進撃のサイヤ人   作:ただのトーリ

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感覚的には現段階で界王様の修行を受けてるくらいの強さ。
戦闘力1000~2500くらい。

チート転生として既に界王拳も使えるしスーパーにも慣れるけど、体が負担に追いつかないためリミッターがかかってる状態。
成長することで少しづつ解禁していくスタイル。



暴露からの勧誘

 訓練兵となって2年が経った。

 100人いたはずの訓練兵は既に40人弱にまで減ってしまった。

 訓練の過酷さについて来れず脱落したものや、途中で事故により命を落とした者もいる。

 

 

 そんな中、既に訓練に慣れてきてしまい、物足りなくなりつつある今日この頃。

 

 周りのみんなは苦しいやらきついやらと言っているが、どうしても元々の身体のスペックに差があるのか疲労を感じない。

 

 最初こそ疲れやら筋肉のこわばりを感じたのだが、どうにも鍛えれば鍛えるほどそれに答えるように強化される肉体のせいでもはや負荷となり得なくなっていたのだ。

 

 

 その事をエレンたちと飯を食いながら呟いたら化け物を見るような目で見られた。

 

「バルト……さすがに私でも『物足りない』なんて言えない」

 体力おばけと言われたミカサにすら引かれたことにちょっとショックを受けた。

 

 そしてサシャに至っては「でしょ!? この人昔から化け物じみた体力してるんですよ! 一緒にいるこっちの身にもなって欲しいです!」と我が意を得たりとばかりに騒ぎまくる。

 

「そもそもお前の方から毎日俺のところに来てたじゃねぇか」

「そ、それは貴方が毎回美味しいお肉を取ってくれるから……」

 

 そんなやり取りをしていると、不意にコニーが絡んできた。

 

「お前ら幼なじみなんだよな? 村では何してたんだよ」

「んー……主に狩りと修行かな」

「しゅぎょう?」

 

 首を捻るコニーだがエレンは目を輝かせる。

 

「お前、兵士になる前から訓練してたのかよ!」

「まあ、こんな事態が起きるなんて思ってなかったけどな。趣味のようなもんだ」

 

 そこにライナーとベルトルトが混ざる。

 

「それでもいい心がけだと思うぜ。対人格闘術だとミカサ・アニ・バルトの3人がトップ成績だ。正直、この3人とはやり合いたくないってくらいだぜ」

「うん、アニの蹴りも鋭いし、ミカサの拳も速くて目で追うのがやっとだ。……バルトのはもう見えないくらいだね」

 

 2人からの評価を聞きつつ、内心では彼らに対する扱いを決め兼ねていた。

 

 ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバー。

 彼らの正体は鎧の巨人と超大型巨人だ。

 

 理由は……なんだったか、人類の殲滅だかなんだか言っていたがうろ覚えだ。既に転生してから9年経とうとしてるせいであやふやだ。

 もっと早くここが進撃の巨人の世界だとわかっていれば、記憶が鮮明なうちにメモを取ったのだが、残念ながら中途半端なものになってしまった。思い出せたらそのタイミングでメモしていこう。

 

 

 

 

 それでも彼らの人格そのものは好ましいものだった。

 出来れば敵にしたくない。

 

「まあな、俺の目指すところは地上最強だからな」

「地上最強? 人類最強じゃなくて?」

 

 俺の言葉に話を聞きつけたトーマスが口を挟む。

 

「ああ、人類最強じゃそのうち別の人間に脅かされるからな。地上生物最強になれば誰にも俺の大切なものを奪わせないで済む。地上最強の力、それは人間も法律も、更には巨人などの全てを蹴散らす力になるからだ」

 

「壮大な夢だなぁ」

 トーマスの後ろでミーナも感心した様子で呟く。

 

 ……お前たちもその守りたい対象なんだよ。

 原作では彼らは真っ先に死んでしまった。

 呆気なく死んでいく仲間たちの姿に漫画を読みながら唖然とした覚えがある。

 

 だが今は漫画でも物語でもない、実際に生きる世界なのだ。

 彼らの未来が決めつけられていようと、俺は必死に抗うと決めている。

 

 だからもっと強くなりたいのだ。

 

「……キース教官に特別メニュー作ってもらうように打診してくる」

「は!?」

 

 驚くエレンを無視して立ち上がり、宿舎を出て行く。

 後ろから「あいつやっぱどこかオカシイって!」という声がきこえた。

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「教官、少しよろしいでしょうか」

 コーヒーを飲んでいたキース教官に声をかけると彼はゆっくりと振り返った。

 

