて見せろ!」
俺が叫ぶと皆覚悟を決めたようにブレードを構える。
巨人の急所を切り捨て、時には気弾で撃ち抜く。
ワイヤーでの軌道に比べて舞空術ならばより細かな旋回や回り込みが出来る為、非常に戦いやすい。
「ぉおラァッ!」
俺を無視して後続を狙おうとする奇行種には打撃で吹き飛ばして無効化する。
「ミカサ飛ばしすぎだ! ガスを無駄使いするな!」
そんな中ミカサだけは異様な速度で戦場を駆け抜けていた。
やはり動揺を消せなかったのかミカサは暴走気味だ。
ガスが切れる前にアルミンに指示を出す。
「アルレルト訓練兵! スプリンガー訓練兵! お前たちはアッカーマン訓練兵をサポートしろ! ついでにこの予備を持っていけ!」
俺はボンベを外してアルミンへと渡す。
「りょ、了解!」
「バルト、お前の分はどうすんだよ!?」
「必要ない! 徒歩でも巨人に負けねぇんだ、あってもなくても変わらねぇ! あと現場じゃ俺が上官だ口に気ぃつけろ! はっ倒すぞ!」
「すんません!!」
飛びながら頭を下げる器用なコニー。
「俺もーー」
「キルシュタイン訓練兵はこちらの指揮を取れ!」
「なん」
「ボット訓練兵はその補佐! この作戦中は常にペアで動け! 命令だ!」
「は、はい!」
文句を言わせずにひたすら命令を飛ばす。
「ブラウン訓練兵、フーバー訓練兵、レオンハート訓練兵、ブラウス訓練兵は俺と共にこい! 貴様らには実地での戦闘訓練を施してやる!」
「了解!」
「りょ、了解!」
「……了解」
「あたしもですか!?」
サシャはビビりながら叫ぶが既に俺の元へ近寄ってきた。
やはり共に狩りをしてきただけあってサシャの適応力は高いな。
「後続の動きが怪しいヤツがそこそこいる。脱落者を減らすために殿を行う。ブラウンとフーバーは同郷だったと聞く、コンビネーションを活かして立ち回り、やれそうならドンドン狩れ! ただし無理をするなよ!
レオンハートとブラウスの二人もペアで動け。二人とも近接戦に高い適性がある、コンビネーションを意識せず、自身の得意なスタイルでの回避に専念しつつ後続の遅れてるやつを援護しろ! ただし離れすぎるな、あくまでペアであることを意識しろ! わかったら配置に付け!!」
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ライナー目線
指示に従い、後方に下がるとガス切れが近づいて遅れているやつの援護を行った。
なかなかに骨の折れる作業だが仲間を助けるためだ、これくらいは兵士として当然だ。
「凄いな、あの一瞬で適切な配置を指示して見せた」
ベルトルトが感心した様子でつぶやく。
ああ、伊達に調査兵団に一年も早くスカウトされた訳じゃないってことか。
「それに、さっきから立体機動を使ってないよな。やっぱり飛んでるのは見間違いじゃないのか?」
「ベルトルト、雑談はあとにしろ! 俺達も余裕ある状態じゃないんだ!」
「わ、悪い」
どうしたってんだ、普段のベルトルトにしちゃ目付きが険しいな。まるで敵を見るような顔をしやがって。
流石に同期で一歩以上前を行かれてることに焦ってんのか?
だがバルト、あいつはマジですげえやつだ。俺もアイツみたいな戦士になりたいもんだ……戦士? 何言ってんだ、俺は兵士だろうに。
どうやら疲れてるみたいだな、この戦いが終わったら休息を貰いたいもんだぜ。
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サシャ目線
やばいやばいやばい!
バルトの目がマジや!
昔一度だけ本気で怒らせたことがあるけど、あの時も今みたいな目をしてた。
その時はおじさんとおばさんが止めてくれたから良かったけど、今はいない。
さっき実地での訓練なんて言ったけど、あの目ぇしたバルトの言う訓練は多分死ななければ全部訓練と言い出しかねないほどヤバいやつや。
昔、バルトに見せてもらったことのある
なにより……バルトは修行をサボると、いつも肉を抜きにしてくる鬼なんや!
最近は肉を振舞ってくれるようになったけど、もし今回の事で不興を買ったらまた肉抜き生活になる!! それは絶対に阻止せぇへんと!!