 

「バルト訓練兵か、どうしたこんな時間に。明日も訓練があるのだからさっさと寝て明日に備えろ」

「実はその訓練についていくつかお願いがありまして来ました」

「言ってみろ」

「どうか俺の訓練メニューを今の倍、もしくは3倍厳しくしたものを組んではいただけませんか」

 

 その言葉に目を見開くが、動揺を直ぐに抑えて「理由は」と続きを促してきた。

 

「実は最近の訓練内容があまりにもぬるいのです」

「……自惚れ、では無さそうだが……それにしても大きく出たな」

「事実ですので、正直ココ最近の訓練ではスタミナの向上すら感じられません。本音を言えばもう巨人相手に実戦経験を積みたいくらいなのです」

「……流石にそれは無理だ。貴様が優秀であることは認めよう、おそらく今期の訓練兵の中ではダントツで一番だ。しかし、それはあくまで訓練兵の中での話だ」

「もちろん、技術面においては先輩方には負けます。ですがそれは皆と同じ土俵で戦った場合に限ります」

「……どういう事だ」

 

 俺の言い回しに何かを感じとったのか目を細める教官。

「少しだけ、訓練場へ行きませんか」

「ーーいいだろう」

 

 僅かな逡巡の後、彼は頷いた。

 

 

 

 訓練所に移動をすると、俺は教官と向き合う。

 

「それで、何をするつもりだ? 見たところ立体機動装置もつけていないようだが?」

「はい、今から教官には俺の秘密を1つ打ち明けたいと思います。それを見てもらい、必要なら然るべき所へ報告してもらいたいと思っています」

「秘密……?」

 

 訝しむ教官から少し離れ、両足を肩幅ほどに開き向き合う。

 

「人間には気と呼ばれるエネルギーが存在します。それらは基本的に川の流れのようにただひたすらに身体から外へと流れ出ているもので、総量は人によって大きく異なります。

 ですがその気の総量は鍛錬などによって多くすることが可能で、肉体の強化により反映されていくのが気の本質です」

 

 

 グッと僅かに力を込める。

 すると身体から白い炎にも似たゆらぎが立ちのぼる。

 

「見えますか? これが肉眼に見えるようになるまで練り上げられた気の姿です」

「これは……」

「気は高めれば高めるほど、その人物の戦闘力を大きく底上げしていくことが可能です。このように」

 

 そう言って訓練所に無数に自生している巨大な大木目掛けて拳を振り抜く。

 次の瞬間、轟音と共に木がへし折れる。

 

「なっ……」

 驚きを露わにするキース教官。

 流石に気を解放して打ち込めばこうなるか。

 

「……他にもできることは多数あるのですが、これ以上は騒ぎが大きくなりすぎますので」

 

 そう言うと、ハッとした様子で周囲を見回す教官。

 すると先程の音を聞きつけ駐屯兵団が駆けつけてきた。

 

「貴様、これが狙いか」

「すみません教官、これが一番手っ取り早い方法だったので」 

 

 騒動を聞き付けた駐屯兵団によって俺と教官は一時拘束されることになった。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 その翌日の昼過ぎ、俺は調査兵団の屯所へと来ていた。

 

 

 原因不明だがトラブルを起こした張本人として地下牢に1泊させられた。

 

 普通ならば数日の謹慎のはずだが、キース教官が俺の言葉と行動を真実だと証言してくれたことで、翌日の朝には噂を聞き付け眼鏡をかけた調査兵団所属ハンジ・ゾエが会いに来た。

 

「君かい? 素手で木を殴り折ったという巨人顔負けの力を持つ子って」

「はい」

「ひとつ聞くけど、君はその力で何をしたいんだい?」

「そうですね……とりあえずウォールマリアから巨人を消し去って狩場を取り戻したいですね。肉の少ないスープはもう飽き飽きです」

 

 そう言ってやると、一瞬キョトンとした顔をしたと思いきや腹を抱えて笑いだした。

 バカにするような笑いではなく、ひたすらに愉快だという笑い。

 

 長年、巨人相手に屈辱と辛酸を味わわされて来た歴史の中、これ程豪胆かつ不遜な言い回しをする人間など数える程しか知らない。

 

「面白いね君、よし! 私と一緒に来てくれるかな? 君ならきっと楽しめる場所だと思うよ?」

 

 俺はその言葉に対し、待ってましたとばかりに口端を大きく歪めて笑う。

 

「喜んで」

 

 

 

 

 

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