肉ぅーーー!!!!!
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バルト目線
ん? なんだかサシャの動きがいつもよりいいな。
しばらく見ないうちに腕を上げたのか?
こりゃ俺もうかうかしてられないな。
それとサシャもやる気あるみたいだし、今度ちょっと厳しめに指導してやるか。
「ひぃっ!?」
どうした、急に悲鳴なんて上げて。
おっと、それよりも援護をしないとな。
後方に位置してるとはいえ、前方の援護も行わないといけない。
「どどん波」
隙間を縫うように光弾が前衛に迫っていた巨人の眼球を撃ち抜いて行動不能にさせる。
命を奪うには火力が弱すぎるが、こういった妨害には向いてる技だ。
驚いてジャンのやつが振り返る。
そして何やら気合いが入ったのか仲間たちに指示を飛ばし速度を上げた。
あいつは本当に指揮官向けだ。マルコが隣にいることもあってその勢いは増すばかりだ。
そんな中、ガス切れで動けなくなった奴がいた。
巨人に囲まれ、捕捉されてしまったようで悲鳴をあげている。それを助けようと突撃しかける訓練兵もいた。
「トム、今助ける!!」
「今行くわ!」
仲間たちの制止を振り切り、救出のために突撃を仕掛けるが二人ともほかの巨人に捕まってしまった。
「嫌だ助けてくれぇ! 死にたくない!!」
「いやあああごめんなさいごめんなさい!」
「ミイラ取りがミイラ、ってやつだ。まあミイラと言っても伝わらんだろうが……な!!」
気の解放を行い加速して2体の巨人の腕を切り落として解放する。
落下する2人を無視して、丸呑みされかけていたトムという訓練兵の元へギリギリのところで駆けつける。
「危なかったな」
閉じようとしていた口に足と手をかけて閉じないように抑える。
「は、班長ぉぉぉ……」
涙でぐちゃぐちゃだ。
ほれ、捕まれ。
手を差し出して捕まえると、屋根の上へと放り投げ、巨人の下顎を抑える足へ力を込める。
「臭ぇ息をいつまで吐いてんだ糞巨人がっ」
踏み抜くように蹴り飛ばすと、顎が吹き飛ぶ。
それによって余裕の出来た手を喉奥目掛けて突き出し、気弾を喉奥目掛けて放って首を消し飛ばす。
地面にころがっていた訓練兵達を拾い、無理やり抱えて屋根上に避難する。
ちょうどそのタイミングで後続を援護していたサシャ・ライナーペアも追いついた。
「ありがとうございますっ! ありがとうございます!」
「死ぬかと……おもった……」
「怖かった、こわかったよぉ……」
腰を抜かす3人から離れる。
ありゃしばらくダメだな。心が完全に折れてる、この後の戦いは無理だからどこかで安全地帯に置いてこないと。
「キルシュタイン訓練兵!」
「はっはい!!」
「俺はコイツらを壁の上に連れていく。戦えるだけの精神がもう残ってねぇ。その間の指揮はお前に任せる」
「わ、わかりました!」
「安心しろ、全てをこなせとは言わない。お前はやれる事をやるだけでいい」
俺の言葉に少しだけ自信なさげに俯く。
「やれる事……」
「そうだよジャン! 僕も手伝うからさ! もう少し頑張ってみようよ!」
「マルコ……」
マルコの声援もあり、奮起した様子のジャンは残ったメンバーを引き連れて補給拠点へと向かった。
それを見送ると、先程の3人を連れて壁上へと移動するのだった。
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さてと、心折れた奴らは後衛に預けてきた。みんなの様子はどうだ?
目を細めて見ると、補給拠点の周辺でエレン巨人が暴れているのが見えた。
やっぱりこうなった。
グリシャ・イェーガーに全く接触せずにあの日を迎えた時点で、原作通りのシナリオを進んでいたはずだ。
となると、エレンはあの日の翌日に母親を失った傷心のまま父を知らずに食わされたのだ。
あまりにも酷すぎる運命だ。
そりゃ追い詰められて世界の全てを踏み潰そうとするよ。
あの物語は世界の闇と人類が繰り返してきた憎しみの連鎖が原因で、それをたった1人が全てを解決しようとした結果だ。
最終回だけは見る事が出来なかったからどうなったか知らないけど、地ならしで世界が崩壊していくのを見た時は本気で絶望したわ。というか最後のエレン化け物すぎるだろ。
「俺というイレギュラーが既に紛れ込んでるんだ。シナリオ通りになんて絶対させないからな」
雄叫びを上げて巨人を殺す悲しい姿を見ながら、俺は決意を新たにする。
補給所でジャンたちが頑張ってる間に俺とエレン巨人は共に巨人を殺し、時間を稼ぐ。
ある程度減ってきたところでジャンたちが外に出てきたのを見つける。
どうやら補給も出来たようだ。
「そろそろいいかな」
エレン巨人に向き合う。
「さてと、お前にゃちょいと話があるんだ。一緒に来てもらおうか!」
拳を振り上げて、巨人エレンを殴り飛ばす。
「せやあああ!」
『グオォォォ!?』
それだけで15mの巨体は空をふわりと飛んで壁際まで飛んでいく。
ついでに周辺の雑魚巨人を抹殺しつつ、周囲の気を探る。
壁に叩きつけられるようにぶつかり、倒れ込むエレン。
周囲に誰もいないことを確認した俺は、巨人の首後ろにいるエレンを無理やり引きずり出した。
うわ……なんか肉の塊から人を引きずり出すのグロいな。
びくん、と巨人の体が揺れたかと思うとそのまま力尽きてそのまま消えていく。
「さてと……とりあえずは壁上にいくか」
エレンを担いで壁の上へと移動する。
横たわらせて休めていると、ゲルガーが戻ってきた。
「バルト班長、ここにいたんだな!」
「おう、わるいな色々と雑務押し付けちまって」
「いえ……とりあえず避難民の安全は確保終了です。ナナバのやつがキッツの行動について中央への苦情を入れてるところです。
……そいつは訓練兵ですか?」
横たわるエレンを見て目を細める。
「ああ、俺の同期でな。たぶん、今後こいつには辛い未来が待ってる」
「未来……?」
首を傾げてるところ遅れてナナバがやってきた。
「ここにいたんですね! 今ピクシス司令が内壁付近にやって来ています。班長の意見も聞きたいそうです」
「わかった……その前にお前たちには先に伝えておくべきことがある」
振り返ってナナバとゲルガーに向き合う。
「なんですか改まって」
「さっきは余裕が無かったから説明できなかった予知能力について改めて話しておこうと思ってな」
唖然とする2人に前もって考えていた「未来察知」について伝える。
・まず能力は自由に発動できず、突然めまいと同時に襲ってくる。
・基本的に内容も断片的で、場所などの特定も難しいほど不鮮明。
・さらに明確に見て取れるほどの鮮明さがあるのは稀、そのため見たところで直前になるまでその意味が理解できないことの方が多い。
この3点を話した。
「未来を見るだなんて……班長はどんどん人間離れしていきますね」
「はは、俺もそれは自覚してる。ただ内容が不確定過ぎてこれを伝えて作戦に支障をきたしても問題だから、今まで言えないでいたんだ」
「……たしかに、不鮮明な情報であれば逆に混乱を招く結果になるかもしれません。しかしこれはーー」
「ああ、後でエルヴィン団長達にも報告をする。とりあえず少ししたらピクシス司令のところに向かう。お前らは先に行ってろ」
「わかりました」
「話せる範囲でいいんで、今度俺らにも話してくださいよ?」
ナナバは素直に頷き、ゲルガーは軽口叩きながらも気にしていないとばかりに笑みを浮かべた。
2人はまだ聞きたいと言った顔だが、この場は俺の顔を立てたようだ。
二人が居なくなるとエレンがようやく意識を取り戻すようで、反応を示した。
「う、ううん……」
意識を取り戻したエレンの傍による。
「大丈夫かエレン」
「……ば、ると……ここは、ーーっ、そうだ俺」
慌てて体を確かめるがどこにも怪我は無い。混乱した顔で腕や足を見ているあたり、恐らく変身前に欠損していたんだろう。
「エレン、どこまで覚えてる」
「俺は……アルミンを助けて巨人の腹の中に落ちて……そこから……」
「巨人への駆逐する誓いを口にしていた、違うか?」
「そ、そうだ! それでそこからの記憶がないんだ……なんでそんなことをお前が知ってんだよ」
「いいかエレン、落ち着いて聞け」
「なんだよ」
「……お前は、巨人の血に呪われちまったんだ」